2005/11 - 2005/11
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みどりのくつしたさん
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僕はシェムリアップでチェンラゲストハウスに宿を決めた。
そこで会った女性3人に「ベンメリア遺跡へ行くから、タケオで人を集めてよ」と、丸投げしておいた。
もちろん僕は、旅に出たら、その時々で思いつきを話し、思いつきの約束をする。
そしてすぐに、忘れてしまう。
「旅先の約束は守らなくていい」というのが、世界旅行法則だからね。
だから、ベンメリアへ行こうと話をしたが、誰からも何の連絡もなくても、気にしてない。
というか、実は僕自身がそういう話をしたことを忘れていた。
チェンラの僕の部屋202号室へ戻ると、ドアの下からメモが差し込まれているのに気が付く。
もちろん、「誰か女の子が、僕が有名な世界旅行者みどりのくつした(みどくつ/みど先生)だと知って、夜這いをしたくって、夜はドアの鍵を開けて置いてくださいね⊂二二二(^ω^)二二二つ」というメモだな、と予想する。
「面倒だなー(^ω^) 」と、折りたたまれていたメモを開くと、なんと忘れかけていたベンメリアツアーの話だ。
「タケオで10人集まりました。1人8ドルです。出発は明朝午前7時半」とある。
やはり僕が考えたとおり、タケオに行けば人は集まるものだよ。
でも10人というのは多いね。
ところで、ある同一の行動を取るグループが初対面で10人にもなれば、これは、盛り上がらないものだ。
5〜6人ならば、知らないもの同志が集まっても、一応声を掛け合ったりするのが自然の成り行き。
簡単な自己紹介をしても、それを記憶できる。
ところが、初対面が10人になれば、よほどの理由がない限り、まとまりは出来ない。
もちろん誰か、みんなをまとめる面白い人間がいれば別だけどね。
これがわかるのは、僕はもともとユースホステラーだから。
京都大学の学生時代は、京都は嵐山の宇多野ユースホステルでギターを弾いて歌を歌い、ホステラーを盛り上げるゲームをしていた。
だから、知らない人の集まりを盛り上げるのは慣れている。
ただ10人以上になると、1人では難しい。
もう1人いると、その2人で組んで、面白いやり取りをして、全体の雰囲気を良くするのは簡単なんだ。
例えば、僕がサイクリングで、京都から九州へ帰省する途中、四国愛媛県の宇和島ユースへ寄った時を思い出す。
その時も泊まっているのは女の子が多かったよ。
これは、ディスカバージャパンで若者が日本中をユースホステルを使って旅をしていた時代。
その時代でも、女性の旅行者のほうが多かったんだね。
食事のあとで、みんなでゲームをやろうと声をかけても、もちろん僕1人では無理だ。
そこに、大阪出身だったかなー、やはりユースホステル慣れした男子学生がいた。
彼と2人で、ほとんどが女性の40人くらいの集団を、盛り上げたことがあるよ。
それは昔の体力的にも精神的にも元気のあった時代の話。
でも、もう歳を取ってしまった(涙)。
今度の旅の目的地インドから戻ってきて、ちょっと暇つぶしにシェムリアップの遺跡を見るだけなのに、無理に盛り上げることはない。
でも、「誰か話の合いそうな、勘のいいやつがいたら、2人で漫才をして盛り上げて、みんなをまとめてもいいかしら」と、心の底ではでは思わないことはない。
それが、ユースホステルのベテランの哀しい習性なんだよ。
朝、6時半ごろにチェンラを出て、タケオへ歩いた。
タケオの食堂で「野菜ラーメン」を食べて、トイレを済ませる。
タケオの前にマイクロバスが停まっていて、出発時間の午前7時半になると、人が集まってきた。
その時に、「これはダメだな」と僕は思った。
普通、旅慣れた人間は、一緒に行く人がどういう人か興味を持っているもの。
だから、出発の15分前くらいには来て、一緒に行く人に声をかけて、挨拶くらいはするものだ。
それが、ほとんどは挨拶もせずに、タケオの部屋から出てきて、黙ってマイクロバスへ乗り込むだけ。
「社会性のない連中だなー」と、僕は思う。
それよりも何よりも、このグループ構成では、とても盛り上がらない、と僕はすぐに悟った。
というのは、グループ10人の構成は、男女のカップルが2組、世界旅行者1人、残りは一人旅または2人旅の女性なんだ。
つまり、男性が3人、女性が7人。
しかもそのうち世界旅行者みどりのくつした(みどくつ/みど先生)以外の男性2人は、一緒に来た女の子にぴったりくっついている。
カップルで旅行していても、男性に余裕があれば、男同士でも話は出来る。
ただこのツアーに参加した男性は2人とも、モテないタイプだ。
モテない男は、やっと見つけた女性に逃げられないように、べったりとくっついている。
他の女性に話しかけることなど出来ないし、他の男性とも話せない。
それから、モテない男性と一緒に旅行する女性も、モテないものだ。
女性の多いグループにカップルが入ると、他の女が自分の男にちょっかいを出さないかと、ぴりぴりしている。
「このグループは面白くならないな」と、世界旅行者はすぐに諦めた。
まあ、ベンメリアにさえ行ければ、それで僕の目的は達成できるのだから、と退屈な状況を受け入れる。
グループは全く盛り上がらず、自己紹介をすることもなく、お通夜のような雰囲気で出発した。
僕はタケオで見つけた本を読みながら、バスに乗っていた。
しばらく走ると、検問所がある。
バスが停まって、係員が乗客の入場券をチェックする。
みんな写真入りのアンコールワット入場パスを見せる。
ただ1人を世界旅行者先生を除いてね。
だって、世界旅行者先生は、アンコールワットの入場券なんかもってないもん!
それに、ベンメリア遺跡はアンコールワットとは別で、入場料を払うはずなんだもん!
なぜ入場パスがないのかと聞かれる。
「僕はベンメリアに行くので、入場パスは持ってません」という。
このときにはじめてわかったのだが、このツアーは、他の遺跡にも行くのだそうだ。
運転手によると、このバスツアーは、、クバール・スピアン(Kbal Spean)、バンテアイ・スレイ(Banteay Srei)とベン・メリア(Beng Mealea)の3つの遺跡へ行く。
クバールスピアンとバンテアイスレイへ行くには、パスが必要。
しかし、僕はそのパスを持ってない。
それなら簡単、「僕はベンメリアへ行きたいだけだから、他の遺跡には入りません!」と、きっぱり宣言する。
運転手と、ゲートの係員が相談していたが戻ってきた。
運転手が僕に、「パスなしに遺跡へ入ると罰金を取られるし、ベンメリアだけに入ってください」と言う。
僕は「それでいいよ。僕はベンメリアへ行きたいだけだからさ」と返事をする。
そうして、マイクロバスはまず、クバールスピアン遺跡へと進みました。
【写真】チェンラから6号線を歩いて、タケオへ進む。
http://d.hatena.ne.jp/worldtraveller/20070711
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