2000/08/14 - 2000/08/26
330位(同エリア498件中)
archさん
4日目-8月17日(木)
朝4時50分起床。寒い。外の気温はなんと氷点下0.7度。完全にアラスカをなめていた。空は薄く雲がかかってはいるが、おおむね晴れている。簡単な朝食を取り、車に乗り込む。2分後、ビジターセンター着。
昨日準備しておいた昼食の入ったバックパックを持ってバス乗り場へ。すでに多くの人が待っている。15分前集合と言われていたのでそうしたのだが、バスが来たのは6時ちょうど。順番に乗り込んで出発。
席は進行方向右側である。しばらく進んで行って、ようやくこれが失敗ということに気づく。右側は崖が多くあまり視界が開けない。一方反対側は雪に覆われた山々や広大なツンドラを見ながらのドライブとなる。少し後悔。
バスの中は寒い。全然ヒーターをつけていないようだ。窓が曇るといけないのでそうしてるんだろう。他の人も完全に冬の服装である。
動物はまず最初に見たのがカリブー。かなり遠い。よくこんなものを見つけたなぁ。次に早くもグリズリー・ベア登場。山の斜面にいるが、しかしこちらも遠い。双眼鏡は必需品だ。持って来ていないのでこちらはカメラの望遠で、ヨメさんはビデオの望遠で観察する。
途中何度か休憩しながら9時40分頃アイルソン・ビジターセンター着。降りると寒い。少し雨も降っている。非常に寒い。センターに入って、気温を確認すると42度と出ている。(摂氏に直すとどれくらいだ。)
寒いのでセンター内で昼食。用意していたサンドイッチとオレンジジュースである。食後、雨がほとんど止んだので少し散歩する。濡れたツンドラを歩いていると一層寒さが増す感じがする。しかし実際には軽く運動しているので体が暖かくなってくる。
センターに戻り、バスを探すがいない。時刻を確認するともうすでに出発してしまったようだ。それで次の便に乗る手続きをする。次のバスは他の者も含めて8人がここビジターセンターから新たに乗り込むことになるようだ。全員乗れるのだろうか。
乗ってみると、人が少ない。全部で14,5人しかいない。どうもこれはキャンパーバスのようだ。後ろに荷物スペースがある。基本的にこのバスはキャンパー専用だが、空きがあると今回のように乗せてもらえる。
そして出発。すぐに獲物をくわえたキツネ、親子連れのクマ、カリブーの群を見ることができる。幸先よいスタートだと思っていたが、その後はほとんど動物は出なかった。すぐ近くにカリブとシルバーフォックスを見たぐらいだ。2時15分ビジターセンター着。
雨が降っている。とりあえずギフトショップでポストカードと植物図鑑を買う。その後どうするか協議。シャワーを浴びるというのははずせない。となるとこの辺りをゆっくりするぐらいしかないか。ちょうど雨も止んできたことだし、近くのトレッキングを散策することにする。
ホースシューレイクに行っている途中で、汽笛の音を聞いたので引き返し、写真を撮る。時間的にアラスカ鉄道の特急が来るはずだったんだが、貨物列車がやってきた。やはりアラスカも鉄道の時間はあてにならないか。
貨物列車が行った後、特急も待ったのだが、汽笛だけで全然姿が現れない。20分近く待ったが、それでも見えないのであきらめてタイガ・トレイルを散歩する。
すっかり雨も上がり、比較的気温も暖かい(?)からか、そこそこ人とすれ違う。ルート自体はそれほどおもしろいものではないのだが。
道路に出て、すぐ近くの商店に入る。ここにシャワーがあるらしいので下見である。商店の裏側にあり、男性用女性用と分かれていて、それぞれ3,4人同時に浴びることが出来るらしい。となると待たなくても大丈夫だろう。商品を見ていると、何とカップヌードルがあるではないか。しかも安い。85cだ。日本より安いじゃないか。昼食が早かったので、軽食に二つ購入。
