2006/08/13 - 2006/08/13
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night-train298さん
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8月13日(日)Santiago 20km
朝5時に聞こえてきたのは、毎朝聞いていたロベルトの目覚まし音である、マルボロのテーマ。
たいてい本人よりも回りで寝ている方が目覚めてしまう。
これは一度聞いたら忘れられない。
あの、ベルギー夫妻の奥さんでさえ、たまにこの曲を口笛で吹いていたくらい、みんなの耳に焼き付いていた。
もう、この曲ともお別れが近かった。
いよいよ今日はサンティアゴに着くことは確実だ。
薄暗いユーカリ林の道を進んで行く。
噂よりすごい巡礼者の量だ。二年前よりも多いくらいだ。
最初は調子よく、先頭を歩いていたが、だんだん遅くなって、ラウロとアギーと一緒に歩いた。
ラウロは30歳で、数学の先生をしているが、20歳のアギーと気が合い、二人でふざけてばかりいる。
ラウロとフェルナンドは、去年の「フランスの道」での巡礼で、出会い、気が合って、今回も一緒に歩き出した。
アギーの方が、大人っぽくさえ見えるが、ラウロもやることは子供っぽく茶目っ気があるが、中身はなかなか大人だ。
二人のジョークはおもしろくて、一緒に歩くのは楽しかった。
パターンとしては、どちらかからちょっかいを出して、けんかになる。
時には杖を使っての戦いとなる。
アギーは、
「私は一人で歩いているの。誰もここにはいないはずよ。」
今日でけんかも最後だった。
二人はここいらでコーヒーでも飲もうと提案してきた。
私は気が進まなかった。
ロベルト、ラウラ、ビンゲンと一緒に最後の朝食を食べたかったからだ。
じゃ、軽く一杯だけ。
店を出ようとした頃、ロベルトから電話が入った。
朝食がおいしいBarにいるから、待っていると。
私たち三人は、二度目の朝食を食べに一生懸命歩いた。
みんなが居たのは、新くできた私営アルベルゲの朝食スペースで、オレンジジュースとトースト、コーヒーがセットになっていた。
食べ終わると、全員一緒のペースでサンティアゴまで歩くことにした。
今日はサンティアゴに入場する時に、みんなで歌いながら入るんだよというラウラの提案で、歌の練習をする。
一小節づつ、ラウラとロベルトが歌い、それに習ってみんなが後に続く。(実際サンティアゴに着いた時には、みんなすっかり忘れていたけれど!)
いよいよモンテ・ド・ゴソの丘の上に着いた。
ここからサンティアゴのカテドラルの塔が見えた。
この後は、一気に下っていくだけだった。
いよいよサンティアゴの市街に入ってきた。
みんなは、真剣な顔をして口を閉ざしている。
ラウラに
「サンティアゴに着きたくないわ。」
そういうと、手をつないできた。
もう一方の手をロベルトとつなぎ、三人で並んで歩いた。
とうとうカテドラルへの入場だ。
過去の二回の時と違って、キンターナ広場からまず入って行く。
ビンゲンによると、この入り口こそが、正面玄関なのだそうだ。
まだ夏の陽がまぶしい広場の階段には、たくさんの巡礼者でごった返していた。
その中に、見慣れた顔があった。
ホルヘと、3日前に別れたフランス人の女性だ。
かけより話をしていると、そこへ別の男女が近づいてきた。
「僕のこと、覚えてる?!」
「きゃーっ!!!!!会いたかった!」
あの、La Costa の道を選んだラファの仲間のアルベルトとキャロリーナだった。
あの仲間のうち、最もしゃべったことがなく、触れ合いもなかった二人なのに、なつかしいし、向こうから抱きついてきてくれる。
なんかすごくいい人たちじゃない?!
キャロリーナは、
「カテドラルの中にみんな居るわよ、ラファもいるわ。」
あの仲間たちと二週間ぶりで再会できるなんて。
早速カテドラルの中へ。
ミサが始まるところだった。
一年前、私たちはやはりこの場所に居た。
長く果てしない「銀の道」を歩いて、辿り着いた果てだった。
去年と同じ場所にリュックを置いて座る。
あれから一年が経ったなんて夢のようだった。ほんの昨日のことにしか思えない。
イワンやイザベルがここに居てもおかしくないと思えた。
ミサの最後は、回りの人と握手をしたりキスをしたり。
そこへやって来たのは、ラファたちだった。
ラファ、アイツォル、フリアン、アラが次々と現れて、声をかけてくれ、挨拶をしてくれた。
みんな私のことをよく覚えていてくれたことが意外だった。
アラは益々女神のように優しかった。
「よくがんばって歩いたわね。」
ラファは少々深刻な顔をしていた。
「会えて良かったよ。みんなでよく、あなたの事について話をしたよ。」
あれから二週間、私が一番会いたかったグループだった。
コンチータとイゴールは、数日前に帰国しなければならなかったこと、体格の良いサンティアゴは、途中で足を痛め、数日間遅れて歩いていることも聞いた。
このカテドラルで、この面々と再会できたことは最高のプレゼントだった。
そして彼らの『道』も、厳しかったらしい。
コンクリートの道が多く、一日の歩く距離も長かったという。
夜はPrimitiboの仲間たちと、Barをハシゴしてガリシア名物の白ワインを飲みながら、タパスをつまんで大騒ぎだった。
今夜のアルベルゲは、初めて泊まったところだった。
相当数のベッドが並んでいる。ここには一泊しかできないそうで、明日は別のところを探さなくてはならない。
門限の12時にアルベルゲに着く頃、四方八方から、巡礼者が走ってくる。
この「道」は、苦しい日には、必ずご褒美をくれた。
長い道のりの最後も、やはり大きな大きなご褒美をくれた。
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