2007/01/08 - 2007/01/08
4563位(同エリア4975件中)
BO/Mさん
期せずしてハノイでクラシック音楽のコンサートに行く事が出来た。僕は学生時代丸5年間程、渋谷の「名曲喫茶・渋谷らんぶる」と言うクラシック音楽ばかりかける喫茶店でアルバイトをしていた。台湾留学を挟んで前後含め、総合計日数で、延べ5年間くらいの計算だ。そこで、毎日1700時から2320時頃迄、土日祝祭日含め365日毎日、クラシックを聞いて過ごした。決して元々クラシック・マニアでも楽器が出来る訳じゃない。ただ、その場所が「居心地が良かった」からだ。そして少なからずクラシックに親しむ時間を得て、20年近く経った今でも何か流れていると、メロディーを追う事が出来る。来客の多くは学生オケ所属者、クラシック・マニア、そして文学好き。当時は、新宿「白鳥」、都内各所「らんぶる」(有楽町、高田馬場)、道玄坂「ライオン」、等がそうしたクラシック音楽ファン集いの場だった。
今日、偶々オペラハウス前を夕方1940時頃通りかかった。本当に偶然である。すると、ダフ屋がチケットをかざして、買わないかと熱心に迫る。待てよ?オペラハウスと言う事は、コンサート、演目は?
本名徹二(指揮)、ベトナム国立交響楽団、ダン・タイ・ソン(ピアノ)ロッシーニ序曲(アルジェリアのイタリア娘)、ショパン・ピアノ協奏曲1番、休憩後、チャイコフスキー交響曲第5番。
結果、100000ドンでチケットを得て最上階(3階建て3階舞台向かって左端)の席へ。(正価15,000ドンだったが開演直前で売捌き現金化したかったのだろうと思われる)
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
-
今日はベトナム語の授業初回、歴史博物館内別棟にて授業を1930時終了、その後、普通に帰る積もりで、食事でもするか、とソフィテルやヒルトンのあるオペラハウス前を通りかかりました。すると、思わぬハプニングで、あのダン・タイ・ソンのピアノを生で聞く機会を得ました。
ダン・タイ・ソンは1958年に詩人の父と音楽家の母の間にハノイで生まれ、母の影響でピアノを始め、その後戦争の不幸な期間を経てロシアでピアノを習い続け、結果22歳にしてあのショパン・コンクール(第10回)優勝、その他幾多の賞を総なめし、アジア人初めてのショパン・コンクール覇者となりました。当時、天才イヴォ・ポゴレリッチは予選落ち、アルヘリッチが確か、席を蹴って審査員を降りた、なんて騒動も有ったはず。ポゴレリッチはその美貌や演奏スタイルで日本の若者を魅了し、僕らも「らんぶる」にイエローレーベル(ドイツ・グラモフォン)のポスターを貼って演奏をLPでかけたものです。(←今や、鬼才?奇才の名を欲しいままにしている・・・坊主頭は、当時の長髪美男子からは想像出来ないが!)
そう言えば、コンクール覇者だったダン・タイ・ソンのレコードって知らなかったなあ、印象に薄い。
生でオーケストラを観に行くのは、確か1985年9月11日(だったと思う)NHKホールでレナード・バーンシュタインとイスラエルフィルの、ブラームス・交響曲第1番、ウェスト・サイド・ストーリーの本人指揮!(←バーンシュタインが作曲してるんですよ)以来、実に20年以上ぶりの事です。
さて、ショパンコンクール覇者、ダン・タイ・ソンが優勝したのは1980年、その後年月を経ておりますがまだ第一線の世界的ピアノ演奏家として活躍中。
本日の入りは9割です。 -
ハノイオペラハウスは、劇場舞台上の冠が示すとおり1911年建造、実に95年もの年月を数えています。900席で僕は3階席左端(E07)に座りましたが、上から見下ろしてなかなか迫力のある演奏が、ドーム型の天井反響により臨場感溢れて聞こえてきます。今回、ハプニング的に初めて入る事が出来ましたが、今後足繁く、こちらでのコンサートの様子をお伝えする事も、出来そうですし、何よりこんな幸せが味わえる事を知ってしまった以上、もうオペラハウスのスケジュールからは目が離せません。一つ、駐在の楽しみが増えました。画像はその天井真上から架かっている大シャンデリアで、とても煌びやか、豪勢です。楕円形に舞台に向かう客席も、二階席は個室形式になり、なかなか贅沢な作りです。僕は今後、3階席からの眺めを中心に色々な演目を楽しんでゆきたいと思います。但し、バレエの時は、端では無く、多少無理をしてでも真ん中、を取ろうと思いますが。
演目の一曲目、ロッシーニ序曲では、クラリネット奏者が光ります。(Trinh Tung Linh) まだ若い奏者で将来が嘱望されます。 -
演奏前に、色々な場所を撮ってゆきました。勿論フラッシュはたけません。採光量を多くして、明るさアップで頑張って撮りましたが、それでもなかなか良い絵は撮れませんでした。とてもクラシカルな建物を綺麗に遺して今でも鳴る箱としてきちんと整備されている点、とても感激しました。椅子や調度品も古いままで、良き時代を思い起こす、素敵な建物です。何しろオペラハウスとしての鳴りが、3階である事を忘れさせる程に良く共鳴し、鳴り響くのが良かったです。お陰で端に座っている事によるデメリットは感じさせず、むしろかぶりつきで手摺に手を置き、見下ろして奏者達の様をつぶさに観察出来て、興味深かったといえます。ホルン奏者で一人、本日体調不良なのか、咳が止まらず、結果ダン・タイ・ソンとの協奏曲一番は殆ど吹けず、と言う方が居ましたが、それが結構気になりましたが。(3階ならではの観察視点)
-
幕間、ダン・タイ・ソン演奏が終わると、残念ながらチャイコフスキー・交響曲第5番を観ずに帰る方が多かった事は印象に残りました。国家級芸術家ピアノ演奏が終われば、もういい、とでも言うのでしょうか?
