![念願のオーロラを完璧な防寒衣料を用いずに見ることができないのだろうかとあちらこちらで様々な情報を取得してみると、どうやら9月のアイスランドが良さそうだとその気になってきたのは私ではなくて、連れ合いである。<br /> 探してみると他のツアーはそれ程長い期間のものがなくて、ユーラシア旅行社のそれが10日間で一番長そうだったものだから様子を見に平河町の事務所まで行ってみた。すると詳しいものを呼びますから少々お待ち下さいといって待つと程なく、充分に詳しそうな若者が現れてきて、こちらも乗り気で前倒し状態だったものだからついついその気になってしまったのだった。<br /><br /> さて、添乗員の男性からはとても詳しい情報を頂いて当日になって行ってみるとくだんの添乗員氏は上着を着て待っていてくれた。長旅をする添乗員が上着を着ているなんて初めて見たのである。あとになって分かったのはこの一行12名のうちひとり旅の方が三分の一である。しかもどうやら皆さんのお話をお伺いしているとあっちもこっちにも行っておられて中にはリビアへのツアーでテント暮らしをしたなんて人から、年末には南極に出向くんだという人までいる。大きなカメラケースをぶら下げた男性はもうこれでこの会社のツアーに13回目の参加だという方もいる。<br /><br /> それにしてもさすがにアイスランドは遠い。ロンドンまで12時間くらいかかり、ロンドンからまた3時間かかる。もちろん乗り継ぎに余計な時間がかかる。昼過ぎに成田を飛び立って、レイキャビックのホテルに到着したのは時差を含めて同日の夜中で都合20時間ほどかかった。<br /><br /> 帰ってきて一週間もたたないうちに世界金融恐慌に陥ってしまった。アイスランドから流れてくるニュースは全銀行の国有化だとか、ロシアからの巨額融資だとか。とんでもないことになってしまった。](https://cdn.4travel.jp/img/thumbnails/imk/travelogue_album/10/27/77/650x_10277748.jpg?updated_at=1234836240)
2008/09/24 - 2008/10/03
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keithforestさん
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念願のオーロラを完璧な防寒衣料を用いずに見ることができないのだろうかとあちらこちらで様々な情報を取得してみると、どうやら9月のアイスランドが良さそうだとその気になってきたのは私ではなくて、連れ合いである。
探してみると他のツアーはそれ程長い期間のものがなくて、ユーラシア旅行社のそれが10日間で一番長そうだったものだから様子を見に平河町の事務所まで行ってみた。すると詳しいものを呼びますから少々お待ち下さいといって待つと程なく、充分に詳しそうな若者が現れてきて、こちらも乗り気で前倒し状態だったものだからついついその気になってしまったのだった。
さて、添乗員の男性からはとても詳しい情報を頂いて当日になって行ってみるとくだんの添乗員氏は上着を着て待っていてくれた。長旅をする添乗員が上着を着ているなんて初めて見たのである。あとになって分かったのはこの一行12名のうちひとり旅の方が三分の一である。しかもどうやら皆さんのお話をお伺いしているとあっちもこっちにも行っておられて中にはリビアへのツアーでテント暮らしをしたなんて人から、年末には南極に出向くんだという人までいる。大きなカメラケースをぶら下げた男性はもうこれでこの会社のツアーに13回目の参加だという方もいる。
それにしてもさすがにアイスランドは遠い。ロンドンまで12時間くらいかかり、ロンドンからまた3時間かかる。もちろん乗り継ぎに余計な時間がかかる。昼過ぎに成田を飛び立って、レイキャビックのホテルに到着したのは時差を含めて同日の夜中で都合20時間ほどかかった。
帰ってきて一週間もたたないうちに世界金融恐慌に陥ってしまった。アイスランドから流れてくるニュースは全銀行の国有化だとか、ロシアからの巨額融資だとか。とんでもないことになってしまった。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 観光バス
- 航空会社
- ブリティッシュエアウェイズ
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
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第一日目
家を9時半に出発する。京成スカイライナーで成田へ。グループカウンターでは添乗員の南こうせつ似の青年とオフィスにうかがったときに説明してくれた女性がいて安心する。
近辺に佇む人たちを見ているとどうやらあの人達は同行の人か、というのが見当がつく。名古屋からの参加者、奈良からの参加者がいることを知る。女性9名、男性3名である。
747-400。成田からロンドンまでは英国航空8便である。
昨年の英国旅行の時に利用したフライトとひょっとしたら同じだったかも知れないのだけれど、当時の記録を見てもフライト番号を書いてないものだから、確かめることができない。
ここのゲートは到着便からのお客は外廊下の階段を上がって上の階にあがるのだけれど、そこになんだかテレビ・クルーがチョロチョロしている。誰かが到着するのかも知れないがよく分からない。
boardingの時間が来るまでと思ってパソコンを取り出すと、そうだ、ここはローミングなのだ。自分のHotSpotのIDやらパスワードを持ってくるのを忘れてしまってアクセスができない。なんちゅうことだ。 -
13:30に離陸。上にあがれば食べ物が出るだろうと、今回はどら焼き一個しか持ってきていなくてこの食事を待ちかねた。
きっとまたここまで来たらセレクションなんてないんだろうなぁと思っていたけれど、意外とそんなことはなくて私が選択したのはマッシュポテトが載った牛の挽肉つまりCottage Pieである。サラダが美味しかった。
結局ろくに寝ずに映画を片っ端から見る。テレビ番組らしいのだけれど、Mogan Freemanが解説するBlues番組が面白かった。
George Clooneyの1920年代フットボールもの(アメリカ人はよくよくfootballが好きだ)の「Leather Heads(邦題「かけひきは、恋のはじまり」には情けなくって涙が出ちゃうなぁ)」は洒落た映画。
Jodie Fosterの「Nim's Island(邦題は「幸せの1ページ」というらしい)」が子ども向けにはエキサイティングな映画だろうなぁと思う。オイオイ、そんなのってねぇだろうと思うようなストーリー展開なんだけれど、そこはそれ、エンターテインメントなんだ。アデレイドから来たという男の子の英語が部分的には豪州訛りを喋るんだけれど、基本的には米国英語だというところが笑える。 -
ヒースローのterminal-5に降り立つのは初めてである。
