テヘラン発ダマスカス行き中東横断特急列車　01/06　-テヘラン出発

2003/12/15 - 2003/12/25

中東での国際移動の主たるの交通機関はバスと飛行機だが、一部では鉄道での越境は可能である。2003年年末、イランからシリアへと列車で向かったわけだが、3泊4日の列車の旅を紹介したい。

　2003 年12月当時、テヘラン発ダマスカス行きの列車は毎週月曜日の週一本しか出ていない。イランはシリアに面していない為、一度トルコへと進路を取り、その後南下しシリアへと進む。3泊4日もかかるので、どのくらい離れているのかと後に地図で距離を調べて見たが、凡そ1,500ｋｍだ。谷間を縫うように走るので、実際の営業キロはこれ以上あるが、それでもお世辞にも評定速度が速い鉄道とはいえない。しかしながら寝台料金は約5000円、破格の値段だ。所要時間がかかるので一般旅行者には使いにくいが、貧乏旅行をする人であれば十分使う価値はある。

　列車は１８：３０にテヘラン駅を出発するが、列車は国内線の駅の横に位置する国際線専用のコンコースが基点となる。国内線と大きく違うのは、乗車する際にパスポートコントロールと荷物のＸ線検査等が行われる。　よって時間ギリギリに駅に行ったのでは列車に間に合わなくなるので十分時間に余裕を持って駅に行ったほうが好ましい。

　さて、列車だが、客車は全車寝台車、この他に食堂車も利用できる。但し、少なくとも2日分の食料の買い込みは必須だ。理由は後述するとしよう。

　寝台車の乗客は約98％がイラン人だ。国境でのパスポートコントロールの時にわかったことだが、イラン人以外の外国人はシリア人が3人、そして日本人の私 1人しかいない。列車はイラン人たちのシリアへの、いわば出稼ぎ列車としての様相が強い。イラン人がシリアに出稼ぎに行く・・・、それを聞いて信じられない人もいるだろう。イランは石油も出る資源豊かな国、一方シリアは資源のない国。しかしながら現実にはイランよりシリアのほうが国力が上で、多くのイラン人がイラン人同様のイスラム教シーア派の多いシリアへと出稼ぎに行っているのだと、イラン人が話していた。

　とは言え、私の周りで「出稼ぎ列車」の乗客は、クルド人とアラブ系のアッバース人が多かった。ペルシャ人と違う彼らはイランでは仕事に就くのが非常に厳しいゆえにシリアを仕事場に選んでいるのだろうか？隣国トルコのほうが国力もあり、お金を稼ぐにも良いように見えるが、トルコではクルド人への差別が根強い。その為に彼らはトルコを越えてシリアへと流れていくのであれば、理由としては頷ける。

　客車は四人個室、きれい好きのイラン人らしく車両は清潔だ。乗客は出稼ぎ労働者とゆえか現地で売りさばく商品を多く抱えている為、殆どの人が抱え切れぬ程荷物を持っている。そんなイラン人達ばかりの列車に乗るものだから、日本人の自分は目立ってしかたない。個室では一家族と一緒だった。二十歳の息子を連れたクルド人親子だ。彼らもまた多くの荷物を抱え商売のためにダマスカスへと行くということだった。幸い青年のハミドが多少英語ができたので彼を介して彼の家族やグループの人達と話し仲良くなることができた。

エリア イラン

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス タクシー
• 航空会社: マレーシア航空

人口800万人の大都市テヘラン。ゴチャゴチャしています。歩道までフツウにバイクが走ってきます。

テヘラン南バスターミナル
バスターミナルから各地にバスが出ています。