大田原・黒羽・那珂川旅行記(ブログ) 一覧に戻る
「かさねとは 八重撫子の名なるべし」<br /><br />紀行文「奥の細道」の中でも珍しく叙情的に描かれた名場面の一つ。<br />沢の宿から大田原へ歩き出した芭蕉一行は、<br />その広大な荒野、那須野が原に呆然とした事だろう。<br />芭蕉は病持ちで、果たしてこの野っ原を越えられるか<br />不安にかられたに違いない。<br />そこで一軒の農家に頼み込んで馬を借り、<br />人里の見えた所で馬を返す約束をする。<br />その時、馬にくっ付いてきたのが「かさね」と言う名の女の子。<br />きっと地元の歌でも唄いながら馬の後を付いてきたのだろう。<br />可愛らしさと名前の珍しさと、その優しい景色に、<br />うぶな女学生のように胸を締めつけられたのは、<br />弟子の曽良くんだったのでした。<br />そしてその甘酸っぱい気持ちから絞りだされたのが、<br />この「かさねとは・・・」の句。<br /><br />この句碑はここ一帯に3ヵ所もある事が判明。<br />黒羽の句碑は2年前に見たのでクリア。<br />さて今日は、沢の宿と薄葉の街道沿いにある2ヵ所の句碑を調査してみたい。<br /><br />県道52号線は一気に視界が開け、田園の中を気持ち良く歩く事ができた。<br />新幹線の高架下から52号線を外れると、間もなく、<br />綺麗に手入れされた家並みが続く「沢」の宿へ入る。<br />今日は晴天に恵まれたせいか、道の両側を流れる水路がキラキラと美しい。<br />今は人っ子一人見かけないが、昔は馬の市が開かれるほどの宿場だったとか。<br /><br />宿のはずれに「沢観音寺」があり、自慢の庭園を入っていくと、<br />竹やぶ近くの暗闇にひっそりと句碑が立っている。<br />奥ゆかしいほどアピールゼロ。もちろん「かさね饅頭」など売っていない。<br /><br />箒川の河川敷へ出る。<br />整備をやめてしまったかのような荒れ果て方で、<br />今ではトンボとカエルとバッタの天国。<br />構わず歩くと何匹か本当の天国へ送ってしまいそうだ。<br />いや、送ってしまったかもしれない。<br /><br />車止めのゲートをすり抜け、県道へ戻る。<br />箒川にかかるこの大きな橋は「かさね橋」という。<br />橋の袂の欄干には、蕪村の描いた芭蕉一行のレリーフがはめられ、<br />「かさねの里」に近づいてきたんだなと実感できる。<br />川の下では投網をする人がいた。<br /><br />風は微かに涼しいとはいえ、オッサンを殺すには充分な暑さだった。<br />たまらず近くのコンビニで「ガリガリくん」を購入。<br />胃袋から体を冷却する。<br />間もなく那須塩原市の看板近くに、これまたアピールゼロの句碑発見。<br />後ろは工場、前はダンプ、色はすすけて陰も無いのに陰の中。<br />普通の人なら絶対発見できない存在感だ。<br />「もっと前へでろ!」と背中を叩くと<br />明日から学校来なくなりそうな雰囲気なので、<br />そっと写真におさめる。<br />「かさねちゃんが悪いんじゃない、<br />きっと曽良くんが詠んだってところに問題があるんじゃないか・・・」<br />などと、勝手にこのあまりにも人気のなさを解読していた。<br /><br />句碑ハンターはこのまま大田原へ突入!といきたいところだが、<br />今日は夕方から小2の甥っ子と遊ぶ大事な約束があるので、<br />大きく左へ旋回し、「JR野崎」駅から東京へ帰る事にする。<br /><br />

電車で行く沢・薄葉

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2008/09/14 - 2008/09/14

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zakoneboy

zakoneboyさん

「かさねとは 八重撫子の名なるべし」

紀行文「奥の細道」の中でも珍しく叙情的に描かれた名場面の一つ。
沢の宿から大田原へ歩き出した芭蕉一行は、
その広大な荒野、那須野が原に呆然とした事だろう。
芭蕉は病持ちで、果たしてこの野っ原を越えられるか
不安にかられたに違いない。
そこで一軒の農家に頼み込んで馬を借り、
人里の見えた所で馬を返す約束をする。
その時、馬にくっ付いてきたのが「かさね」と言う名の女の子。
きっと地元の歌でも唄いながら馬の後を付いてきたのだろう。
可愛らしさと名前の珍しさと、その優しい景色に、
うぶな女学生のように胸を締めつけられたのは、
弟子の曽良くんだったのでした。
そしてその甘酸っぱい気持ちから絞りだされたのが、
この「かさねとは・・・」の句。

