2008/04/27 - 2008/05/04
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oyajimodeさん
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オランダの光(空、雲、水、花)とベルギーの星(レストラン)を求めての夫婦旅。
いよいよ胃袋には嬉しく、体脂肪には大問題のベルギー。
「ブルージュ」編。
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さあ、いよいよブルージュに到着。晩御飯に向けた腹ごなしも兼ねて、取るものも取りあえず、街へと散策に出かけることに。
それにしても、明日は「聖血の行列」という街で一番のお祭りだというのに、夕刻とは言えまだ明るいというのに、通りから少し入っただけの路地の人気のなさには戸惑ってしまうほどでした。 -
昼間は観光客で賑わうはずのボート乗り場も運河沿いも、ひとっこ一人いない不思議な静けさ。
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前訪地のゲントが古い街並みながらも快活な雰囲気だっただけに対照的。「死都ブルージュ」というローテンパックの表現がどうしても脳裏に浮かびます。
「眠れる森の美女」と称されたチェスキークロムロフ(チェコ)にも似た「美しい死都」との印象を強く持ちました。 -
さて、ベルギーの星を求めて、先ずはその一番星。
人通りの少ないそんな小路にひっそりとあるDen Gouden Harynck(ゴウデン・ハリンク)。ミシュラン★
予約はネットで一ヶ月ほど前に。ネコの額ほどですが小綺麗な中庭に面したとても気持ちの良い席に案内頂きました。 -
アミューズの牡蠣と一口パスタ。その向こうがオツマミ。カレー風味のおせんべいのような感じ。シェフの挑戦意欲の片鱗を感じたりして。
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インテリアやテーブルウエアも明るく爽やか。自然光も入るし、同時に照明の使い方も上手。とても気持ちよく食べられました。
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スターター。
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魚料理。
かなり複雑なスパイスを利かせたエスニックな一品。今回の旅行で驚いたこと、実感したことは、星付きレストランでエスニックなスパイスを使った味付けがとても多い(流行している?)ということ。程度の差はあっても、訪れた三店全てでその種の味付けの料理が含まれていました。日本人の私たちにとっては比較的身近な味で受け止め方は微妙なのですが、欧米の方たちにとっては「ク〜ル!」といった感じで新鮮に映っているのかもしれません。 -
この店で印象に残っている一つが、パンの美味しさとこのバター。特に斑入りの方。海苔の類、海草の類が練りこまれた海の風味のバター。海草好きの日本人には絶対に美味しいかと。帰国後、家内は再現実験を繰り返してます。桃屋の江戸むらさきでも練り込んでみてはどう?
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さすがに九時ともなれば夜の帳も降りはじめ、空は神秘的な紺色へと変化。中庭の向こうには調理場が覗きます。下ごしらえでもするエリアでしょうか。棚にはここのシェフがこだわりを持つ各種スパイスがズラリと並んでいました。まるで化学実験室かのよう。
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子牛のステーキ。
ソースが爽やかで、とても柔らかな味。 -
チーズのワゴンサービス。家内に言わせると「チーズが消化を助けるらしいわよ」とのことですが・・・。
決してチーズが嫌いなわけではないのですが、このあたりの食習慣に正直私は付いていけてない・・・と言いつつ、進められるままに少しずつ食べてしまうのですが。 -
こっち方面に関しては全面的に付いていけます。
フレッシュな苺とハーブのアイスクリーム。濃厚な爽やかさ、とでも言いますか。底に敷かれた苺のシロッ
プが苺そのものの旨みを一層引き立ててました。 -
この辺になると既に満腹状態。こっちに備えてチーズを控えておけば良かった・・・と、これもいつも後悔するのです。
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レストランからの帰路。「聖血の行列」に合わせてか、ホテルの前の広場には移動遊園地が。「移動」と言っても縁日の屋台とはスケールが違います。
こんな大型で激しい乗り物を簡単に移動・撤収できるものなのか、それが果たして安心できるものなのか、と、いささか首も傾げてしまうのですが。 -
