2002/09/20 - 2002/10/05
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ハイペリオンさん
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大型車が行き交う国道を数十キロも走り、あぜ道に近い悪路でお尻をバイクのリアシートに存分に叩きつけ、道のない丘を雑草を掻き分けて登り、性も根も尽き果て寸前の僕は、ホテルへ帰ってベッドに横になりたい気分だった。バイクタクシーの運転手もいくらいい金になるとは言え、いい加減疲れていただろう。
しかし、運転手は変に気が利く男で、銅塔を見終わってクイニョンのへ帰る途中、トゥイフォックの街でバイクを止めた。運転手が指さした方向に、四角い塔の上部が見えた。フンタンだ。この塔の存在は知っていたが、正直言って「もう帰ろうよ」と言いたい気分だった。しかし、せっかく停めてくれたのだから、最後まで「遺跡好きの日本人」演じることにした。
一号線から人が行き交う路地に入り、数十メートル進むとフンタンの入り口があった。周囲は商店があったりしてなかなか賑わっている。
塔は金網で囲われた敷地内に大小二つあり、どちらも直方体だ。フランスの研究者によると、最も高い塔が真ん中になる形で、三つの塔が並んでいたという。
両方とも屋蓋が身舎からせりだしていて、頭でっかちだった。フンタンは、カンボジアのクメール民族の建築様式を採り入れたものだという。確かに屋蓋に尖塔がなく、頂上に向けて少しずつ小さくなっていく七層の構成となった形は他の三つの塔とは明らかに異なっている。また、三つの塔というのも他のチャンパの建造物とは違う。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 高速・路線バス
- 航空会社
- キャセイパシフィック航空
-
補修作業は完璧で、レンガの剥がれも全くない。敷地の中は掃除が行き届き、花壇にはきれいな花が咲いていた。五、六歳の女の子が花を持って真っ暗なお堂の中を見つめていた。
今まで見てきた三つの塔とは明らかに雰囲気が違う。ここは、今も人々にとって祈りの場なのだ。中に祀られていたのがどんな神様でるのかはわからない。が、祈りに来る人たちにとってはそんなことはどうでもいいことなのだろう。祈る対象さえあればいいのだ。いいかげんというか、おおらかな本質主義というか。ここらへんは、何でもかんでも神様にしてしまう、我々日本人に似た宗教意識を持っているような気がする。
人々のこまやかな愛情を受け、この塔だけはいまもひっそりと息づいている。
(写真は背の高い塔の偽扉。偽扉は、チャンパの建造物の独特の技法である。つまりこの塔は、クメールの様式をベースにしながら、チャンパの様式を所々に入れた塔ということになる。)
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