2007/07/16 - 2007/07/16
237位(同エリア468件中)
まみさん
2007/07/16(月)第9日目:マラムレシュ地方観光1日目(w/現地ガイド)
【宿泊:Pension Prisacaru(ヴァド・イゼイ村)】
スルデシュティの木造教会、ブルーベリー&クランベリー摘み(ピクニック)、ブデシュティの木造教会、Ocna Sugatagの塩湖周辺を散策、マラムレシュの丘陵での写真撮影&マシュルーム摘み、夕食後にヴァド・イゼイ村の川まで散策
これで私の一生分の幸せが尽きたと言われたらどうしましょう。
───そんな心配をしてしまうほど、夢が1つ、見事に叶ってしまいました。
こんな田園風景の写真が撮りたかったのです。
列車の車窓から見かけるたびに、飛び降りて、近くから、じっくりと。
でも今日は現地ガイドの車で1対1の観光中。
車窓から見かけるたびに「ここの写真が撮りたい!」とリクエストすれば、すぐに叶うのです。
ヒョウタンのような、いや、アポロチョコのような可愛らしい積みわらを間近で撮る───という夢なら、スルデシュティの木造教会を訪れたときに叶いました。
でも、いくら撮ってもちっとも飽きないのです。
というか、まだまだ撮り足らないのかもしれません。
同じ積みわらでも、違う背景で見かければ、また撮りたくなります。
特に、こんなすばらしい景観の中で見てしまえば。
逆に積みわらが風景写真のアクセントにもなります。
アポロチョコのような可愛らしい積みわらがあれば、もっと平地の景色を撮っても、「北海道?」なんて言われなくてすむでしょう(笑)。
私が積みわらがお気に入りとガイドのニコラエさんにはすぐに知れたため、「ここはどう?」と積極的に車を止めてくれたりしました。ごくごく基本的な質問も丁寧に答えてくれました。
でもこれですっかり満足したと思ったら大間違い。
翌日も、翌日も、その翌日も。
積みわらを見れば目を輝かせる私に、ニコラエさんはあきれずにつきあってくれました。
その写真は、続く旅行記でのお楽しみ@
「九月の半ばを過ぎると、もう草刈りもできない。人々はそれまでに目的とする量を達成しなければならない。彼らは、毎年、自分の所有する家畜の数に応じて、乾草を必要量あるいはそれより多めに生産している。クライエ(乾草の塚)はいちばん大きいものが重量1トン弱で、作業中、人々は午前と昼と午後と三度、小一時間ずつ休む。
(中略)
乾草づくりは、原則として一家単位で目標を遂げることになっている。それでも、どうしてもできぬ場合は、親族や友人が手伝うのである。殊に、主人と息子が「クニ(ブカレストのあるワラキアなどルーマニアの他の地方。マラムレシュの人々も祖国感覚で「ツァーラ(=クニ)」と呼ぶ)」へ出稼ぎへ行っているような場合は、細君と姑で汗みずく渾身の力を振って、小さな塚づくりに日がな一日励んでいる。
(中略)
小高い山から村を見下ろすと、あたりの丘陵地のあちこちに、海坊主に似た姿のクライエ(乾草の塚)が立ち並んでいる。モロシェニ(マラムレシュの人のこと)はゆたかな生活を保障するクライエの林立を眺めて、これでひと冬越せるぞ、とうなずく。クライエの数は、人々に誇りと、生活への確かな自信を与える。」
(「マラムレシュ〜ルーマニア山村のフォークロア」みやこうせい著(未知谷社)より)
-
積みわらのある風景
スルデシュティ村にて
奥には寸胴な積みわらもあります。可愛い! -
積みわらのある風景
スルデシュティ村にて
積みわらはまだ明るい茶色で、新しいです。
今年作られたものだろうとニコラエさんが言っていました。
牧草地に積んだこうした積みわら(乾草の塚)を「クライエ」というそうです。
ただし、つらい農作業の中でも、乾草つくりが一番大変だそうです。
所有地の半分近くを牧草近くにあてているところが多いようです。
牧草は、クローヴァー(トリフォイ)がよく使われています。
後日、刈られた後、地面にばら撒かれた状態で乾燥させている最中の乾草を間近で見ました。
やたらとクローヴァーの葉が見られたので、「うーん、乾草って雑草?」と思ってしまいました。
