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東武・伊勢崎線の足利市駅を過ぎると、右側の窓の丘の上に、銅葺き朱塗りの均整の取れた社殿が一瞬見えて、窓外に過ぎ去っていく。このお宮は重文ともなっている織姫神社。織物の町足利の誇りとするお宮でもある。<br /><br />足利には過去数回訪問しているが、機会無くこのお宮に参詣できなかった。今日は充分時間もあり、市駅から渡良瀬の川を渡り、この宮の300段近い石段を登る。石段を登りきると、丘の中腹を切り取った、広い境内の最奥に左右両翼を広げた形の見慣れた社殿が鎮座している。参詣客はまばらだ。<br /><br />社殿の庭からは渡良瀬の清流が膝下にあり、それを取り囲むようにして足利の町が広がり、更にその先、上毛の平野が限りなく広がっている。<br /><br />この辺り、上古の昔より人々の営みが活発に行われていたであろうことは、目の先に広がる平野と、川の流れを見ていて、おおよその想像はつく。<br /><br />中世になってこの地に足利氏が起こり、その直ぐ隣り、大田には新田氏が起こり、両雄合い並び立たずの事例に漏れず遂に新田は敗れ去り、ここ足利が将軍家の故地として特別な保護を得、近世に至っているが、今はその古都として街全体が歴史保存、環境整備の中にあった。<br /><br />この織姫神社の奥には、古代から中世にかけての山城になっていた両崖山に通づる約2キロの山道があり、初夏の好天、約1時間の山歩きを楽しむ。<br /><br />花崗岩のむき出しになった山道を滑らないように道を選んで登ること約1時間、行き換ったのは十数人のハイカーグループだけで、小鳥のさえずりの中、静かな山歩きができた。<br /><br />電車から見るこの山の形容は円錐形の見事さで、形だけを見たら800m前後の山にも思えたが、実際の標高は僅かに250mそこそこ。しかしこの標高に似合わず、深山の趣で、頂上までの何回かのUpDownもあり、この峰道の両側はずっと崖になっていて、一部切り立った危険な場所もある。実に山名と形状が一致している好例でもあった。<br /><br />山頂は、元の山城の天守閣跡で、生い茂った林の中に御嶽神社の社が鎮座していた。数百年、数十代にわたって続いてきた、戦国武将の城跡も今は雑木林に覆われ、何の繋がりかは知らないが、この地と御嶽との繋がり、又、織姫神社近くにあった大山阿夫利神社との繋がり。江戸時代以降この地が織物で発展し、多くの講社がこれ等の本宮を招来したに違いない。<br /><br />山頂から見る足利の町、横に見える新田の山、遠く赤城の山まで連なっていく桐生の山々。一本の奥入瀬の流れによって結ばれていた。<br /><br />眼下の古刹・鑁阿寺(ばんなじ)、或いは足利学校も今は大きな市域の中に埋没し、どことも判然できない、上毛の初夏だった。<br /><br />< 織姫の 織り成す恋の 二人連れ ><br /><br /><br />< 武者学僧 険しく迫る 夏の峯 ><br /><br /><br />< 渡良瀬の 緑一筋 目の下に ><br />

足利・織姫神社、両崖山

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2008/06/17 - 2008/06/17

10924位(同エリア13685件中)

6

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ちゃお

ちゃおさん

東武・伊勢崎線の足利市駅を過ぎると、右側の窓の丘の上に、銅葺き朱塗りの均整の取れた社殿が一瞬見えて、窓外に過ぎ去っていく。このお宮は重文ともなっている織姫神社。織物の町足利の誇りとするお宮でもある。

足利には過去数回訪問しているが、機会無くこのお宮に参詣できなかった。今日は充分時間もあり、市駅から渡良瀬の川を渡り、この宮の300段近い石段を登る。石段を登りきると、丘の中腹を切り取った、広い境内の最奥に左右両翼を広げた形の見慣れた社殿が鎮座している。参詣客はまばらだ。

社殿の庭からは渡良瀬の清流が膝下にあり、それを取り囲むようにして足利の町が広がり、更にその先、上毛の平野が限りなく広がっている。

この辺り、上古の昔より人々の営みが活発に行われていたであろうことは、目の先に広がる平野と、川の流れを見ていて、おおよその想像はつく。

中世になってこの地に足利氏が起こり、その直ぐ隣り、大田には新田氏が起こり、両雄合い並び立たずの事例に漏れず遂に新田は敗れ去り、ここ足利が将軍家の故地として特別な保護を得、近世に至っているが、今はその古都として街全体が歴史保存、環境整備の中にあった。

