2009/05/02 - 2009/05/02
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nh155さん
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未承認国突撃シリーズもかれこれ第三弾を数えるまでになりました。その名から「ドニエストル河」を想像出来ればしめたもの、この国はモルドヴァ内を走る大河・ドニエストル河の東岸に沿って南北200kmにひょろっと伸びた地域に位置しています(正式国名:Transnistrian Moldovan Republic,ロシア語読み:Pridnestrovskaia Moldavskaia Republika=通称PMR)。
なぜこんな不自然なことになったのか?平たく言うとソ連邦崩壊後にモルドヴァ(元来民族的にはルーマニア系)が独立する際、多数派のルーマニア寄りの人々がイニシアチブを取るのを嫌ったロシア系(或いはソ連派)住民が「♪やっぱりソ連が好き」とロシアの援助を背景に独立を宣言。しかしながらGDP的にも電力供給的にも重要地帯である同地域の独立を認めないモルドヴァ政府は当然これを認めず2年間の内戦に突入。1992年に停戦するも、現在に至るまで建前上独立を維持してるというわけなのです。
注目すべきは、独自の国旗は旧ソ連を彷彿とさせる「赤地に黄色い鎌&ハンマー」マークが有るし、独自の通貨はなんと「ルーブル」...つまりは「未だにソ連邦の一員」のつもりという何とも稀有な国なのであります。
当然のごとくこの国を承認している国は世界広しといえどもロシアを含めて皆無なのですが、敢えていうならば、なななんと09年元旦に訪問したばかりの「ナゴルノ・カラバフ」が承認している(らしい)だなんて、面白すぎ!!
ということで、ソ連の「残り香」を堪能して来ましたので以下にご紹介いたします。
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Tiraspol行きは中央バスターミナルから頻発しています。バス乗り場のすぐ脇にある小さな切符売り場で事前に切符を買うシステム。行きは28.90Leiでしたが、なぜか帰りのTiraspol駅切符売り場では38.15Leiでした(モルドヴァ・レイ払い可)。往復ともチケットには出発時間が記載されていました。バスはワゴンタイプから新旧大型タイプとまちまちです。
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30-40分ほど走ってモルドヴァ側国境線を通過。モルドヴァ的には沿ドニエストルの独立は認めていないので、当然ここでは何のチェックもありません。
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ほどなく沿ドニエストル共和国の国境検問所に到着。写真で見覚えのある「赤緑赤」の国旗の色使いが視界に入り、一気にボルテージが上がります。
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2つしかない窓口にはモルドヴァ人、ロシア人、ウクライナ人が既に長い列を作っていました。ロシア語&モルドヴァ語しか表記が無く何をどうして良いのかわかりませんでしたが、とりあえず周囲の人にならって窓口の入国係員から入国カードとビザ用紙?計2枚をゲット(悪名高い通関用申告書は既に使われていないようです)。これらは英語併記なので意外と移入も簡単です。左の窓口が外国人を受け付けていましたが英語は全く通じず。30分ほど待たされましたが、写真も不要、賄賂要求の類も無く、あっさり入国許可が取れました。パスポート返却の際、係員に「21:00までに必ず出国すること」と念を押されましたが、それはどうやら国境が21:00で閉鎖するためのようでした。日帰り入国の場合はこのようにあっさり入国許可がもらえそうですが、24h以上の滞在だとロシア語無しでは色々と大変かもしれません。
この後周辺国以外の外国人だけが門の上部別室に呼ばれて「すわ、いよいよ噂の別室賄賂請求尋問か!」と身構えましたが中には白衣を着たお医者さんが体温計を用意して座ってる...???ちょうど豚インフルエンザが流行していたので怪しい外国人の健康チェックをしていたのでした。私は「どこから来たのか?」と聞かれ「Japan」というと何もせずフリーパスでした。無事入国できてよかったものの、なんだか拍子抜けです。
後から気がつきましたが、写真のこの塔の下側にこの地域の名前=「ベンデルィ」と書いてあります。ここはPMR国内でも唯一ドニエストル西岸に位置しており、そのため歴史上ベッサラビア側への帰属を主張したモルドヴァ側と激しい戦闘の舞台になっ場所なのだそうです。 -
看板を見ながら「実は意外とWelcome?」と思いつつ。
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真新しい教会。
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おぉっ、凱旋門登場!
