2004/06/18 - 2004/06/18
516位(同エリア917件中)
カンゲンさん
6月25日、スペインのセビリアで開催中の『第33回世界遺産委員会』は、「ドレスデンのエルベ川流域」を世界遺産(Ref:1156)から抹消すると決定した。エルベ川に新しく4車線の橋が架橋されることになり景観を損ねることがその理由。
第二次世界大戦末期の1945年2月13日、この地は連合軍による空襲で徹底的に破壊される。
戦後東ドイツ領となったドレスデン、政府はバロック建築の復元には無関心であったが市民による聖母教会復元の寄付集めが始まり、1948年に市民の手で聖母教会の瓦礫の中から復元に使えそうな石が拾い集められたのがその第一歩であった。
共産党政府は宗教を毛嫌いし、町の中心地にソ連好みの巨大なホールや殺風景なアパートを建てることを計画したようだ。
市民と政府の熾烈な攻防は1966年まで続き瓦礫の山を平和記念碑として保存することが決定する。
瓦礫の調査選別は、1994年5月までかかり10万個を超える石が集められた。
この年から工事が始まり2004年6月、聖母教会のドームのてっぺんに十字架がつけられ完成を見る。
(川口マーン恵美さんの著書「ドレスデン逍遥」草思社:2005年刊を参考にさせてもらいました。)
市民総出で歴史的建造物の保存と復元に執着し、熾烈な攻防を経て実現した例はドイツ中探してもドレスデン以外にない。
それだけに今回の決定を残念に思う。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
ドレスデン(ドイツ) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
8