2008/08 - 2008/09
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ケッタコグさん
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かつて岐阜の町には赤いチンチン電車が走っていた。
車に邪魔されようが、逆に電車が高圧的な態度を取ろうが…それが当たり前の風景だった。
しかし2005年3月。
岐阜の町から赤いチンチン電車は消えた。
大正時代から昭和、平成にかけ人々の足と歴史を運んだ動く赤い箱はもういない。
そんな彼らの足跡は今どうなっているのだろう…。
年月が経てば経つほど、その跡は消えてなくなっていく運命だ。
今のうちに沿線の町とともに巡ってみようか。。
まずは岐阜市北西部から揖斐郡揖斐川町まで18.3?の名鉄揖斐線(忠節−北方−黒野−揖斐川)を走ってみました。
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一番最初の写真…何でもないただ駐車場です。
ですが、この場所こそが今回の出発点でもある、
名鉄揖斐線「忠節駅」跡なのです。
ここは名鉄岐阜駅(旧新岐阜)発の岐阜市内線と郊外を走る揖斐線の連結駅でもあり、小さいながらもスーパーが併設する駅ビルがあり往時には割と多くの乗降客がありました。
個人的にこの駅はなじみ深い駅であり学生時代によく利用していました。
この駅を訪れるのは本当に久々のこと。
廃線後、今回が初めての訪問でしたが…愕然としました。。
全く駅の影も形すらもない。
初っ端から3年という時の流れの速さをまざまざと感じさせられました…。 -
忠節駅のすぐ隣には新しいスーパーが建っていました。
その先に初めてここに列車が走っていた形跡がありました。
道路に埋められたレールが途中で寸断されています。 -
その先からまだ舗装されていない線路跡が残されています。
線路内にはもう使われることのない大量の枕木がたくさん積み上げられていました。 -
忠節駅を出発して最初の駅が「近ノ島」駅です。
この名鉄揖斐線は殆どが無人駅で、運転手のみのワンマンカーで運用されていました。
まだプラットホームの跡は残り、ここに駅があったということが確認されます。 -
廃線を知らせる掲示がシワシワになって残っていました。
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駅のそばに祀られている「甑(こしき)地蔵」。
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「旦ノ島駅」跡。
この近辺は「○○島」という地名が多いですが、昭和初期までこの一帯は長良川から分流した「古川・古々川」とよばれる川によって川中島となっていたそうです。
大雨が降ると周辺は洪水となっていたため、2つの川の流れをせき止める大改修を行い現在の川の流れになったそうです。地名を調べると意外な過去の歴史がわかって面白いですね。 -
線路沿いを歩いてみました。
錆びついたボルト・ナットが無造作に。 -
伊自良川に掛かっていた尻毛鉄橋。
かつては鉄道ファンが撮影ポイントとして電車が来るのを狙っていた場所だそうです。今では橋の一部が撤去され途中で無くなっている状態です。 -
尻毛…「しっけ」と読みます。
尻毛駅は全国的にも珍名駅の一つだったそうです。
考えてみればスゴイ名前かも。。
沿線近くにあった「スーパー尻毛」。
もちろん普通のスーパーです^^;
ただ変な想像をしてしまう…。 -
ここが珍名駅で有名(?)だった「尻毛駅」跡です。
プラットホームが両側にあります。
揖斐線は単線だったので、このような駅で対面の電車を待ってすれ違わなければいけませんでした。 -
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「又丸(またまる)駅」跡。
尻毛の次が又丸です…。 -
「北方東口駅」跡。
よく見ると、
「きっぷは人力車でお求めください」
と、書いてあります。 -
「美濃北方駅」跡。
揖斐線の中核駅の一つです。
以前はレンガ造りの立派な駅舎が建っていたそうで、大いに賑わっていたといわれています。 -
暗く寂れた改札口にはもう待っている人はいない…。
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「また明日な〜」
かつて、夕暮れ時に幾人の友や恋人がここから別れて行ったのだろうか。 -
ここでぶらり途中下車(下ケッタ)の旅。
自転車を置いて北方(きたがた)の町を散策してみました。
まずは町の歴史を知ることから…
北方町立図書館に併設されている歴史民俗資料館へいってみました。
資料館の入り口には立派な冠木門が建てられています。
中は狭いですが、おおまかな北方の歴史がわかるように展示してありました。
できればパンフレットか地図を見て町を散策したかったのですが…パッと見無さそうだったのでそのまま町へ出発。 -
北方町のマンホール。
ちなみに北方町は岐阜県で最も面積が狭く、人口密度の高い市町村だそうです。
岐阜県は平成の大合併により多くの市町村合併が行われましたが、本巣郡北方町は周辺の本巣市、瑞穂市、岐阜市のいずれにも合併せず本巣郡唯一の町として残りました。 -
円鏡寺門前の大イチョウの木。
11月下旬ごろになると見事な黄色に染まるのでしょう。 -
「円鏡寺」
北方町のシンボル。
といってもつい最近まで私も知りませんでした^^;
見事な楼門は1296年に建てられたそうです。 -
仁王像。 (向って左側)
吽(うん)形。 -
仁王像。(向って右側)
阿(あ)形。 -
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たくさんの鯉の群れがユラユラと…。
寺の正式名は「池鏡山 円鏡寺」。
境内の池から見つかった鏡を天皇に献上したところから授かった名だそうです。 -
三重塔。
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大黒天像。
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観音堂。
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魚供養観音菩薩。
大きな金色の鯉を抱えています。 -
県下新八景の碑。
各務原市の「おがせ池」でも見かけた覚えが…、
あと関市の善光寺、吉田観音。
そして養老の滝…。
新八景じゃなかったかな??
