2007/07/28 - 2007/07/28
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4nobuさん
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ロッテルダムを訪れたのは1964年以来だ。そのときはロッテルダムの見所を知らずハーグ観光の帰途に寄ってラインバーン通りで小時間過ごしただけだ。
その後美術館と古い船に関する展示のある海事博物館に興味を覚えるようになって機会を狙っていたのが今回実現した。
ボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館
日本ではあまり知られていないがオランダでは5指に入る美術館で、特にフランドル絵画を中心としてファンアイク兄弟、ティチアン、ボッシュ、ブリューゲル、ダリ、マグリットなどの絵画の収集が素晴らしいと同時に現代絵画、写真、彫刻、ガラス工芸、映画などの巾広い収集が他の美術館と違うところだろう。
ユトレヒト出身の法律家ボイマンスが1847年に所蔵の絵画を遺贈する。これがこの美術館の基礎となる。それに同じユトレヒト出身の海運界の大物ベーニンゲンのコレクションが1958年に加わる。それがこの美術館の名称になった。
幸いにも館内の写真撮影が許されたので興味ある絵画の写真を撮りまくった。しかし時間に急かれたせいだろうかマグリットなど現代絵画を見るのを抜かってしまう。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 航空会社
- KLMオランダ航空
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うっかりして当美術館の全景とかロビーを撮りませんでした。今年はうっかりが多いんです。
これはヨットとか海に関する絵画を集めた部屋でした。美術館の雰囲気を表すほどでもないのですが、他に部屋を撮ったのがないので。
他と同様に石造のがっちりした建物なのですが、この建物の前の通りをカーニバルのパレードが通りその音がすごく聞こえます。それぐらいすさまじい騒音です。 -
ルーベンス「ある女性像」1635〜1640年制作
私見だがルーベンスの妻イザベラ・ブラントと思われる。どこかで見た気がしたので帰国後調べるとアルテ・ピナコテークにルーベンス夫妻を描いたのがあり、ルベンスらしくないところが気に入ってるがそれの夫人に似ている。
イザベラ・ブラントは義兄の姪でいい夫婦中だったが35才で亡くなる。 -
ゴッホ「Neunen近くのポプラ」
彼の絵の色が暗いダッチ色からフランス印象派の軽い色に変わった頃の作品で、彼はこの絵をパリに持参し軽いタッチの点描を加えた。 -
セザンヌ「エクサン近郊の風景ー王の塔」
パリからエクサン・プロバンスに帰ってからサン・ビクトワール山を沢山描いているが山頂(実際は連続する山嶺の左端)に小さく見える塔に由来した名づけ。 -
モネ「ソバージュ海岸」。
ノルマンディーのこの崖と小屋が気にいり、いろんな天候と光線で10枚ほど描いている。 -
ファン・ドンゲン「ほほ杖」
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ピカソ「カフェのテラスで飲む婦人」(1901年20才で描く)
パリから故郷のマドリードに帰ってから心に残るパリの夜を描く。この女性は恐らく売春婦。 -
ゴーギャン「水場の畜牛」1885
1884年パリでの定職を捨てて絵に専念することを決め、ノルマンディーに移り印象派的な風景を書き始める。 -
カンディンスキー「疾駆する馬」
抽象画の創始者の一人。1911年はリアリズムから抽象画へのターニングポイント。フォーム、線、色の自由な使い方で感情と知性の統合を獲得する。 -
カンディンスキー「日曜」1904
元々は法律家と実業家を目指したが1896年に転向。1910年には理論的な著述と抽象画家として知られるようになる。この絵の時期は騎士や信者のいる歴史上のシーンのような象徴的な小品を多く描く。 -
ムンク「りんごの花咲く樹下の少女」1950
ムンクが住むノルウェーの漁村で地元の人を描く。りんごの樹は若い人の純潔を表す。 -
ティントレット「聖母子」
ドナーの叙述もある大きな絵の一部だろうとされていたが最近ではケルン大聖堂の河側に隣接するヴァルラフ・リヒャルツ美術館の作品の模写だとされる。
裸のキリストは台座の上に立って牧師のする祝福のジェスチャーをしている。 -
ティティアン「風景の中の犬と童子」
80から90才の間に描いたとされる。荒い麻布の上の巾広の筆さばきは晩年の手法。 -
ファン・アイク「石棺の傍の3人のマリア」
安息日の翌朝3人のマリアがキリストの墓を訪れたら遺骸はなくキリストは復活したことを天使に教えられる。墓の番人は眠りこけている。背景はエルサレムだろう。
3人のマリアとは聖母マリア、マグダラのマリア、ラザロの妹のマリアのことと思うのだが。 -
この美術館の看板絵画の一つ
ピーター・ブリューゲル(父)「バベルの塔」
