2008/04/26 - 2008/04/27
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MILFLORESさん
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アルマデン村のハイライト、
今年(2008年)から始まった水銀鉱山ツアー。
前日、観光案内所で教えてもらって電話で見学予約。
日曜日の朝、たっぷり3時間の興味深い鉱山見学になりました。
アルマデンの鉱脈はローマ時代から知られていました。
村の名の由来はアラブ語で「鉱山」を意味する「al-ma din」 から来ています。
新大陸での金銀発掘で、水銀を使って鉱石から金銀を取り出す方法(*)が考案され、そのおかげで水銀の需要が高まります。アルマデンから取れた水銀は陸路セビリアまで運ばれ、そこから船でアメリカ大陸まで運ばれたのです。
水銀の需要が減ったため2001年に閉鉱、水銀精製は2003年にストップ。
(採ろうと思えばまだまだ発掘できる!)
ローマ時代から2500年の歴史で、人類が使用した水銀の実に3分の1がこの村から出ました。その量、25万トン、750万フラスコ(1フラスコに入る水銀は2.5ℓ・34.5?)、と言ってもなかなか実感は湧きません。
では、史上第2位のスロベニアの鉱山の2.5倍、第3位のイタリアの鉱山の4倍の量と言えばどうでしょう?
現在人口6700人のこの小さな村が、大記録を保持しているのです。
2500年の歴史を持つ鉱山ですから、そのスケールもすごい。
表紙の写真は鉱山の発掘された部分の模型ですが、見学用に整備されて観光客が入れるのは地下50mの地下1階まで(矢印部分)。
その階の一部を見ただけですごいと思ったのに、その下にまだまだこんなに掘られたのです。それでもこの模型にあるのは全部ではありません。模型外に地下700m・25階まで掘られた部分もあるのです。(この模型は522mまで)
気が遠くなるような話・・・
(*)水銀の性質 ・・・ちょっと理科のお勉強
水銀(Hg)は常温で液状の唯一の金属です。
融点-38.83℃、沸点356.73 ℃
そして、金や銀をはじめとする各種金属と混和して、アマルガムと呼ばれる合金をつくる性質があります。この合金は水銀の量によって液体にも固体にもなります。
(鉄とはくっつかないので、水銀を保存するフラスコは鉄製です)
奈良の大仏の金メッキはこの水銀の特性を利用して施されました。金と水銀の液状アマルガムを表面に塗った後、火であぶって水銀を蒸発させたのです。
新大陸では金銀を含む鉱石を粉々にして水銀・水・塩と混ぜ、固形のアマルガムを作り、それを加熱して水銀を蒸発させて金銀を取り出しました。
なるほど・・・
水銀の用途と言えば体温計やボタン電池くらいしか思いつかなかったけれど、昔からこのように利用されていたのですね。
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辰砂(しんしゃ、cinnabar)
スペイン語ではcinabrio
これに水銀が含まれています。
この鉱物を掘った地下の世界へ出発! -
MINAS DE ALMADEN
アルマデン鉱山
ビジターセンター(受付) -
敷地内には数年前までの活動が感じられる。
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見学者の集合を待つ間、
発掘の歴史を予習。
坑内の排水は昔から大切な仕事でした。
16-17世紀はこの重労働を囚人にさせていました。水を汲む容器は牛皮製の大袋でした。 -
18世紀になると、くみ上げ式ポンプで排水をするようになります。
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写真が前後しますが、
坑内で見たこれが、そのポンプ。
「まだ使えるよ、動かしてごらん」
と言われたので近くにいた私が上げ下げしたら、下の階から赤茶けた水が汲み上がってきました。 -
19世紀に考案されたララニャガ試掘方は、それまで材木を利用していた壁や天井の補強をレンガにし、採掘も計画立ててやるようになった。
地下にはレンガのアーチが何階も何階も重なる、セゴビアの水道橋のような世界が広がっている。 -
また写真が前後しますが、これがそのレンガアーチの一部。(坑内)
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20世紀中旬
横に掘り進めて行くだけじゃなく、縦方向にも採掘できるようになる。 -
さて、グループが集まったようなので、そろそろツアーが始まりそう。
この高い建造物の下には18世紀から掘り始めて、1960年代に522m(地下19階)の深さまで進んだ、POZO DE SAN TEODORO(聖テオドロ縦坑)があります。
ツアーはここから降りますが、その前に、
左後ろの建物に順番に入って・・・ -
ヘルメットを借ります!
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ここで近年の鉱夫はヘルメットとバッテリーとライトを受け取った。
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観光するのにヘルメット被るの2度目。
今回も、衛生面を考慮して使い捨てネットをくれます。 -
ベルトをしている男性にはライトも貸してくれました。(ベルトにバッテリーを装備する)
ちょっと得意げな夫です。
Soy minero 〜 ♪(僕は鉱夫)
っていうスペインでは誰でも知っている何十年前の歌謡曲を口ずさんで嬉しそう。 -
見学のお仲間さん。
上品なおばさまもヘルメット姿。
暗所恐怖症だというおばさまは、見学中ずっとガイドのおじさんと腕組してた。お茶目。 -
雑草の強さに感心。
使われなくなってからそんなに時は経っていないのに。 -
左のエレベーターで7-8人ずつ降ります。
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電話型 伝声管??
