1976/07 - 1976/07
44位(同エリア296件中)
ソフィさん
1976年7月
この任地ザイールで、貴重な人生の2年間を埋める。
日本で自ら手をあげて赴任した人は、あまり聞いたことはない。
島流しにされたと考えるか、せいぜいプラス思考をしても、今の我慢が将来の出世に役立つかもしれないと考えることだろう。
外務省や各商社は、派遣者選びに困っている。
その典型である大使の人選だが、前任が二人続けて任期中に発病して、後任が決まらないまま帰国したために、現在空席が続いている。
一度他省の人が決まりかけたが、「不評の地にわが省のポストを選ぶなんてけしからん」との意見が出て、消えてしまったと聞く。
商社なども、当地の悪口を本国に流すものだから、ますます後任が決まりにくくなる。
極端な例だが、「大雨ごとに下水が街にあふれて、し尿処理場の中で暮らす見たい」だとか、「命が奪われる危険を感じて、朝のジョギングさえままならない」とかの記事が日本の週刊誌に掲載される。
先日着任した私の部下も、送別会のあいさつで「ザイールに行ったら仕事はしないでいい。ゴルフでも思い切り楽しんで来い」などと言われた。
これが人事実務の最高責任者、すなわち会社のリーダー格の人の言葉だから、在勤者はますます腐りたくなっても不思議ではない。
いっしょに仕事をしているフランス人に「君たちには左遷意識があるのか」と訊いてみると「われわれは希望してここに来ている」と答える。
逆に「左遷されてでも、なぜ会社に残っているのか」と、訊き返される。
彼らには、二倍半近い給料、一年に2ヶ月間の帰国、50歳での年金取得権などの恵まれた条件がある。
われわれが会社人生のほんの一時期をここに暮らすのに比べ、彼らは人生の全キャリアを外国暮らしに費やしている。
したがって外国勤務の点では、アマとプロの差がある。
日本が「国際援助」あるいは「国際協力」でヨーロッパなどの先進国に並ぶには、数十年という経験・努力の積み重ねが必要だろう。
現在その経験を積みつつわれわれは、その経験を深めると同時に、後輩たちに伝えていかなければならない。
その責任の重さは、考えるほど大変なことがわかる。
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