トラムに乗って入管までとぼとぼとやってくるととても真新しい建物で、天井がこれまでどこでも見たことのない丸いプレートが装飾のように並べられた作りでとてもユニーク。
思わず写真を撮ったら横にいた係官に添乗員が注意されていた。俺に直接いったらいいのに! -
入国審査が終わると今度はHeathrow Expressと称する電車に乗ってIcelandairが発着するTerminal-1に移動するんだけれど、この電車はそのまま乗っていくとCityに行くんだというのだ。一駅だけ乗る。
実はこの電車にはFirst Class用の車輌がついているらしい。 -
生まれて初めて乗るIcelandairであります。フライトはFI455で出発は21:30。
あまりにも早く着いたものだから時間はたっぷりだ。それにしても眠くてしょうがない。早めにセキュリティー・チェックを通ってなんだか迷路のような工事中の通路をまるでハツカネズミの実験をやっているかのように歩かされる。
例によってここの空港はいつまで経ってもゲート番号が出ない。そのうちに大阪出発ワールド航空のツアー一行がやってくる。元気なお年寄り女性のグループで男性はお一人しかいない。彼らとは最後にまたレイキャビックで出会うことになったけれど、まいった。
60代と覚しき個人旅行ご夫妻にも出会う。日本人と覚しき青年がひとりで私と同じロンプラを拡げている。アイスランドのガイドブックでもやっぱりロンプラが分かり易い。問題はここの言葉が読みにくいことか。なにしろなんと発音して良いのか分からない文字が出てきちゃうのだ。
新聞と水をクレジットカードで買う。ようやくゲートが出たときには待ちくたびれたが、ここから3時間だ。
757-300で結局離陸したのは22:00。 -
アイスランド航空のキャビンアテンダントは黒一色の粋なユニフォーム。
機内で出たスナックはポテトサラダの上に鶏の胸肉のグリルが冷たい。アイスランド滞在中に食べたチキンは必ず胸肉だったのだけれど、他の部分は食べないのだろうか・・・。
その隣にあるのがアイスランド名物のSkyrisである。ちょっと食べ慣れない味わい。アイスランダーは本当にこれが好きで朝から抱え込んでいる人をよく見る。
この軽食が出た頃、私の隣に座っていた(最高の添乗員である)小黒君は思いっきり寝ていた。
ちなみにこの小黒君についてはこちらでも絶賛されている程である。
http://onibi.cocolog-nifty.com/alain_leroy_/2008/08/post_9ba6.html -
アイスランドの首都であるレイキャビックの国際空港であるKeflavik空港に到着したときはもうアイスランド時間でも夜中近くで日本を出てから20時間ほど経っていたのではないだろうか。
とにかく地震と火山と氷河の国で樹木なんて、と聞いていたのにこの空港の床は全部木のフローリングなんである。これがまぁ、実に気分が良くて最高!何枚も写真を撮ってしまう。
一行13名の荷物も何一つミッシングなく出てきたけれど、ワールド航空大阪の一行はひとつ出てこなかったらしい。これが一番気をもむ。だから私は常に機内持ち込みの中に下着や着替えを一日分持っている。今回は冬仕様のジャンパーをデイパックの外に結びつけてきた。荷物が出なかったときに寒さに震えなくてすむように。
迎えに来てくれたドライバー&ガイドは64歳のトロント生まれで移住して44年のJohn Spencerだった。彼は様々なところに案内してくれて、添乗員の小黒君と共に今回はこの旅の選択が大正解だった。
宿はこの街では一流のRaddison SAS SAGA Hotelだったのだけれど、チェックインしてみたら浴槽には垢がべっとり、フローリングの床のあちこちに埃がたまっていて何ともいやな印象。このホテルには最後にまた二泊するのである。 -
第二日(080925)
お、さすがにこのホテルは朝ご飯のバフェからちゃんとEnglish breakfastである。その上によく見ていただけると分かるんだけれど、(とてもそうはいえないけれど)オムレツらしきものなんかあるのだ。
実はこのオムレツを焼いている兄ちゃんが信じられないほどの無愛想な輩で、朝一番からむかつく。この話を最後の夕飯を食べているときに添乗員君と話したら彼もそう思ったというので意気投合。私が小言幸兵衛ではないことが実証されたのは嬉しかった。
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ホテルの裏の駐車場なんであるけれど、ご立派というほどのコンパクトカーが並んでいる。ここの街ではこうしたコンパクトカーか、4WDばかりで、フルサイズカーなんて殆ど見ない。尤も日本やアメリカでも随分減っているのだけれど、それでもたまに何を考えているのか分からないようなそんな輩を見かけるものだ。しかし、高級車は見るけれど、馬鹿馬鹿しいような車を見ない。
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レイキャビックとくれば、シンクヴュトリル国立公園に行って、ユーラシア・プレートと北米プレートが現れるギャウを見に行かなくてはなりませぬ。
しかし、そこに至る道を走り始めると、もうあぁた、ガイドブックに出てくる、まさにそのままのアイスランド風景が広がってしまうのであります。すっごいねぇ・・ほんとに。口あんぐり。 -
なにしろここは地質学的(あ、いや地形学的にも、だったかな?)興味津々な場所なだけではなくて、例の「民主主義発祥の地」だという話もあるものだから、誰も彼もやってくる。私たちの前後に(多分)アイスランドの高校生がわぁわぁと騒ぎながらやってくる。
ユーラシア旅行社はこんな時にツアーメンバーにイヤフォンガイドを持たせていて、添乗員氏が少しくらい離れていても、解説してくれることが聞こえている。
そういえば、昨年英国に行ったときにすれ違ったツアーがそんな武器を駆使していて凄いなぁと思った想い出がある。
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あの流れの向こうに見えているのが教会だということだった。これから先、こうした大地が広く、空も広い景色ばかりだ。
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こんな写真をご覧に入れると、あぁ、噂に聞いた風景だねぇ、といっていただけると思いますね。
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当時はこんな具合に人々が集まってきたんだという想像図が掲げてあります。
なんでもグリーンランドにはイヌイットの人たちが先住民として暮らしていたようですが、このIcelandには先住民が確認されておらず、9世紀にヴァイキングが移住してきたのだといわれているんだそうですな。930年頃に民主会議「アルシンギ」が開かれた、と伝えられているんだそうです。 -
なんとこの季節はアイスランドはまさに紅葉の真っ最中で、樹木がほとんどないと聞いていたからそんなものを楽しめるとは思えなかったのだけれども、こんな具合にまさに紅葉なんである。