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一旦このバス停で何人かを降ろしました。なにしろ情報が無いのでどこで降りて良いのかわかりませんでしたが、取り敢えずそのままGo。
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戦車のモニュメント。
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至るところで革命チックな物体が目に飛び込んできます。いいぞ、沿ドニエストル!
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国名の由来でもある「ドニエストル河」を渡ります。因みにTiraspolとはドニエストル河をあらわす古代ギリシア語「Tiras」と、都市をあらわす「Polis」を合わせて命名されたそうです(なんだかかっこいぃ)。
共和国は基本的にドニエストル河の東岸に位置しますが、唯一Tiraspol近辺のベンデルィ一帯のみ一部西岸(いわゆるベッサラビア地方)にも領土が出っ張っており、ここがまさしくその場所です。 -
主張してますね。
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繁華街が見えたら降りてみよう、と思っていたら、あれ?あれ?あれ?と思っている間に終点Tiraspol駅前に到着。入国審査に手間取ったロスタイム込みで、Chisinauからは約100分程度の行程でした。
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駅前に聳え立つポールの上には共和国のシンボルが描かれていました。1792というのは、同年に締結されたヤシ条約によって現在の沿ドニエストルにあたる領土がオスマン・トルコからロシアへと割譲された年にあたり、要するにこの地がロシアに属することを正当化するアピールってことですね。
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駅前の両替屋にて。共和国内ではここに記載されている通過との両替は自由ですが、一旦国外に出ると単なる紙切れと化してしまうので、出国前には両替を忘れずに。
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ドニエストル・ルーブル札、記念に撮ってみました。表側です。このおじさんがTiraspolを建設したスヴォーロフさんです。
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裏側。色合いや大きさ共にどことなくルーブルに似ていたので、恐らくロシアで印刷されているのでしょう。発行年も2000年と2007年が多かったようでした。それまでやたらと桁が多かったのですが、2000年(頃)にゼロを6つ削ったのだそうです。
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中央市場付近の両替屋のレートが最高でした。といっても微々たる差でしたが。
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まずは駅前にとまっていたワゴンバスに乗ってとりあえず中央市場へ。歩いても15〜20分位です。
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ちょっと小洒落た建物。
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上から二番目の棚の良い場所は、共和国一番の名産品「KVINT」社コニャックで占められていました。
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おなかが空いたので市場内へ。
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とりあえず正門横の屋台で巻き巻き巨大ケバブを購入。なかなか美味しうございました。
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なんだかちょっと違うパンダのイメージ。
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正門前にあった駐車場料金所。
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なんだかいかつい「共和国」のイメージと違いました。こういう遊び心感覚を持った人もいるんだな、と。
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正門の北西側にバスターミナルがありました。国内近距離向けか?(国際長距離は鉄道駅前発着)
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さすが葡萄の産地。苗を売ってました。
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市場の東側にある真新しい教会。Tiraspolではランドマーク的建物です。内装も現在進行形でした。
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「RADIO PMR」。どんな内容なのか興味津々ですが...。
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モルドヴァでも見かけましたが、西側の古着ショップが大人気。市場内でも専用コーナーがありました。寄付で集められた古着がこういうところに流れてるんでしょうね、きっと。
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雨が強くなってきたのと小腹がすいたのでCafeで一休み。生ビールは2種類飲みましたが13&11.5ドニエストル・ルーブルで、モルドヴァよりちょい安め。写真手前左の鮭の燻製はメチャメチャ気に入りました。お酒のつまみに最高です。スーパーで半額位で売っていました。
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せっかくなのでアップ。
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こちらはマスの酢漬け?
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教会から1ブロック南に行ったところにメインストリートの10月26日通りがあります。この通り沿いに政府庁舎、大統領官邸など政府機関のほか、スーパーやレストラン・カフェ、映画館などが集中していました。
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カフェ併設の映画館。人は至ってまばらでした。
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映画館の西側から政府機関系の建物が続きます。
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おぉ、いい感じです。まだここにはソ連が残っているかのようです。
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ロシアが誇るタンデムなお二人。それにしてもなぜチェ・ゲバラ?(革命の象徴ってこと?)
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ゲバラの西側は広場&広大な公園が広がっています。アーモンドっぽい花が満開でした。桜を思わせます。
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