ウィーンにあるのと同時期に描かれた。建設工事はこちらの方が進んでいる。しかし工事している部分の描写の多いウィーンの方が人力クレーンなどがあって楽しい。建設機械がやけに詳しい反面らせん状の傾斜道が機械、岩、小屋などでふさがれているのは工事の常識を外れていて、この方面の知識はつけ焼き刃的。
またよく見ると両方の絵ともに塔が傾き、一部でもう崩れかけているところがある。旧約聖書の伝説の「天にまで届けようとする、そしてどんな計画でも完成できるという人間の傲慢さを、神が懲らしめた。それぞれの国の言葉を別にしたりまた塔が崩壊した」をブリューゲルが寓意として描いたのだろう。
ともあれ絵を観察して楽しいひと時だった。
余談ばかしだが今、日本で開催のプラハ美術館・ブリューゲルとルーベンス展で展示されているバベルの塔は17世紀フランドル派の描いたもので塔はこれより工事は進んでいるようになっていて単純で上記のようなあら捜しの面白さはない。
ソ連で1931年にレーニンの像を頂点に立てた円錐状のバベルの塔もどきの「ソビエットパレス」を計画し、モスコア最大の教会を爆破した跡地に1939年から建設を始めたが1941年に中止された。まさに聖書の伝説どおり。 -
ボッシュ「カナの婚礼」
L型のテーブルの右から2人目がキリスト。その左2人目が聖母マリア。その左の二人が花嫁と花婿。テーブルの前にはヨハネ伝のように奇跡のブドウ酒の入った水がめがある。テーブルの手前の後向きの豪華な衣装の人物は祭司とも少年キリストがだぶって描かれたともいわれている。
一番手前の犬は後年に加筆されたらしい。 -
ボッシュ「大洪水の祭壇画、3連の両翼」中央部分は欠如。
あまり鮮明でなくすみません。
左:燃える市街と悪魔の形の昆虫
右:あらラット山に漂着したノアの箱舟その上ノアの一族が見える。手前には溺れた古い世界の人と動物の遺体が見える。 -
これも有名な看板絵画
ボッシュ「放蕩息子」
ちぐはぐの靴が暗示する困窮の旅から(包帯を巻いた)足を引きずって親の家にたどり着く。ここで振り返っていかがわしい過去を見る。後の家の白鳥は娼家を、外で用を足す男、交渉の男女、背中のスプーンは放蕩を意味する)
右側には正しい生活を予言する世界があるがまだ多少の未練が人間の心理を示す。 -
レンブラント「デスクのティトス」
レンブラントは4人の子を授かるが3人は夭折し唯一育ったのがティトスで、それだけに大切な存在で多くの絵が残された。この絵は一番早く14 才に描かれた。
ウィーンの「読書するティトス」英国の「大きなベレーのティトス」
しかし彼も22才で亡くなる。
光線、三角の配置、前景の荒い筆致に特徴がある。 -
ハルス「男のポートレート」
有力な市民のポートレートを沢山描いている。この人物8は特定できていない。50才前の若い時期に描かれる。この中年の男性は力強く重要な人物らしいポーズ。 -
ゴッホ「アーマン・ルーランのポートレート」
アルルで郵便局のクラークジョセフ・ルーランと友人となり、彼、息子、娘を描く。これは17才の息子アーマンで俯いていくらか落胆した様子 -
ココシュカ「二人のポートレート」
夫々の性格を色と筆使いで表し、その後、対照するためにひとつの額に入れる。 -
美術館の前の通りは今日はパレードで人も騒音もものすごいのでそれを避けてホテルに帰る。美術館前の通りを曲ると小さな水路の両側に緑のベルトがある。日本では公園と言えるが地図で見るとここでは公園ではない。公園はもっと広くなくてはだめ?
この通りに入るとたちまち静かな住宅街の雰囲気になった。カーニバルを住人はどう思っているだろうか? -
緑地には樹も沢山あり、水際には水鳥も沢山。
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少女が立派なカメラ(親のもの?)で水鳥を撮っている。
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水路の水鳥
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カメラを構える少女
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この旅行記へのコメント (7)
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- wiz さん 2008/02/17 01:52:04
- 同感!
- 4nobuさん、
少しお久しぶりです。
今日も美術館を大いに楽しませてもらいました〜。
「バベルの塔」思わず拡大してしまいました。
ウィーンのとほんとに違う!!! 面白いです。
4nobuさんに同感! ・・・ウィーンの方が工事現場が語る言葉の混乱や
左下に描かれている意思疎通できなくなった人たちの観察が面白いですよね。
ボッシュの作品もプラド美術館でハマったので
4nobuさんの旅行記で3点も観れて嬉しいです。
今冬ボッシュを観に造形美術アカデミー絵画館(ウィーン)にも
行きたかったのですが・・・なにせウィーンではクリムト巡礼にも
忙しい私なので、またしても行く暇がなかったのです。
次回は必ず行こうと思います!