なんか十名所とか岐阜県八景とか似たようなものも多いのでウル覚えです。
他の場所をご存知の方、教えてください♪ -
お寺の前は円鏡寺公園となってます。
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円鏡寺本坊。
実はこちらがメインなのです。 -
本坊の中にある「庫裏」と「和合の木」。
この円鏡寺には非常にたくさんの重要文化財が保管されており、
「美濃の正倉院」の別名があるほどです。
庫裏の屋根瓦が見事でした。 -
円鏡寺を離れ、近くの西運寺へ。
「時の太鼓」が入っている堂。
1697年、北方の領主だった戸田光賢公が将軍綱吉に見事な馬術を披露した褒美に頂いた太鼓が納められているそうです。
言われな絶対わからん…。 -
小さな看板が…行ってみよう。
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北方城跡。
住宅地の中ほんの庭先ほどの土地にひっそりと…。
戦国期、美濃三人衆として有名な安藤守就が治めていました。 -
もちろん、こんな猫の額ほどの場所だけが城跡なわけではなく、ここ周辺一帯が城跡でした。現在は全くといっていいほど跡形もなく、説明板がなければ他に何も遺構もありません。
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地図を見るとこの何でもない小川が北方城の堀跡ということなのでしょう。。
ひょっとしたら身近な場所にも、知らず知らずにこんな場所が隠れているのかも…。
と、思いつつ写真を撮っていると、ママチャリに乗った男性から声をかけられた。。
色々と話しているとどうやら「北方町を良くする会」(だったか…失念失礼)の方だということで、地元を良くするために何かヒントを探して今、チャリで回って調べている所だと仰っていました。
何か歩いてみて思ったことは無いですか…と尋ねられましたが、突然言われると何も出てこない。。ウーム…絞り出した唯一の答えが
「パンフレットがあると街歩きに便利ですね」
というさっき資料館で思った何ともヒネリのない答えになってしまった。
男性は「貴重なご意見ありがとう。今度町長にお伝えしておきます」と言われ去っていかれた…。
ウーン、自分のボキャブラリーの無さに愕然;;
皆様、北方町をもし訪れられましたら町おこしに良きご意見を送ってあげてください☆ -
古い町屋に昭和の風薫る銭湯も。
結構、味のある町ですよ…北方。 -
また小さい看板が…。
安藤守就(あんどうもりなり)は先ほど訪れた北方城を守っていた戦国武将で、稲葉一鉄・氏家卜全と共に「美濃三人衆」として知られています。
土岐頼芸→斎藤道三→織田信長と、時の美濃を治めていた領主に仕え数々の合戦で活躍していましたが、信長に武田勝頼との内通を疑われ追放されてしまいました。
その後は扮陽寺(現・関市武芸川)で隠遁していましたが、本能寺の変での混乱に乗じ挙兵。北方城を奪うも反撃にあい、この地で自害したといわれています。くしくも最後の相手になったのは同じ美濃三人衆の一人であった稲葉一鉄でありました。。 -
看板の先は…民家の軒先やんか。。
こんな場所にそんなもんがあるの??
行きづらいなぁ。 -
本当に民家の庭先のような場所にポツンと碑と説明板がありました。
しかし戦国武将の「戦死の碑」というのは珍しいですね。 -
さて、先に進みましょうか…。
北方を後にして終点揖斐川を目指して続きます。。
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この旅行記へのコメント (2)
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- シンバさん 2008/10/07 07:55:57
- かつて・・・
- おばあちゃんと一緒にチンチン電車に乗ってお出かけをしてた。
おばあちゃん子の自分にとって、そのお出かけは大冒険だった。
マルブツ百貨店には見たこともない物が置いてあったし、
自由書房には信じられないくらいの本が並んでいた。
「赤い箱」は、僕を宇宙にまで連れて行ってくれた・・・。
この写真、いいです。
こういう構図でシャッターを押そうする発想・・・それが必要なんですね^^;
「スパー尻毛」は思い着いていたのですが。。。
シンバ
美濃町線も期待してま〜す♪
- ケッタコグさん からの返信 2008/10/07 20:24:23
- RE: かつて・・・
- シンバさん、こんばんは^^
> おばあちゃんと一緒にチンチン電車に乗ってお出かけをしてた。
> おばあちゃん子の自分にとって、そのお出かけは大冒険だった。
> マルブツ百貨店には見たこともない物が置いてあったし、
> 自由書房には信じられないくらいの本が並んでいた。
> 「赤い箱」は、僕を宇宙にまで連れて行ってくれた・・・。
実は私もおばあちゃん子で「赤い箱」に乗せて色々連れて行ってもらいました。
今思えばほんの少しの距離なのにどこへ行けるのかワクワクしていた記憶がよみがえってきます。
折しも新聞に自由書房閉店の記事を見たばかり、赤い箱に乗って見た風景がドンドン変わっていきますね…。
>「スパー尻毛」は思い着いていたのですが。。。
以前、尻毛の近くに親戚が住んでいたので普通に接していた地名でしたが、
改めて聞いてみるとスゴイ地名かも^^;
> 美濃町線も期待してま〜す♪
はい、ボチボチまとめていきます♪ ありがとうございました☆
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