2000/05/01 - 2000/05/08
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旅人のくまさんさん
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<2000年5月6日(土)>
旅もいよいよ終盤になってきました。今日からは、釜山へ向かってひたすら南下の行程です。
<チョナン(天安)の街>
チョナン(天安)は、今回初めて訪れました。この地を経由するのは、郊外の独立記念館見学が今回の目的地の一つだったからです。テグーに向かう途中で、立ち寄る計画にしていました。
ソクチョからチョナンへは市外バスで移動しました。一人当たり5400ウォンでした。山間を通るバスは、新緑だけが印象に残りました。
<独立記念館>
バス料金は、一人当たり600ウォンでしたから、さほどの距離ではないと思っていました。しかし、大間違いでした。たっぷり1時間半ほどかかりました。途中、市内、郊外ともに多少の渋滞はありましたが、大変にお値打ちなバス料金です。
名古屋で、M鉄道のバスに乗れば、間違いなく千円以上は請求されそうな距離です。大雑把に韓国の物価は日本の二分の一、公共交通機関は五分の一と考えていましたが、その基準からは大分乖離しました。日本の場合、1時間半を300円のバス代では、人件費どころか、ガソリン代も出ないでしょ。帰りは別のルートで1時間40分以上かかり、やはり料金は一緒でした。
余りバス代が安かったので、本題に入るのが遅れました。独立記念館は、壮大な規模で建設された民族教育の場所でした。日本人として、少し居心地が悪く感じる点も多かったのは事実です。韓国における反日教育に因んだ記念館とも聞きました。それにしても、壮大な記念館です。ソウルの戦争記念館でも感じましたが、この種の事柄にかける韓国のパワーには恐れ入ります。
世界の常識で言えば、日本の方が異常なのかも知れません。戦後の長い平和は素晴らしいですが、その結果としての平和ボケは極めて憂慮すべき事でしょう。そんな思いを抱きながら訪れた記念館でした。
独立博物館は、歴史博物館でもありました。ただし、現在の民族独立に関しての力点が殊に勝っていました。そのコンセプトの元にレイアウトされていると考えられました。
<チョナンからテグーへ>
チョナンからテグーまでは鉄道で移動しました。ソウルからでは手に入らなかったかも知れませんが、チョナンからテグーまでのセマウル号の切符が手に入りました。これで、行程的にも少し楽になりました。実は、セマウル号に乗るのは、今回がはじめてです。
2時間ほどかかりますから、名古屋・東京間の距離程度でしょう。一人当たり、19700ウォンですから、日本の五分の一程度の料金です。在来線を含めて、韓国の鉄道は安い料金です。
セマウルの乗り心地は申し分ありませんでした。途中1箇所だけ停まり、予定時間にトンテグー(東大邸)に到着しました。テグーの新幹線駅はトンテグーです。チョナンからテグーまでの新幹線ルートは韓半島を斜めに半分ほどを南下します。
途中、丘陵地が多いはずですが、トンネルの数はさほど多くありませんでした。山陽新幹線に比べれば、格段に少ないように感じました。その分、新緑の景色を楽しむ事ができました。
<テグー(大邸)の街>
テグーの街は、5、6年程前に一度訪れる計画でした。しかし、丁度その時、地下鉄工事中のガス爆発事故が起こったばかりなので、やむなくコース変更した記憶があります。その地下鉄も大分完成しました。一部未完成の箇所もありましたが、6号線までが案内表示にありました。
テグーは韓国有数の大都市です。ソウル、釜山には及ばないものの、5本指には確実に入るようです。釜山などと同じように、広域市に指定されています。セマウル号でソウルから南へ約3時間、釜山までは約1時間の距離です。交通の要所でもあります。
翌朝少し早く起きて、ホテル付近を散歩しました。街路樹にヒマラヤ杉を使ったところもあり、十分に広いメイン道路でした。これは、韓国各地で経験した事ですが、今は、街の清掃が行き届いています。10年以上前の記憶では、街のゴミなどには余り関心が払われていなかったようです。どちらかと言えば、誇りっぽく、ゴミがあちこちに散らかっている印象を強く持っていました。
断片的な記憶では『山に木を植える運動』『街に花一杯運動』等がキャンペーンされていて、今回は『ゴミを出さない、ゴミを拾おう運動」の類が展開されているのかも知れません。しかし、これは全くの推測です。
ところが、ソラクサンではバス待ちのご年配の方がゴミ拾いをされたり、ウルルンドでも清掃のグループを見かけたりしましたので、強ち外れていないような気もします。ゴミ箱が分別収集に換わっているところも多く見かけました。これは、ISOの関係があるのでしょうか?元々、韓民族は白色を大切にする、清潔好きな民族なのかも知れません。
テグーでの宿は、1階に生簀のある料理店が入ったビルの一角でした。まだ新しい建物でした。インチョンでの宿の例があるので、何軒か下見して、慎重に吟味して決めました。
<バス案内システム>
