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<br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br />8月13日(日)Santiago 20km<br /><br /><br />朝5時に聞こえてきたのは、毎朝聞いていたロベルトの目覚まし音である、マルボロのテーマ。<br />たいてい本人よりも回りで寝ている方が目覚めてしまう。<br />これは一度聞いたら忘れられない。<br />あの、ベルギー夫妻の奥さんでさえ、たまにこの曲を口笛で吹いていたくらい、みんなの耳に焼き付いていた。<br />もう、この曲ともお別れが近かった。<br /><br />いよいよ今日はサンティアゴに着くことは確実だ。<br />薄暗いユーカリ林の道を進んで行く。<br />噂よりすごい巡礼者の量だ。二年前よりも多いくらいだ。<br />最初は調子よく、先頭を歩いていたが、だんだん遅くなって、ラウロとアギーと一緒に歩いた。<br />ラウロは30歳で、数学の先生をしているが、20歳のアギーと気が合い、二人でふざけてばかりいる。<br />ラウロとフェルナンドは、去年の「フランスの道」での巡礼で、出会い、気が合って、今回も一緒に歩き出した。<br />アギーの方が、大人っぽくさえ見えるが、ラウロもやることは子供っぽく茶目っ気があるが、中身はなかなか大人だ。<br />二人のジョークはおもしろくて、一緒に歩くのは楽しかった。<br />パターンとしては、どちらかからちょっかいを出して、けんかになる。<br />時には杖を使っての戦いとなる。<br />アギーは、<br />「私は一人で歩いているの。誰もここにはいないはずよ。」<br />今日でけんかも最後だった。<br /><br />二人はここいらでコーヒーでも飲もうと提案してきた。<br />私は気が進まなかった。<br />ロベルト、ラウラ、ビンゲンと一緒に最後の朝食を食べたかったからだ。<br />じゃ、軽く一杯だけ。<br />店を出ようとした頃、ロベルトから電話が入った。<br />朝食がおいしいBarにいるから、待っていると。<br />私たち三人は、二度目の朝食を食べに一生懸命歩いた。<br />みんなが居たのは、新くできた私営アルベルゲの朝食スペースで、オレンジジュースとトースト、コーヒーがセットになっていた。<br />食べ終わると、全員一緒のペースでサンティアゴまで歩くことにした。<br /><br />今日はサンティアゴに入場する時に、みんなで歌いながら入るんだよというラウラの提案で、歌の練習をする。<br />一小節づつ、ラウラとロベルトが歌い、それに習ってみんなが後に続く。(実際サンティアゴに着いた時には、みんなすっかり忘れていたけれど!)<br />いよいよモンテ・ド・ゴソの丘の上に着いた。<br />ここからサンティアゴのカテドラルの塔が見えた。<br />この後は、一気に下っていくだけだった。<br /><br />いよいよサンティアゴの市街に入ってきた。<br />みんなは、真剣な顔をして口を閉ざしている。<br />ラウラに<br />「サンティアゴに着きたくないわ。」<br />そういうと、手をつないできた。<br />もう一方の手をロベルトとつなぎ、三人で並んで歩いた。<br /><br />とうとうカテドラルへの入場だ。<br />過去の二回の時と違って、キンターナ広場からまず入って行く。<br />ビンゲンによると、この入り口こそが、正面玄関なのだそうだ。<br />まだ夏の陽がまぶしい広場の階段には、たくさんの巡礼者でごった返していた。<br />その中に、見慣れた顔があった。<br />ホルヘと、3日前に別れたフランス人の女性だ。<br />かけより話をしていると、そこへ別の男女が近づいてきた。<br />「僕のこと、覚えてる?!」<br />「きゃーっ!!!!!会いたかった!」<br />あの、La Costa の道を選んだラファの仲間のアルベルトとキャロリーナだった。<br />あの仲間のうち、最もしゃべったことがなく、触れ合いもなかった二人なのに、なつかしいし、向こうから抱きついてきてくれる。<br />なんかすごくいい人たちじゃない?!<br />キャロリーナは、<br />「カテドラルの中にみんな居るわよ、ラファもいるわ。」<br />あの仲間たちと二週間ぶりで再会できるなんて。<br /><br />早速カテドラルの中へ。<br />ミサが始まるところだった。<br />一年前、私たちはやはりこの場所に居た。<br />長く果てしない「銀の道」を歩いて、辿り着いた果てだった。<br />去年と同じ場所にリュックを置いて座る。<br />あれから一年が経ったなんて夢のようだった。ほんの昨日のことにしか思えない。<br />イワンやイザベルがここに居てもおかしくないと思えた。<br />ミサの最後は、回りの人と握手をしたりキスをしたり。<br />そこへやって来たのは、ラファたちだった。<br />ラファ、アイツォル、フリアン、アラが次々と現れて、声をかけてくれ、挨拶をしてくれた。<br />みんな私のことをよく覚えていてくれたことが意外だった。<br />アラは益々女神のように優しかった。<br />「よくがんばって歩いたわね。」<br />ラファは少々深刻な顔をしていた。<br />「会えて良かったよ。みんなでよく、あなたの事について話をしたよ。」<br /><br />あれから二週間、私が一番会いたかったグループだった。<br />コンチータとイゴールは、数日前に帰国しなければならなかったこと、体格の良いサンティアゴは、途中で足を痛め、数日間遅れて歩いていることも聞いた。<br />このカテドラルで、この面々と再会できたことは最高のプレゼントだった。<br />そして彼らの『道』も、厳しかったらしい。<br />コンクリートの道が多く、一日の歩く距離も長かったという。<br /><br />夜はPrimitiboの仲間たちと、Barをハシゴしてガリシア名物の白ワインを飲みながら、タパスをつまんで大騒ぎだった。<br />今夜のアルベルゲは、初めて泊まったところだった。<br />相当数のベッドが並んでいる。ここには一泊しかできないそうで、明日は別のところを探さなくてはならない。<br />門限の12時にアルベルゲに着く頃、四方八方から、巡礼者が走ってくる。<br /><br />この「道」は、苦しい日には、必ずご褒美をくれた。<br />長い道のりの最後も、やはり大きな大きなご褒美をくれた。