ココシュカのも2つ合わさって分かりやすいですね。
そういえば、今回ウィーン美術史美術館で写真撮影が出来なかったと
前に書いたかもしれませんが、もしかしたら私が「ダメなの?」と
見て判断したのは、特別展の方の入口だったかもしれません。
そう思うと・・・(多分)・・・いまさらちょっと残念です(苦笑)
「絵画芸術」も「バベルの塔」も撮り直したかった!!
王立美術館編やグルーニング美術館編も楽しませてもらいました!
メムリンク美術館、ゲントの聖バーフ大聖堂、ゲント美術館、残念でしたね・・・。
グルーニングやゲントにもボッシュがあるんですね〜
今ちょうどベネルクスの本を図書館で借りてきているので見ていて
4nobuさんの写真でも見て、二重に楽しんでおります!!
- wiz さん からの返信 2008/02/17 02:06:46
- RE: 書き忘れ
- 王立美術館の
メムリンクの「聖セバスチャンの殉教」と(色んな所にあるので見比べ)
バーン・ジョーンズの「プシケの婚礼行列」(美しい〜)
も、気になりました!
- 4nobuさん からの返信 2008/03/04 13:01:04
- RE: RE: 書き忘れ
- 書き込みとそれにご投票有難うございます。
実はもう一昨日になりますが深夜にエジプトから帰国しました。ということでお礼とお返事が遅れました。
3000年もの昔のエジプトのすごいパワーと美意識に感動しました。すごい量の作品に頭の中が今も混乱しており、その整理にずい分時間がかかりそうです。
バーン・ジョーンズの「プシケの婚礼」を今回はどうしてか見過ごしましたのをお陰で思い出しました。ユニークな作品でしたね。
今回はアントワープでの再会を楽しみにしていたフーケの「聖母子と天子たち」とブリューゲルの「狂女フリート」が置き引き被害の処理で時間がなくなって行けなかった事が残念でした。
旅行記が2シリーズ。美術鑑賞記が2シリーズ溜まりました。これからしばらく楽しみながらぼちぼちアップします。エジプトの場合殆どが撮影禁止(ストロボ禁止だけでなく)なのにはまいりました。その国の(管理部門の)文化程度の指標のような気がするのは私だけでしょうか。
-
- Muffinさん 2008/01/14 13:10:33
- ボイマンズの旅行記がみれるなんて
- 4nobuさん、こんにちは
随分前にボイマンズを訪れましたが、何故かその時の写真もパンフレットも無し。うろ覚えな記憶をもう一度鮮やかにしていただいて感謝です。バベルの塔?の絵も思い出しました。
Muffin
- 4nobuさん からの返信 2008/01/14 17:12:43
- RE: ボイマンズの旅行記がみれるなんて
- コメント有難うございます。
まだ全部書き込んでなかった。特にバベルの塔は!
今ようやく書き終わりましてこの文を打っております。
パクリや知識のひけらかしもありますが、お赦し下さってお読みくだされば嬉しいです。
-
- とらいもんさん 2008/01/14 08:46:51
- ロッテルダム
- おはようございます
私の「ロッテルダム」は、壊滅的な破壊をされたことしか浮かびません。
11年前、バスで通過した時、東京みたいに回復したのを目にして(凄い!)と感激しました。
「絵」
私ごとですが、我が家の家系に「絵心」があるようです。
私は「色弱」なのに、展覧会で入選しました。即興絵は得意です。
長男も、孫二人も「県展」に入選しました。
兄の子も、素晴らしい才能をはっきしてます
11年前「フランダースの犬」の有名な「ルーベンス」の絵を見られたことが、絵の関係で最高の幸せでした(俺も、見たんだ!)と。
失礼致しました。
- 4nobuさん からの返信 2008/01/14 10:09:45
- RE: ロッテルダム
- 早速ご覧いただき有難うございます。
お孫さんの素描素晴らしいですね。早いタッチはずい分手馴れたご様子で感心しました。
私も小さい時にはいくらか書いておりましたが中学に入った頃からずっと遠のきいまではとても人に見せられません。
ただ見るほうだけはずっと続いており、国内も海外も機会があればみにいっております。これが旅をより面白くしてくれてます。
今回はあるアクシデントで時間をとられアントワープの市内には行けなくて市内の美術館とノートルダム寺院をかみさんに見せられなかったのが残念でしたが。
前に書きましたがサベナ航空のある時代のベルギーは私にとって欧州旅行の起点だった事もあり何度も来ましたが。
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