確かにガイドのニコラエさんも、草なら何でも飼料になるから、乾草にする、と言っていましたが、クローヴァーはわざわざ種をまいて収穫する、主要な牧草のようです。みやこうせいさんの「マラムレシュ〜ルーマニア山村のフォークロア」(未知谷社)を帰国後に読み返したところ、そう書かれた部分がありました。 -
積みわらのある風景
スルデシュティ村にて
中心と周囲の枝で積みわらをがっちり押さえています。
黒ずんだ茶色をしているので、去年かその前に作られた古い積みわらだろうとのこと。
最近は若者の農作業離れもあり、家畜の数も減ったので、作った積みわらが余ることもあるそうです。
しかし、積みわらをたくさん作ることができない年のために蓄えておけるし、足らない家に売ることもあるそうです。
写真の左の寸胴なやつは、積み方に失敗して、わらが沈んでしまったもののようです。
でも、私の個人的な感想としては、これも可愛いンですけどねぇ@ -
積みわらのある風景
スルデシュティ村にて
草茫々の獣道を歩いて、となりの敷地に行きます。
後ろを振り返って、もう1回パチリ@ -
アザミの向こうに積みわら
スルデシュティ村にて
「草刈りは、毎朝5時には家を出て目的地へ向かわなければならない。夏の5時は、もう明るい。草はしっとりと露を含んでいて、鎌にさっくりとやさしく刈りやすい。草を刈ったら、それを牧草地に一面に撒き、次の日に行って裏返し、乾草用の塚、クライエをつくる準備が必要だ。
(中略)
草は刈ってから、牧草地に散らばして2日おいて、その間何度か裏返して、集めて塚つくりにかかる。ところでトランシルヴァニアでは、いや、マラムレシュでも、他人の乾草を盗むのはたいへんな罪と思われている。もし盗む当人を見つけたら殺したって罪にならないとされていたぐらいだ。」
(「マラムレシュ〜ルーマニア山村のフォークロア」みやこうせい著(未知谷社)より) -
マメ畑と積みわらとグタイ(Gutai)山脈のある風景
ブデシュティ村を出て、塩湖のあるオスナ・スガタックに向かう途中
わぁ。たくさんの積みわら!
遠くまでぽつぽつと@
このマメ畑、はじめはブドウ畑かと思いました。
ニコラエさんによると、このあたりは寒すぎるので、ブドウの栽培には向いていないそうです。
同じく、ひまわりの栽培にも向いていないそうです。
実はこのマラムレシュ地方めぐりのときに一面のひまわり畑の写真が撮れるかと期待していたのですが、その夢は残念ながらついえてしまいました。 -
まだ生乾きの細い積みわらと@
刈った草を地面に広げたまま乾かしたものを、このように少しずつ積んで乾かしていくそうです。
でも、なんか、ムーミン村のニョロみたい@
左手にある出来上がった積みわらは、てっぺんにビニールで雨よけがなされています。
「乾草づくりはモロシェニにとって、一年を通して非常に重要な作業の一つである。モロシェニの代表でもあるポイエナリ(ポイエニ村の人のこと)の掌ははげしい労働でごつごつ固い。無数の切り傷に土が入りこみ、まめから血まみれになり、さらにつぶれて、また固まりというぐあいで、握力もめっぽう強い。」
(「マラムレシュ〜ルーマニア山村のフォークロア」みやこうせい著(未知谷社)より) -
積みわらのある、癒しの風景@
ルーマニアの夏は緑が美しいと聞いていました。
ああ、本当です。
たしかに列車の車窓からも何度もそう思いました。
でも車窓からでは、いいアングルを求めて落ち着いて写真を撮ることができませんでした。
しあわせです〜@ -
積みわらの仲間が勢ぞろい@
見渡す限り、積みわらのない畑はないですねぇ。
近付くと、結構大きいです。
2メートル近くはあるんじゃないかしら。
「丘にいっせいに並んだ海坊主たちも、11月頃からそろそろ、ショプル(家のそばの乾草の貯蔵庫)に運ばれる。やはり、馬車より、いくらのろくとも力の強い牛車がいい。ショプルに乾草を入れる作業も楽ではない。これも一家総がかりである。」
(「マラムレシュ〜ルーマニア山村のフォークロア」みやこうせい著(未知谷社)より) -
マメ畑と積みわらのある風景
マメの花は赤と白があります。
斜めなのは、ツルを絡ませている支えが斜めなせいでしょうね。
自然に曲がってしまったのか、わざとなのか。
写真を撮ったときには特に疑問に思わなかったので、ニコラエさんに確認しそこねました。 -
おお、マラムレシュ、マラムレシュ!