スペイン巡礼「北の道31」8月13日(日)Santiago 20km

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2006/08/13 - 2006/08/13

155位(同エリア163件中)

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48

night-train298

night-train298さん














8月13日(日)Santiago 20km


朝5時に聞こえてきたのは、毎朝聞いていたロベルトの目覚まし音である、マルボロのテーマ。
たいてい本人よりも回りで寝ている方が目覚めてしまう。
これは一度聞いたら忘れられない。
あの、ベルギー夫妻の奥さんでさえ、たまにこの曲を口笛で吹いていたくらい、みんなの耳に焼き付いていた。
もう、この曲ともお別れが近かった。

いよいよ今日はサンティアゴに着くことは確実だ。
薄暗いユーカリ林の道を進んで行く。
噂よりすごい巡礼者の量だ。二年前よりも多いくらいだ。
最初は調子よく、先頭を歩いていたが、だんだん遅くなって、ラウロとアギーと一緒に歩いた。
ラウロは30歳で、数学の先生をしているが、20歳のアギーと気が合い、二人でふざけてばかりいる。
ラウロとフェルナンドは、去年の「フランスの道」での巡礼で、出会い、気が合って、今回も一緒に歩き出した。
アギーの方が、大人っぽくさえ見えるが、ラウロもやることは子供っぽく茶目っ気があるが、中身はなかなか大人だ。
二人のジョークはおもしろくて、一緒に歩くのは楽しかった。
パターンとしては、どちらかからちょっかいを出して、けんかになる。
時には杖を使っての戦いとなる。
アギーは、
「私は一人で歩いているの。誰もここにはいないはずよ。」
今日でけんかも最後だった。

二人はここいらでコーヒーでも飲もうと提案してきた。
私は気が進まなかった。
ロベルト、ラウラ、ビンゲンと一緒に最後の朝食を食べたかったからだ。
じゃ、軽く一杯だけ。
店を出ようとした頃、ロベルトから電話が入った。
朝食がおいしいBarにいるから、待っていると。
私たち三人は、二度目の朝食を食べに一生懸命歩いた。
みんなが居たのは、新くできた私営アルベルゲの朝食スペースで、オレンジジュースとトースト、コーヒーがセットになっていた。
食べ終わると、全員一緒のペースでサンティアゴまで歩くことにした。

