2008/09/06 - 2008/09/06
249位(同エリア337件中)
春風さん
土は火で焼くと「陶」になります。
それはとても面白くて、不思議。
まるで魔法のような仕事です。
笠間芸術の森公園「陶の杜」
goron-goron-goron
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス JR特急 徒歩
PR
-
笠間焼ってどんなやきもの?と聞かれても
はっきりとは答えられない。
色や形にこれといった特徴はないようだ。
でもたまに、
いいうつわだな、と思った作家さんの名前の横に
小さく<笠間>と書かれていることがある。
笠間とはどんなやきものの里だろう。 -
笠間駅前。
観光案内所の係員が、
地図を見せながら丁寧に説明していた。
「美術館へ行く周遊バスは30分後ですから、
いま駅前に止まっているあのバスに乗られて
途中のバス停で降りて歩かれるのがいいですよ。
160円です。
駅から直接歩いて行かれると
40〜50分掛かりますねぇ」
私の番が来た。
すかさず、
「あの、美術館へ行きます。
私はその40〜50分かけて
歩いて行きたいので、
道、教えてくださいっ」笠間駅 駅
-
「やきもの通り」
陶器販売のお店が点々とある。
店先にうつわが山のように積んであったりして。
大皿を大量に欲しいなど買物が目的なら、
車で来るのがいいかもしれない。
でも私の目的とはちょっと違うなぁ。
広い道。
トラックがびゅんびゅん通って、
歩く人のことなど考えていないような道。
トコトコと歩いて来たことを後悔し始めた頃... -
突如として現れた歩道。
ここから先は、
歩く人のことも一応考えられているみたい。 -
観光案内所によれば、
『陶の小径を歩いて行かれるといいですよ--- -
--共販センターの角を曲がって』とのことだったが、
無視して広い道をまっすぐずんずん行く。
現れたのは... -
巨大花瓶。
-
はい。
巨大な花瓶。
それだけ。
えっと。。。? -
気を取り直して、
次、まいりましょう。 -
「ギャラリーロード」
作家の作品を並べた陶器のギャラリーが
10軒ほど点々とある。 -
ギャラリーを何軒か見ていくと、
「いいな」と思った作家さんの名前を
別のギャラリーでまた発見したりする。
陶磁器好きには至福の時。
でも、これだけなら、
都心のギャラリーでもおんなじわけで。
わざわざ産地まで来た意味がないのよね。 -
「ギャラリーロード」は
「やきもの通り」より交通量は少ないけれど、
やはり車で通る道だ。
歩行者ほとんどいない。
それぞれのギャラリーには
大きな駐車場があるので車には便利だろう。 -
いよいよ待望の陶の小径。
「作り手に出会える散歩みち」
そう、作り手の思いや心を感じたい
というのが私の目的なのだ。 -
車はほとんど通らないような細い道。
でも、歩行者もほとんどいないねぇ。 -
「陶の小径」には
作家さんの窯と
作品を並べた小さな展示室が
10軒ほどある。
「こんにちはー」
誰もいない部屋に入っていくと
奥からいそいそと人が出てきて、
明かりを点けてくれたり、
扇風機を回してくれたり。 -
「どうぞ、ごゆっくりー」
放っておいてくれる時は勝手に見るが、
中には
「このお客さん、
私の作品をどう思ってくれるだろう?」
という顔をして
こちらの反応をうかがっている方がいる。
そういう時は素直に感想を言うことにしている。 -
「この色、見事ですねー」
「そうでしょう?