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これがIcelandに来て初めて見た滝である。これから名もついていないようなものも含めて、もういやというほどの滝を見ることになるのだけれど、なにしろ私が見た最初の滝だから敬意を表さなくてはならないのだ。
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セリャンスフォスという滝を見に行く。とにかく走破する道路の殆どがこんな具合で、最初は「見てみて、どこまでもまっすぐだよ!」といっていたのだけれど、すぐさまなにも報告しなくなる。
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これがそのセリャスフォスという滝であります。一見なんちゅうこともない・・。右下に人間がひとり映っているのを見るとその高さがようやく判明します。
これで高さが40mあります。この滝の美味しいところは滝の裏側がえぐれているので滝をぐるりと四周から見ることができるところにあります。 -
こんな具合になっているんです。もうすっかり滝の裏側に回り込めるのですが、これでもさすがに飛沫で濡れます。結構真剣に上り下りすることになるのですが、気がついたら崖にむかって登っていたりして、緊張します。
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それでもあちこちにとても小さな花が幾種類か咲いていました。あたりの灌木はもう紅葉しているのですからいわゆる秋咲の花だということでしょうね。
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Annaというレストランで昼飯になりました。国道一号線のリング・ロードから奥に入ったところにあるので、昼飯時からちょっと遅れたこの時間ではガラガラでした。
そこで各自自己紹介。少人数の上に皆さん大人、その上旅慣れている人たちばかりなので、つかず離れずの距離感が微妙です。
ビールはIceland産のThuleという銘柄です。なにしろこの国はアルコール2.2%以上のビールが解禁されたのが1989年だったというのを聞いて驚いちゃいました。飲み過ぎちゃうというのが理由だったという話を聞いたような気がしますが、確認していません。
私のような酒に弱いけれど飲みたい奴にはぴったりな気がします。 -
前菜は鱒の燻製。
メインは・・出ました!ラムです。実は私はホンの微かな匂いでもラムのあの匂いがダメ。出かける前にわれらがall mightyの添乗員氏にお話しをしていました。「どうしてもダメなときはかんべんしてください」という言葉に納得してお任せして大成功。この時の私のメニューは鱈だったでしょうか。写真を撮るのを忘れました。連れ合いのラムをひとかけら貰って食べてみましたが、案の定、ダメでした。
私の他にはvegitarianの方がお一人おられ、この方は飛行機の中でもリクエストが出してあったそうで、毎回vegitarian menuが届けられていました。
しかし、これだけあちこちでお目にかかる羊を食べないのは選択肢が狭まります。
それにしてもこのツアーの食事はラム、鱈、サーモン、トラウト、チキンと限られていて、もう少しバリエーションが欲しいし、ランチなんかだったら、なんでも高いアイスランドでも、おやっと思う値段の「ホットドッグ」も喰いたかったかもなぁ。 -
さぁて、こちらがスコウガフォスであります。
落差がこちらは62mもあります。もうもうと立ち上がる飛沫が迫力一杯です。
そこに陽が差すととても綺麗に虹が架かります。滝の面白さはこの辺にあって、見飽きないというのが何ものにもかえられません。 -
この滝は右側に肩まで上がる階段がついたルートがあります。とても自分ではあがれる気がしなかったので、まぁ途中まででもいいやと思いながら上がりはじめると、この一行は皆さんお年の割には健脚で、がんがんあがっていってしまう。いやだ、いやだと思いながらもとうとうあがってしまった。
しかし、ここからはどうにもならない。私は実は高所恐怖症でもあって、これ以上滝に近づけないのである。 -
滝の方から遙かに下を見やると、川の中に立ち込んでフライををふるっているアングラーがいる。
なんでもフィッシングのライセンスは相当に高そうである。 -
もうそろそろ午後の4時になろうかという頃にソルヘイマ氷河の舌端にやってくる。私たちはそれでも添乗員氏、ドライバー&ガイドのJohnを入れて14名の少人数で、メルセデスの定員22名のミニバスで移動しているものだから、かなり舌端に近い駐車スペースにまで入り込む。これが大型のバスで移動していたらアプローチに相当な距離を歩かなくてはならない。
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私たちは舌端の氷に乗るか乗らないか程度の接触であるが、氷河を歩いてみようツアーの一行が氷河の上にいて、なにやら準備をしている。ガイドの人が走り回っているなぁと思ったら参加者全員にアイゼンを穿かせ、ピッケルを持たせて準備が完了したら、がっ、がっと歩き始め、あっという間に遙か上にまであがっていった。こんな時間から上がり始めて、一体どこまで行くのだろうかと思いながらも、私たちは下る。
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遙かに下を見やると氷河から溶け出して白濁した水がうねうねと流れをつくっていく。この白濁は氷河が削りだしたsiltが混濁しているわけで、コップにとってしばらくおけば水とそのsiltとに分離する。レイキャビックから行かれるブルーラグーンでみんなが塗っているシルトも多分この類。
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氷河の氷は中が青く見える。なんだかソーダ味のアイスキャンデーみたいだ。なんでもぎゅーっと重力で圧力がかかると光の中にあるブルーのスペクトルを跳ね返すそうで、それが私の目の中に飛び込んでくるものだからそんな色に見えてしまうのだそうだ。すなわち、わが脳の視神経がそうさせているということなんだろうか。凄いな、人間って。そして自然って。
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アイスランド本土(といってもそれすら島だけれど)の最南端である、まるで三陸海岸のような奇観を呈するディラホラエイまで行く時間はないけれどもそれを遙かに望むところをJohnが知っているといって、あらぬ方向に道から外れる。そして牧畜農家の一角に入り込んで彼が「ほうら見てご覧」というとこの景色だ。
夏になるとあの向こう側の崖にパフィンがやってくるらしい。ところでパフィンは寒さを迎えるとここからどこに移動していくのだろうか。 -
典型的なアイスランド牧畜農家の風景といっても良いのではないかという風景ですよ。上から石が落ちてきそうで怖くないのかと心配。
現にレイキャビック方向のHot Spring Fieldあたりは今年の5月の大地震で石がいくつも転がりだしたあとがありましたからねぇ。 -