ウロクドンへの交通手段が分かりませんでしたから、今晩中に見当をつけておくことにしました。ウロクドンへのバス経路は、テグーの街中にバス案内システムがありましたので、これを利用しました。
日本での『あいうえお』に相当する、ハングルでの『カナダラマ』で検索しました。路線名が分かっていれば、こちらでも検索できます。目的の路線番号を選択できたら、経路シミュレーションができます。地図ベースの上に、停留所名が次々と表示されて行きます。ハングルを相当読み慣れていないと、そのスピードには、付いていけません。
ウロクドンへの経路も、路線番号の見当が付きましたので、シミュレーションしました。しかし、幾度シミュレーションしてみても、確実な事は分かりませんでした。最後の目的地方面で、目的地と反対方向の東に曲がってしまったからです。それで、判断に困りました。その時、携帯を持った40前後の男性の方が顔を出して、一緒に検索を手伝ってくれました。
しかし、検索結果は、芳しくありませんでした。
「この地下鉄駅付近からは、ウロクドン行きのバスは出ていません」
「地図の下の方が切れているので、最後までは分からない」
と、教えてくれました。それで、地下鉄駅を移動してバス停を探してみましたが、目的は達せられませんでした。
結局、『元の地下鉄に戻って、もう一度検索システムで探そう』と言うことになりました。今度は少し事情が読めてきましたので、『目的のバス路線がどこで地下鉄路線と交差するか』だけに的を絞って、繰り返しシミュレーションしました。その地下鉄駅の見当が付きましたので、明日、その駅で降りてバスを待つ事に決めました。
その地下鉄駅は『半月堂』でした。宿を取った西部市外バスターミナルから最寄の『聖堂池』駅から7つ目の駅です。その事を頭に刻み込みました。テグー駅からは2つ手前の駅です。
それにしても、簡単な屋根がついた屋外に、マッピングシステムを使ったシステムが、誰でも自由に使えるよう設置してあったのには感心しました。階層式の検索システムで、使い勝手に問題はありません。しかし、更に英語、日本語の副音声などがついていれば申し分ありません。しかし、これはまだ贅沢かも知れません。
<小さな焼肉店>
夕食は焼肉の店を探しました。立派な店もありましたが、鳥と豚を扱っているお値打ちそうな店が見つかりましたので、こちらに入りました。豚肉はかなり好い部位を使っているようです。なかなかの味でした。
胡麻の葉とサニーレタスは、無くなるとすぐに追加してくれました。気が利いた、まだ若い店主に好印象を持ちました。料金も壁に書いた値段通りでした。日本でいえば、公共領収証のような紙を渡してくれました。領収書は、締めて3万6千ウォンでした。
ビールと、焼酎をそれぞれ2本とって、一人当たり1200円でした。ビール、焼酎も1本2500ウォンと記載されていました。またテグーに来る機会がありましたら、立ち寄ってみようと、翌朝の散歩の時に、店の写真を撮っておきました。泊まった宿から、すぐ近くの所です。
仁川から天安に向かう途中にて
韓の春眼に馴染たる山路行く
若緑窓に流れて韓下る
韓南下テグーの春は今盛り
独立記念館へ向かう途中にて
席譲り譲られ韓の春を行く
髪染むる子も席譲る春の旅
街路樹の若葉替りぬ遠き道
かの國に日本の苦き春想う
独立記念館にて
憤の國胸に重たし八重躑躅
民族の歴史重ねて韓の春
海棠や花萎れつつ石畳
テグーの宿にて
宿の旗春風揺り一日終ゆ
春の風通して旅の衣干
- 同行者
- 友人
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス
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宿の隣の日本料理店の構えです。『銀座』の屋号がありました。入ったわけではありませんが、かなり高そうな感じの店です。
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仁川の町並みです。今回の旅行で、仁川の町が別の街に生まれ変わったような、変化を遂げていたことを知りました。
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真ん中あたりの3階建てのビルが、仁川で泊まった宿の写真です。表と裏では、まるっきり造りが違っていました。
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仁川の中高層アパート群の一つです。仁川の町は、都市計画に従って整備されているようです。その例の1つのように思えました。
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市外バスターミナルの発着場です。どこでも同じようなレイアウトです。頭から斜めに駐車して、出発時にバックします。
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仁川の市外バスターミナルビルです。移転時に市内バスターミナルも一緒になって、総合駅になったようです。
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左手にはハングルで仁川の文字が見えますが、その横には英字でチョナン・ターミナルの文字があります。天安の駅ビルです。