移動遊園地は女王の誕生日を控えたアムステルダムでも見かけましたが、市街地のあちこちに大きな「広場」というインフラを持つヨーロッパならではのことでしょう。
昨今の日本では、そんな場所は郊外の大型ショッピングセンターの駐車場ぐらいしかないでしょうて。 -
聖血の行列の当日。午前中は散策。
もう太陽も上がっているのに、セレモニー会場の舞台の設営を急ごしらえでやっている。ノンビリしたものです。間に合うのかしらん。 -
観覧席が設営されている広場もまだまだ人出は少ない。
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チョコレートの専門店、ガレの店内にて。
何やら楽しげな音楽がなってきて、早くもお祭りが始まったのかと思いきや。そう、今日は5月1日でした。行列は行列でもこちらの方はメーデーの行列。失業率も高く、厳しい雇用環境のはずですが、日本と比べてもご陽気な行進でした。
ちなみに、ガレのチョコレートでも、やれ「わさび味」だとか「唐辛子味」だとか、と妙にアジアンテイストを志向しているようです。この流れは「食」全体の傾向なのでしょうか。 -
レンガづくりの街並み。レンガのグラデーションがことのほか綺麗。メンテナンスのための「洗い」は大変なんだそうです。
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まるでパウル・クレーの絵のように知的で音楽的な美しさ。
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運河を行き交う観光ボートとレンガづくりの家。
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藤が飾る河畔の家。よく見ると何故かしらマネキンたちが窓から顔を出してます。
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ベギン修道院への入口。このあたりから何だか雲行きが悪くなってきました。
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ベギン修道院前の運河。絵に描いたような佇まい。決まりすぎてて不安になるほど。
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午前中の散策ツアーの解散直後、雨が本降りとなってきました。かくなるうえは、ショッピング。先ずはレース屋さん。「この値段はきっとメイド・イン・チャイナよ」などと分けの分からないことを言いつつ、家内はしばし物色。結局アンティークだとされる小さな額に入った飾り物を記念にお買い求め。
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続いてはゴブラン織の専門店。
それぞれに美しくはあるけれど、いざ自宅に似合う場所があるのかというと・・・思案の末に家内は購入を自重。あんたはエライ! -
依然として雨も上がらず。近くのワッフル屋を覗くことに。
「あぁ、今、満席だなぁ、ゴメンよ・・・いや、待てよ、アンタらついてるネ、今、空いたみたいだからあそこへどうぞぉ!」と気の良さそうなオヤジに中へ案内されました。ワッフルの本場はブリュッセルとは知りつつも、「別に何処でも良かろう」と行き当たりばったり、雨のせいで成り行きで入った店。でも、これがビンゴでした。
ご覧のように見た目には怖気づいてしまいますが、これが意外や意外、甘さ控えめであっさりとした美味しさ。ワッフルも表面サク、中はしっとり、の絶妙の食感。隣では90歳も近いだろうにと思わせる老夫婦が私たちと同じものを食べておられましたが、心配をよそに当然の如くにペロッと平らげておられました。私もそのおばあさんを見習って、飲み物はベルギービールといってみました。
ちなみに、ツアー仲間の多くは教科書通りにブリュッセルの老舗で食べたそうですが、甘すぎてドーンと来るハズレだったそうな。その点、私たちはラッキーでした。
俄然ワッフルに目覚めた家内は帰国後早速にワッフル焼き機を楽天に手配。いやはや行動が早い。そして昨日それが届きました。我が家の食卓にもしばらくは顔を出してくれるのかも? -
ブルージュにもチョコレート屋さんは多いし、それぞれに自慢の細工物をディスプレーして技を競っています。もっぱら格調の高いものから、ウケ狙いの店ま
で。
オッパイも一杯。実はさらに???クラスの際モノで勝負している店も中にあったのですが・・・本サイトの格調に合わせて割愛しておきます。 -
珍しく1時間ほども降り続いた雨ですが、行列の開始時間を前に上がってひと安心。
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さてと、雨も上がったし、出番も近いし、そろそろ持ち場にスタンバるか!