この句碑はここ一帯に3ヵ所もある事が判明。
黒羽の句碑は2年前に見たのでクリア。
さて今日は、沢の宿と薄葉の街道沿いにある2ヵ所の句碑を調査してみたい。

県道52号線は一気に視界が開け、田園の中を気持ち良く歩く事ができた。
新幹線の高架下から52号線を外れると、間もなく、
綺麗に手入れされた家並みが続く「沢」の宿へ入る。
今日は晴天に恵まれたせいか、道の両側を流れる水路がキラキラと美しい。
今は人っ子一人見かけないが、昔は馬の市が開かれるほどの宿場だったとか。

宿のはずれに「沢観音寺」があり、自慢の庭園を入っていくと、
竹やぶ近くの暗闇にひっそりと句碑が立っている。
奥ゆかしいほどアピールゼロ。もちろん「かさね饅頭」など売っていない。

箒川の河川敷へ出る。
整備をやめてしまったかのような荒れ果て方で、
今ではトンボとカエルとバッタの天国。
構わず歩くと何匹か本当の天国へ送ってしまいそうだ。
いや、送ってしまったかもしれない。

車止めのゲートをすり抜け、県道へ戻る。
箒川にかかるこの大きな橋は「かさね橋」という。
橋の袂の欄干には、蕪村の描いた芭蕉一行のレリーフがはめられ、
「かさねの里」に近づいてきたんだなと実感できる。
川の下では投網をする人がいた。

風は微かに涼しいとはいえ、オッサンを殺すには充分な暑さだった。
たまらず近くのコンビニで「ガリガリくん」を購入。
胃袋から体を冷却する。
間もなく那須塩原市の看板近くに、これまたアピールゼロの句碑発見。
後ろは工場、前はダンプ、色はすすけて陰も無いのに陰の中。
普通の人なら絶対発見できない存在感だ。
「もっと前へでろ!」と背中を叩くと
明日から学校来なくなりそうな雰囲気なので、
そっと写真におさめる。
「かさねちゃんが悪いんじゃない、
きっと曽良くんが詠んだってところに問題があるんじゃないか・・・」
などと、勝手にこのあまりにも人気のなさを解読していた。

句碑ハンターはこのまま大田原へ突入!といきたいところだが、
今日は夕方から小2の甥っ子と遊ぶ大事な約束があるので、
大きく左へ旋回し、「JR野崎」駅から東京へ帰る事にする。

同行者
一人旅
一人あたり費用
1万円未満
交通手段
JRローカル
  • 県道52号線 那須学園付近<br />一気に視界が開け、遠くに山並みも見えます。

    県道52号線 那須学園付近
    一気に視界が開け、遠くに山並みも見えます。

  • 沢の宿<br />今は街道とか宿場とかいうイメージはないが、<br />美しい通りです。

    沢の宿
    今は街道とか宿場とかいうイメージはないが、
    美しい通りです。

  • 沢観音寺の奥にひっそりと立つ「かさね・・・」句碑<br />冬場の葉が落ちた頃に行くと、<br />この場所から川が一望できるようです。

    沢観音寺の奥にひっそりと立つ「かさね・・・」句碑
    冬場の葉が落ちた頃に行くと、
    この場所から川が一望できるようです。

  • かさね橋<br />興味ない人にはただの橋なんでしょうが、<br />例えかさねの句碑が忘れ去られ無くなろうとも、<br />ここにかさねの名は残りそうです。

    かさね橋
    興味ない人にはただの橋なんでしょうが、
    例えかさねの句碑が忘れ去られ無くなろうとも、
    ここにかさねの名は残りそうです。

  • この地がかさねの話の有力候補だそうです。<br />もし車でここを通る事があったら、<br />この碑を見つけてください、とは言いません。<br />大変分かりづらいので事故る恐れがあります。<br />気をつけて!

    この地がかさねの話の有力候補だそうです。
    もし車でここを通る事があったら、
    この碑を見つけてください、とは言いません。
    大変分かりづらいので事故る恐れがあります。
    気をつけて!

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