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天安駅前のモニュメントです。その素材に驚かされました。ボルトのような工業製品が組み合わされていました。
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モニュメントの解説プレートです。millions of milesの英文字がありました。どう言った訳文になるのでしょうか?
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天安駅前からバスに乗って、独立記念館にやって来ました。かなりの時間がかかりました。記念館正面の巨大なモニュメントです。
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独立記念館の全体レイアウト図です。とにかく広い敷地です。民族教育のための施設を目的としているようです。
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巨大なモニュメントの後には、これまた巨大な建物が控えていました。額の文字は漢字ではなく、ハングルです。多分独立記念館の文字でしょう。
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正面モニュメントの前で記念撮影です。寸法モデルには、上島さんになってもらいました。モニュメントと少し離れていても、この大きさです。
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正面建物の中に納められた白い群像です。その下で遊んでいるお子さん達との比較で大きさが実感されます。天井も4、5階の吹き抜けの高さがあります。
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寺院の復元模型です。最初、撮影禁止を知らずに1枚だけ写真を撮りました。中央の高い塔は、裳階が付いた五重か七重の塔のようです。
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広場の噴水です。水が恋しくなるような好天になりました。少々の観光客では、一杯になりそうに無い広場でした。
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実は、韓国の新幹線セマウル号には、初めて乗りました。その区間は、天安(チョナン)から東大邱(トンテグ)の間でした。
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セマウル号の客室です。乗り心地満点でした。以前に何度か乗る機会がありましたが、満席などで実現しませんでした。
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東大邱に到着したセマウル号です。在来線は大邱の駅になります。大邱は、女性の知的レベルの高い古都と、お聞きしたことがあります。
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東大邱の駅舎です。線路の上に建てられていました。大邱が古い町並みで、東大邱が新しく発展してきた新天地といった感じです。
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東大邱の駅構内は、改装工事中でした。ここで観光パンフレットを入手しました。今晩の宿探しは、これからです。
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東大邱付近の繁華街です。飲食店が軒を並べていました。今晩の晩酌のお店探しが目的です。屋台も軒を並べていました。
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翌日の行き先、ウロクドンへのアクセスを調べました。使ったのは、歩道に設置された、地図ベースのバス経路検索システムでした。
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泊まった宿は、東大邱駅の近くでした。大邱が韓国有数の大都会ですから、宿くらいは、何とかなるとの考えでした。
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部屋の内部です。1泊するには十分な設備でした。何よりも、清潔な感じの部屋でした。天気がよかったので、薄物を洗濯しました。
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東大邱の夜景です。大都市、ソウル等に比べると、明かりも少なく、静かです。旧市街の大邱と新市街のどちらが賑やかなのかも知りません。
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