ヴィラ・アドリアーナ

2007/12 - 2007/12

古代ローマの遺跡巡り、ティヴォリのハドリアヌス帝の別荘＝ヴィラ・アドリアーナを訪れました。
五賢帝の一人で建築マニアのハドリアヌス（自ら設計図も書いた）が、１１８年に建造開始。在位中に帝国各地を巡察した皇帝が、想い出に残る風景や建築の粋を再現したと言われます。パンテオンやサンタンジェロ城と同じ建築主だけあり、球面や円など曲線が多いのが特徴。また、水面を鏡にする演出もうまいと思いました。
往復とも、地下鉄Ｂ線ポンテ・マンモーロ駅発着のバスを利用しました。

エリア ローマ(イタリア)

朝イチでティヴォリの街の遺跡もちょこっと見学。
遠くから望むウェスタ神殿（円形の神殿、前１世紀）。
その右向こうがシビラ神殿（前２世紀）。

崖上に立つウェスタ神殿。別方向から。

ティヴォリの円形闘技場（２世紀）。
旅行前にGoogleMapで見つけて来てみました。
しかし残念ながら柵に囲まれて中は非公開・・・

柵の間から撮影したティヴォリの円形闘技場。
向こうに見えるのは教皇ピウス２世の城（１５世紀）。

いよいよバスでヴィラ･アドリアーナへ。
しかし便を間違えて、２０分ほど余計に歩くはめに。
無駄に体力を消耗しました・・・
もっとも、どうせ遺跡内で歩き倒すから同じことかも。
（バスの本数はこちらのほうが多いようです）

ポイキレ（ギリシャ風の彩色回廊）の外壁。
ヴィラ･アドリアーナ見学はここから。

ヴィラ･アドリアーナの模型。
現地に展示されていたもの。

ヴィラ･アドリアーナの模型。
これはエウルのローマ文明博物館のもの。
手前のポイキレから、右方向がカノープス。
左方向が皇帝宮殿。
先に皇帝宮殿側から見学することにしました。

ポイキレから望むヴィラ･アドリアーナの景色。
池の向こうに遺跡群が見えて期待が高まります。
（足の疲れも忘れます）
遠くの丘の上に見えているのはティヴォリの街。

哲学者の間。
読書室であったと思われる建物。

ヘリオカミヌス（太陽熱浴場）のドーム天井。

島のヴィラ。別名、海の劇場。
水面に青空が写ってきれいです。

島のヴィラ。別角度から。

島のヴィラの復元図。現地で買った本の表紙から。
この“Past＆Present”シリーズは面白いです。
遺跡写真に再現CGの透明シートを重ねられるもの。
「VILLA ADRIANA」と「ROMA」の２冊買いました。

通称“ギリシャ語図書館”（実際は食堂だったとも）。
もともと複雑な形の建物が、崩壊してさらに異形に。
遺跡好きにはたまらない光景。

通称“ラテン語図書館”。

ホスピタリア（客室）。
１０室の狭い部屋があります。

ホスピタリアの床のモザイク。

皇帝の食堂。
柱廊が庭園に面して並び、色づいた樹木が美しい。
なおローマ時代の食堂は“寝転がって食べる”式。

テムペー楼からの眺望。
ギリシャの聖地の名にちなんで命名した展望台。

ヴィラ･アドリアーナの模型の一部。
左上の円形が島のヴィラ（海の劇場）。
その右隣から右下にかけて、
ギリシャ語図書館、ラテン語図書館、皇帝の食堂、
そして突端がテムペー楼。
中央の庭園は図書館の中庭。

