RIBEIRA SACRA 修道院パラドールに泊まる旅 （３）　創立４５０年の学校 （モンフォルテ）

2009/12/20 - 2009/12/22

RIBEIRA SACRA 修道院パラドールに泊まる旅
MONFORTE DE LEMOS ＝ モンフォルテ・デ・レモス滞在記続きです。

（1）　パラドール旅行記　↓
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10412568/
（2）　豚狩り　↓
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10414041/


モンフォルテで外せないもうひとつの観光スポット
O COLEXIO NOSA SEN~ORA DE ANTIGA （ガリシア語）
アンティガ聖母学校は、「ガリシア地方のエル・エスコリアル」
と呼ばれる壮大な建物。

１６世紀の建設当初から学校です。
今も、修道院のような建物内のパティオでは幼稚園児や小学生が
元気に走り回っています。



表紙の写真：　夫撮影

エリア スペイン

初日夕暮れの撮影

O COLEXIO NOSA SEN~ORA DE ANTIGA
アンティガ聖母学校

外観は修道院のようです。


（夫撮影）

パラドールのある丘の上から撮影

大きな建物であることが分かります。


（夫撮影）

創立者の Rodrigo de Castro 枢機卿はフェリペ２世と３世の顧問役であり、１６世紀スペインでかなり影響力のある人物だった。

生まれ故郷であるモンフォルテ・デ・レモス（母はレモス伯爵夫人）に学校を創設する際、フェリペ２世がマドリード郊外に建設したエル・エスコリアル寺院に引けをとらない建造物を命じた。

１２時のツアーガイド開始まで周辺を散策しました。

パラドールと塔が見えます。


（夫撮影）

学校の隣には川が流れてて、
可愛い石橋がかかっていました。

学校

外から


（夫撮影）

１２時のツアーにはなんと私達ふたりのみ。
学校の守衛さんがガイドしてくれます。

幼稚園・小学校・中学校とある、
カトリックの私立学校です。

守衛室前のこの階段は、幅３メートルの御影石。
支えになる柱はなく、宙を浮いているような造りになってます。
５２トンの重さを巧みに壁で支えています。

上階は教室なので見学できません。

クリスマス飾りの玉の中にいるよ〜♪

パティオ・回廊に出ました。


（夫撮影）

（夫撮影）

立派です

「僕の学校１６世紀の建物」

　ってなかなか言えないこと。。。

パティオの紋章

これは誰のだったか・・・


（夫撮影）

ドアが開いて元気な声が石造りのパティオに響いた。

休み時間に入った幼稚園生がバタバタとパティオを走り始めた。

この子達は自分達の学校がどんなに歴史ある所なのか、今は全然理解してないでしょうね。

建物中央には教会

イエズス会スタイルの教会なんだそうです。
（創設当初はイエズス会に属していた）



（夫撮影）

20ｍＸ9ｍの主祭壇レタブロは圧巻でした。

Francisco Moure　作　（1625）

東方三博士の礼拝


彩色されていないため、
彫刻の細かさが良く見えます

こんな場面は他で見たことないなぁと思ったのですが、イエズス会では好んで取り込んだ場面なんだそうです。

キリストの割礼


（夫撮影）

ここには作者のちょっとしたイタズラが見られます。

割礼を施している医者が片眼鏡していますが、もちろんキリストが生まれた時代にはこんな物はなかった。
作者の時代（１７世紀）の道具を彫刻しちゃった訳。

一番上にいるのはイエズス会の創設者、イグナシオ・デ・ロヨラ。

ロヨラの生誕の地には昔行ってます。
　　↓
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10121684/


（夫撮影）

彫刻の細かさが一番顕著だった部分。

この女性の髪の毛にはビックリ。

宗教と関係ないモチーフを少し入れるのも当初のスタイルだったらしい。

骸骨と、その左のアフリカ女性が面白い。



（夫撮影）

直径１０メートルのクーポラ

聖キリスト像　Santo Cristo
大理石（腕以外は１ピース）

イタリア人彫刻家　Valerio Cioli 作


フェリペ２世がエル・エスコリアル寺院のために発注したのに、出来上がりが気に入らず（筋肉モリモリのキリストが嫌だったらしい）、王が枢機卿にプレゼントした。

足が体に比べて短いのは、この像は本来はもっと上に掛けられることを計算した上で作成されたから。
下から見上げた時には体と足のバランスが丁度良く見えるようになっている。



（夫撮影）

Van der Goes の絵の複製


元々本物の絵はこの学校にあったのだけれど、２０世紀はじめに建物修復のために資金が必要になり公売にかけられベルリンのKaiser-Friedrich-Museum（現ボデ美術館）に買われた。　
学校側は複製画を要求し、ベルリンからもらったその複製がこれ。とても良い出来の複製画なんだそうな。


（夫撮影）

校長先生お手製のべレンが飾られていました。


『べレン』の説明はこちらをご参照ください
　↓
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10406171/
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10406839/


（夫撮影）

畑には本物の植物が芽を出してるし

（アルファルファか何か？）


（夫撮影）

屋根瓦はアーモンドの実の殻！

ヘロデ王の城もカッコイイ〜


（夫撮影）

「ベツレヘムまで２Ｋｍ」の道案内！

ハハハ

校長先生、ユーモアたっぷり。

生徒も父兄も毎年このべレンを楽しみにしているようです。


（夫撮影）

これは現在の学校の宗派（エスコラピオス男子修道院）の創設者。

最後に案内された部屋は二重扉。

開けられたドアの向こうはなんと美術館でした！


（夫撮影）

こんな所に本物のエル・グレコが２枚あるんです。


Aparicion de la Virgen con el nin~o a San Lorenzo
聖ロレンソへの聖母出現


まだ顔や手がやたらと長く変形されていない、初期のグレコの作品です。
服もとても細かく描かれています。

色が新鮮なのは修復（掃除）されているからです。


（夫撮影）

Fray Leon meditando sobre la muerte
死について瞑想するフラ・レオン

グレコ作


（夫撮影）

少女のような表情が印象的だったマリア像



（夫撮影）

作者不明

La Muerte　（死）


死は貧富関係なく誰にでもやってくる・・・
なんてメッセージが込められているらしい。


（夫撮影）

帰り　まだ小雨降る中元気に遊んでいた子供たち。

運動などする校庭は別にあるのかな？
聞き忘れた

こんな歴史ある建物が学校？！って驚いたけれど、創設当初から学校だったのだから、ここにいる権利が一番あるのはこの子供達なのよね。

この石橋の写真が撮りたくて、
川辺をちょっと歩きました。

カヌーのトレーニングしてるお兄ちゃん。

速いのなんのって！

オリンピックのボート競技（個人とペア）、
スペイン結構強いんですよ〜

モンフォルテを去る前に、前日発見して安くて感激したカフェテリアで地域の白ワインをまたグビッと♪

ワイン１杯がたったの１ユーロなんです。
それに、おつまみ（選べる!）がサービスで付いてくる。

コーヒー１杯より安いの。


さすが、ガリシアだけあってこんな場所でもさりげなくサルガデロス陶器を使っています。
お皿ひっくり返してチェックしちゃった　（笑）


RIBEIRA SACRA 旅行記　3/5　（完）