アラスカ州旅行記(ブログ) 一覧に戻る
2日目-8月15日(火)<br /> 目が覚めたのは9時。よく寝た。目覚ましのシャワーを浴びる。その後冷蔵庫から食事を取り出して食べる。荷物を車に積んで10時半に出発する。<br /><br /> まずはR.E.I.でストーブ($25)とロールマット($15)を購入。そして隣にある Alaska Market で食べ物の調達。野菜、果物、肉、缶詰、パン、水、ジュース、そしてクーラーボックス(といっても単なる発泡スチロールの箱)すべてで$40。ほとんどすべて日本よりも安い。<br /><br /> 買い物が終わったのが1時半。腹が減ったので目の前の subway に行く。しかし中に入れてくれない。店内には他の客はいるのに。ヨメさんが店の人から話を聴いていたのだが、速くてよくわからなかったらしい。後から来た客も締め出しを食らっている。ここはあきらめてせっかくアラスカに来たのだからダウンタウンでサーモンを食べることにする。<br /><br /> そして車を走らせていると交差点で少し渋滞している。信号が動いていないようだ。交差点の真ん中に警官が立って交通整理している。さっき subway では停電と言っていたのか。少し先の信号も止まっている。ここには警官が立っていない。しかしみんな順番に交差点に入っているので比較的スムーズに流れている。日本だとこうはいかないだろう。ダウンタウンは電気が来ているだろうか。<br /><br /> ダウンタウン近くでは信号が動いている。大丈夫のようだ。ガイドブックに載っていたサーモン料理の店、サーモン・ベイク(Salmon Bake)に行く。車は路駐。2時間までOKのようだ。<br /><br /> 屋外のカフェのようなところなので比較的安いかなぁと思ったが、メニューを見ると高い。サーモン料理はどれも$10以上する。そして注文したのがハンバーガー。もちろんマクドナルドのように小さいのではなく皿にのっていてナイフとフォークと食べる大きさのものだが、それでも$12は高いだろう。味は確かに良かった。サーモンも身が厚い。しかしランチに二人で$30(飲み物、チップ込み)はかけすぎだ。食事が終わったのが2:50分。遅い昼食だった。<br /><br /> そしてダウンタウンを離れてアラスカハイウェイにのり、比較的やさしいトレッキングコースのある山、ランデブー・ピーク(Rendevous Peak)を目指す。ハイウェイは走りやすい。混んでいることもなく適当に車間距離を取りながら走れるので楽だ。最初はスローレーンをとことこ走っていたが、慣れてくると追い越し車線を利用しながら適度にとばす。<br /><br /> 走っている車は圧倒的に4WD車が多い。ピックアップ・トラック、オフロード車、そして結構目に付いたのがレガシー・ワゴンのランカスター。現地では Outback という名で販売されているようだ。フォレスターも走っている。しかも新型が。他に日本車はほとんど見ない。アラスカではスバル車が人気あるようだ。<br /><br /> 間もなくハイウェイを降りて山に向かって走る。ゴルフの打ちっ放しを過ぎてしばらく行くと、ダート道になる。「歩き方」によるとあと数分で駐車場まで着くはずだ。ところが行けども行けどもダート道でなかなか着かない。徐々に登っているので近づいていることは確かなんだが。結局十数分走ってようやく駐車場に着く。「歩き方」のうそつき。4WD車でも数分は無理だろう。<br /><br /> バックパックの荷物を整理して歩き始める。靴はそのまま。「歩き方」によると小さな子供と一緒に登れるようなところらしいので楽勝だろう。時間はもう3:45分。戻ってくる人はいても、今から歩き出すのは我々ぐらいだ。しかし天気は良く、気温も20度とちょうといい。<br /><br /> コース序盤は川沿いのなだらかな坂道で楽勝。緑も多く、目に優しい。花も多く咲いているので撮影しながら歩く。そのためずいぶんゆっくりしたペースとなる。<br /><br /> 峠まで行くと緑が急に少なくなり、砂利だらけになる。岩場にリスがいたが近づくと岩の間に入ってしまった。それにしてもここからの景色はいい。来た道を振り返るとアンカレジの街が見える。逆光で見えにくいが。峠の向こう側は急勾配で遠くに別荘らしき家が点在している。その向こうには高い山々がそびえていて、山頂は雪で覆われている。<br /><br /> 峠の左右に山があり、右手の山が目指すランデブー・ピークである。ここからはかなり勾配のきつい登山道となる。砂利で滑りやすい箇所もあるので、時間をかけてゆっくり登る。「歩き方」のうそつき。かなりハードだぞ。トレッキングシューズに履き替えるんだった。ただ景色がいいし、寒くもなく暑くもない汗をかかない快適な天候なので気持ちよく登山ができる。そして5時10分ついに登頂。<br /><br /> 木がないため山頂からは360度の展望が楽しめる。様々な山々、谷、アンカレジの街が登山者の疲れをいやしてくれる。ただじっとしていると少し涼しい感じがする。気温は14度。晴天で標高はそんなにないのに。さすがアラスカ。<br /><br /> 休憩後5:30に下山開始するが、同じルートではおもしろくないので山が続く尾根沿いの道を歩いて、一気に駐車場に降りることにする。このルートだと行きには見れなかった山の向こう側の景色を見ることができる。こちらは人の手が全く入っていない原野と原生林が続き、その奥には雪をかぶった山々がそびえている。いかにも自然という感じがいい。