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はい、地下1階(50m)。
地下1階と言ったって、4階建て建物一つ分くらいある。 -
降りてきたエレベーターの重々しい扉。
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私たちのガイドのラモンさん。
24年間この鉱山で働いていた元鉱夫。
閉鉱と共に多くは早期退職しましたが、このように鉱山維持や観光案内のために残って仕事を続けている人もいます。とても話上手で博識。
ところで、さっき上にもあった電話ですが、糸電話と同じ要領で話せます。水が入ろうが埃が溜まろうが、停電になろうが使える優れもの。すごく重い。 -
ワクワク ドキドキ
探検気分 -
見学できるのは、16-18世紀に発掘された部分。
昔の木組みの補強を再現。 -
赤い部分、鉱物です。
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木材で足場を組み、上の方の岩を砕いた。
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人形の足元の木材の足場。
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最初の頃はこんな方法で鉱物を上に引き上げていた。これを動かすのはやはり囚人の仕事。4人がかりでやった。
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もう少し先になると、滑車を利用した仕組みが出来る。
鉱物を上げると同時に、鉱夫の上り下りにも使われた。 -
上記の方法だと落下事故が多かったので、脇に人間の昇り降り用の梯子をかけるようになった。
仕事が終わって疲れた体に鞭打って、さらに梯子を登って来なければならない。大変だ。 -
囚人がいなくなってからの力仕事は動物の役目になりました。この大きな巻き上げ機を回したロバたちは、水銀を含んだ蒸気のせいで、弱まるのも早く、頻繁に取り替えなくてはならなかったとか。
この部屋は、いまでも家畜の匂いがした。 -
洞窟内で方向を知る方法。
森の中で北を知る方法と同じ。
コケが生えています。
ただし、日の光が届かない所だから緑じゃない。 -
ポタポタとあちこちから水が滴り落ちてきます。
小さな鍾乳柱が出来つつあります。
何百年後の人々は鍾乳洞としてここを訪れるのかな? -
観光客を入れるための条件として、非常口を充分に確保しなければならなかった。
この通路は山の脇腹に出ます。通路の奥に小さく見える明かりは外の光です。
昔は岩屑をトロッコに乗せて外に捨てるのにここを通っていた。
観光用に整備する際に非常通路として、天井からの高さの規制があるために、昔の床を掘り下げた。
違いが見えます。 -
天井のレンガの組み方など、地下にいながら歴史ある建造物を見ている気分。
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さすがカトリック国。
坑内にも祈りの場所。 -
近年の発掘は技術と鉱学の知識を総導入して要領よく進められた。
この機械で長い筒状のサンプルを岩肌から取り出し、それを研究室でチェック。何メートル先にどれほどの質の鉱物がどれくらいあるかを調べ、それを発掘する損得まで計算した。 -
これまた落下事故が多かったというエレベーター(というより、檻)。鉱物を乗せたトロッコも乗せた。
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エレベーターに乗せるまで線路を引いて誘導。
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エレベーターでまた地上に出るのかと思ったら、地上階までは上がらずに途中で降りて、電車に乗りました!
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狭いトンネルをゴトゴト大音響をあげて、外に出ました。
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これは、2003年まで使われていた水銀精製のための溶鉱炉。
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粉々に砕いた辰砂を熱して水銀を蒸発させ、それを冷却して液体水銀を取り出す。昔も今も装置は変われど、基本は同じ蒸留方。
ここで生産された水銀は99.999%の純度を誇ったそうです。 -
1960年に開坑した聖ホアキン縦坑。
こちらは地下25階、700mまで掘り下げた。 -
最後は水銀博物館を見学。
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入り口には水銀の噴水。
しっかりと覆われているのに、飛沫が散るからという安全性の問題で、現在作動させていない。
元鉱夫のラモンさんは、「体内に入らなければ大丈夫なんだ。俺たちは昔、水銀の中に手を突っ込んだものよ。水銀の噴水きれいなのに」と残念がっていました。 -
昨今の溶鉱炉の模型とその説明がとても興味深い。
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20世紀
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18世紀
ペルーで考案されたブスタマンテ炉。
冷却された水銀が筒状に並べられた陶器の壷の中に溜まっていく。 -
ローマ時代は辰砂は塗料として使われた。
家屋を縫ったり、女性は口紅としても利用した。 -
大航海時代の船。
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新大陸にはこのような容器で水銀を運んだ。
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16世紀初頭から近年までの水銀生産高を示したグラフ。すごい歴史・・・
縦軸の単位はフラスコ数。 -
これは1938年から2003年までの記録。
水銀需要の減り具合が影響した。 -
これが水銀を計る単位になるフラスコ。
水銀と合金しない鉄で出来ている。
1フラスコ=2.5ℓ=水銀34.5? -
昔のフラスコ、世界のフラスコ
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村の大きさと比較できる鉱山の断面図。
地下の世界がどれだけ広いかが分かる。 -
カルロス4世門(1795年)
昔の入り口
現在の観光客はここから出る。
とても興味深い鉱山ツアーでした。 -
地上の暖かさが嬉しい!
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アルマデン旅行記 3/4 (完)
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