深みがあると言うか。
それ、窯から出したときは、
おおっと思いましたよ」
「何か特別なことしたんですか?」
「いろいろな条件が重なりあって。
炎の芸術と言うのでしょうか。
もう一度同じものを作ろうと思っても
なかなかうまくいきませんね」 -
庭先で作業をしていた方がいたので聞いてみた。
「今日はお客さん、少ないですね。
ゴールデンウイークの陶炎祭(ひまつり)のときは
やはり多いですか」 -
「う-ん。そうだねえ。
今日はって、いつも少ないですよ。
イベントのとき人は来るけどねえ。
そのときだけで」 -
「やはりこの業界は下り坂だからね。
笠間みたいな小さな産地は
打撃も大きいですよ」 -
「笠間の土は細かいから、
水が出にくくて、
型押しの大量生産には向かないんです」
---だから経済的には海外の安い製品に押されてしまう。
でもそれで手作りの良さが残っているんですね。 -
「笠間焼には特色がないからねぇ。
他の土地から来た作家も多いし。
そういう私もよそから来て
ここに住み着いたんだけど」
---そういう産地だからこそ、
他所から来た作家さんが
のびのびと自分の好きな作品を
作れるのではないでしょうか。 -
こういう産地は、
細々とでも、
ずっと残っていて欲しい。
これからも自分の作品を作り続けてください。。。 -
さて、陶の小径から少し歩いて
「笠間工芸の丘」にやって来た。笠間工芸の丘 美術館・博物館
-
笠間工芸の丘にある、登り窯。
一年に一度、この登り窯に火がはいるそうだ。
体験参加者を募集していた。 -
この窯が炎と煙を吐いているところを見てみたいなあ。
-
「笠間工芸の丘」クラフトカフェでランチ。
ピラフとケーキセットを頼んだら、
笠間焼のうつわで出てきた。
アバンギャルドなうつわ達のお陰で
なんだか豪華なランチに見える。
3杯分入るかと思うほど大きいカップに
なみなみと注がれた紅茶。
飲みにくかった、
などと文句は言いますまい。。。 -
「笠間陶芸美術館」
時間があれば展示品をじっくり見て行きたいところだが、
今日は天気もいいし、
公園を歩いてみよう。 -
「陶の杜」って何だろうう?
英語名はThe Forest of Magician Clay
魔法使いの粘土の森?陶の杜 美術館・博物館
-
なんだ、これ?
-
地面からなんか変なモン生えてる。。。
-
おもしろーい!
-
陶による襞の道すじ
この森では陶の道があなたのガイド役です。陶片には細かな襞がきざまれています。それは、大地や森のヒノキの持つ襞が地面に写し取られたようにも見えます。 -
赤い水の沢と陶橋
沢を渡る陶の橋は森の道すじに続いています。水の中の赤い泥は土の魔術師にとってなくてはならない秘密の原料。不思議な泥の作用で水はとても澄んでいるのです。 -
百年前の古文書か。宇宙の交信法。生き物との会話術。ほれ薬の調合法。錬金術。地底のマグマをなだめる法…。魔術師の森の書棚には何でもそろっています。
-
大地から出てきたのか、空から降ってきたのか、森の斜面に突然大きな壁が現れます。
「陶の杜」は、土の魔術師たちの遊びの杜でありました。 -
帰りはバスに乗った。
笠間観光周遊バス。
一回乗車100円で、
笠間市内の観光名所をぐるりと回ってくれる。
一時間に一本。 -
次の目的地は、「春風萬里荘」
北大路魯山人の住居を移築したもので、
その名の由来は李白の漢詩からと聞けば、
わたくし「春風」としては
行かないわけにはまいりません。春風萬里荘 名所・史跡
-
トラベラー名「春風」の由来も
李白の漢詩からなのだ。
(詳しくは敦煌の旅行記をご覧ください)。 -
「春風萬里」の語源となった李白の詩。
儲邕(ちょよう)の武昌に之(ゆ)くを送る
黄鶴、西樓の月
長江、萬里の情
春風、三十度
空しく憶う、武昌城 -
「春風」は、
故郷や別れた友人など、
遠くにある大切なものを想い出させるようですね。 -
起伏に富んだ地形を生かした庭。
-
民家の庭というより
神社の境内のようだ。 -
秋はもう
すぐそこまで来ている。 -
ししおどし
-
「吾、唯、足るを知れり」
-
母屋は築300年、
茅葺き屋根の古民家。 -
京都「龍安寺」の枯山水を模したという石庭。
-
関東地方で本格的な枯山水の庭は珍しい。
-
あの小さな石がなぜか気になる。
大海の中の孤島のようだ。 -
庭を見ながらお抹茶が頂ける
というのでお願いした。 -
ツクツクホウシの声を聞きながら、
ゆったりと流れる時間。
もうすぐ夏が終わります... -
庭も垣も、
よく手入れされ
美しさを保っている。
維持は大変だろう。。。 -
母屋の隣に
小さな門があり、
その奥には、 -
茶室「夢境庵」
-
再び周遊バスに乗って、帰りは友部駅へ。
友部駅から上野駅までは特急で70分。
首都圏から日帰りで行ける窯元探訪の旅だった。
窯元を訪ねてシリーズ
・常滑やきもの散歩道☆猫のいる風景☆2007秋♪
http://4travel.jp/traveler/harukaze/album/10203313/
・常滑焼の窯元を訪ねて
http://4travel.jp/traveler/s-harukaze/album/10203015/
・備前焼の窯元を訪ねて
http://4travel.jp/traveler/s-harukaze/album/10203785/
・平清水焼の窯元を訪ねて
http://4travel.jp/traveler/s-harukaze/album/10203272/友部駅 駅
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
56