<br /><br /> しばらく歩くとかろうじて雪渓が残っているところに出る。そこまで降りてみる。意外としゃりしゃりしていて氷の状態にはなっていなかった。少し掘って雪を食べてみたがおいしかった。<br /><br /> さらに歩き続ける。ところどころ地面が赤くなっているところがある。草が早くも紅葉しているようだ。往きとは異なる植物が花を付けているので、立ち止まって写真を撮ることも多い。<br /><br /> ここは冬はスキー場になるようでリフトが4本ある(夏期は休業)。このうちの一本に沿って降りていくことにする。しかしこれがまたかなりの急勾配で、降りるのに神経を使う。こういう時はスティックがあれば便利だろう。ただ草地になっていて根がしっかり張られているようで、比較的すべりにくいのが助かる。それでもよめさんは一度尻餅をついていたけど。<br /><br /> ふもとではブラックベリーとブルーベリーの実がなっている。前者はおいしくないが、後者はかすかに甘みと酸味がありおいしい。適当につまみつつ山を下る。駐車場まで戻ったのが7:25。しかしまだまだ明るい。<br /><br /> 駐車場には車の数が増えている。そして向かいの山の斜面に数多くの人がしゃがんでいる。手にはバケツやビニール袋を持っている。どうやらブルーベリーを採っているようだ。このあともう少し走ってキャンプをしなければならないのだが、10時くらいまで明るいからなんとかなるだろうということで、ビニール袋片手に山の斜面を登り出す。<br /><br /> 少し登ったところではまだ実が熟していないので、そこそこ登らなければならない。そして地元の人たちに混じってこちらも摘み始める。二人とも黙々と収穫する。20分後には明らかに重さを感じるまでになっていた。二人のものを合わせるとまあまあの量だ。きりがないのでここで作業を打ち切り、下に降りる。<br /><br /> 結局駐車場を出たのは8:25。ちょっと遊びすぎたかな。ダート道を下っているときも対向車数台とすれ違う。今から摘み始める人たちもいるのか。仕事終わってもまだアウトドアを楽しむことができるなんてうらやましい。日本もサマータイム導入すればいいのに。まあそれでも10時までは明るくならないだろうけど。<br /><br /> ハイウェイに出て北に向かう。行き先はエクルートナ湖(Eklutna Lake)。そこでキャンプを張る予定である。ハイウェイを30分ほど走ってインターを降りる。看板に従って進むと迷うことなく湖へと通じる道に出る。<br /><br /> そこに至る途中で対向車がパッシングしてきた。何を意味しているのだろうかと考えながら進んでいると、パトカーが交差点に止まっていた。アメリカでもパッシングは「警察に気を付けろ」という意味のようだ。(ちなみに「ありがとう」の意でハザードを出すというのは見なかった。)<br /><br /> 湖に向かって走っているとここもダートになる。ここのはランデブー・ピークよりも長いようだ。普通車、しかもどちらかというとスポーツタイプ(タイヤサイズが215/60R16)なのであまりスピードを出さずにゆっくり走る。こんなところでパンクしたらしゃれにならないからなぁ。<br /><br /> 20分後の9:35、無事キャンプ場に着く。とりあえず一周するが、40サイトほどあり、すべて車を横付けできるようになっている。暗い中キャンプ道具を運ばなくて助かった。サイトは結構空きがあり、好きなところに泊まれるようだ。<br /><br /> ただひとつ気になるのが料金の支払いだ。一泊$12で、備え付けの封筒にお金を入れて入り口のポストに投函するシステムになっている。しかしちょうど$10札がないので支払いができないのである。まあいいか。<br /> 比較的トイレ、水に近いサイトを選ぶ。すぐにテントの設営に取りかかる。このテントを使うのはゴールデンウィーク以来だ。その後、こちらは寝床作り、よめさんは料理作りに取りかかる。<br /><br /> 新品のロールマット、寝袋をテントに入れる。テント内は暗いので懐中電灯も入れる。マットを敷いて、寝袋を上下二つに合わせる。結構肉厚なので暖かそうである。寝床が完成して外に出たときにはもうすでにかなり暗くなっていた。またかなり冷え込んでいた。10度は切っているだろう。<br /><br /> その間によめさんがシチューを作っていた。10時半を過ぎてもうかなり腹ぺこである。しかも寒い。まだ煮込みが足りないかもしれないと言っていたが、空腹・寒さに耐えられず皿に移す。そして待望の夕食である。<br /><br /> 野菜はおいしいのだが、肉代わりに入れたハムがまずい。本当にまずい。それでも腹の足しになるだろうと食べる。ただこの時点ではよめさんにはまずいとは言えなかった。これからも料理長として活躍してもらわなければならなかったから。(後日よめさんもあのシチューはまずかったと言っていた。)<br /><br /> 食後片づけをして、荷物をすべて車に詰め込む。アラスカでは基本的に食べ物や食器などはトランクに入れなければならない。というのもクマがにおいにつられてやって来るからだ。ここはさほど注意書きはなかったが、デナリはかなり厳しいようだ。<br /><br /> 星空を期待していたのだが、11時を過ぎても空は薄明るく星がほとんど見えない。残念だ。寒いのでさっさとテント内に入る。まさかこんなに寒くなるとは。アンカレジとは比べものにならない。夏でも野外はかなり冷え込むようだ。<br /><br /> 日誌を書くような気力は残ってないのですぐ寝袋にくるまる。