Hotel Edda, Vikに入ったのはもう午後6時くらいになっていた。やれやれである。
実はこの日途中からどう見ても日本人と覚しき顔つき体つきの男性がひとりでマウンテンバイクを漕ぎながら行くのと前になり後になりしていた。
あちこち寄り道している私たちに追いついてくるということは彼はどこにも寄り道していないということなのではないかと思った。
私たちが部屋に荷物を入れて、さぁ夕飯だとホテルから、そばにある食堂に行こうとすると彼の自転車がホテルの外に止めてある。どうやら宿を探しているけれど、このホテルが高いからと安い宿を探して貰っているということだった。9月になると様々な施設が安くなるのだけれど、閉鎖されてしまう宿も増えるのだそうだ。それにしても彼は健脚だ。
ビールはGull。 -
前菜はトマトとモッツァレラチーズ。
ここのdining roomは表に立つと見えない。いわゆるコンビニとcafeの様なものがあるだけだ。どうしてこのガランとしたdiningが表から見えないような裏側においてあるんだろうか。 -
メインは鱒の塩焼きと温野菜だけれど、ご覧のように温野菜はもちろん冷凍物。そしていつものように芋がつく。もうこれはどこに行っても同じ。
このあたかも「道の駅」の様な拠点の横にはお土産屋さんがあって結構いろいろなものが置いてあるようだけれど、通りかかる車はもう本当に数えるほど。
ここでオーロラに遭遇できたら相当に観測しやすいくらいに周りには余り灯りがないのだけれど、ホテルまで帰ろうとすると・・あれ、また雨が降り始めてきてしまった。 -
第三日目
朝目が覚めてホテル(アメリカでいったらこれは小さなモーテルだけれど)の裏に面した部屋の窓を開けたら、とんでもない強風と大雨の嵐である。なんだかまるで車の空力抵抗を測定するために動かしている風洞実験をガラスのこっちで見ているかのようだ。
この小さなホテルでもインターネットには無線LANで無料で繋がるのだけれど、パスワードが必要といわれ、フロントのアルバイトのお嬢ちゃんが手書きしてくれた。天気予報をネットで見ても、言語の分からないテレビで見ても生中な状況ではなさそうだ。 -
大嵐だけれど、お腹は減るわけで幸いなことに朝ご飯は向こうのダイニングまで歩かないで、こっちで食べられる。この日からは毎朝cold breakfastになる。こんな外の景色が寒々しい朝に、暖かいものがコーヒーしかないのはなんだか寂しいものだ。
コーヒーはやっぱりネスカフェだ。あの人工的な焙煎の香りが嫌いなんだなぁ。
ニシンの酢漬けを一切れだけ。ハム、トマト、カプシカム、キュウリとトーストしたパンとバター。実は家にいるときはバターなんてものを一切使うことがないのだけれど、どうも美味しいんだなぁ。 -
こんな中、本当に出かけるの?といいたいけれど、スケジュールは淡々と進むのである。何回もいいそうだけれど、個人旅行だったら確実にホテルに停滞してネット三昧だったかも知れない。気になるのは昨夜どこに泊まったのか知らないけれど、あの日本人と覚しき自転車野郎の動静である。まさかこの雨の中走りだしているわけではないだろうなぁ。
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なにしろ大雨と強風がんがんだから車なんて走っていないんだ。私たちのミニバスは1783年の火山の大爆発で出現した溶岩台地の中を淡々と進むんだけれど、すれ違う車なんて数十分に一台くらいのもの。向こうから車が着たのを確認したドライバーのJohnは「お、向こうから珍しく車が来たぞ、それも二台もだ!」と叫ぶ。車は殆ど真ん中のセンター・ラインの上を走る。なにしろこのあたりの道路には横にガードレイルなんてないから安心して走るのには真ん中を走るのは理屈だ。
そのうちに通りかかった街の中に登っていく。どこに行くのかと思ったらどこかのガイドブックの写真で見た銅像だ。「キュルキュバイヤルクロイトル」とかいって12世紀にやってきたアイルランド人宣教師が修道院を開いたというところだ。重き枷を背負っている修道士の姿か。 -
進行方向左側に続いて見えてくる崖にはあっちにもこっちにも驚くほどの水量を誇る滝が見える。そうかといってこの雨の中を外に出て行って写真を撮る気にもならない。
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Dverghamrarと呼ばれている場所にさしかかると雨も殆ど止んでいる。ここは柱状節理の岩山が露出しているところで、何とも奇妙な景色を呈している。
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すぐ横にまで牧草地が広がっていて羊めらが(なにも威張ることはないが)こっちをうかがっている。一行全員が雨合羽に身を包んでずるずる引きずる様はあたかも難民の避難のようであるよ・・・。
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氷河の下に隠れた火山が爆発したのは1996年で大洪水となって広い範囲を飲み込んだ地域を淡々と走る。荒野そのものである。
こんなところを自転車で淡々と走るという気持ちはいかがなものだろうか、とあの自転車野郎に同情を寄せてしまう。 -
その氷河が見えてきた。
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大洪水でこの辺り一面が埋め尽くされて僅かにこの破壊された橋の残骸が残してある。そしてその横にはボードが立っていてどのように埋まっていったかがよく分かる。
ビジターセンターに寄ると当時の状況がフィルムになっていてどんな具合だったのかが分かる。これは一見の価値がある。 -
これはボードに貼ってあった当時の様子を空中から撮った写真。それでも数週間後にはパワーラインを敷き、道路を確保したというのが凄い。今でも溶岩の砂利が延々と広がる中に電信柱が点々と続いている。それにしてもなんでこんな国で木の電信柱なんだろうか。
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スヴァルティフォスをいう滝を見に行こうとミニバスだからこその道をあがっていく。小高い駐車場まで来てみるとあたりがよく見える。この景色を見ると当時の大洪水がどれほどのものだったか想像がつくというものだ。
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時々雨が激しくなる中を全身カッパを着込んで平然と道を辿る。この奥に柱状節理の中に落ちる滝が見られるというのだ。
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お〜、遙かにそのスヴァルティスフォスが姿を見せてきた。あたりは気がつくと灌木の紅葉が進んでいる。なんだか蔵王の紅葉にいったかのようだ。
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ここまで来るとその柱状節理の中の滝がよく見える。周りには四角い石がゴロゴロしていてなんだか不思議な世界ではありませんか。