図書館の中庭。
向こうに見えているのはギリシャ語図書館。

皇帝宮殿のニンフェウム（泉水堂）。
観光客が少なく、写真はほとんど無人で撮れました。

ドーリス式角柱の広間。
謁見や政務が行われたと思われる場所。

消防隊宿舎。

皇帝宮殿のいちばん奥にある黄金広場。
かつては６０本の柱で囲まれていたという。

ヴィラ･アドリアーナの模型、黄金広場。
画面左下が南側。

黄金広場の南側の遺跡。

黄金広場の北側を望む。

地下通路。

魚を泳がせていた人口池。

ニンフェウム（泉水堂）。
以前はスタディウム（運動場）と考えられていました。
確かに陸上のトラックのような形状をしています。

小浴場。
女性専用だったという説も。
すぐ隣に大浴場（＝男湯？）もあります。

大浴場のドーム天井。
この崩れっぷりがいい。

大浴場。
パンテオンと同じような天窓があります。

ヴィラ･アドリアーナの模型の一部。
左が小浴場、右上が大浴場。

大浴場に付設した運動場。

カノプス（カノープス）。
セラピス神殿の背後の丘から見下ろしたところ。
ナイル川で溺死したアンティノウスを偲んで築造。
エジプトで見た運河の風景を再現。

アンティノウスの彫像。
（ローマ国立博物館アルテンプス宮のもの）
皇帝ハドリアヌスが愛した美少年。
彫像は他にも多数残されています。

ハドリアヌス帝の彫像。
（ローマ国立博物館マッシモ宮のもの）
ギリシャに憧れてあごひげを生やしたローマ皇帝。

カノプス、岸辺に立つ女人柱。

カノプス、北端の列柱。
天気に恵まれて、水面に写る景色もきれいでした。

カノプスの南端、セラピス神殿前の水面。
ずっと日陰のため、昼間でも凍ったまま。
夏場なら、ここは涼しくすごしやすそうです。

三つのエクセドラに囲まれた広間。
残念ながら修復中でした。

ウェヌス（ヴィーナス）の小神殿。

ギリシャ劇場跡。
ヴィラ･アドリアーナ見学はこれで終了。
かなり疲れました。
しかしオスティア・アンティカよりまだ楽だった感じ。
皇帝の別荘だから、散策しやすくはなっているのか？
（ただ、園内にトイレがないのはつらかった）

疲れついでにルカーノ橋にも行ってみました。
ローマ時代から橋が架かっていた所です。
ヴィラ･アドリアーナから徒歩２０分ほど。
途中はずっと雰囲気の良い高級住宅街でした。
放し飼いの犬がとことこ後を付いてきて楽しかった。
写真は橋のたもとのルカヌス・プラウティウスの墓。
前１世紀建造で、中世に砦に改造されました。
護岸工事中でルカーノ橋はよく見えず・・・

ローマの美術館の、ヴィラ・アドリアーナ関連の展示品。
エジプトの冥王オシリス神に扮したアンティノウスの像。
（ヴァティカン美術館）
１７３６年にカノプスで出土。

オシリス生誕の儀式をする音楽の巫女たちの像。
（ヴァティカン美術館）
１７３６年にカノプスのセラピス神殿跡で出土。

エジプトの母神イシスの胸像。
（ヴァティカン美術館）
１５５０年に体育場跡で出土。
ローマ人のイシス信仰が、のちのキリスト教の聖母マリア信仰の起源という説があります。

美の女神アフロディーテの像。
（ローマ国立博物館マッシモ宮）
ハドリアヌス帝の浴場に飾られていました。

酒神ディオニュソスの像。
（ローマ国立博物館マッシモ宮）

水を飲む鳩のモザイク画。
１７３７年に出土。
（カピトリーニ美術館）

この旅行記へのコメント （3）

• 真@tokyoさん 2009/05/05 11:36:29

  スケールの大きな別荘

  Giraudさん
  はじめまして
  
  各地の建築を見て歩くのを楽しみにしています。
  一昨日、ローマから帰国しました。
  旅行中、ティーボリに1日行ってきました。
  ほぼ同様なコースでした。バスでの下車する停留所が分からないので「Villa Adriana」と書いた紙を周囲の乗客に見せておきました。近づいたところで皆さんが騒ぎ出しましたので（教えてくれたのでしょう）下車しましたが正解でした。Google Earthで状況を見ていたので迷わずに到達しました。便利な時代になりましたね。
  
  これから写真の整理をしますが、Giraudさんの旅行記が参考になりそうです。
  
  他の旅行記も見させていただきます。
  今後ともよろしく。

  Giraudさん からの返信 2009/05/07 10:55:22

  RE: スケールの大きな別荘

  真@tokyoさん
  
  はじめまして
  ご訪問ありがとうございます。
  
  真@tokyoさんのNYの都市模型の旅行記、拝見させていただきました。
  私も建築に興味があって、建物だけでなく、博物館に模型などがあると必ずカメラに収めてしまいます。
  ローマでは、EURのローマ文明博物館の都市模型がお気に入りです。
  http://4travel.jp/traveler/giraud/album/10226158/
  
  ヴィラ・アドリアーナの旅行記も楽しみにしております。
  今後ともよろしく

  真@tokyoさん からの返信 2009/05/07 12:23:36

  RE: RE: スケールの大きな別荘

  Giraudさん
  
  EUR旅行記拝見しました。
  今回は予定していたのですが、結局時間が無くなり見送りました。
  特徴のある文明館の建物を空港への車窓から見ただけです。
  中を見なければ面白くないですね。
  しかし、Giraudさんの写真がはっきりしているので楽しませてもらいます。
  
  NYの方の投票ありがとうございました。