「京都・ホテルオークラ」ではなくて，「京都ホテル・オークラ」！

2008/08/18 - 2008/08/22

8月に京都ホテルオークラに4泊し，シングルとスーペリアツインを利用しました。私は，今回とても楽しみにしてこのホテルに泊まったのですが，できて当たり前のサービスができないことにとてもショックを受けてしまいました。かなり長くなりますが，以下詳細です。

私は現在海外在住なので，帰国した時にホテルで和朝食を頂くことをいつもとても楽しみにしています。通常，オークラなどの一流ホテルの和朝食をいただくと，ホッとした気分にさせてくれるのですが，このホテルの「入舟」の朝食はなんとも貧弱かつ味も本当に料理人が作ったのかと思うほどお粗末。そのくせ他のホテルより値段は高い。あまりの失望感に，総支配人宛アンケートと便箋二枚に改善の要望書を書いてフロントに渡しました。するとその日の午後，ホテルに戻ると副支配人と料理長がやって来て改善する旨の返答がありました。

ここまでなら，「こういうこともたまにはあるか。。。」と思い，やり過ごすこともできるのですが，このホテルはそれだけでは終わらせませんでした。

次に泊まったスーペリアツインは，部屋自体はまあまあ期待通りでしたが，バスルームには信じられないことが。。。
まずは，トイレが臭い。最初は自分の鼻を疑いましたが，何度嗅いでも臭い。。。いままで，ビジネスホテルも含めて多くのホテルに泊まりましたが，ホテルのトイレが臭いなんて生まれて初めての経験です。それだけでなく，仕切りのガラスが湯垢や油で汚れています。。。シャワーブースのガラスも汚れています。。。さらに，洗面台のコップを置くトレーにも何かをこぼしたような汚れが。。。止めを刺すかのように，部屋の空調までカビ臭い。
直ぐにフロントに文句を言って部屋を替えてもらえば良かったのかもしれませんが，このときはあまりの酷さに本当にショックを受けてしまい，文句をいう気力さえ完全に失せてしまいました。しかし，翌日のチェックアウトのときには，改めて総支配人宛のアンケートにこの件を記入してフロントに提出しました。

しかしその後一向に何の連絡もないので，昨日抗議のメールをしたら，今日国際電話が掛かって来て事の顛末の説明があり，先のアンケートと重複したものと勘違いしていたためとの説明。つまり，客の声に真摯に目を通していなかったということを意味しています。さらに，このアンケートは総支配人宛となっているにも関わらず，実際には総支配人には届かないとも言っていました。聞けば聞くほどお粗末な答えが返ってきます。

私は，今回このホテルはホテルオークラだと思って泊まったのですが，当初から他のオークラと設備等について違いがあり違和感を持っていました。しかし，今回の一連の不手際を見て，ここは「ホテルオークラ」ではなく，「京都ホテル」なのだということに初めて気が付きました。
通常，一流と言われるホテルに泊まったら，チェックアウトの時には「あともう一泊くらいしたいな」と思うのですが，このホテルには「早くチェックアウトしたい！」と思わされました。こんな思いをさせられたのは生まれて初めてです。

今回私が指摘した点は，どれもホテルならばできて当たり前のこと。それは，声を大にして褒めてもらえることではないかもしれません。しかし，客にとっての心地良さとは，何も特別なことをすることではなく，当たり前のサービスを安心して受けられることだと私は思います。
このホテルは創業１２０年になるそうですが，それだけの歳月を掛けてホテル業としての基本を忘れてしまったようです。
客に安心感を与えられないようなこんなホテルにはもう二度と宿泊するまい，と堅く心に誓いました。

エリア 二条・烏丸・河原町(京都)

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円

宿泊した階の踊り場です。
このホテルは建物自体は本当に豪華に見えます。

客室階は吹き抜けになっていて，一番底はステンドグラスになっています。

最初に泊まったシングルです。予想していたより狭かったです。ベッドサイドには，一流を気取るホテルとはとても思えないような安っぽい目覚まし時計が置いてあります。

テレビは薄型。リモコンの受光部が机下に埋め込まれています。

ネット接続も当然無料です。「繋がりにくい場合があるかもしれません。」と案内して下さった女性が言っていましたが，滞在中全く問題はありませんでした。

しかし，空調はカビ臭かったです。壁に設置されている空調用のコントローラーはかなり古いものだったことから，空調には全く手を掛けていないと推察されます。それにしても，カビ掃除くらいはしっかりして欲しいものです。

最初に泊まったシングルのバスルームです。
清掃員の方のものと思われる長い髪の毛が落ちているのを発見しましたが，それ以外には特に問題もなく，安心して普通に利用できました。

次に泊まったスーペリアツインです。
先ほどのシングルと部屋の雰囲気（デザイン）が異なります。このホテルは改装して，部屋のデザインを二通りに統一したようです。
もう一つのデザインの部屋にも泊まりたかったので，スーペリアはこちらにしました。ただし，この和風をイメージした部屋は低層階のみに配置されているようで，高層階は先のシングルと同じで明るい雰囲気の部屋になるようです。

部屋は一見立派ですが，空調はこちらもカビ臭かったです。この部屋のベッドサイドにも同じ安っぽい目覚まし時計が置いてありました。

さあ，問題のバスルームです。この写真を撮った時には，汚れに気が付いていませんでしたが，奥に写っているシャワーブースのガラスは湯垢で汚れていました。
コップを置くトレーにも何かをこぼした跡のような汚れがありました。
また，洗面台下の白い覆い板があるのが分かると思いますが，これも良く見ると浸水した跡のような汚れがなぜか残っています。

歯ブラシセットにも問題がありました。

本家「ホテルオークラ」で供給されている歯ブラシは，ヘッドの大きさが丁度良くまた毛先はミクロ加工され硬さも絶妙でとても磨き易いものです。歯磨き粉もサンスターの薬用「ガム」というものを使用していて，こういうところにも気を使うのかと関心させられます。

一方，このホテルでは，幸いシングルではほぼ同様のものが置いてありました。しかし，このスーペリアではビジネスホテル並みのものに置き換わっています。
この点についても抗議したら，かかって来た国際電話で「お客様の好みに合わせていくつか用意しています。」との回答。
しかし，私は歯ブラシセットの好みを伝えた覚えは全くありませんし，好みがあれば伝えてくれという旨の置き紙も説明も全くありませんでした。なので，再度この点について抗議したら，「おっしゃる通りです」と非を認めました。

最低限のサービスを満足に提供できないくせに，言い訳だけは一人前なんだなと呆れる思いをしまいした。

バスタブと（写っていませんが）トイレを仕切っている右手のガラスも湯垢と油で汚れていました。
このホテルの客室清掃は相当ずさんです。今どき，ビジネスホテルでも清掃は完璧に行ってくれます。

とにかく，このホテルは建物自体が立派であることと末端の従業員の方々の対応が丁寧であることだけで，あとは基本が全くできていないホテルです。

にも関わらず，料金だけはきっちり取るのですから呆れてしまいます。