そろそろ腹が減ってくる。 -
まさに柱状節理のカーテンの中から水がほとばしりだしてくるかのようだ。
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横の崖を見るとこんな具合。
なんと表現したらよいのでしょうか。 -
風に揺れる小さなこんな花があちらこちらに見られる。
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Hotel Skaftafellというところで昼食になる。それでもまずビールを呑もうとするところが。
写真はないがここで出されたトマト・スープが温かくてうまく、その上ほぼ今回の旅で出てくるパンがあっちもこっちも美味しいのである。
慌ててスープに手をつけたので、写真がない。 -
メインはイワナのグリルをワイルド・ライスの上に載せてクリームソースをかけたもので、この寒さの中でとても嬉しいものだった。もちろん野菜は冷凍野菜だ。
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ヴァトナ氷河のヨークスルアゥロンという氷河湖でのクルーズに参加する。
乗り場までやってくるとみんながわぁわぁいうので一体何事と見ると、なんと立派な虹が出ていたのだった。 -
どんな船で氷河に乗り出すのかと思ったら、こんな水陸両用の乗り物なんである。船の中に貼ってあるラベルを見ると米軍の払い下げのようである。
なんだか豪州でも見た船に似ている外観だ。他にも同じ乗り物が3-4隻あって木でつくった乗降用のデッキから乗り込む。 -
こんな感じで氷河湖に乗り出すのである。車輪で走ってザブザブと乗りだし、しばらくそのままだけれども、そのうちにプロペラが回って船の雰囲気に。
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船の上からだって、こんな虹が見えて来ちゃう。なんだか雨が降るんだか降らないんだかという天候が幸いして、この虹が楽しめるわけだ。
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なんだか誰かがバスタブの中で「あぁ〜あ・・・」とリラックスしているような雰囲気に見えないことはないなぁとついうっかりシャッターを押す。
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私たちが乗っている船の周りをこのゴムボートに乗って如何にもやんちゃだぞと云う雰囲気の兄ちゃんが周りをぐるんぐるんと回っている。一体彼は何なんだろうと思っていると、彼がひょいと氷を拾う。
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その氷をたくましい兄ちゃんがひょいと受け取って見せる。その氷がなんとまぁ美しい気泡のひとつも入っていない氷。
その氷を割ってくれて、みんなに配ってくれる。カリカリと堅くて美味しい氷なんである。 -
こんな氷もあんな氷も浮かんでいて、なかなか飽きないんだけれど、実はとても寒い。そのうちに段々「もう良いから帰ろうよぉ」という雰囲気になってくる。この季節でもこんなに寒いんだからこの先はどうなるんだろう。この氷河湖クルーズも天候次第では動かないというんだけれど、そりゃそうだろうなぁと思う。
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で、無事上陸してやれやれと船を下りる。
一体全体この船のプロペラってどんな具合になっているのかと後ろに回って下をのぞき込むと、こんな具合だ。やっぱりプロペラは氷を巻き込まないように保護されている。実はよく見るとプロペラにも塗装がしてあったらしくて(普通はそんなことしないだろうに)見事にはげている。 -
すぐ横にある小高いところにあがると、こんな具合に船の拠点とトイレ売店の建物が見える。実はとてつもない風が吹いていてこの景色を写真に撮りながら飛ばされそう。
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その売店の建物の外にはこんな灰皿が置いてある。アメリカの国立公園の建物の外にもこれに似たコンセプトの灰皿がおいてあったな。日本では見たこともないけれど。
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今日の宿泊施設、南の漁村HofnのHotel Asgardurにチェックイン。このベッド・メイキングをご覧頂きたい。アイスランドで泊まった宿泊施設のベッドはみんなこんな感じ。上掛けが必ずこんな具合。これならベッドメイキングも面倒くさくない。
このホテルはこの街で一番古いホテルらしいのだけれど、ちゃんと無線LANが繋がる。ただでパスワードもない。 -
ドライバーのJohnがスーパーマーケットに連れて行ってくれるというのでみんなで出かけた。私の狙いは昨年英国に行ったときにTESCOで見つけた美味しい粉末スープ。もちろんこの国産ではないけれど数種類のものを入手。なんでも物価の高いこの国で一番安いCOOPブランドのものがISKr100である。尤も帰ってきてよく見たら袋に書いてあるのが全部アイスランド語で全く読めん。
で、このお姉さんがなんだか分からないんだけれど(なにしろ書いてあるのがなんだか分からない)結婚するんでみんなに振る舞っているとかいう説明だったんだけれど、それは単なる水らしい。結婚する人はこうして皆さんの祝福を戴く、っていうことらしいんだけれど、私の解釈は多分間違っているんだろうか。
それでもお友達と覚しき人たちが周りで写真を撮っておられましたよ。 -
ここでもやっぱりホテルでは夕ご飯はでないので(ゲストハウスとかB&Bの感覚ですかね)、みんなで街中のレストランに出かける。今日は金曜日だからそのレストランには男二人で食事中の若者や男女のカップルがいたけれど、平気で日本人の団体がわぁわぁ食事しているのはどう映るんでしょうね。
リークのスープです。美味しいです、これ。 -
やっぱり半パイントのビールを呑みました。概ね国産のビールだったら500-600クローネくらいです。私はいつも後でカードで払います。
実は最初に空港の免税店で2000クローネほどのCDを一枚買い、日本円の一万円で払ってお釣りをクローネで入手。それを所々で使いましたが、最後に千クローネ残し、ドライバーのJohnに「少なくて悪いけれど」と渡しました。
一行の中のお一人が「私もう現金がない」と仰るのですが、そんなはずはないだろうとみんなで話していたら、その方も免税店で1万円で水を買ったのにお釣りがとても少なかったと仰る。どうやらキャッシャーが千円と一万円を間違えたらしい。とても残念がっておられた。
ここから先は後の話になるんだけれど、ドライバーのJohnが免税店と連絡を取ってくれて、その結果そのお金がレイキャビックに返ったら戻ってきたんだそうだ。他の国だったらそんなこと考えられない事態。みんなでアイスランド万歳と叫びそうになったくらい。おかげでアイスクリームをみんなに奢ってくれました。儲けた!
