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水の都ヴェネツィアを訪れている。<br /><br /> <br />    初めて訪れたはずの街なのに、過去に来たような気がしてならない。なぜなら、大運河沿いの古い建物群は、ディズニーシーそのものだったし、細い島々を走るゴンドラは名古屋のイタリア村のそれとそっくりだったからだ。<br /><br /> 僕は日本にある出来損ないの模倣しか知らなかったのだが、これが本家本物のヴェネツィアというものなのだな。次に日本のニセモノを見たら、「本家とは全然違ったよ」などと存分に語ってしまおう。そのためには本家をしっかり目に焼き付けておかないと。観光地に来たおのぼりさん気分丸出しで、さっそく僕は街へと繰り出したのだった。<br /><br /> このヴェネツィアの街、最大の特徴は何と言っても自動車が走っていないことだろう。交通機関は全て水上に浮かんでいる。道路ではなく運河が交通の動脈だ。<br /><br /> 僕たち旅行者が移動する際は、ヴォパレットと呼ばれる水上タクシーに乗る。旅行者だけでなく、街を行き来するヴェネツィア市民たちも普通に乗るので、船内はいつも混雑していた。値段は高いが個人で乗れるモータボートタクシーもあるし、ゆっくり観光を楽しむゴンドラもある。荷物を運搬するトラックの役目を果たす中型船。工事を請け負うクレーン付きの大型船。時には、何千人もの乗客が乗り込む豪華客船が走るのも見かけた。ゴミの収拾ですら船でする。この街は船なしでは語れないし、もし船がなかったらたちまち生活するのが困難になってしまうだろう。そう思えるほど、入り組んだ狭い運河のなかに、様々な船が溢れんばかりに走っていた。<br /> <br /> もしかして、この街は未来の都市を予言したものではなかろうか。巡回するヴォパレットに乗っている最中、ふとそう思った。<br /><br /> 

過去に来たのか、来るべき未来はこうなのか@ヴェネツィア

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2007/07/05 - 2007/07/05

3903位(同エリア4045件中)

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フーテンの若さん

フーテンの若さんさん

水の都ヴェネツィアを訪れている。

 
初めて訪れたはずの街なのに、過去に来たような気がしてならない。なぜなら、大運河沿いの古い建物群は、ディズニーシーそのものだったし、細い島々を走るゴンドラは名古屋のイタリア村のそれとそっくりだったからだ。

 僕は日本にある出来損ないの模倣しか知らなかったのだが、これが本家本物のヴェネツィアというものなのだな。次に日本のニセモノを見たら、「本家とは全然違ったよ」などと存分に語ってしまおう。そのためには本家をしっかり目に焼き付けておかないと。観光地に来たおのぼりさん気分丸出しで、さっそく僕は街へと繰り出したのだった。

 このヴェネツィアの街、最大の特徴は何と言っても自動車が走っていないことだろう。交通機関は全て水上に浮かんでいる。道路ではなく運河が交通の動脈だ。

 僕たち旅行者が移動する際は、ヴォパレットと呼ばれる水上タクシーに乗る。旅行者だけでなく、街を行き来するヴェネツィア市民たちも普通に乗るので、船内はいつも混雑していた。値段は高いが個人で乗れるモータボートタクシーもあるし、ゆっくり観光を楽しむゴンドラもある。荷物を運搬するトラックの役目を果たす中型船。工事を請け負うクレーン付きの大型船。時には、何千人もの乗客が乗り込む豪華客船が走るのも見かけた。ゴミの収拾ですら船でする。この街は船なしでは語れないし、もし船がなかったらたちまち生活するのが困難になってしまうだろう。そう思えるほど、入り組んだ狭い運河のなかに、様々な船が溢れんばかりに走っていた。
 
 もしかして、この街は未来の都市を予言したものではなかろうか。巡回するヴォパレットに乗っている最中、ふとそう思った。

 

