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<br />1976年7月<br /><br />ここに来て半年、任期の四分の一を終えようとする今、もう一度自分のあり方を振り返る。<br /><br />私がここにやって来た真の目的は、日本・ザイール両国の関係を深めることと考えている。<br /><br />我が国が本気で両国の親交を深めようとするならば、私のやっているようなプロジェクトだけでなく、ゆっくりと長い時間をかけ、エネルギーを費やすことが必要だろう。<br /><br /><br />数十年単位の時間ではなく、数百年単位の時間を視野に入れながら・・・。<br /><br />またお金を掛けるよりも、人間の交わりを重視して・・・。<br /><br />もしお金を掛けるならば、もっとゆっくり相手の社会を見ながら、総合的な視点から・・・。<br /><br />世界の他の国と競争するよりも、協調して・・・。<br /><br /><br />ここに駐在するからには、ザイール社会やザイール人の心に、深く溶け込むことが必要だろう。<br /><br />同時に、日本人の考え方や生き方を、彼らに理解させてゆく努力が・・・。<br /><br />国際理解の第一歩は、相手を理解するよりも、自分を理解させることではないだろうか。<br /><br />自分を理解させるには、まず自分を知らなければならない。<br /><br /><br />あるいは、われわれの交わろうとすべき相手国は、ザイールだけでなくアフリカ50余カ国、いや世界200余カ国なのかも知れない。<br /><br />その交わり方のコツを、ここキンシャサで見出し磨いて行く。<br /><br />プロジェクトは、そのためのワンステップに過ぎない。<br /><br /><br />日本からは、プロジェクトを進めるよう、要請が続く。<br /><br />もし進まないならば、借款の対象を変えようとか、借款を中止しようなどの動きが見えている。<br /><br />国鉄としては、このプロジェクトの発掘以来リーダー的動きをしているので、うまく行かないときには、信頼面でのダメージは免れないだろう。<br /><br /><br />しかし、この日本有史以来の345億円と言う大プロジェクトは、慌ててやるにはもったいなさ過ぎる。<br /><br />ザイールにして見ても、GDPの5%もの借款を、やすやすと進めてはならない。<br /><br />国内投資の優先度を確かめ、並行投資の進捗を見ながら、腰を落ち着けて前進しよう。<br /><br />ここで、無理強いする形で、プロジェクトを進めてはいけない。<br /><br /><br />日本大使の後任選びが難航していることは、ザイール側にも伝わっている。<br /><br />ここで日本に対する信頼が失われ、反日派を元気にすることは、われわれにとって最悪の事象なのだが・・・。<br /><br />

キンシャサ日記【663】日本を信頼させることがもっとも重要

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1976/07 - 1976/07

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ソフィ

ソフィさん


1976年7月

ここに来て半年、任期の四分の一を終えようとする今、もう一度自分のあり方を振り返る。

私がここにやって来た真の目的は、日本・ザイール両国の関係を深めることと考えている。

我が国が本気で両国の親交を深めようとするならば、私のやっているようなプロジェクトだけでなく、ゆっくりと長い時間をかけ、エネルギーを費やすことが必要だろう。


数十年単位の時間ではなく、数百年単位の時間を視野に入れながら・・・。

またお金を掛けるよりも、人間の交わりを重視して・・・。

もしお金を掛けるならば、もっとゆっくり相手の社会を見ながら、総合的な視点から・・・。

世界の他の国と競争するよりも、協調して・・・。


ここに駐在するからには、ザイール社会やザイール人の心に、深く溶け込むことが必要だろう。

同時に、日本人の考え方や生き方を、彼らに理解させてゆく努力が・・・。

国際理解の第一歩は、相手を理解するよりも、自分を理解させることではないだろうか。

自分を理解させるには、まず自分を知らなければならない。


あるいは、われわれの交わろうとすべき相手国は、ザイールだけでなくアフリカ50余カ国、いや世界200余カ国なのかも知れない。

その交わり方のコツを、ここキンシャサで見出し磨いて行く。

プロジェクトは、そのためのワンステップに過ぎない。


日本からは、プロジェクトを進めるよう、要請が続く。

もし進まないならば、借款の対象を変えようとか、借款を中止しようなどの動きが見えている。

国鉄としては、このプロジェクトの発掘以来リーダー的動きをしているので、うまく行かないときには、信頼面でのダメージは免れないだろう。


しかし、この日本有史以来の345億円と言う大プロジェクトは、慌ててやるにはもったいなさ過ぎる。

ザイールにして見ても、GDPの5%もの借款を、やすやすと進めてはならない。

国内投資の優先度を確かめ、並行投資の進捗を見ながら、腰を落ち着けて前進しよう。

ここで、無理強いする形で、プロジェクトを進めてはいけない。


日本大使の後任選びが難航していることは、ザイール側にも伝わっている。

ここで日本に対する信頼が失われ、反日派を元気にすることは、われわれにとって最悪の事象なのだが・・・。

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