常滑やきもの散歩道☆猫のいる風景☆2007秋♪

2007/11/23 - 2007/11/23

常滑（とこなめ）は、平安の昔からのやきものの里。
レンガ造りの登窯がたくさん残っているこの街では、
錆朱色の土管や瓶が塀やブロックとして使われていて、
街全体がギャラリーのようです。

エリア 常滑・セントレア（中部国際空港）(愛知)

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 私鉄

今日の目的地 常滑駅は、名鉄に乗って、中部国際空港（セントレア）のふたつ手前。
『常滑へ行きたいんですが、このホームから、次の各駅停車に乗れば、いいんですよね？』
『はい、次の普通列車は24分発ですが、あっ、ちょっと待ってください、常滑に停車する特急があるはずです。。。』
車掌さんは時刻表を確認し、常滑に停車する特急電車の発車時刻と到着時刻、特急料金のいらない一般車両への乗車位置まで、丁寧に教えてくださいました。完璧な応対です！

名古屋駅から常滑駅まで約35分。電車を間違うこともなく良い気分で到着、したまではよかったのですが、何も考えずに広い方の出口からぽん！と外に出たら、そこで方向がわからなくなりました。
「やきもの散歩道」こっち→　とか、案内もなんにもないんだもの。看板くらいあってもいいんじゃない？
写真は常滑駅前広場の陶製の巨大なピラミッド。

常滑駅 駅

地図はあるのに現在位置が書いてない。え？常滑市全体図？そうじゃなくて。。。ええと、北はどっち？私は今、駅のどこにいるの？目的地はこの地図のどこ？駅前広場でやはり同じように迷子になっていた、おばさま二人連れと一緒にウロウロ。
まず、常滑駅の建物の中にある案内所「常滑市観光プラザ」に行って案内のマップを手に入れるのが良いようです。

正しい（小さいから裏側かと思った）方の出口から出て少し行くと、「やきもの散歩道」案内塔がありました。

やきもの散歩道 名所・史跡

さっそく、コンクリートの壁の上から巨大な招き猫がお出迎え。常滑は招き猫の生産日本一なのだそうです。

「招き猫通り」です。壁にいろいろな猫の彫像が埋め込まれています。全部で３９体のご利益招き猫。「旅行安全」「航海安全」「晴天祈願」「航空安全」なんてのもありました。

「陶磁器会館」に到着しました。「散歩道」のスタートです。

「やきもの散歩道」にはこんな看板が立っています。迷いそうな曲がり角には必ず看板があるので、順路どおりに進むだけならとてもわかりやすい。

でも、看板には行き先の方向の矢印が書いてあるだけで、もと来た道は書いていません。道は一本道ではなくてあちこち曲がって迷路のようです。

だから、私のように、前に戻ったり、逆順で廻ろうとしたり、途中で横道に逸れたりすると、もうわけわかんなくなります。駅でもらったイラストマップもあまり正確じゃありません。まあ、そうやって迷うのが楽しいんですけど。

陶器店の店先で出迎えてくれた蛙たち。
散歩道のあちこちにはやきもののお店やギャラリーがあって、見て歩くのも楽しいです。

潮風で傷まないようにと、板壁に黒いタールを塗った家。中はやきもののお店になっています。

甕。出荷を待っているのでしょうか。常滑焼と言ったら、この色です。

海岸の町・常滑は南国の陽射し。今日は散歩に絶好の日和です。

花瓶など背の高いうつわを焼くときの支えとして使うものでしょうか、ブロック代わりに使われています。
この散歩道、アップダウンが結構あります。この起伏に富んだ地形のおかげで、登り窯がたくさん作られたのだそうです。