ちなみにその時の服装はTシャツ、シャツ、フリースである。これでなんとか暖かいといった程度だった。<br /><br /><br /><br />3日目-8月16日(水)<br /><br /> 目が覚めたのは9時過ぎだった。よく寝た。ツーリングの時は明るくなる(夏だと4時過ぎ)と目が覚めていたのだが、ここでは寒いため顔を寝袋に埋めてしまい日の出に気づかなかったようだ。<br /><br /> テントから出るとひんやりしている。車のフロントガラスにキャンプ場の料金請求の紙が張られている。まいったなぁ、$10札ないのに。<br /><br /> まずは朝食をとる。昨日摘んだブルーベリーをつぶしてパンに挟んで食べる。いかにもキャンプしているという感じがしていい。味のほうは甘いジャムに慣れているのでもうひとつか。<br /><br /> 食後、テントを撤収してエクルートナ・レイクの湖岸に行く。誰もいない。少し寂しい感じもする。ちょうど逆光で正面の雪をかぶった山が陰になっていて残念だ。昨日ここに着いたときにはきれいに見えていたのだが。<br /><br /> 湖岸から車に戻る途中、リスに出会った。アラスカに来て初めて見た野生動物である。少し赤みがかったリスで、後から調べると red squirrel のだったようだ。しばらく観察した後、テントサイトに戻る。<br /><br /> 後は料金を払うだけだが、それが問題だ。昨日車で来たときには閉まっていたが、公園の入り口に料金所みたいなところがあった。そこが開いていれば大丈夫だろう。そして行ってみるが、今日も閉まっている。困った。もう少し戻ったところにグローサリーストアらしきところがあったのでそこでお金を崩すか、それとも他のキャンパーに崩してもらうか。しかし請求書を置いていったということはどこかにレンジャーがいるということだ。レンジャーの詰め所を探してみよう。<br /><br /> キャンプ場に戻る途中にもうひとつ別のキャンプ場がある。こちらはあふれた人のためのようだ。木で全体は見えないのだが、旗が揚がっているのに気づく。ひょっとしてと思い入ってみると、奥に小屋とトレーラーがある。ここが詰め所だろう。ヨメさんが車を降りて小屋に入る。しばらくするとうれしそうに戻ってきた。わざわざポストに入れなくてもここで支払いができたようだ。これでようやく出発できる。時間はもう11:50。遅い出発となってしまった。<br /><br /> 昨日来た道を引き返し、近くにあるサンダーバード滝(Thunderbird Fall)を目指す。ここは「歩き方」によるとカップルにぴったりのトレッキングで、往復1時間程度のようだ。12:30に駐車場着。靴を履き替え、カメラだけ持って歩き始める。<br /><br /> 最初の坂がきつい。しんどそうな顔をして登っていたのか、向こうから来た人が「もう坂は終わりだよ。」と声をかけてくれる。「サンキュー」と答えて、元気を出し歩き続けると道が平坦になる。その後は白樺の中をゆるやかなアップダウンの続く道を歩く。途中山を見るための展望台がある他は展望の開けない林の中を歩き続ける。そして左手に降りる道が見えると、その先の道は木製の遊歩道となりすぐに到着である。<br /><br /> しかしそこからの展望はサンダーバード滝の一部が見えるだけのしょぼいものである。おいおいこれはだまされた。すぐ後から来た赤ちゃんをを背負った夫婦も、父親から母親に赤ちゃんをバトンタッチしてすぐに戻り始めた。このままではあまりにも無念なので下へと続く道を降りてみる。<br /><br /> 川沿いに出て滝の方に向かう。下から滝を見てみようと思ったが、「立入禁止」の看板に前を阻まれる。滝からはずいぶん遠いところだ。全然見えない。がっかりである。休憩もなしにそのまま来た道を戻る。<br /><br /> すれ違う人は結構いる。家族連れが多い。年寄りの集団もいる。これから判断するに、ここはやはりメジャーなトレッキングコースのようだ。しかしなぁ。。。今から行く人もたどり着いたらがっかりすることだろう。<br /><br /> 駐車場に戻り、腹が減っていたのでチョコレートを口にする。もう1時半過ぎだ。そして靴を履き替えたりしてから、すぐ近くにあるエクルートナの魂の家に向かう。車で5分で到着。<br /><br /> ここは墓地である。魂の家とは墓のことである。カラフルな小さな犬小屋のような家が墓である。それがここには数多く残っている。アラスカのネイティヴの慣習だったようだが今ではここエクルートナにしか大々的には残されていないらしい。そのせいでここは観光地となっていて、中に入るには一人$3.50かかる。ただ観光客はその値段を高いとみているようで誰も中に入っていない。もちろん我々も入らない。というのも低い柵の外から見ることができるからである。カメラやビデオの望遠側で撮影する。ここは一見の価値ありだ(といっても我々は10分しかいなかったが)。<br /><br /> その後グレン・ハイウェイに戻り、ひた走る。右手に雪をかぶった山々が見えてきたところで左に折れ、パークス・ハイウェイに移る。腹が減ったのでそろそろ昼食を食べたい。少し先にワシラ(Washilla)という町があるのでそこで何か食べよう。ただ小さな町だと本当に何もないからなぁ。<br /><br /> で先に進んでいくと左右に家があったり(ここまでは全然なかった)、車のディーラーがなぜか乱立している。これは期待できるぞと思っていると右手にアラスカ・マーケット、左手にバーガーキングの看板が見える。助かった、ここに入ろう。