オスナ・スガタックを出て、いよいよヴァド・イゼイ村に向かう途中。
ニコラエさんは、このあたりならキノコ狩りができるよ、といって、車を止めました。
もちろん、私にこの景色を見せて写真を撮らせてくれるためでもありました。
積みわらは、しっかり乾燥させてから積み上げます。
でないと腐ってしまうからです。
この積みわらは非常に密度が高く、ぎちぎちに積まれているため、雨はすべるようにして表面を流れて落ちて、中にしみこまないそうです。
唯一、心配なのが中央の支えの枝のところなので、そこだけビニールで覆ったりするわけです。 -
どうせ撮るなら、積みわらのある風景@
彼方にもたくさんの積みわら@
手前の積みわら、日本昔話に出てくるような蓑笠の蓑(みの)みたいですねっ! -
彼方に見ゆるは、今度はイグニス(Ignis)山脈かしら@
ニコラエさんがキノコ狩りに励んでいる間、私はひたすら、撮影ばかり@ -
積みわらと村の教会のある風景
黄色い花もたくさん咲いています@ -
鉄塔と積みわらの背比べ
積みわらの根元には、真っ白なレースフラワーがたくさん@
そして、青空と真っ白な雲──理想的な空模様です。 -
再び雄大な風景へ
手前に並ぶ木はりんごだった気がするのですが……確認しませんでしたわ。
その後ろには、マメの木がきれーに並んでいます。
その後ろには、たくさんの積みわら@
そして、イグニス(Ignis)山脈@ -
教会と積みわらと黄色い花のある風景
-
彼方にぽつぽつと積みわらのある風景
-
レースフラワーと積みわらのある風景
-
花と積みわらいっぱいの風景
ほとんど這いつくばるようにして、レースフラワーに焦点を当てて撮ってみました。 -
黄色い花がたっぷりの風景
日本なら春の風景ですが、ヨーロッパではこれこそ夏の風景です@ -
黄色い花と積みわらのある風景
-
キノコ、見っけ!
ニコラエさんが、袋にいっぱいキノコを集めているのを見て、私もキノコ狩りをしたくなりました。
最初、なかなか見つからなかったし、ニコラエさんがいたところはすでに狩られた後だと思いましたが、探そうと思えば見つかるものです@
ちょっと湿っぽくて、ふにゃっとしていて、生き物に不用意に触ったみたいでビクッとしました。
あ、キノコも生き物でしたね@ -
私の収穫を、積みわらのある風景と一緒に@
このキノコは、夕食のおかずの一品になりました。
というわけで、今日は、見晴しのよいという理由もありますが、積みわらの写真を撮るために3か所も車を止めてもらいました。
ほかにも、特に積みわらがなくても、風景がよいというところで止めてもらったのが1か所。
車窓の外に、これぞという風景を見つけたら、いくらでも車を止めてもらえます。
味をしめちゃいました。
というか、これが個人ガイドの醍醐味@
もちろん、場所によって車を止められない場合もありますし、予定が押しているときはどちらを優先すべきか明らかなので、ほどほどにしましたけどね。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
この旅行記へのコメント (2)
-
- シベックさん 2007/10/25 21:35:37
- 積みわらのある風景/
- まみさん、こんばんは。
積みわらのある風景はいけん。
表紙の写真日本の昔のような風景ですね。
間違えそうです。
懐かしさを感じます。これで田畑があれば日本ですね!
ほのぼのした光景ありがとうございました。
シベック
- まみさん からの返信 2007/10/26 12:23:18
- RE: 積みわらのある風景/
- シベックさん、こんにちは。書き込みありがとうございます。
なるほど日本の昔を連想させる風景なのですね。
日本人の血の記憶が懐かしさを覚えさせ、だからこんなに気に入ったのかもしれません@
なだらかな山並みの風景はどこか日本に通じますが、すっかり宅地と高層ビルに囲まれた毎日に慣れたいまや、まさに非日常高じて非現実的、日常ではなかなか味わえない風景を堪能できました。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
まみさんの関連旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
その他の都市(ルーマニア) の人気ホテル
ルーマニアで使うWi-Fiはレンタルしましたか?
フォートラベル GLOBAL WiFiなら
ルーマニア最安
421円/日~
- 空港で受取・返却可能
- お得なポイントがたまる
2
24