2007/12/22 - 2008/12/26
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Mark & Risbeauさん
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【http://4travel.jp/traveler/marktanaka/album/10223327/からつづく】
僕らは昨晩から車を、ホテル横の激しく急な下り坂に停めていた。この辺は傾斜が22%(12.5度)あるので、縦列ではなく歩道に対して90度の角度で駐車するよう標識が立ててある。ドアの開け閉めも、重心の高い車だけに、ひっくり返らないよう慎重にゆっくり。用心に越したことはない。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
-
世界一曲がった通りを運転中
車でフィッシャーマンズウォーフに向かう。ホテルから歩いて45分の距離も、車ならほんの10分。途中昨晩の散歩で通りがかった「世界一曲がった道」ロンバード通りを下ってみた。昔住んでたときからお気に入り(実はみんなのお気に入り)で、春には色とりどりの花が咲く。今日もものすごい数の観光客が写真撮影中だった。
ロンバード通りのこの部分は水平距離100メートルの間に8回の切り返しがある。何とか27%(15度)の坂を車が通れるよう、市がスイッチバックを設けて16%(9度)まで傾斜を緩めたのは1923年のこと。坂の宝庫サンフランシスコにはもっと曲がった道があるらしいが、この道ほど有名な通りはない。 -
チップは別
ずっと前にも書いたことがあるが、フィッシャーマンズ・ウォーフには素晴らしく割安なパーキングが多い。ホテルなら一日51.30ドル(プラス出庫ごとにチップ)の駐車料も、ここにくれば破格の1日10ドル。 -
笑いが止まりません
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フィッシャーマンズ・ウォーフにて
サワドウ(酸っぱいフランスパン)のBoudinで元祖パンの器入りクラム・チャウダのお昼を食べる。おともはもちろんスコウン。いくら好きになろうとしても、サワドウだけは苦手だ。以前チャウダーだけお代わりを売って欲しいと店の人に頼んだら、ヘンな顔をされたことがある。名物にうまいものなし。これは普遍の真理である。
ウォーフの有名な看板の横には、ここの雑踏には似つかない大きなクリスマスツリーが立っていた。はっきり言ってジャマ。希少なパーキングを無駄にしてまで立てる価値があるのか。 -
遠くに見えるのは金門橋
食後ぶらぶらアクエティック・パークの砂浜経由、昨晩行ったギラデリまで歩いた。目的は、サンフランシスコに来たときのクセになっている名物アイス。 -
これが結構うまい
デザートというには、あまりにでかい。さらに恐るべきことには、ほんの5分でペロリ。 -
ケイブルカーで買った一日券
バスに乗って午後の建造物見物に向かう。サンフランシスコは、ケイブルカーだけでなく、路面電車、バス、地下鉄が普及しているので、歩くには最高の街だ。特に1日11ドル、3日間18ドル、7日間24ドルで市営交通機関すべて乗れる切符は大変使い手がある。 -
シティー・ライツ書店
フィッシャーマンズ・ウォーフから斜めに街を横切るコロンバス通りを南に下った地域は、今日リトル・イタリーと呼ばれる観光地だが、1950年代には非社会的な詩人・作家・芸術家の吹きだまりだった。彼らはマリファナを吸い、自由な愛を実践し、詩を朗読したり宇宙の真理を語りながら深夜までカフェに集った。「ビート族」と呼ばれた連中である。ビート詩人の一人で多才の芸術家、ローレンス・ファーリンゲティさんが1953年に開いた書店・出版社がいまもここにある。
ファーリンゲティさんは、結果的にビート族の名を全米に広めることになったビート詩人アレン・ギンズバーグさんの『「叫ぶ」他詩集』を出版したことから、1956年に猥褻物出版の容疑で裁判にかけられてしまう。高名な作家や大学教授が弁護に立ち上がってくれたおかげで、最終的には言論の自由が認められ、無罪になった。この判例は、のちに「チャタレイ夫人の恋人」や「北回帰線」出版の道を開く歴史的出来事である。 -
コロンバス・タワー
コロンバスをもう少し南に下ったところに立つ7階建てのコロンバス・タワーは、1906年の大地震を跨いで建てられた。当時サンフランシスコの政界を裏から操り、裏金をむしり取ることで悪名高かった「ボス」エイブ・ルーフ所有のビルだった。中華街と歓楽街に接するこの界隈には珍しい、今日にベルエポックの香りを湛える美しい建物だ。金に色はない、とはよく言ったものである。