2時半にようやく昼食だ。<br /><br /> 適当にセットを頼む。ポテトだけでなくオニオンリングも選べるのはグッド。ドリンクは日本のLサイズ以上の大きさのカップで refill(おかわり)し放題。メインのハンバーガーはもちろん満足できる大きさ。味もなかなか。満足の食事だった。リフィルをして車に戻る。<br /><br /> さあデナリに向けて出発だ。アラスカマーケットにある電光掲示板によると時間は3:20、気温は66度F。何時ごろ着くだろうか。また気温はどれくらいまで下がるのか。とりあえず走り出す。<br /><br /> 進むに従って街がだんだんにぎやかになってくる。ピザ・ハットやファミリーレストランさえある。スーパーマーケットもある。かなり大きな街じゃないか。とある本にはアンカレジで買い物をしておかなければ困ることになると書いてあったのに。全然大丈夫である。さすがにこれだけでたらめな情報があると信じられなくなった。「地球の歩き方」を。現地で調達したフリーのパンフレットのようがよほど役に立つ。地図もわかりやすいし。<br /><br /> ワシラの街を過ぎると道は片側一車線になる。ここから先はデナリまで町らしい町はない。町と言っても家が数件とガソリンスタンド兼カフェ、またはガソリンスタンド兼グローサリーショップがあるだけだ。ガソリンの値段はワシラから離れるに従って高くなっていく。<br /><br /> 路肩はさほど広くなく、たまにタイヤが転がっている。こんなところでパンクすると非常に困るだろう。<br /><br /> あるところから雪に覆われた真っ白の山が遠くに見え出す。湖横に駐車場があるのでそこに車を停め写真を撮る。湖に映った白い姿がとても美しい。当初この山がマッキンリー山であるとは思っていなかった。まだまだずいぶん距離があるからだ。しかし本で確認したところそうだとわかった。<br /><br /> ここからしばらくはマッキンリー山に向かって進むことになる。徐々に山が近づいてくるので走っていて飽きない。途中デナリ・ビューポイント(Denali Viewpoint)という展望台があったのでそこで山を眺める。手前に蛇行した大きな川、背後に真っ白の山。なかなか絵になる風景だ。<br /><br /> もう5時半だ。後どれくらいで着くのだろう。先を急ごう。<br /><br /> 次第に風景が変わってくる。今まで道の両脇に大きな木が茂っていたのが、なくなってくる。左右に原野が広がり、その向こうに山々が連なっている。もうマッキンリー山も見えない。ところどころ湖があるのだが、駐車場がないので止まって眺めることができない。不親切だ。その点カナダのハイウェイはビューポイントには必ず駐車場がある。そうでなくても路肩が広いし、ところどころ休憩所もあるので止まりやすい。旅行者に親切である。<br /><br /> それでも一カ所車を停め、湖に下りてみた。しかし全体をきれいに見渡せるポイントがなくいまいちだった。<br /><br /> その後はデナリまで寄り道せずに走る。そしてデナリ・ビジターセンター(Denali Visitor Center)に着いたのは7:15。受付に行って、予約番号を伝えキャンプサイトとツアーバスのチケットを発券してもらう。キャンプ料金が$12x2、バスが$21x2(後で気づいたのだがバスはキャンパーバスを予約すれば良かったのである。そうするとバス代は$15)。<br /><br /> そしてライリークリーク(Rilley Creek)のキャンプ場へ。空いているところを好きに選ぶことができるシステムのようだ。とりあえず1周してめぼしいところを探す。2周目に車から降りて実地検証。数カ所見て回ったが、テントサイトが斜めになっていたりでこぼこしていたり、近くにジェネレーターの音がうるさいRVが停まっていたりでどこもこれといった決め手に欠く。<br /><br /> 別のテントサイト(50番から108番まで。先ほどは1番から49番)も回ってみたがいいところはすでに占拠されている。時間が遅かったので仕方ないか。先ほどのテントサイトに戻り、結局テントサイトのやや狭い40番に決定する。川の音が聞こえるのはグッド。<br /><br /> 早速テント設営にかかる。周りを山に囲まれているので暗くなるのが少し早い感じだ。時間は9時。それでも設営には十分明るい。リスが姿を見せるが、突然のちん入者に驚いたらしくすぐ木の上に登ってしまった。<br /><br /> こちらが寝床を作っている間にヨメさんは食事の準備。夕食はチリ・ビーンズとサラダだ。缶詰を使っているので手早くできる。ついでに翌日の昼食(サンドイッチ)もつくっておく。<br /><br /> 夕食は思っていたよりもおいしかった。缶詰を使った料理は簡単なのでこういったキャンプには最適だ。いろいろ種類も豊富だし日本では食べれないようなものもある。下手に食事をするよりもおいしいし、なにより安いのがいい。<br /><br /> 食事が終わる頃にはもう暗くなってきたいた。もう10時半を過ぎている。寒い。むちゃくちゃ寒い。温度計によると気温はなんと5.2度。深夜になると氷点下になるんじゃないかというくらい冷え込みがきつい。アラスカおそるべし。日本では最低気温が連日30度を越えているというのに。<br /><br /> 今日も疲れた。ロングドライブが利いた。けど後で計算したところ362km。そうたいした距離ではないなぁ。Washillaから一気に走ったからずいぶん走った気になっただけかな。今日も日誌を書くことなく就寝。それにしても寒い。