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「死都」の人出もさすがに多くなってきました。
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NHKの取材班も居たりして。
「テーマは聖血の行列?それとも世界遺産シリーズ?」と尋ねたところ、「いえ、フライドポテトの発祥がベルギーだということがテーマでして・・・」と肩透かしのようなお答え。 -
行列はブルージュの通りをあちこち練り歩きます。お店の前には椅子が並べられ、ちゃっかり臨時収入を狙った有料席(この店では5ユーロ)に。
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昨年(=予定)より1時間あまり遅れて行列がスタート。この辺はエエ加減のようでして。言い訳は楽器の類が雨に降られてぬれてしまったから、とか。
ホントかなぁ〜? -
市民たちは、新・旧約聖書の中のエピソードや、十字軍騎士をはじめ中世の装束をまとって町中を練り歩きます。
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聖書にまつわるエピソードを多少は知っておくに越したことはありませんが、大小の山車と共に、歌あり、楽器演奏あり、踊りあり、お芝居あり、軽業あり、動物あり、と盛りだくさんで、見ていて飽きませんでした。
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十字架を引きずっていくキリスト役には結構な体力が要りそうです。
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行列のフィナーレ近く。およそ一時間半ほど延々と続く行列で、こんなに大勢の地元「市民」がこの街の何処に居たのかしらんと思わせるほどでした。
ちなみに、私たちは旅行会社が確保してくれた見物席に座って見物をしましたが、予め席を確保しなければならないほどの大混雑というわけでもなかったように思います。まぁ、結果論ですが。
もちろん、メイン会場周辺で良い場所に陣取ろうとすると大変なのかもしれませんが、それ以外でしたら見物に困るというほどでもなさそうです。むしろフリーに動き回って見歩いた方が楽しく、変化に富んだ写真も撮れそうに思います。 -
お目当ての行列見物も終わり、それっとばかりにボートツアーの行列の方に並ぶ。運河からもブルージュの街を眺めました。春とは言え、陽も傾きかけてくると、水上はちぃと涼しい。
夏場、それも街が灯りに照らされる夜のボートツアーはもしかしたら最高かも。
写真はボートから観たシルエットロマンス。 -
シルエットロマンス2。
通りに満ちていた人出も、潮のように何処へかと徐々に引き、また静かな「死都ブルージュ」へと戻っていきます。 -
ホテルで一息を入れ、襟を正してネクタイを身につけ、ブルージュでの二つ目の星へと向かいました。
De Karmeliet(カルメリート)。ベルギーでは2店ある三ツ星(07年版)のうちの1店。聖血の行列の当夜とあって取れるかどうか心配でしたが、こちらも一ヶ月ほど前にネットから予約できました。
お店に入って真っ直ぐ奥がウエイティングバー。中庭の緑も鮮やかで、とても居心地良さそうなスペースでした。ここで一杯ひっかけてから、とも思いましたが、結局はそそくさとダイニングの方へと足を進めました。 -
アミューズです。うーん、これだけで、十分に満足。懐石料理が性(胃袋)に合っている日本人には、「アミューズ+趣向を変えた前菜3皿」ぐらいが一番楽しめるのではないかとさえ思ってしまう。
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スターター。
マグロのマリネ、魚系のスープを使った野菜のゼリー寄せなど。 -
エビのロースト。レアな感じが絶妙。豚と野菜を細かく刻んだ料理を下に敷いて。三ツ星のこの店でもエスニックな味付けに出会いました。
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肉厚の舌平目のソテー。淡麗ながらコクのあるソースを存分に楽しみました。キノコと季節のホワイトアスパラが添えられてました。
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プティフール。結構、しっかりとした味。デザートワインで。
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トドメのデザート。
これは多いなあ、さすがに・・・と言いつつ、いつものとおり、そして、「出されたものは全て頂く」という私の主義をここでも貫き通して完食。しかし、家内は右列を残してギブアップ。
そんな中、左列手前、柑橘系(レモン味?)のシャーベットは旅行中最高(もしかして今までで最高かも)のデザートということで夫婦の意見も一致。狙い通りなのか、単に時間の経過によるものなのかは分かりませんが、丁度カキ氷の溶けかけのジュルジュルとした美味しさに似た食感。特筆すべきはその味で、これ以上ない爽やかで高貴な酸味・・・ただ酸っぱいというだけではありません・・・が体中の末端神経にまで一瞬にしていき渡ったような感じ。最高のリフレッシュメンツでした。
荷造りを済ませて、最終目的地、ブリュッセルへとバスは向かう。
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