2007/07/08 - 2007/07/08
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フーテンの若さんさん
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また日本人旅行者とこの街で出会えた。短期旅行中のSさんという女性。昨日再会した九州男児S君と僕の3人でトスカーナの家庭料理を食べに行こうということになった。
前菜にモォツァレラチーズとトマト。メインは、シーフードリゾットにポークの何とか料理。味の方は全体的に濃い目で、マアマアといったところ(僕はハウスワインをカブ飲みして後半ベロンベロンだったので、正確な味はほとんど覚えていない)。
Sさんは有休6日間でローマからフィレンツェ、そしてベネツィアを周るのだという。これからローマに向かう僕とS君は、既に訪れたという彼女に根掘り葉掘り治安のことについて尋ねた。というのも、ローマで財布をまるごとスラれた日本人男性と昨日出会ったばかりだったからだ。被害者の彼の話では、夜にテルミニ駅に到着して、ホームを歩いているところアラブ人に足を引っ掛けられたという。おっとと体制を立て直したときには、前ポケットにあった財布はもう無くなっていた。財布のなかには300ユーロとクレジットカードが入っていたというのでショックは大きい。
Sさんは「ワタシは全然、大丈夫でしたよ〜。平気に夜一人で駅周辺を歩いてましたし」と陽気に言う。心配していた僕とS君はほっと胸を撫で下ろした。被害に遭った彼がたまたま運が悪かっただけかもしれない。
「はい、ではお会計しますか」そのとき事件は起こった。
Sさんが「ワタシがカードで一括払いしますね」と財布を出そうとしたところ、カバンのなかにそれが見当たらないのだ!「あれ、あれれ?美術館までは確かに在ったのに!!」と大慌てで探すSさん。財布の中には200ユーロとクレジットカードが入っていたという。
S君と僕は「もしや、またスリでは・・・」と呟いた。
何度カバンをひっくり返しても見つからない。どうやら彼女もいつの間にかフィレンツェの街中でスリに遭ったようだ。ショルダーバックが後ろにあるとき、背後からカバンを開けられ、財布だけ抜かれてしまったのではなかろうか。恐るべし、イタリアのスリ。二夜連続で日本人が被害に遭ってしまっている。
店を出て、僕らはまず警察署を探すことにした。街をパトロールしている警官に聞くと「あっちにポリスステーションがある」という。しかし、教えられた場所にはポリスステーションなど見当たらない。諦めて別の警官に聞くと、また違う場所を教えられた。そこにはるばる歩いて行き、大きな門のブザーを押す。ところが、返事はいっこうに返ってこない。どうやらここはもう閉まっているようだ。また別の警官に聞きにいくと、「今日は閉まっているから明日来い」という始末。ダメだ、こりゃ。こういう警官ばかりだから、スリがイタリアに蔓延るのだ。もうちょっとちゃんと対応せんかい。
結局、Sさんは次の日の朝、駅にあるポリスステーションで無事対応できたという。
そして僕とS君は行動を共にして、ローマへ向かうことにした。二人いれば、簡単に襲われることはないだろう。二日連続して被害に遭った日本人を目の前にして、僕らは相当ビビッていた。スリスリと二人三脚のように寄り添って歩く日本人男性の姿を、周りの人たちはゲイと思っていたに違いない。
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マドリッドで一緒だった九州男児S君と、フィレンツェの街で再会した。
待ち合わせ場所はドゥオーモの前。まるで映画『冷静と情熱の間』のようなシチュエーションだが、野郎二人なので何の感慨が沸くこともない。S君には悪いが、僕はここでケリー・チャンのような女性に本当は出会いたかったのだ。
S君は、今回が初めての海外旅行でヨーロッパ周遊の旅をしている。旅に不慣れなため、最初に訪れたパリではどこに泊まればいいのかわからず、日本大使館の緊急連絡先にまず電話を掛けたという。大使館員から「それだけの用件ですか?」と聞かれ、「僕にとっては緊急で一大事なんです」と答えたというから面白い。
僕がマドッドで会ったのは、S君がまだ旅を始めて1週間目のときだった。あれから1ヶ月が経ち、久しぶりに見る彼の顔は頬が削げ落ち、幾分か痩せたようだった。マドリッドで別れた後のモロッコで食中毒に遭ったりして大変だったらしい。顔が前よりも引き締まり、だいぶ旅人の顔になってきたようだ。
ただ彼と話をしてみると、ノンビリした口調は相変わらずだった。僕より一回り以上も年下だったが、彼とは歳の違いをあまり感じさせなかった。二人とも細かいことを気にせず、性格が適当なところが似ているからだろうか。そしてお互いトコトン阿呆だった。会ってすぐに「ドゥオーモの前に座っている女の子のパンチラGETっす〜」と切り出す彼。「どこどこ、どの子??」と大慌てで探す僕。そんなクダラナイ男子校のような馬鹿話をしながら、フィレンツェの夜を野郎二人でウロウロ散策することにした。
今日はやたらとコンサートが多い日のようだった。サント・ステファノ教会での交響楽団、ヴェッキオ宮前での管楽団、サント・スピリト広場での弦楽団と街のあちこちで、耳を楽しませてくれる催しが行われていた。 -
カメラ好きなS君は、舞台前に張り付いて「頂きッス」とカメラ小僧のようにパシャパシャ撮りまくっている(パンチラ写真ではない)。足が疲れたので、近くのBARでワインを頼み、路上に座り込んでゆっくり聴くことにした。芸術の街で奏でられるクラシックは、周囲の歴史ある街並みに溶け込んでとても心地のいい。「いや〜、フィレンツェ最高すね」とS君は喜んでいる。「うん、そうだね」と僕もゆっくり頷いた。
といっても、高尚なクラシックのことなど二人ともさっぱりわからない。しばらくして僕が「これドラクエの音楽に似てない?」と尋ねると、彼も「そうそう、宮殿を彷徨っているところみたいですよね」と乗ってくる。「じゃ、本棚を調べてみようか?」と僕。「ブピ→何もみつからなかった」と彼。「隣を探してみよう!」、「ブピ→力の種をみつけた」。ブハハハハ。 -
ケリー・チャンでなくて残念だけど、馬鹿話できるパートナーがいて今夜は嬉しい。「帰りは中洲のラーメン屋でバリカタ食って行くか?」と僕。「いえ、天神の屋台のほうがいいっすね」と彼が返す。
博多のようなフィレンツェの祭りの夜は、こうして更けていった。
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