初めての海外キャンプ in アラスカ 【2~3日目】

2いいね!

2000/08/14 - 2000/08/26

396位(同エリア497件中)

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arch

archさん

2日目-8月15日(火)
 目が覚めたのは9時。よく寝た。目覚ましのシャワーを浴びる。その後冷蔵庫から食事を取り出して食べる。荷物を車に積んで10時半に出発する。

 まずはR.E.I.でストーブ($25)とロールマット($15)を購入。そして隣にある Alaska Market で食べ物の調達。野菜、果物、肉、缶詰、パン、水、ジュース、そしてクーラーボックス(といっても単なる発泡スチロールの箱)すべてで$40。ほとんどすべて日本よりも安い。

 買い物が終わったのが1時半。腹が減ったので目の前の subway に行く。しかし中に入れてくれない。店内には他の客はいるのに。ヨメさんが店の人から話を聴いていたのだが、速くてよくわからなかったらしい。後から来た客も締め出しを食らっている。ここはあきらめてせっかくアラスカに来たのだからダウンタウンでサーモンを食べることにする。

 そして車を走らせていると交差点で少し渋滞している。信号が動いていないようだ。交差点の真ん中に警官が立って交通整理している。さっき subway では停電と言っていたのか。少し先の信号も止まっている。ここには警官が立っていない。しかしみんな順番に交差点に入っているので比較的スムーズに流れている。日本だとこうはいかないだろう。ダウンタウンは電気が来ているだろうか。

 ダウンタウン近くでは信号が動いている。大丈夫のようだ。ガイドブックに載っていたサーモン料理の店、サーモン・ベイク(Salmon Bake)に行く。車は路駐。2時間までOKのようだ。

 屋外のカフェのようなところなので比較的安いかなぁと思ったが、メニューを見ると高い。サーモン料理はどれも$10以上する。そして注文したのがハンバーガー。もちろんマクドナルドのように小さいのではなく皿にのっていてナイフとフォークと食べる大きさのものだが、それでも$12は高いだろう。味は確かに良かった。サーモンも身が厚い。しかしランチに二人で$30(飲み物、チップ込み)はかけすぎだ。食事が終わったのが2:50分。遅い昼食だった。

 そしてダウンタウンを離れてアラスカハイウェイにのり、比較的やさしいトレッキングコースのある山、ランデブー・ピーク(Rendevous Peak)を目指す。ハイウェイは走りやすい。混んでいることもなく適当に車間距離を取りながら走れるので楽だ。最初はスローレーンをとことこ走っていたが、慣れてくると追い越し車線を利用しながら適度にとばす。

 走っている車は圧倒的に4WD車が多い。ピックアップ・トラック、オフロード車、そして結構目に付いたのがレガシー・ワゴンのランカスター。現地では Outback という名で販売されているようだ。フォレスターも走っている。しかも新型が。他に日本車はほとんど見ない。アラスカではスバル車が人気あるようだ。

 間もなくハイウェイを降りて山に向かって走る。ゴルフの打ちっ放しを過ぎてしばらく行くと、ダート道になる。「歩き方」によるとあと数分で駐車場まで着くはずだ。ところが行けども行けどもダート道でなかなか着かない。徐々に登っているので近づいていることは確かなんだが。結局十数分走ってようやく駐車場に着く。「歩き方」のうそつき。4WD車でも数分は無理だろう。

 バックパックの荷物を整理して歩き始める。靴はそのまま。「歩き方」によると小さな子供と一緒に登れるようなところらしいので楽勝だろう。時間はもう3:45分。戻ってくる人はいても、今から歩き出すのは我々ぐらいだ。しかし天気は良く、気温も20度とちょうといい。

 コース序盤は川沿いのなだらかな坂道で楽勝。緑も多く、目に優しい。花も多く咲いているので撮影しながら歩く。そのためずいぶんゆっくりしたペースとなる。

 峠まで行くと緑が急に少なくなり、砂利だらけになる。岩場にリスがいたが近づくと岩の間に入ってしまった。それにしてもここからの景色はいい。来た道を振り返るとアンカレジの街が見える。逆光で見えにくいが。峠の向こう側は急勾配で遠くに別荘らしき家が点在している。その向こうには高い山々がそびえていて、山頂は雪で覆われている。

 峠の左右に山があり、右手の山が目指すランデブー・ピークである。ここからはかなり勾配のきつい登山道となる。砂利で滑りやすい箇所もあるので、時間をかけてゆっくり登る。「歩き方」のうそつき。かなりハードだぞ。トレッキングシューズに履き替えるんだった。ただ景色がいいし、寒くもなく暑くもない汗をかかない快適な天候なので気持ちよく登山ができる。そして5時10分ついに登頂。

 木がないため山頂からは360度の展望が楽しめる。様々な山々、谷、アンカレジの街が登山者の疲れをいやしてくれる。ただじっとしていると少し涼しい感じがする。気温は14度。晴天で標高はそんなにないのに。さすがアラスカ。

 休憩後5:30に下山開始するが、同じルートではおもしろくないので山が続く尾根沿いの道を歩いて、一気に駐車場に降りることにする。このルートだと行きには見れなかった山の向こう側の景色を見ることができる。こちらは人の手が全く入っていない原野と原生林が続き、その奥には雪をかぶった山々がそびえている。いかにも自然という感じがいい。

 しばらく歩くとかろうじて雪渓が残っているところに出る。そこまで降りてみる。意外としゃりしゃりしていて氷の状態にはなっていなかった。少し掘って雪を食べてみたがおいしかった。

 さらに歩き続ける。ところどころ地面が赤くなっているところがある。草が早くも紅葉しているようだ。往きとは異なる植物が花を付けているので、立ち止まって写真を撮ることも多い。