チャイコフスキー交響曲第5番が始まる時、大体7割くらいに席に隙間が目立ちました。
確かに、ダン・タイ・ソンの演奏は絶品でした。魂が震える、と言うか肌が粟立つ感動を、久し振りに味わう事が出来ました。これだ!、この感じだ!、と何か本当に、「生きていて良かった」と思えるものがずっしりと胸に残った演奏でした。アンコールの拍手鳴り止まず、即興でショパン(演目分からず、とても有名な曲です)を弾いたのですが、それももう、聴衆を完全に虜にして、再度割れんばかりの拍手の中、去ってゆきました。
何と言うか、派手さは無いのですが、本当に奏者として技が優れている、滑るか、舐めるように鍵盤を指が這うのを、上から圧巻されつつ、観ていました。もう少しで、涙が頬を流れてゆきそうな感動、でした。 -
さて、演奏を観に来ていた人々を観察しましょう。おじいちゃん、おばあちゃんが多く見られました。そしてその付き添い的な、中年の方。また、安い席(僕の席の周り)には、お母さんと息子、娘。情操教育の一環か、はたまた将来のダン・タイ・ソン目指してピアノのレッスンを受けている子か。中には演奏に合わせて鍵盤の指使いをする子もいましたが、一番上から見下ろす僕にはその指の動きが視界に入り、正直邪魔で煩い動きでした。そうした子が何人か居ましたが、うち一人はほぼ完璧に両手で追えていたのは、確かですが、いざ鍵盤を前にして同じだけ指を走らせる事が出来るか否か、はどうでしょうか。
さて、おじいちゃん、おばあちゃん、母子以外は、と言うと一回の真ん中あたりでは、いわゆる西洋人の男女一組、と言うパターンが目立ちます。そして、政府要人とそのご子息達でしょうか、特に芸術や音楽とは関係の深くなさそうな面々も居り、ちょこちょこ動いては3階席からは後ろの人に迷惑をかけているな、と言う視点で、気になりました。
静かに寝ている者はまだしも、中には何かを食べたり果ては携帯を取り出してメッセージのチェックを延々している者も居て、驚きました。 -
チャイコフスキーの交響曲は、4・5・6番が非常に有名で、感動的でも有ります。そして、バン!、と一瞬音が消え、次の瞬間に又オケが響きだす、例えば第2楽章の途中にも、そういう一瞬が有ります。その、感動の一瞬、完全に無音になった所で、携帯電話がピロリィ〜♪ピロリィィリィ〜♪、と間抜けな音を立てたのには、もう腹立ちを越えて怒りに近い不届きさを覚えたのは、僕だけでしょうか?もう噴飯モノです。一瞬のその間、をオケが最高に合ってキメた時・・・ですから。マナーは、もっとしっかりと守るべきだし、守らせるようにしなくては、演奏が死にます。
その一瞬、何だかちょっと緊張が崩れたように僕には感じました。管楽器の鳴りがイマイチ抜けない気がしました。(ホルン奏者氏、矢張り途中で何度かハンカチで鼻口を覆い、咳を繰り返し演奏になっていませんでした。第一ホルン、第一クラリネットは最高に良かったのですが・・・。)
ただ、久し振りのチャイコフスキー・交響曲第5番、矢張り生は最高、でした。色々と難点(観る側のマナーの問題が大半です)は有りましたが、総じて良かった。貧相な言葉しか並べる事が出来ず、その素晴らしさを言語表現出来ていない事に歯痒さを感じますが、心に残り、身体中に突き抜ける音の塊!、これからも機会有る度に、オペラハウスに通う事になりそうです。 -
思わぬ生オケと、素敵な演奏で劇場を出たのが2200時過ぎくらい、さて、腹が減ったといつものイタリアンレストランでいつものポモドーロ+ニンニク入れて、をたのみ、さっさか食べてホテルに戻りました。
戻ると、おじいちゃんオーナーが奥から出てきて、おお、戻ったね、僕も妻とさっき、戻った所さ、今日は遅くなってね、オペラハウスで音楽を聴いて来たんだって! 思わず、抱き合いました。 本当!、僕もだよ、ダンのピアノ、凄かったね!、あのアンコールも素敵だったね、泣きそうになっちゃったよ、そう、一緒に居たんだね。おじいちゃんは、おばあちゃんと一緒に二階席でご覧になっていた様です。
画像は、3階から2階へ降りる途中の、鉄製の古い手摺と、その向こうに見える照明。
おじいちゃんは、僕もオペラハウスに行っていた事を非常に喜んでいました。僕も、同じ音色と感動を共有出来た人が、こんな身近に居た事に喜びを感じた次第です。
次回は、1月12,13日、Gala Concert & Ballet.
Felix Mendelssohn/Piano Trio in D minor.
Johannes Brahms/Vier Zigeunerlider, op.112 for Choir
Ballet/West side story.
(Cond.Daniel Perkins/U.S.A.)
(Choreg.Lisa Travis/U.S.A.)
With VNOB'sOrchestra & Chorus.
VNOB/Vietnam National Opera & Ballet.
だそうです。
これまた偶然、ホンモノのバーンシュタインが振った、ウェスト・サイド・ストーリー以来の同曲、今回はバレエとして観る機会を得るなんて!
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
ハノイ(ベトナム) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
7