そしてビジターセンターの駐車場に戻り、車でキャンプ場に戻る。早速お湯を沸かしてカップヌードルを食す。海外の寒い中で食べると格別おいしい。
その後、シャワーを浴びに先程の商店に戻る。一人$3を支払い(デポジットとして別に$5)、カギを受け取り裏に回る。カギはそのプレハブ小屋に入るためのもので、中は各シャワーが板一枚で区切られているだけである。先客が二人いる。一人は服を着ているところで、もう一人はシャワーを浴びている。
服を脱いでいる際に気づいたのだが、ここのシャワーはサンダルが必要なようだ。要するに土足なのである。日本では考えられないことだ、サンダルを履いたままシャワーを浴びるなんて。これが文化の違いというやつか。仕方がないので、しぶきで濡れないぎりぎりのところに靴を置いて、はだしのままシャワーを浴びる。しかもこのシャワー途中で温水が出なくなる。最悪だ。風邪をひかないうちにさっさと出て服を着る。全然暖まることが出来なかった。
外に出てまもなくヨメさんも出て来る。商店においしそうなパンが並んでいたので買う。いい加減いつものパンは飽きた。そして車でキャンプ場に戻る。
さて、夕食の準備だ。しかし何と雨が降ってくる。キャンピングカーを横目に見つつ、カッパを着て雨の中準備をする。と言ってもヨメさんがほとんどするのでこちらは川に散歩に出かける。ただ雨の中あまりおもしろくもなくすぐに戻る。
食事の準備が出来たようなのだが、イスは濡れているし雨はまだ降っている。仕方がないので立ったまま木下で食事する。ここまでハードなことになるなんて全然考えてもなかった。
食後、薄暗い中ヨメさんのリクエストで一緒に川に行く。林の中を抜けるのだが、木の陰で暗く道も怪しいくらいである。トレッキング道に出て少し歩いていると目の前に何か動物がいる。そいつはゆっくりと木の上に登っていった。木の下から眺めるが何なのかさっぱり分からない。今まで見たことのない動物だ。暗いので写真を撮ることも出来ない。気になりつつも真っ暗にならないうちにテントに戻る。
雨が降っていてする事がないし、朝が早かったので眠い。そのため珍しく10時過ぎには寝ていた。
5日目-8月18日(金)
今日も雨、といっても霧雨。ざあざあ降りでないだけましか。今日の目的地、ヴァルディーズ(Valdez)の天気はどうだろう。
合羽を着て朝食を食べる。その後、昨日の動物を確認するため川のほうに行く。さすがにもう姿はなかった。一体なんだったんだろう。
テントサイトに戻り、出発の準備をする。濡れたテントをたたむのが嫌だったがやむを得ない。早めにテントを組み立てて乾かしたいものだ。車内には他にも濡れたタオルが引っ掛けられている。太陽が待ち遠しい。
出発する頃には雨もやんでいて、雲の切れ間も見える。最後にもう一度ビジターセンターに寄り、土産物(本とポストカード)を買う。ここから先はデナリ・ハイウェイを使い来るときとは異なる風景を楽しもうと思っていたが、インフォメーションの人に尋ねるとダートらしい。なんでハイウェイがダートなんだ。しかしそれがアラスカか。
というわけで来た道をそのまま戻る。南に行くにつれ晴れてきたかと思うと、ところどころ豪雨にもあいなかなかペースがあがらない。3時過ぎワシラ着。ここまで来るともう雨は降っていない。厚い雲には覆われているが。
久しぶりにまともな食事ができるところだったが、入ったのはピザハット。セットを頼むが、ここの量も半端じゃない。ジュースなんて二人分がピッチャーで出てくるほどである。当然ピザもでかい。余った分は持ち帰りにしてもらう。
食後、明日のクルージングの予約をする。9時間半$119(島での昼食付)のを希望していたが、すでに一杯。仕方がないので6時間$69のを予約する。
この時点でもう4時。今日中にヴァルディーズに着こうとすれば深夜になるだろう。出発が遅かったからなあ。荷物の整理に手間取ったせいだ。雨が恨めしい。