 ここは冬はスキー場になるようでリフトが4本ある(夏期は休業)。このうちの一本に沿って降りていくことにする。しかしこれがまたかなりの急勾配で、降りるのに神経を使う。こういう時はスティックがあれば便利だろう。ただ草地になっていて根がしっかり張られているようで、比較的すべりにくいのが助かる。それでもよめさんは一度尻餅をついていたけど。

 ふもとではブラックベリーとブルーベリーの実がなっている。前者はおいしくないが、後者はかすかに甘みと酸味がありおいしい。適当につまみつつ山を下る。駐車場まで戻ったのが7:25。しかしまだまだ明るい。

 駐車場には車の数が増えている。そして向かいの山の斜面に数多くの人がしゃがんでいる。手にはバケツやビニール袋を持っている。どうやらブルーベリーを採っているようだ。このあともう少し走ってキャンプをしなければならないのだが、10時くらいまで明るいからなんとかなるだろうということで、ビニール袋片手に山の斜面を登り出す。

 少し登ったところではまだ実が熟していないので、そこそこ登らなければならない。そして地元の人たちに混じってこちらも摘み始める。二人とも黙々と収穫する。20分後には明らかに重さを感じるまでになっていた。二人のものを合わせるとまあまあの量だ。きりがないのでここで作業を打ち切り、下に降りる。

 結局駐車場を出たのは8:25。ちょっと遊びすぎたかな。ダート道を下っているときも対向車数台とすれ違う。今から摘み始める人たちもいるのか。仕事終わってもまだアウトドアを楽しむことができるなんてうらやましい。日本もサマータイム導入すればいいのに。まあそれでも10時までは明るくならないだろうけど。

 ハイウェイに出て北に向かう。行き先はエクルートナ湖(Eklutna Lake)。そこでキャンプを張る予定である。ハイウェイを30分ほど走ってインターを降りる。看板に従って進むと迷うことなく湖へと通じる道に出る。

 そこに至る途中で対向車がパッシングしてきた。何を意味しているのだろうかと考えながら進んでいると、パトカーが交差点に止まっていた。アメリカでもパッシングは「警察に気を付けろ」という意味のようだ。(ちなみに「ありがとう」の意でハザードを出すというのは見なかった。)

 湖に向かって走っているとここもダートになる。ここのはランデブー・ピークよりも長いようだ。普通車、しかもどちらかというとスポーツタイプ(タイヤサイズが215/60R16)なのであまりスピードを出さずにゆっくり走る。こんなところでパンクしたらしゃれにならないからなぁ。

 20分後の9:35、無事キャンプ場に着く。とりあえず一周するが、40サイトほどあり、すべて車を横付けできるようになっている。暗い中キャンプ道具を運ばなくて助かった。サイトは結構空きがあり、好きなところに泊まれるようだ。

 ただひとつ気になるのが料金の支払いだ。一泊$12で、備え付けの封筒にお金を入れて入り口のポストに投函するシステムになっている。しかしちょうど$10札がないので支払いができないのである。まあいいか。
 比較的トイレ、水に近いサイトを選ぶ。すぐにテントの設営に取りかかる。このテントを使うのはゴールデンウィーク以来だ。その後、こちらは寝床作り、よめさんは料理作りに取りかかる。

 新品のロールマット、寝袋をテントに入れる。テント内は暗いので懐中電灯も入れる。マットを敷いて、寝袋を上下二つに合わせる。結構肉厚なので暖かそうである。寝床が完成して外に出たときにはもうすでにかなり暗くなっていた。またかなり冷え込んでいた。10度は切っているだろう。

 その間によめさんがシチューを作っていた。10時半を過ぎてもうかなり腹ぺこである。しかも寒い。まだ煮込みが足りないかもしれないと言っていたが、空腹・寒さに耐えられず皿に移す。そして待望の夕食である。

 野菜はおいしいのだが、肉代わりに入れたハムがまずい。本当にまずい。それでも腹の足しになるだろうと食べる。ただこの時点ではよめさんにはまずいとは言えなかった。これからも料理長として活躍してもらわなければならなかったから。(後日よめさんもあのシチューはまずかったと言っていた。)

 食後片づけをして、荷物をすべて車に詰め込む。アラスカでは基本的に食べ物や食器などはトランクに入れなければならない。というのもクマがにおいにつられてやって来るからだ。ここはさほど注意書きはなかったが、デナリはかなり厳しいようだ。

 星空を期待していたのだが、11時を過ぎても空は薄明るく星がほとんど見えない。残念だ。寒いのでさっさとテント内に入る。まさかこんなに寒くなるとは。アンカレジとは比べものにならない。夏でも野外はかなり冷え込むようだ。

 日誌を書くような気力は残ってないのですぐ寝袋にくるまる。ちなみにその時の服装はTシャツ、シャツ、フリースである。これでなんとか暖かいといった程度だった。



3日目-8月16日(水)

 目が覚めたのは9時過ぎだった。よく寝た。ツーリングの時は明るくなる(夏だと4時過ぎ)と目が覚めていたのだが、ここでは寒いため顔を寝袋に埋めてしまい日の出に気づかなかったようだ。

 テントから出るとひんやりしている。車のフロントガラスにキャンプ場の料金請求の紙が張られている。まいったなぁ、$10札ないのに。

 まずは朝食をとる。昨日摘んだブルーベリーをつぶしてパンに挟んで食べる。いかにもキャンプしているという感じがしていい。味のほうは甘いジャムに慣れているのでもうひとつか。