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  •   懸念されている地球温暖化が、このまま何の手立てもないまま進み、南極の氷が解け始める。海抜の低い東京やニューヨークといった世界の主要都市は、ヴェネツィアの街のように水上に浮かぶ街となってしまうのだ。数百年後の未来は、この街の風景が当たり前のようになっているのかもしれない!<br /><br /> そのとき車は必要なくなる。必要なのは船だ。<br /><br /> 「やれベンツだ、BMWにポルシェ」といった車メーカーの類は過去のものとなるだろう。未来では「やれホンダだ、俺なんかヤマハだぜ」と船のモーターメーカーを自慢するようになるに違いない。車メーカーは全て倒産もしくは船会社に鞍替え。船の数はめちゃめちゃ増え、一家に一船当たり前。暴走族たちもバイクからモーターボートに乗り換え。「パイレーツ・オブ・カリビアン」と呼ばれて、恐れられる存在に。右翼の街宣車は、戦艦を模倣した改造船に変わる。「男たちの大和」号と名乗り、これまら恐れられる存在に。警察は全員、強制的に「海猿」化。恒例の年賀状配達は自転車ではなく、モーターボートで出発だ。<br /><br /> ガソリンを使わないゴンドラやカヌーも流行るだろう。「ワタシは陽気な船頭です」というコピーが数百年の時を経て、リバイバルヒットする。上野公園にあるような足漕ぎアヒルボートが、ダイエット効果で見直されるに違いない。ロッ骨マニアがその頃になってヒットしそうでやっぱりシナイ。<br /><br /><br /> 

    懸念されている地球温暖化が、このまま何の手立てもないまま進み、南極の氷が解け始める。海抜の低い東京やニューヨークといった世界の主要都市は、ヴェネツィアの街のように水上に浮かぶ街となってしまうのだ。数百年後の未来は、この街の風景が当たり前のようになっているのかもしれない!

     そのとき車は必要なくなる。必要なのは船だ。

     「やれベンツだ、BMWにポルシェ」といった車メーカーの類は過去のものとなるだろう。未来では「やれホンダだ、俺なんかヤマハだぜ」と船のモーターメーカーを自慢するようになるに違いない。車メーカーは全て倒産もしくは船会社に鞍替え。船の数はめちゃめちゃ増え、一家に一船当たり前。暴走族たちもバイクからモーターボートに乗り換え。「パイレーツ・オブ・カリビアン」と呼ばれて、恐れられる存在に。右翼の街宣車は、戦艦を模倣した改造船に変わる。「男たちの大和」号と名乗り、これまら恐れられる存在に。警察は全員、強制的に「海猿」化。恒例の年賀状配達は自転車ではなく、モーターボートで出発だ。

     ガソリンを使わないゴンドラやカヌーも流行るだろう。「ワタシは陽気な船頭です」というコピーが数百年の時を経て、リバイバルヒットする。上野公園にあるような足漕ぎアヒルボートが、ダイエット効果で見直されるに違いない。ロッ骨マニアがその頃になってヒットしそうでやっぱりシナイ。


     

  • ヴェネツィアは、過去に来たことがあるような錯覚を覚えさせ、世界の未来を予感させるという不思議な街であった。<br /><br />

    ヴェネツィアは、過去に来たことがあるような錯覚を覚えさせ、世界の未来を予感させるという不思議な街であった。

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この旅行記へのコメント (2)

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  • mozartさん 2007/07/28 10:11:14
    はじめまして

    veneziaいいですね。
    でも、veneziaって水没するかもしれないんですって。

    よかったら、私のvenezia関連の携帯小説読んでください。


    http://ip.tosp.co.jp/BK/TosBK100.asp?I=goethe_j_wolfgang&BookId=3

    ♪mozart♪

    フーテンの若さん

    フーテンの若さんさん からの返信 2007/08/05 17:30:10
    RE: はじめまして
    ♪mozart♪さん

    拝見させてもらいましたよ!面白い!!そしてものすごく博学ですね。♪mozart♪さんの小説から知らないことたくさん知りました!!そして主人公は僕と同い年のようなきがします。これからも楽しい物語をつくってくださいね!!!

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