ビールは写真を撮るのに途中で気がついたので少し呑んでしまいましたな。
写真がぼけぼけで恐縮です。 -
やや、出たなっ!ここでのメインは案の定、ラムステーキであります。で、私は食べられないというんで・・・。
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で、私むけの鱈です。野菜の上に乗っかっていて、芋は多分冷凍。バルサミコ酢がかかっています。これ、結構旨かったです。
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ま、よくあるチョコレートケーキです。豪州のマッドケーキほど重いものではないので、どうということもありませんが、やっぱりケーキは日本に限る。
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朝まだ浅き部屋から見た風景です。
実は昨夜、ふと気がつくと雨模様がすっかり綺麗になって星空なのが分かり、二人で部屋を抜けて出てみると天の川までが分かる状況。
そこでカメラを取り出して生まれて初めて夜空を撮影。全然オーロラっぽいものも見えず。そのうち流れ星を見る。
後で見てみると全く撮れていない。ISO400でやったのが間違いらしい。次回は800にしてみよう。そしてもう一つ間違いを発見。見ていた空は南で、実は北を見なきゃならなかったのだそうだ。 -
朝日が昇ります。静かな漁港の土曜日の朝です。
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やや、マッコウクジラの頭のような岬の上に誰かが散歩に行っています。よく見ると・・・あれはドライバーのJohnじゃないだろうか。
その向こうに氷河が見えているというのは凄いなぁ。 -
昨日の星空から想像がつきましたけれど、朝一番のこの好天気はとても気分がよいものがあります。
今朝はゆっくりと出発することになるので、充分散歩をするつもりです。 -
これでもアイスランドの中では大きい方の街なんだけれど、私の目から見たら何ともひなびた漁村。
ところがホテルの後ろに並んでいる普通の民家の家を見ていると如何にも北欧の家々で、とても簡単にできているのだけれど、外観はそれはそれは楽しくなるような作りである。北欧の住宅地を歩くと片っ端から写真を撮りたくなる気持ちがよく分かる。 -
かなり古いタイプの家で、モルタル壁で波板の屋根葺きである。この家はそうでもないけれど、もっと古い家だとfire placeの存在を示す煙突がついていたりしている。
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外壁に木の板を張っているけれど、決して木造ではないような気がする。尤も材木だけに限らず殆どの資機材は輸入に頼っているのではないだろうか
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外壁も屋根も波板で葺いてある。何よりものこ色のコーディネーションがよい。この家がそうかどうかは保証の限りではないけれど、壁はそれこそ「double brick」の様になっていて充分に断熱材が挿入されている。だから壁がとても篤く見えるはずである。窓ガラスは必ず二重ガラスのキットになっている。
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そして遙か彼方にこの島で一番大きな氷河、Vatnajokullがあっちにもこっちにも見えている。大きな氷河なんだなぁ。
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この風景がこの朝のこの街で、最も好きな風景だといって良いかなぁと思っていたのに、あっちを撮ってもこっちを撮っても良い景色になってしまうのがたまらない。
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ねっ!? これまたとてもいけてる景色でしょ?こういう船溜まりは大好きですねぇ・・。
日本の漁村だったら油の匂いやら、腐った魚やゴミの匂いがするはずなのに、ここでは全然感じられないのはなんでだろうか。菌が繁殖できないというくらい寒い、ということか。 -
ねねねっ!?これもまたたまらないです。
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このモニュメントを見ると必ずこの街だと分かるというくらい有名なものです。Seemen's Monumentらしいです。
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もう一枚。これもまぁ、何ともいえないものがある。こんな景色今までに見たこともないし、きっとこれからも見られないと思う。
この街は一泊しただけだというのに、私の心に充分残ってしまったのだった。
Hofnという街である。 -
朝ご飯を食べに行くと必ずここの国では様々なパンが出てくる。レイキャビックの一流ホテルだとパンそのものの種類が凄いんだけれど、こうした地方のホテルに行っても、普通のパンのバリエーションがそんなになくても、シリアルの変形のようなこんなパリパリしたものが何種類かある。
これをみて思わず「あっ、これだっ!」と声を上げた。かつて日本の造船所で働いていたときにノルウェーからやって来たSupervisorが私が東京に出張するというと必ず上の精養軒が売っていたこれに近いものがあるからできるだけ買ってきてくれ、と頼まれていた。なんでこんなものがほしいんだろうなぁと自分でも一枚食べてみて不思議でしょうがなかった。
彼らにとっては懐かしくてたまらないものだったんだろうなぁ。 -
ここでも朝ご飯はこんな感じのバフェである。昨日と皿に取ったものがほぼ変わりない。
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デューピヴォーグルの街にむかう間には今回のバスの旅で唯一のトンネルを通過した。ごく最近造られたトンネルだそうで、その前は山を巡っていたらしい。途中でオオハクチョウが集まっている入江に遭遇。たくさん集まってくるんだそうだ。
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アイスランドにはかつては森林が存在していたのだけれど、移住してきたヴァイキングによって伐採されてしまったこともあって今や木々の殆どは植林。多くの団体が植林運動をしているのだそうだ。申告すると資機材については政府から95%の補助が受けられるそうだ。
これはとても上手いやり方で、要するに団体は人手を、そして費用は政府が分担するというわけだ。目に見えてどっとあるわけではないが、こうしたサイトはあちこちに増えているのが目に見えて分かる。
ドライバーのJohnも他の場所でそんな団体の一員となって植林をしているんだという。普通のツアーだったらこんなところを見るチャンスもなかっただろう。 -
デューピヴォーグルの街で一休みする。ここも漁業で成り立っている街。小さいけれど浮きドックもある。
お店の前には何人かの人が集まって来ている。そこに車が何台か通りかかると、だれもかれもが彼らに声をかける。車がとぎれたときに「誰も彼もが挨拶するんですね」と話しかけると(もちろんアイスランド語ではなくて英語で)、「なにしろ450人しかいないんだから、知らない奴はいないんだよ」と英語でいうのである。これでは事件の起こしようがないというものだ。 -
海岸線はフィヨルド状態になってきて、思いっきり奥の方まで行って、フィヨルド湾のどん詰まりからまたまた山裾を抜けて外洋に近づいていく。
そのどんづまりのたった三軒しかない家を通り過ぎると、左側に白い囲いがあってそこに羊が三頭ばかりいる。
とりあえずバスを停める。このあたりは国道一号線も未舗装で、とてもしっとりしている。 -
山から何段にも水が流れ落ちて綺麗な滝となる。ドライバー兼ガイドのJohnがいうには昨日のあの激しい雨のおかげであっちこっちにも滝が流れ落ちて最高のsituationだという。
結構な滝の横を通り過ぎようとすると全員が「あ!滝に虹がッ!」と声を上げる。バスは急停車し、そのままバックする。風にあおられて流れる滝の水滴が広がってそれが全面的に虹となっている。わぁわぁいいながら写真に収める一行。あたかも小学生のバス遠足の如し。 -
ストーズヴァルフィヨルズ(Stodvarfjordur)という街でお昼ご飯になる。ちょっと早く着きすぎて街を見下ろす場所にあるスタンドで給油。その間散歩。
