1976/06 - 1976/06
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ソフィさん
1976年6月
6月に入って、ある早朝のことだった。
テラス月に出て眼下のザイール川、数キロを隔てた対岸、隣国コンゴ(ブラザビル)の山並みをうっとり眺めていると、ギャルソンのクワマが「パトロン!いよいよ乾季がやって来ましたヨ」と、声をかけてきた。
その声には張りがあって、乾季到来の喜びに満ちているように感じられる。
そう言われてみれば、今後の山並みには、これまでと違ってうっすらと霞がかかっているように見える。
それが乾季に入った証拠と言うのだ。
乾季が始まると、次第に気温が下がって来て、過ごしやすくなる。
赤道直下の太陽も雲に覆われ、あまり姿を現さなくなった。
そして九月までの四か月間、ほとんど雨らしい雨は降らない。
家々の庭には、色鮮やかなポインセチアが目立ち始める。
とにかく、一年で一番良い季節の到来なのだ。
この季節の変わり目に、多くの病人が出る。
その病状はさまざまだが、決まったように「マラリアです」という答えが返ってくる。
「マラリア」が病気の代名詞となっている。
クワマの家族も次々に病気になり、その都度相談を受ける。
彼は、日本の薬のファンで、満腔の信頼を捧げている。
私はその症状を聞き、薬を選んで渡すと、たいていはよく効いて一度に治ってしまう。
が、時には重症が続いて、看病疲れが目立つこともある。
それでも彼は、一日たりとも休まない。
休めば、収入が減るからだ。
しかし、能率は落ちる。
静かだなと思うと、キッチン脇にある狭い着替え室に入って、頭を抱えるようにしながら眠っている。
このシーズンには死者も多く、「埋葬する土地がなくて大変ですよ」と、クワマが言う。
親戚に葬式が重なれば、香典も嵩むとか。
近い血縁者が亡くなると、文字通りの通夜でやつれ果て、剃髪姿で出てくる。
近親者の葬儀には、髪をそり落とすのが風習らしい。
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