この織姫神社の奥には、古代から中世にかけての山城になっていた両崖山に通づる約2キロの山道があり、初夏の好天、約1時間の山歩きを楽しむ。

花崗岩のむき出しになった山道を滑らないように道を選んで登ること約1時間、行き換ったのは十数人のハイカーグループだけで、小鳥のさえずりの中、静かな山歩きができた。

電車から見るこの山の形容は円錐形の見事さで、形だけを見たら800m前後の山にも思えたが、実際の標高は僅かに250mそこそこ。しかしこの標高に似合わず、深山の趣で、頂上までの何回かのUpDownもあり、この峰道の両側はずっと崖になっていて、一部切り立った危険な場所もある。実に山名と形状が一致している好例でもあった。

山頂は、元の山城の天守閣跡で、生い茂った林の中に御嶽神社の社が鎮座していた。数百年、数十代にわたって続いてきた、戦国武将の城跡も今は雑木林に覆われ、何の繋がりかは知らないが、この地と御嶽との繋がり、又、織姫神社近くにあった大山阿夫利神社との繋がり。江戸時代以降この地が織物で発展し、多くの講社がこれ等の本宮を招来したに違いない。

山頂から見る足利の町、横に見える新田の山、遠く赤城の山まで連なっていく桐生の山々。一本の奥入瀬の流れによって結ばれていた。

眼下の古刹・鑁阿寺(ばんなじ)、或いは足利学校も今は大きな市域の中に埋没し、どことも判然できない、上毛の初夏だった。

< 織姫の 織り成す恋の 二人連れ >


< 武者学僧 険しく迫る 夏の峯 >


< 渡良瀬の 緑一筋 目の下に >

  • 足利市のほぼ中心に近い場所に丘があり、その中腹に建立されている織姫神社。<br />東武電車の窓から良く見える。

    足利市のほぼ中心に近い場所に丘があり、その中腹に建立されている織姫神社。
    東武電車の窓から良く見える。

  • 平安時代の前から、織物で知られた足利。織姫を祭っている。

    平安時代の前から、織物で知られた足利。織姫を祭っている。

  • 足利の町が神社の下に広がっている。

    足利の町が神社の下に広がっている。

  • この神社の裏手の山中には多くの古墳があり、両崖山へ向う登山路にもなっている。

    この神社の裏手の山中には多くの古墳があり、両崖山へ向う登山路にもなっている。

  • 織姫神社から約2キロ。両崖山は遥か遠くにある。

    織姫神社から約2キロ。両崖山は遥か遠くにある。

  • 山頂の天守閣跡には、今は御嶽神社の社が建っている。

    山頂の天守閣跡には、今は御嶽神社の社が建っている。

  • 天守閣に向う最後の参道。

    天守閣に向う最後の参道。

  • 天守閣の直ぐの下の辺りから眺める足利の町。

    天守閣の直ぐの下の辺りから眺める足利の町。

  • 新田、桐生の山並。

    新田、桐生の山並。

  • 渡良瀬川。ここから河口までは約160キロ。この先、羽生辺りで、利根川に合流する。

    渡良瀬川。ここから河口までは約160キロ。この先、羽生辺りで、利根川に合流する。

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この旅行記へのコメント (6)

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  • yotchanさん 2008/06/18 16:20:50
    足利
    伊勢崎、太田、新田、足利、織姫神社、渡良瀬川など、昔の由緒を残し良い所ですね。

    ちゃお

    ちゃおさん からの返信 2008/06/18 19:45:25
    RE: 足利

    平安の昔から続く地名が未だに残り、通用している訳ですから、それだけでもロマンがありますね。
    特に足利は古都ですから、町全体が綺麗に整備されています。

    yotchanさん からの返信 2008/06/20 01:19:20
    RE: 足利
    > 伊勢崎、太田、新田、足利、織姫神社、渡良瀬川など、昔の由緒を残し良
    い所ですね。




    仰る通りですね。鎌倉時代は源氏時代には成ら無かったけど、地名は受継いでますね。

    ちゃお

    ちゃおさん からの返信 2008/06/20 08:48:09
    RE: RE: 足利

    電車で2時間も掛からずに行ける場所ですから、暇なときに歴史の散歩に行ってきたらどうですか?

    yotchanさん からの返信 2008/06/20 10:43:31
    RE: 足利
    > 伊勢崎、太田、新田、足利、織姫神社、渡良瀬川など、昔の由緒を残し良い所ですね。







    分かりました。コモ(籠る)エスタ赤坂ではらちが開かないですね。暇は沢山有るのだから!!

    ちゃお

    ちゃおさん からの返信 2008/06/20 11:12:51
    RE: RE: 足利

    そういうこと! だから旅のブログも繁盛しているのですよ!散歩もヨシ、旅行もヨシ、希望は外にありますよ!

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