 食後、テントを撤収してエクルートナ・レイクの湖岸に行く。誰もいない。少し寂しい感じもする。ちょうど逆光で正面の雪をかぶった山が陰になっていて残念だ。昨日ここに着いたときにはきれいに見えていたのだが。

 湖岸から車に戻る途中、リスに出会った。アラスカに来て初めて見た野生動物である。少し赤みがかったリスで、後から調べると red squirrel のだったようだ。しばらく観察した後、テントサイトに戻る。

 後は料金を払うだけだが、それが問題だ。昨日車で来たときには閉まっていたが、公園の入り口に料金所みたいなところがあった。そこが開いていれば大丈夫だろう。そして行ってみるが、今日も閉まっている。困った。もう少し戻ったところにグローサリーストアらしきところがあったのでそこでお金を崩すか、それとも他のキャンパーに崩してもらうか。しかし請求書を置いていったということはどこかにレンジャーがいるということだ。レンジャーの詰め所を探してみよう。

 キャンプ場に戻る途中にもうひとつ別のキャンプ場がある。こちらはあふれた人のためのようだ。木で全体は見えないのだが、旗が揚がっているのに気づく。ひょっとしてと思い入ってみると、奥に小屋とトレーラーがある。ここが詰め所だろう。ヨメさんが車を降りて小屋に入る。しばらくするとうれしそうに戻ってきた。わざわざポストに入れなくてもここで支払いができたようだ。これでようやく出発できる。時間はもう11:50。遅い出発となってしまった。

 昨日来た道を引き返し、近くにあるサンダーバード滝(Thunderbird Fall)を目指す。ここは「歩き方」によるとカップルにぴったりのトレッキングで、往復1時間程度のようだ。12:30に駐車場着。靴を履き替え、カメラだけ持って歩き始める。

 最初の坂がきつい。しんどそうな顔をして登っていたのか、向こうから来た人が「もう坂は終わりだよ。」と声をかけてくれる。「サンキュー」と答えて、元気を出し歩き続けると道が平坦になる。その後は白樺の中をゆるやかなアップダウンの続く道を歩く。途中山を見るための展望台がある他は展望の開けない林の中を歩き続ける。そして左手に降りる道が見えると、その先の道は木製の遊歩道となりすぐに到着である。

 しかしそこからの展望はサンダーバード滝の一部が見えるだけのしょぼいものである。おいおいこれはだまされた。すぐ後から来た赤ちゃんをを背負った夫婦も、父親から母親に赤ちゃんをバトンタッチしてすぐに戻り始めた。このままではあまりにも無念なので下へと続く道を降りてみる。

 川沿いに出て滝の方に向かう。下から滝を見てみようと思ったが、「立入禁止」の看板に前を阻まれる。滝からはずいぶん遠いところだ。全然見えない。がっかりである。休憩もなしにそのまま来た道を戻る。

 すれ違う人は結構いる。家族連れが多い。年寄りの集団もいる。これから判断するに、ここはやはりメジャーなトレッキングコースのようだ。しかしなぁ。。。今から行く人もたどり着いたらがっかりすることだろう。

 駐車場に戻り、腹が減っていたのでチョコレートを口にする。もう1時半過ぎだ。そして靴を履き替えたりしてから、すぐ近くにあるエクルートナの魂の家に向かう。車で5分で到着。

 ここは墓地である。魂の家とは墓のことである。カラフルな小さな犬小屋のような家が墓である。それがここには数多く残っている。アラスカのネイティヴの慣習だったようだが今ではここエクルートナにしか大々的には残されていないらしい。そのせいでここは観光地となっていて、中に入るには一人$3.50かかる。ただ観光客はその値段を高いとみているようで誰も中に入っていない。もちろん我々も入らない。というのも低い柵の外から見ることができるからである。カメラやビデオの望遠側で撮影する。ここは一見の価値ありだ(といっても我々は10分しかいなかったが)。

 その後グレン・ハイウェイに戻り、ひた走る。右手に雪をかぶった山々が見えてきたところで左に折れ、パークス・ハイウェイに移る。腹が減ったのでそろそろ昼食を食べたい。少し先にワシラ(Washilla)という町があるのでそこで何か食べよう。ただ小さな町だと本当に何もないからなぁ。

 で先に進んでいくと左右に家があったり(ここまでは全然なかった)、車のディーラーがなぜか乱立している。これは期待できるぞと思っていると右手にアラスカ・マーケット、左手にバーガーキングの看板が見える。助かった、ここに入ろう。2時半にようやく昼食だ。

 適当にセットを頼む。ポテトだけでなくオニオンリングも選べるのはグッド。ドリンクは日本のLサイズ以上の大きさのカップで refill(おかわり)し放題。メインのハンバーガーはもちろん満足できる大きさ。味もなかなか。満足の食事だった。リフィルをして車に戻る。

 さあデナリに向けて出発だ。アラスカマーケットにある電光掲示板によると時間は3:20、気温は66度F。何時ごろ着くだろうか。また気温はどれくらいまで下がるのか。とりあえず走り出す。

 進むに従って街がだんだんにぎやかになってくる。ピザ・ハットやファミリーレストランさえある。スーパーマーケットもある。かなり大きな街じゃないか。とある本にはアンカレジで買い物をしておかなければ困ることになると書いてあったのに。全然大丈夫である。さすがにこれだけでたらめな情報があると信じられなくなった。「地球の歩き方」を。現地で調達したフリーのパンフレットのようがよほど役に立つ。地図もわかりやすいし。