このタイル、かなり年季入っています。

廻船問屋「瀧田家」への道。新しく整備されたところは、妙に整っているので、なんだかきれいすぎて、つまんない。。。。はい、ワガママですネ。。。

９００年の歴史のある「とこなめ焼」
案内板も常滑焼でできています。

「土管坂」と呼ばれている坂道です。
常滑で作られた陶製の水道管は、昭和40年代頃まで全国の公共下水道で使われていたそうです。

こちらは一斗瓶（焼酎瓶）。酒・酢・醤油などのメーカーで使われていたもの。
釉薬が流れてできた模様は、ひとつひとつ異なります。

表情がある。。。

足元も。

足元の「けさわ」

こういう何気ない風景が素敵です。

こんな煙突が町中にたくさん。今はもうほとんど使われていなくて、煙突から木が生えてます。

こちらの煙突は蔦が這っていてなかなかの風情です。

窯からの熱風を受け止めていたちょうどこのあたり、煉瓦が崩れかけています。

あ、この窯は新しいのかな？今でも使われているみたい。

裏に回ると、ほら、薪が積んである。え？薪で焼いているの？

今では、土管の需要はなく、甕や鉢も少なくなっていて、業務用の最有力商品は植木鉢だそうです。そう、植木鉢の色は常滑色。

行ったり戻ったり。

坂道を登ったり、下りたり。

道に迷ったり。

古い窯を見つけました。

剥がれた壁の内側には、昭和参拾五年の文字と製作所の名前が書かれていました。
取り壊されてしまうのか。それとも、ギャラリーにでも生まれ変わるのか。

順路に戻りました。

登窯「陶栄窯」。
明治２０年ごろから昭和４９年まで使用されていた、現存する日本最大級の登り窯だそうです。

登窯(陶栄窯) 名所・史跡

登り窯の煙突。１０本並んでいます。

陶器屋の店先に、ねこ鍋ならぬ、ねこ鉢。
それにしても、この鉢、素敵です。

あっ、聞こえてた？　はいはい、猫ちゃんも素敵ですよ。お昼寝の邪魔して、失礼しました。

ここ、時が止まっていませんか？

手押しポンプの井戸。ちゃんと水が出ます。
常滑焼の土管が日本全国を席巻した（？！）昭和のある時期から、ここの時間は止まったままなのでしょうか。。。

畑には、常滑焼の巨大な雨水甕。

またコースを逸れ、登り窯の裏側から神社の階段を降りて、

「陶彫のある商店街」に行ってみました。

本町大正館（旧東海銀行）。大正６年の建造。
現在はインテリアデザイン会社のショールームになっているそうです。ここに銀行があった頃、このあたりが町の中心だったのでしょう。いまの銀行は駅前に移転しています。

白瀧神社の狛犬と灯篭。もちろん陶製。

常滑中央商店街には、街のあちこちに個性的な陶器の彫刻が鎮座しているのです。
ポストの上には、猫の郵便配達員！
かわいい。

こんなレトロな路地です。
近代化の波に乗れなかったのか、乗らなかったのか。おかげで、年代不詳の不思議な空間になっています。

道傍にこんなのがいるんです。ぎょっとします。
かわいいのもいれば、グロテスクなのもいて。あっちにも。こっちにも。数えるのはあきらめました。マップによれば50体余りいるそうです。

民家の庭先がギャラリーになってます。
「常滑国際やきものホームステイ」。
きっと「町おこし」として始めたのでしょう、面白いアイディアですね。

商店街の先にある、INAXライブミュージアム「世界のタイル博物館」に行きました。
世界の装飾タイルの展示と、圧巻だったのは便器のコレクション！

INAXミュージアムから少し距離がありましたが、歩いて「常滑民族資料館」まで行きました。古い大甕が無造作に並んでいて、そのひとつひとつに歴史を感じました。大人の背丈より大きい甕を焼く技術。規格サイズの土管を正確に焼く技術。需要がなくなった今、廃れていってしまうのかもしれません。。。。

帰りは「とことこバス」で帰りました。土日祝日に運行、常滑駅発、観光地を巡回するバスです。およそ一時間に一本。一回乗車200円。一日500円。駅で時刻表をもらっておくと便利です。

常滑駅の改札前の喫茶店「翠松園」で、抹茶をいただきました。外見はケーキ屋さんのようですが、抹茶の量り売りもしているお茶屋さんです。
茶碗はもちろん常滑焼でした。

窯元を訪ねてシリーズ

・笠間焼の窯元を訪ねて☆陶の小径と陶の杜☆
http://4travel.jp/traveler/harukaze/album/10279334/

・常滑焼の窯元を訪ねて
http://4travel.jp/traveler/s-harukaze/album/10203015/
・備前焼の窯元を訪ねて
http://4travel.jp/traveler/s-harukaze/album/10203785/
・平清水焼の窯元を訪ねて
http://4travel.jp/traveler/s-harukaze/album/10203272/

この旅行記へのコメント （2）

• うさみんさん 2009/02/08 11:57:04

  こんにちは！

  春風さん
  こんにちは！
  
  ねこ鍋、いえいえねこ鉢にすっかり反応しちゃいました。
  かっ、かわいい。
  
  私は三門も好きですが、猫も大好きなので、旅先で猫を見つけると
  ひたすらシャッターに手をかけます（笑）
  つれなく逃げられる事が多いですが・・・(ノ_-;)ハア…
  
  そして京都は、同じ場所に行かれていたのですね。
  親近感がわいてしまいます♪
  
  これからも、よろしくです〜！

  春風さん からの返信 2009/02/11 14:04:14

  RE: こんにちは！

  うさみんさん、こんにちはー。
  常滑の旅行記にも、いらっしゃいませ♪
  
  猫ちゃん、かわいいでしょ？
  置物みたいに鉢にぴったりはまってました。
  ちょっと声を掛けたくらいでは反応なくて
  つついて起こしたらやっと顔をあげてくれました。
  でもよっぽど眠いらしくて、
  目が開かない。。。（笑）