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そして見つけたこの石。確実に牧草地に座り込んでいる羊がそのまま石になってしまったに違いない・・・。
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多分海にむかって立っているなにかの合図の役目を果たしているに違いないと思われるポール。
多分これと対になる何かのポールがどこかに立っているんじゃないだろうか、というのがこれまでの私のキャリアーからの推測。
全く外れていても責任は負いかねる。 -
お昼ご飯はドイツから移住してきたというご夫婦が経営しているペンションである。
国道沿いにはこうした小さな施設があちこちにあるようだけれど、日本のようにべたべたと看板がうるさいように立っているわけではないので、その気になってみていないと分からないけれど、ただ「GUEST HOUSE」とか「HOTEL」とか書いてあるだけなので固有名詞、屋号が分からない。
母屋の手前に同じような木造の小屋があるのだけれど、後で聞いたらそれが鶏小屋なんだという。このペンションの裏の山にはまた滝がかかっている。 -
中に入ってみるとこんな具合に洒落た作り。あちこちに洒落たものが並べてあるのだけれど、地震が来たら相当に大変そうな気がするんだけれど、大丈夫なんだろうか。
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ビールは前にも呑んだGullである。一口思いっきりぐびぐびと飲んだところで、写真に気づく。
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アイスランドに来て初めて出されたサラダである。美味い。
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メインは鱈のグリルであるが、クリームソースが添えてある。ここに添乗員氏提供の醤油をかけると、これがなんと最高のソースとなる。
かつては出張でどこに行くにも醤油を持って歩き、レストランでやおら取り出して、その匂いが周囲のお客さんの顰蹙を買うということを平気でやっていたものだったが、今となると滅多にそんなことをしないものだから、こうした旨さのことを忘れていた。
女性軍の中には鱈を半分にしてくれという人が多かったけれど、もはや遅きに逸していて調理済みで全部出てくる。 -
アイスランドのこの界隈に来たら誰でもが立ち寄るという「ペトラおばさんの石博物館(Steinasafn Petru)に私たちも立ち寄る。
この辺のフィヨルドには見るべきものが景色以外には大変に限られているということの証明でもあるだろう。
私はどうせ、そんなものはたいしたことがないのだろうと高をくくっていたのだけれど、並べられているそれぞれの石はそれなりに意味のあるものばかりである。
ところが時々その中になんだか分からないものが混じっているものだから、何となく玉石混淆というイメージを払拭できないでいるのではないだろうか。
どうやらおばさんの息子さんとその奥さんがおられたようだけれど、私たちが出発しようとするとお二人はチェーンを張って二軒隣の家に帰って行かれた。
間の家が今売りに出ているのだけれど、まだ売れていないという。男性がひとりで暮らしていたけれど、そろそろひとりでは暮らして行かれなくなりそうなので、もっと大きい街に移っていったのだそうだ。 -
入ってすぐのところにこんな具合に水晶(?)がゴロゴロ並べてある。
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途中で出来たばかりのAlcoaのアルミ精錬工場があるレイザルフィヨルド(Reyðarfjörður)という街に寄ってから、今日の宿泊地、エイルスタージル(Egilsstardir)にむかう途中で分水嶺の峠にやってくる。
この界隈が実に美しい紅葉と化していて、思わずミニバスを停めてもらう。少人数の旅はこんなところが実に便利だ。 -
こんな具合を見るとやっぱり美しい。
エイルスタージル(Egilsstardir)に到着してみると開店してまだそれ程時間がたっているわけではないだろうと思われるホテルの周りはやたらと工事中である。多分後ろの工事現場はいわゆる下駄履きアパートという感じ。こんなところにカフェがあったりするんだけれど、一体誰がやってくるんだろうか。
すぐ隣はIcelandではどこに行ってもある「BONUS」というスーパーマーケットで、様子を見に遊びに行く。土曜日らしく山のように冷凍食品を買っていく人がいる。
天気の様子から見るとオーロラの可能性がなきにしもあらずだろうと思うけれど、ホテルの前は煌々と照っている街路灯がず〜っと続いていて、条件は良くない。 -
夕飯のビールは今夜はVIKINGである。
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今日の食事は何よりも最初に出されたトマト・スープが旨い。
今日に限らずアイスランドでは出されるスープでまずいなぁと思うものに出会ったことがない。
しきりにアイスランドの食べ物は日本人の口に合うと様々なところに書かれているけれど、確かにあれもこれも日本人のテイストにうまく合う。特にスープはどこに行っても美味しい。 -
確か、この日のメインはラムだったのではなかったかと思うのだけれど、もう覚えていない。前にも書いたように私はラムはダメです、と伝えてあって、代わりのものがやってくることになっていて、今日はチキンの胸肉だった。美味しいんだけれど、胸肉だからぱさつくところが難。
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どこのホテルに泊まってもバスルームの壁にこれが貼ってある。
アイスランド旅行業協会と環境庁の連名で環境保護のためにまだ使うタオルはハンガーに掛けておいてください、洗濯しなくてはならないものは床においてくださいというお願い。
しかし、どうしてもこの漫画のおばさんが夢遊病者のように見えるものだからとうとうここで写真に撮った。 -
20時半頃に窓から見ていると北の空に雲が見えるような気がしていたが、添乗員のOさんから電話を貰ってどうやらあれがオーロラのようだという。
それと飛び出す。デジカメはマニュアルモード、ISO400で三脚を構えてF2.8 バルブで15”に設定して撮るが、殆ど見えない。
ISOを800にあげて同じ条件でレリースを押すと、なんと、ものの見事に緑色の帯が映っている。やっぱりオーロラである。
この日を「オーロラ記念日」と命名しちゃうのである。
しかし、弱い状況でそのうち見えなくなってしまってこちらも撤収する。部屋の窓から北の空を見ると先ほどの条件を超える状況にはならず、ついに寝る。 -
080928 第五日目
朝起きて川の方にむかって散歩に出ると、「BONUS」の反対側にはこんな瀟洒な集合住宅が建っている。ということはこのEgilsstaðirは大きいに違いない。2007年発刊のLonely Planetによると人口約2000人であるけれど、この雰囲気では人が増えているんじゃないだろうか。 -
牧草地の間の道を川にむかって歩いていくとその奥にもこんな歴史のあるホテルがあって、その隣は通りを挟んで酪農家の牛舎で、牛の様子が窺える。
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そのまた先に行くと、牧草地に張ってあるロープにこんなロープ巻がぶら下がっている。よく見るとこれで弛みも取れるし、ぴんと張っておくことが出来るという優れものである。
川に面した牧草地にはアイスランド各地で見られるポニーが数頭佇んでいた。小さい馬で親しみがある。 -
これがそのアイスランド各地でお目にかかるポニーである。この種はやはりかつてスカンジナヴィアから連れてこられたそうだけれど、それ以来全く混血していなくて、純粋のまま保たれているのだそうだ。国外に連れ出した個体はその後の入国が許されないというくらいに厳しく管理されているらしい。
かつては娯楽としての闘馬やら、食用やらだったようだけれど、牧羊にも使われたり、乗馬に使われているそうだ。
アクティビティとしての乗馬という看板も見るが、どこかで「rental horse」という看板も見た。あれ?ということは英語の看板だったわけで、それは外国人観光客むけということか。 -