今日はサンティアゴに入場する時に、みんなで歌いながら入るんだよというラウラの提案で、歌の練習をする。
一小節づつ、ラウラとロベルトが歌い、それに習ってみんなが後に続く。(実際サンティアゴに着いた時には、みんなすっかり忘れていたけれど!)
いよいよモンテ・ド・ゴソの丘の上に着いた。
ここからサンティアゴのカテドラルの塔が見えた。
この後は、一気に下っていくだけだった。

いよいよサンティアゴの市街に入ってきた。
みんなは、真剣な顔をして口を閉ざしている。
ラウラに
「サンティアゴに着きたくないわ。」
そういうと、手をつないできた。
もう一方の手をロベルトとつなぎ、三人で並んで歩いた。

とうとうカテドラルへの入場だ。
過去の二回の時と違って、キンターナ広場からまず入って行く。
ビンゲンによると、この入り口こそが、正面玄関なのだそうだ。
まだ夏の陽がまぶしい広場の階段には、たくさんの巡礼者でごった返していた。
その中に、見慣れた顔があった。
ホルヘと、3日前に別れたフランス人の女性だ。
かけより話をしていると、そこへ別の男女が近づいてきた。
「僕のこと、覚えてる?!」
「きゃーっ!!!!!会いたかった!」
あの、La Costa の道を選んだラファの仲間のアルベルトとキャロリーナだった。
あの仲間のうち、最もしゃべったことがなく、触れ合いもなかった二人なのに、なつかしいし、向こうから抱きついてきてくれる。
なんかすごくいい人たちじゃない?!
キャロリーナは、
「カテドラルの中にみんな居るわよ、ラファもいるわ。」
あの仲間たちと二週間ぶりで再会できるなんて。

早速カテドラルの中へ。
ミサが始まるところだった。
一年前、私たちはやはりこの場所に居た。
長く果てしない「銀の道」を歩いて、辿り着いた果てだった。
去年と同じ場所にリュックを置いて座る。
あれから一年が経ったなんて夢のようだった。ほんの昨日のことにしか思えない。
イワンやイザベルがここに居てもおかしくないと思えた。
ミサの最後は、回りの人と握手をしたりキスをしたり。
そこへやって来たのは、ラファたちだった。
ラファ、アイツォル、フリアン、アラが次々と現れて、声をかけてくれ、挨拶をしてくれた。
みんな私のことをよく覚えていてくれたことが意外だった。
アラは益々女神のように優しかった。
「よくがんばって歩いたわね。」
ラファは少々深刻な顔をしていた。
「会えて良かったよ。みんなでよく、あなたの事について話をしたよ。」

あれから二週間、私が一番会いたかったグループだった。
コンチータとイゴールは、数日前に帰国しなければならなかったこと、体格の良いサンティアゴは、途中で足を痛め、数日間遅れて歩いていることも聞いた。
このカテドラルで、この面々と再会できたことは最高のプレゼントだった。
そして彼らの『道』も、厳しかったらしい。
コンクリートの道が多く、一日の歩く距離も長かったという。

夜はPrimitiboの仲間たちと、Barをハシゴしてガリシア名物の白ワインを飲みながら、タパスをつまんで大騒ぎだった。
今夜のアルベルゲは、初めて泊まったところだった。
相当数のベッドが並んでいる。ここには一泊しかできないそうで、明日は別のところを探さなくてはならない。
門限の12時にアルベルゲに着く頃、四方八方から、巡礼者が走ってくる。

この「道」は、苦しい日には、必ずご褒美をくれた。
長い道のりの最後も、やはり大きな大きなご褒美をくれた。

  • いよいよサンティアゴの街へ入ってきました

    いよいよサンティアゴの街へ入ってきました

  • Santiagoではじめて公営のアルベルゲに泊まる

    Santiagoではじめて公営のアルベルゲに泊まる

  • アルベルゲの部屋から

    アルベルゲの部屋から

  • ドロータ

    ドロータ

  • アギーとホルヘ

    アギーとホルヘ

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