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◆全5回のセルビア・モンテネグロレポートは下記にも掲載しています<br />http://www.junkstage.com/world/yuu/?cat=2<br /><br /><br />多民族国家のバルカン半島。<br />紛争にまみれた旧ユーゴ時代には、<br />「7つの隣国、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字、1つの国」<br />と揶揄されたものだ。<br /><br />“ベオグラード”<br />今はなき、「セルビア・モンテネグロ」という国家の、かつての首都。<br />この名前を目にするたび、私は未だに、一種胸に迫るものを感じる。<br />異質で別世界な国など、これまでいくつも見てきたはずなのに。<br />きっと自分の目で見たあの十年経っても辛辣に残る爆撃跡と、<br />優しげな人々の目の中に浮かぶ憂いを忘れられないからだろう。<br /><br />あのときの私に、「旧ユーゴへ行きたい」と言った思いつきに、<br />本当にあの景色を見る覚悟と勇気があったのかどうか、わからない。<br /><br />1月7日。奇しくもセルビア正教の正月に当たる日だった。<br /><br /><br />私たちは、陸路でクロアチアからセルビア・モンテネグロへ渡った。<br />手段はおんぼろバス。<br />しかし年始極寒の夜の東欧を、暖房をきかせて走るバスに、<br />乗り物の中では寝られない私もうとうと、すやすや。警戒心ゼロ。<br /><br />そんなとき、唐突に闇夜とエンジン音を切り裂いたのは、<br />何語かわからない女性の声だった。<br />不思議なもので、中途半端に知っている「英語」や「スペイン語」が<br />聞き取れなかったり通じなかったりするとすごくストレスになるのに、<br />アルファベットでもない言語がまったくわからなくても割り切れる。<br /><br />どうやら国境地点らしい。<br /><br />もみくちゃに集めた全員分のパスポートに無造作に印を押される。<br />ベオグラードに着いたのは、まだ夜明け前だった。<br />コンクリートで固められた無人の駅で、透明なガラスに四方を囲まれた<br />カフェというよりは軍隊の食堂のようなところで、夜明けを待ちながらハーブティーを飲む。<br /><br />明らかに嫌な匂いがしていた。<br />危ない街というのは、降り立った第一印象の第六感が伝えてくるものだ。<br />「駅の近くがいいんじゃない」<br />何気なく、私と友人は駅から大通りを一歩挟んだコーナーにある<br />それなりのランクのそれなりのホテルに、その日の宿を決めた。<br />(上写真。それなりのランクの割に、硬いベッドは軍隊の寮のよう)<br /><br />街はすっかり正月ムードで、店という店が閉まってはいるのだが。<br />早くも、KIOSKや露店など、ちょっとでも開いている店を見つけるたびに<br />とりあえずの食糧確保に余念がない。<br /><br />つづく<br /><br />http://www.junkstage.com/world/yuu/?cat=2<br /><br />

セルビアモンテネグロ

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2002/01/01 - 2007/01/06

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ユウ

ユウさん

◆全5回のセルビア・モンテネグロレポートは下記にも掲載しています
http://www.junkstage.com/world/yuu/?cat=2


多民族国家のバルカン半島。
紛争にまみれた旧ユーゴ時代には、
「7つの隣国、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字、1つの国」
と揶揄されたものだ。

“ベオグラード”
今はなき、「セルビア・モンテネグロ」という国家の、かつての首都。
この名前を目にするたび、私は未だに、一種胸に迫るものを感じる。
異質で別世界な国など、これまでいくつも見てきたはずなのに。
きっと自分の目で見たあの十年経っても辛辣に残る爆撃跡と、
優しげな人々の目の中に浮かぶ憂いを忘れられないからだろう。

あのときの私に、「旧ユーゴへ行きたい」と言った思いつきに、
本当にあの景色を見る覚悟と勇気があったのかどうか、わからない。

1月7日。奇しくもセルビア正教の正月に当たる日だった。


私たちは、陸路でクロアチアからセルビア・モンテネグロへ渡った。
手段はおんぼろバス。
しかし年始極寒の夜の東欧を、暖房をきかせて走るバスに、
乗り物の中では寝られない私もうとうと、すやすや。警戒心ゼロ。

そんなとき、唐突に闇夜とエンジン音を切り裂いたのは、
何語かわからない女性の声だった。
不思議なもので、中途半端に知っている「英語」や「スペイン語」が
聞き取れなかったり通じなかったりするとすごくストレスになるのに、
アルファベットでもない言語がまったくわからなくても割り切れる。

どうやら国境地点らしい。

もみくちゃに集めた全員分のパスポートに無造作に印を押される。
ベオグラードに着いたのは、まだ夜明け前だった。
コンクリートで固められた無人の駅で、透明なガラスに四方を囲まれた
カフェというよりは軍隊の食堂のようなところで、夜明けを待ちながらハーブティーを飲む。

明らかに嫌な匂いがしていた。
危ない街というのは、降り立った第一印象の第六感が伝えてくるものだ。
「駅の近くがいいんじゃない」
何気なく、私と友人は駅から大通りを一歩挟んだコーナーにある
それなりのランクのそれなりのホテルに、その日の宿を決めた。
(上写真。それなりのランクの割に、硬いベッドは軍隊の寮のよう)

街はすっかり正月ムードで、店という店が閉まってはいるのだが。
早くも、KIOSKや露店など、ちょっとでも開いている店を見つけるたびに
とりあえずの食糧確保に余念がない。

つづく

http://www.junkstage.com/world/yuu/?cat=2

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