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 ヤクーツクの気温は36℃。飛行機のタラップを降りながら早速、寒さの洗礼を受けました。地方空港らしく、ターミナル近くにスポットインした便の降機客は、エプロンを徒歩で到着口を目指します。<br /><br /> 到着口に入って驚きました。ターミナルがありません。扉一枚くぐった向こうはもう空港の外、出迎えの人々は皆、酷寒の中を未明から屋外で待っているのです。<br /><br />その人並みの中に、今回お世話になる現地旅行会社のスタッフ、サルダナさんの姿もありました。サルダナさんはヤクート人の若い女性で、顔立ちがどことなく日本人にも似ている上に、きびきびと日本語を話すので、ここがロシアの一角であることを瞬間、忘れそうです。<br /><br /> 案内された車は日本車、トヨタ製の真新しいワンボックスカーでした。サルダナさんによると、サハのオフロードでは、ロシア車ならウアズ(УАЗ)、外国車ならトヨタが圧倒的に信頼されていて、特に高級車需要はほぼトヨタ一択とのこと。<br /><br />冬のサハでは、車の故障が即、死につながります。そんな苛酷な環境で、文字通り命を預けるパートナーに選ばれているって、結構すごいことじゃないですか、トヨタさん。<br /><br /> ところでこの車、側窓には手製の改造が施され、即席の二重窓になっています。これは低コストながら大変効果的な一工夫で、車内保温はもちろんのこと、視界確保にも絶大な威力を発揮してくれました。<br /><br /> 冬にロシアのバスに乗ったことがある方は、ご存知でしょう。窓から外はほとんど見えませんよね。凍りついてしまうからです。特に市内交通のバスは運転席周り以外に暖房がなく、完全に冷凍車になります。<br /><br />長距離のバスなら、客室にも暖房があるので、どうにか外が見えますが、それも停車中だけ。走り始めるともうダメで、バリバリと音を立てて、窓は氷の板に変わってしまいます。大体、外気温がマイナス20℃を下回ると、ちょっとやそっとの暖房では、もう窓の凍結に抵抗できないようです。<br /><br /> そこで、サハでは初めから窓を二重にしてしまうのです。粘着テープがペタペタ見えていて、正直あんまり見栄えはよろしくないけれど、これはかなり快適です。周囲を見ると、ほとんどの車がこの改造を施している様子。<br /><br />どなたかメーカーにお勤めの方、使いやすくて見栄えのいい2重窓アタッチメントを酷寒地用に開発してみてはいかがですか。かなりニッチですが、きっと売れますよ。<br /><br /> さて、話が脱線しかけておりますが、このあと我々は、車の中でたっぷり1時間近くも待つことになりました。飛行機で預けた手荷物の受け取りを待っていたからです。<br /><br /> 先に述べたように、この空港には国内線到着客用のターミナルが存在しないのですが、乗客が預けた荷物は受け取らなければなりません。さすがにそのための建物はありました。しかしこれが小さい。<br /><br />我々が乗ってきた便はボーイング757という、200人以上乗れる旅客機だったのですが、この1便の乗客の荷物だけでもパンクしそうなほど処理能力が不足しているのです。しかも建物の出入り口は狭いのが1箇所だけで、出入りの集中により混雑、その上屋外は酷寒・・・。<br /><br />というわけで、長い待ち時間を快適な車内で過ごすことになったのです。到着早々、なかなかエキゾチックな洗礼を受けますね。

エクメネの最果てへ ―サハ共和国 冬の旅― (2)

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2009/01 - 2009/01

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JIC旅行センター

JIC旅行センターさん

 ヤクーツクの気温は36℃。飛行機のタラップを降りながら早速、寒さの洗礼を受けました。地方空港らしく、ターミナル近くにスポットインした便の降機客は、エプロンを徒歩で到着口を目指します。

 到着口に入って驚きました。ターミナルがありません。扉一枚くぐった向こうはもう空港の外、出迎えの人々は皆、酷寒の中を未明から屋外で待っているのです。

その人並みの中に、今回お世話になる現地旅行会社のスタッフ、サルダナさんの姿もありました。サルダナさんはヤクート人の若い女性で、顔立ちがどことなく日本人にも似ている上に、きびきびと日本語を話すので、ここがロシアの一角であることを瞬間、忘れそうです。

 案内された車は日本車、トヨタ製の真新しいワンボックスカーでした。サルダナさんによると、サハのオフロードでは、ロシア車ならウアズ(УАЗ)、外国車ならトヨタが圧倒的に信頼されていて、特に高級車需要はほぼトヨタ一択とのこと。

冬のサハでは、車の故障が即、死につながります。そんな苛酷な環境で、文字通り命を預けるパートナーに選ばれているって、結構すごいことじゃないですか、トヨタさん。

 ところでこの車、側窓には手製の改造が施され、即席の二重窓になっています。これは低コストながら大変効果的な一工夫で、車内保温はもちろんのこと、視界確保にも絶大な威力を発揮してくれました。

 冬にロシアのバスに乗ったことがある方は、ご存知でしょう。窓から外はほとんど見えませんよね。凍りついてしまうからです。特に市内交通のバスは運転席周り以外に暖房がなく、完全に冷凍車になります。

長距離のバスなら、客室にも暖房があるので、どうにか外が見えますが、それも停車中だけ。走り始めるともうダメで、バリバリと音を立てて、窓は氷の板に変わってしまいます。大体、外気温がマイナス20℃を下回ると、ちょっとやそっとの暖房では、もう窓の凍結に抵抗できないようです。

 そこで、サハでは初めから窓を二重にしてしまうのです。粘着テープがペタペタ見えていて、正直あんまり見栄えはよろしくないけれど、これはかなり快適です。周囲を見ると、ほとんどの車がこの改造を施している様子。

どなたかメーカーにお勤めの方、使いやすくて見栄えのいい2重窓アタッチメントを酷寒地用に開発してみてはいかがですか。かなりニッチですが、きっと売れますよ。

 さて、話が脱線しかけておりますが、このあと我々は、車の中でたっぷり1時間近くも待つことになりました。飛行機で預けた手荷物の受け取りを待っていたからです。

 先に述べたように、この空港には国内線到着客用のターミナルが存在しないのですが、乗客が預けた荷物は受け取らなければなりません。さすがにそのための建物はありました。しかしこれが小さい。

我々が乗ってきた便はボーイング757という、200人以上乗れる旅客機だったのですが、この1便の乗客の荷物だけでもパンクしそうなほど処理能力が不足しているのです。しかも建物の出入り口は狭いのが1箇所だけで、出入りの集中により混雑、その上屋外は酷寒・・・。

というわけで、長い待ち時間を快適な車内で過ごすことになったのです。到着早々、なかなかエキゾチックな洗礼を受けますね。

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