1997/09 - 1997/09
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yottuchanさん
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ベルギーが最も光溢れる7月〜8月にかけての時期、人々が心待ちにするものがある。ムール貝の初出荷である。
国の北部に面した北海で獲れる大粒のムール貝料理は、ベルギーの有名な郷土の味。ムール貝を大きな鍋で、ハーブや野菜などと一緒に、白ワインで蒸して食べるのが一般的だ。一年を通じてほぼ手に入るのだが、冷凍物以外の新鮮なムール貝は、5月から6月にかけての一時期、旬でないため食卓から姿を消す。そして再び、真夏の頃に登場するのだ。
食べることの大好きなベルギー人は胃袋で季節を知る。「もうあれは食べた?」は、ベルギーの季節の挨拶である。
出回ったムール貝をいち早く、レストランで食べた人々は、なんだか得意げだ。
われ先にと、店ではあっちのテーブル、こっちのテーブルで、お鍋いっぱいのムール貝が溢れている。ひとりあたり1.5〜2キロを皆、平気で平らげる。
ムール貝には独特の食べ方があって、まずひと粒貝の実を食べた後、空いた殻をクリップのように使って、次々に実をつまんで食べる。一心不乱に、貝の実を口に運ぶ人々の様子は、何ともほほえましい。テーブルの上に山と積まれた、空の殻を前に、みんなニコニコしている。
一般に、牡蠣などと同様、寒い時期の方がおいしいといわれるムール貝だが、太陽の光の下、ベルギーの白ビールと共に食べるムール貝とフリッツは、この時期だけの至福だ。
深まる秋と共に聞かれる「もう食べた?」の挨拶は、人々の間に肉料理がおいしい秋の訪れを知らせる。南部のアルデンヌの森は、野うさぎ、きじ、鹿など野生の獲物の宝庫。狩猟で獲れた獲物が、熟成のためレストランの軒に、看板がわりに足を縛られ吊されているのを眺めながら、人々は舌なめずりするのだ。
腹時計ならぬ、胃袋にカレンダーがあるベルギー人である。
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