1949年には、ハングリー・アイ(hungry i)というナイトクラブがこのビルの地下に開店する。後に近所に移転するが、この店で薫陶を受けた若きウッディ・アレン、バーブラ・ストライザンド、ビル・コズビー、ボブ・ニューハート、リチャード・プライアなど有望な才能が将来大物として花咲く。グレイトフル・デッドもこの地下でアルバムを録音した。その華やかな経歴に相応しく、1970年代から映画監督フランシス・コッポラさんの所有だそうだ。 -
そして、コロンバス通りの南の突き当たりに聳えるのが、いまやサンフランシスコの代表的建物となったトランザメリカ・ピラミッドだ。特徴のある尖ったシルエットは、街の意外なところから顔を覗かせる。
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北カリフォルニア一の高さを誇るトランザメリカ・ピラミッドのユニークなデザインは、日光と空気の流れの遮断を最大限減らすという1960年代にしては先進の配慮からだった。しかしこのデザインは、工事が始まる前から街の景観にそぐわないとして、市民による激しい反対運動に遭う。最終的には、当初の55階建てから48階建てに縮小して1969年に着工した。1972年の竣工後も、ハードコアのサンフランシスコ人には不評なようだが、そこまでいくと変化を拒否し続ける頑なな老人の姿に重なるものがある。
このビルの名の由来のトランザメリカ・コポレイションは、バンク・オブ・アメリカの創立者A.P.ジャニーニが1928年に設立した、同銀行の持ち株会社だ。ただし、1956年に銀行業務は売却され、バンク・オブ・アメリカとの関係は途切れている。今日オランダ系の大手保険会社の子会社になっているそうだ。 -
19世紀後半、ピラミッドの敷地にはモンゴメリー・ブロックというミシシッピ以西で最大のビルが立っていた。1853年に建てられた通称モンキー・ブロックは、サンフランシスコ初の一流オフィスビルだったそうだが、やがてビジネスの中心地が他に移るとたちまち空室が目立ち始めた。すると、安い賃料を目当てにアンブロウズ・ビアーズ(「悪魔の辞書」)、ジャック・ロンドン(「野性の叫び」)、ジェレット・バージェス(「紫色の牛」)などの文筆家やローラ・モンテスやロッタ・クラブトリーなどの人気舞台女優をはじめとする雑多な芸術家が入居するようになる。マーク・トゥエインが実在のトム・ソウヤーに出逢ったのもこのビルの伝説の酒場だったそうだ。
モンキー・ブロックは1906年の地震を無傷で生き残ったが、老朽化のため1959年に取り壊され、市民から惜しまれながら百年余の歴史を閉じることになる。その後、ピラミッドの建築が決まるまで、この一等地は駐車場のままだった。 -
旧トランザメリカ・ビル
ピラミッドの麓には、白いテラコッタで装飾されたスライス・ケーキのようなくさび形の建物が立っている。このビルは、1909年イタリア移民のための銀行として建てられたが、やがてA.P.ジャニーニのイタリア銀行(後のバンク・オブ・アメリカ)に買収され、1938年以降トランザメリカの本社ビルとして使われた。このビルはピラミッドが完成するまで本社として使用されたそうだ。なお、現在このビルには、トム・クルーズのTV出演中の奇行で一躍話題になったサイエントロジーという新宗教が入居していた。
ちょうどチャイナタウンのはずれにいたので、図らずもまた湖南村食堂のお世話になることになった。
【http://4travel.jp/traveler/marktanaka/album/10225307/につづく】
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この旅行記へのコメント (3)
-
- Ted@CiscoTours comさん 2008/07/30 16:37:19
- 軽快な語り口
- Mark&Ikukoさん、 こんばんは
SF在住のTedです。
Markさんの軽快な語り口、すっかり引き込まれてしまいました。
また時々来ますので、宜しく
- Mark & Risbeauさん からの返信 2008/07/31 01:14:34
- RE: 軽快な語り口
- > Mark&Ikukoさん、 こんばんは
>
> SF在住のTedです。
> Markさんの軽快な語り口、すっかり引き込まれてしまいました。
> また時々来ますので、宜しく
Tedさん
こんにちは。
優しいお言葉痛み入ります。
SFには若い頃住んで魅了されました。Tedさんが羨ましい!
近いうちお邪魔します。
どうぞ末永くよろしくお願いします。
Mark
- Ted@CiscoTours comさん からの返信 2008/08/01 22:25:35
- RE: 軽快な語り口
- Markさん
Markさんの素敵な語り口、本当に引き込まれてしまいます。
ジェームス・ディーンのMemorial交差点、興味深くよさせて頂きました。
> SFには若い頃住んで魅了されました。
いろんな事ほんとに詳しくご存知で感心しています
これからも宜しくお願いします。
Ted
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