 ワシラの街を過ぎると道は片側一車線になる。ここから先はデナリまで町らしい町はない。町と言っても家が数件とガソリンスタンド兼カフェ、またはガソリンスタンド兼グローサリーショップがあるだけだ。ガソリンの値段はワシラから離れるに従って高くなっていく。

 路肩はさほど広くなく、たまにタイヤが転がっている。こんなところでパンクすると非常に困るだろう。

 あるところから雪に覆われた真っ白の山が遠くに見え出す。湖横に駐車場があるのでそこに車を停め写真を撮る。湖に映った白い姿がとても美しい。当初この山がマッキンリー山であるとは思っていなかった。まだまだずいぶん距離があるからだ。しかし本で確認したところそうだとわかった。

 ここからしばらくはマッキンリー山に向かって進むことになる。徐々に山が近づいてくるので走っていて飽きない。途中デナリ・ビューポイント(Denali Viewpoint)という展望台があったのでそこで山を眺める。手前に蛇行した大きな川、背後に真っ白の山。なかなか絵になる風景だ。

 もう5時半だ。後どれくらいで着くのだろう。先を急ごう。

 次第に風景が変わってくる。今まで道の両脇に大きな木が茂っていたのが、なくなってくる。左右に原野が広がり、その向こうに山々が連なっている。もうマッキンリー山も見えない。ところどころ湖があるのだが、駐車場がないので止まって眺めることができない。不親切だ。その点カナダのハイウェイはビューポイントには必ず駐車場がある。そうでなくても路肩が広いし、ところどころ休憩所もあるので止まりやすい。旅行者に親切である。

 それでも一カ所車を停め、湖に下りてみた。しかし全体をきれいに見渡せるポイントがなくいまいちだった。

 その後はデナリまで寄り道せずに走る。そしてデナリ・ビジターセンター(Denali Visitor Center)に着いたのは7:15。受付に行って、予約番号を伝えキャンプサイトとツアーバスのチケットを発券してもらう。キャンプ料金が$12x2、バスが$21x2(後で気づいたのだがバスはキャンパーバスを予約すれば良かったのである。そうするとバス代は$15)。

 そしてライリークリーク(Rilley Creek)のキャンプ場へ。空いているところを好きに選ぶことができるシステムのようだ。とりあえず1周してめぼしいところを探す。2周目に車から降りて実地検証。数カ所見て回ったが、テントサイトが斜めになっていたりでこぼこしていたり、近くにジェネレーターの音がうるさいRVが停まっていたりでどこもこれといった決め手に欠く。

 別のテントサイト(50番から108番まで。先ほどは1番から49番)も回ってみたがいいところはすでに占拠されている。時間が遅かったので仕方ないか。先ほどのテントサイトに戻り、結局テントサイトのやや狭い40番に決定する。川の音が聞こえるのはグッド。

 早速テント設営にかかる。周りを山に囲まれているので暗くなるのが少し早い感じだ。時間は9時。それでも設営には十分明るい。リスが姿を見せるが、突然のちん入者に驚いたらしくすぐ木の上に登ってしまった。

 こちらが寝床を作っている間にヨメさんは食事の準備。夕食はチリ・ビーンズとサラダだ。缶詰を使っているので手早くできる。ついでに翌日の昼食(サンドイッチ)もつくっておく。

 夕食は思っていたよりもおいしかった。缶詰を使った料理は簡単なのでこういったキャンプには最適だ。いろいろ種類も豊富だし日本では食べれないようなものもある。下手に食事をするよりもおいしいし、なにより安いのがいい。

 食事が終わる頃にはもう暗くなってきたいた。もう10時半を過ぎている。寒い。むちゃくちゃ寒い。温度計によると気温はなんと5.2度。深夜になると氷点下になるんじゃないかというくらい冷え込みがきつい。アラスカおそるべし。日本では最低気温が連日30度を越えているというのに。

 今日も疲れた。ロングドライブが利いた。けど後で計算したところ362km。そうたいした距離ではないなぁ。Washillaから一気に走ったからずいぶん走った気になっただけかな。今日も日誌を書くことなく就寝。それにしても寒い。

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  • 昼食を取ったレストラン

    昼食を取ったレストラン

  • ランデブー・ピーク(Rendevous Peak)出発点

    ランデブー・ピーク(Rendevous Peak)出発点

  • ランデブー・ピーク頂上から

    ランデブー・ピーク頂上から

  • ランデブー・ピークの尾根沿いを歩いて駐車場へ向かう。

    ランデブー・ピークの尾根沿いを歩いて駐車場へ向かう。

  • 8月中旬で早くも色づいている。さすがアラスカ。

    8月中旬で早くも色づいている。さすがアラスカ。

  • ランデブー・ピーク尾根沿いを歩いて

    ランデブー・ピーク尾根沿いを歩いて

  • 奧がランデブー・ピーク。雪渓とリフトが見られる。

    奧がランデブー・ピーク。雪渓とリフトが見られる。

  • ランデブー・ピーク駐車場付近のベリー?<br />Crowberry

    ランデブー・ピーク駐車場付近のベリー?
    Crowberry

  • ランデブー・ピーク駐車場付近のベリー?<br />Low-bush Cranberry

    ランデブー・ピーク駐車場付近のベリー?
    Low-bush Cranberry

  • ランデブー・ピーク駐車場付近のベリー?<br />Blueberry

    ランデブー・ピーク駐車場付近のベリー?
    Blueberry

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