ガソリンを補給して出発。街中を過ぎて、ハイウェイの突き当たりを左に折れる。ここからグレン・ハイウェイ(Glenn Highway)ちなみに右だとアンカレジへ戻ることになる。
ひとつ町を過ぎてからは道路が狭くなり、片側一車線の路肩のほとんどない日本の県道のような感じになる。そのうちカーブが多くなり、アップダウンも増してくる。ついには山越えをするはめになる。とてもハイウェイと言えない道だ。日本の峠越えの道と言えばわかってもらえるだろうか。道の一方が山の斜面で、反対側が切り立った崖。その山沿いにくねくねと道が続いている。路面も悪い。しかも大型車もいるのでペースが悪い。こんな道なので追い越し区間は当然限られている。バイクで走ると楽しいだろうが、車で先を急ぐ者にとっては勘弁してもらいたい道路状況だ。そのような道をえんえんと走り続ける。
山越えが一段落して、双眼鏡のマークがあるところで一度停まり休憩を入れる。しかし厚い雲に覆われているため展望はいまいち。だが何もない風景が "wilderness" という言葉にぴったりである。
この先は比較的平坦で道幅もある。カーブも大きく運転はしやすくなる。それでも路面状況がお世辞にも良いとは言えないので、ある程度スピードは遠慮しながら走ることになる。このハイウェイも例に漏れず、ところどころ路肩にタイヤが捨てられているのである。
グレンナレン(Glennallen)に着いたのが8時前。ガソリン補給と休憩。ここからバルディーズまでまだ115マイル(184km)もある。このペースだと着くのは11時頃になるだろう。できれば明日早めに港へ行って、9時間クルーズに空きがないか確認したいところではある。当日キャンセルなんてのもあるだろうし。
しかし11時に着いてから宿を探すのは非常に困難だろう。そこでガイドブックに載っていたホテル、B&B、ロッジに電話して空き状況、料金を確認する。
まあ予想はしていたことだが、高い。一泊どこも$100以上。今から行くとただ寝るだけなのにこの料金は痛い。考えてみると、この先200キロ近くも街灯すらない真っ暗闇の中運転するのはきつい。しかもいつ動物が飛び出してくるかわからないし。そういった危険も考慮に入れた結果、今夜はここ泊まりにする。ただ宿泊施設は道路沿いに一つ二つあったぐらいだ。そこに空きがなければどうしよう。
まずは目立っていたカリブーホテルに行く。しかし空きはクイーン・ルームしかなく料金は$165。おいおいそれはないだろう。とてもそんな料金を取るホテルには見えないぞ。ホテルどころかモーテルと言ってもおかしくないところなのに。と思っていると隣にモーテルがあると言う。料金は$55。部屋を見ていいというので鍵をもらって行ってみる。
部屋はモーテルと言うよりはホステルの個室といった感じで非常にチープである。狭いし、薄暗いし、隣のテレビの音がはっきり聞こえてくるくらい壁も薄いしで、お世辞にもいい部屋とは言えない。しかもバス・トイレは共同。それで$55は高いだろう。しかし今から他の宿を探す元気もなく、ここに決める。
荷物を全部部屋に入れて整理をする。キャンプ中は荷物を広げることができなかったんでごちゃごちゃになっている。外に出るのがめんどくさかったので食事は昼のピザの残り。その後シャワーを浴びに行く。トイレ兼シャワー室(シャワーの数は5つくらい)に入るには部屋の鍵がいるため一人ずつ入ることになる。テレビをつけるがチャンネル数はあまりない。こういうへんぴな土地だと仕方ないか。
今日は思ったほど走れなかった。ハイウェイがまさかあんな道だとは。345マイル(552km)止まりに終わった。明日は早起きして、ヴァルディーズに行かなくては。9時出航なので8時半には着いておきたい。空きがなくても街中をぶらつく時間ができたと思えばいいだろう。12時前に就寝。
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