内陸にむかって走り続けていたミニバスが突然スピードを落としただけではなく、あまつさえドライバーのJohnはバックさせる。
なんと、当所は食用としてスカンジナヴィアから連れてきたのに今や野生となっているトナカイを発見。素晴らしい角だ。 -
今日は大きな滝を見に行くわけだけれど、その道すがら道の横にはこれまでの雨で水量が増大したために目立つようになった滝があっちにもこっちにも出現している。添乗員氏は次々に参加者の名前を命名していく。これは豪華だ。
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そんな滝のひとつを写真に撮ろうじゃないかとまたまたみんなでミニバスから降りて背を伸ばす。
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こんな山を遙かに見せられてしまっては思わず知らずどんどん歩いていってしまおうというものだ。
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こんな状況に日本人がぞろぞろと歩いていたら、そりゃ滅多にやってこない対向車はびっくりしてしまうでしょ?一体こりゃ何があったんだろうって。
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なんてったって日頃はこんな景色なんですから。
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途中のMöđrudalという村に寄ってトイレタイムとする・・・ところがそのトイレに鍵がかかっている。みんなもう少しがまんすることを覚悟するころ、あっちの方からバスケットを抱えた女性が降りてくる。
これがお店の建物だった。伝統的に断熱されて建てられた建物なんだそうだ。この村はこうして観光客を呼んでいるそうだ。
給油所のポンプもこれそっくりの建物の中に入ってる。壁も厚くて扉もどっしりしていて如何にも北欧仕様の建物。 -
これがその給油ポンプが入っている建物で、その向こうがこの村に住んでいる人たちのための教会・・だけれども一体何人住人がいるというのだろうか。
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この辺にやってくる観光客は超有名なDettifossがめあてなんだけれど、その2km下流にあるHafragilsfoss(山羊の滝)には余り人が行かないそうだ。こういうときにJohnの力は大きいのだ。
おかげで、この景観を独り占め、あ、いや14人占めして今朝出てきたホテルでつくってくれたサンドイッチをパクつく。このサンドイッチが冷たいのに美味しかった。 -
この滝の遙か上流を見たら微かに水煙が立ち上っているのが見える。
あれがDettifossである。
さ、あっちに行こう。 -
見よ、この水煙を。
甚だ残念なことに太陽の向きの正反対にいるものだから、華やかな虹を愉しむことが出来ない。惜しい。
向こうから見たらどれほど美しい光景か。 -
この景色を見たらなんだかとても信じられない。こんな大量な水がどうどうと轟音を響かせてまさに雪崩を打って落ち込んでいく、そのまさに間際にのぞき込むことが出来るという状況はびっくりだ。
手すりだなんだというものは全くなくて、あなた自身の責任だよ、というこの姿が余計に自然を身近にする。それもこれも人の影が絶対的に少ないからいえることだろう。 -
立ち上る水煙。
この地域でここが唯一の柵がある場所。
滝壺がよく見える。 -
滝の上流に架かっている橋を渡る。水を見るとこれが氷河から流れ出した水であることがよく分かる。これだけの大量な水があの滝にむかっていくんだから迫力があるに決まっている。
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今度は火山のクレーター湖ですよ。Vitiと書いて「地獄」という意味らしいです。なにしろアイスランド語を全く理解できませんから、解説しませんが。18世紀の前半に噴火した噴火口だそうで。
ふちを一周ぐるりと出来るそうですが、とてもとてもそんな体力はありませんけれど、ここまで登ってみるとそれ程大して時間がかかりませんから、意外とあっさり回れるかも知れませんね。 -
反対側の稜線にいる人の向こうに蒸気があがっているのが見えますか?
地熱発電所から噴出する蒸気だったかなぁ・・・、もう忘れている。 -
こんな風景が如何にもアイスランドです。この発電所は1970年代に既に建設されているものだそうで、なんだか地球の躍動感を感じますよ。
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これなんかどこら辺で取ったのか、もう思い出せないのですが、とりあえずVitiから秋真っ盛りで、こんな具合に紅葉が楽しめるなんて思ってもいなかったので、思わずカメラを向けてしまいます。
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ナウマフィヤットル(Námafjall)の裾野にこうした蒸気があがっているところがある。クヴェーラロンドと呼んでいるんだと添乗員氏が教えてくれたんだけれど、その綴りを見つけられていない。
ここは米国のYellowstoneのように木道が敷いてあるわけでもないものだから、ここを歩き回ってきて、全員の靴にシルトがどっさり詰め込まれてしまった。そのままの靴でドガドガ入っていってしまったものだから、Reykjahlíðのホテルは泥だらけになってしまった。しょうがないなぁ。
どうやらみんな同じ悩みを抱えるらしくて、駐車場のところにはLチャンネルを埋めて立ててあり、みんなそこでごしごしと泥を落とすんだけれど、うまくはいかない。昔の雨の日の小学校のように、靴を洗うところがあると良いのにね。
かつてはデンマークが現地の人をこき使って、要するに搾取して、硫黄を採取していたところなんだそうで、まさに箱根の大湧谷。
もちろん硫黄というか硫化水素の匂いがする。私は昔から箱根の芦の湯のお湯が好きだったので、全然大丈夫なんだけれど、ここのはなにか、嫌な匂いが混ざっている。 -
さて、ホテルはHótel Reynihlíðです。ここの部屋も大した広さではないけれど、清潔、快適。ベッドはやっぱりこんな具合のメーキング。
無線LANもばっちりだけれど、パスワードがあってフロントのお兄さんがもうプリントしてある紙をくれる。ただし、端っこの方の私が入った部屋ではちょっと無理で、ロビー(というほどではないけれど)の椅子に座って満喫。 -
シー・フード・サラダ。ついてくるこのパイ皮のようなものがパリパリのサクサク。
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テーブルにどんとサーモンが野菜と共に供されて、みんなして、あれま!美味しそうではありませぬか。
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こうして好きなだけ皿に盛ってしまいました。今から考えると皆さんのことを考えて取ったかどうか、全く記憶がありませぬ。自分で好きなだけ取っちゃいました。別にタルタルソースがあって、美味しい!
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挙げ句の果てにこのデザートのパイまで綺麗に平らげてしまい、帰国してから食べる量が全然減らなくて、益々メタボに拍車がかかる始末。
アイスランドの食べ物は美味しい美味しいと、どの本を見ても書いてあるけれど、それは本当です。 -
食事を終えてから、みんなでNature Bathsに行く。お一人不参加の方がおられたので、Johnも一緒。
仄かな灯りの中で入る温泉も風情があるのだけれど、雨がぽつぽつで風呂からオーロラはダメだった。
入る前にシャワー室で入念に身体を洗うこと、というのが徹底されているらしくて、シャワーの横にはシャンプーのポンプがある。
覚悟はしていたのだけれど、外気は殆ど摂氏1℃くらいで、外に出るなり、寒い、寒い。思わず一行は「わぁ〜さむい〜」と声を上げて大顰蹙を買う。
それでもいったんはいると、実に気持ちが良くて、もうこれはクセになる。
夏は真夜中まで開いているそうだけれど、9月にはいると夜10時までになる。
ブルー・ラグーンに比べたらとても質素な施設だけれど、地元の人たちばかりでなんだか地方の湯治場に来たようだ。
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