2006/09/06 - 2006/09/16
18604位(同エリア22484件中)
ロバ耳さん
海外旅行だからって別に気を使わない人間の、肩のこらない旅行記。
誰も注目しない村にスポットを当てました。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- レンタカー
- 航空会社
- デルタ航空
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「サンセバスチャン」の街をでてしばらくすると、車を運転することすら苦痛に感じるほどのものすごい睡魔に襲われた。(トンネルを抜けて雪国云々のノーベル賞小説を少しだけ意識した書き出しです)
路傍に車を停車して、思考の停止した頭をシートに押し付け、目を閉じ考えること15分。でてきた結論と言えば「そうだ、アルタミラ洞窟に行こう」でした。
昨日、散々な目にあったけど、この機会を逃したら一生アルタミラを訪れる機会は無いのではないかと言う、かなりまっとうな予感のもと、「アルタミラ洞窟」を再び目指した。 -
気難しい建物特有の「室内撮影禁止!!」に阻まれ、写真を撮ることはできなかったけど、確かに「アルタミラ洞窟」征服!!しました。
感想は?と問われれば、予想通りの型にはめられた内容だったけど、はるばるこんな田舎に海外からやってきたというシチュエーションに自分自身で感動した。
この写真は、ミュージアムからみた、周りの風景の写真です。どうです?とんでもないところでしょう? -
『アルタミラ』を征服した旅人に、もはや恐れるものは何も無かった。ただ一つ年老いたお袋の小言を除けば・・・
アルタミラの付近には、それを目的にした宿泊場所がそれなりにありました、が、そこに宿泊してしまったら最後、余りの田舎の為、宿でご飯食べて宿でお酒飲んでそれじゃ就寝、だろうなという宿ばかりでした。
スペインには他にも楽しい場所がたくさんあります。
アルタミラ周辺に宿泊することは、余りお勧めしません。 -
「CANTABURIA」
今でも僕の記憶の中に、子供の時夏休みに観察した朝顔のつるのよう、にやさしく絡みつく思い出。
その時僕はN623という道を何気なく南下していた。
太陽の勢いが少し弱くなった午後4時位だったと思う。
車の窓からふと見かけた「4星ホテル」の看板。
別に急ぐ旅でもないし、この辺りで泊まってゆっくりするのもいいか、と思い偶然立ち寄ったほんとうに小さな小さな村『PUENTE VIESGO』
僕はこの村のことを一生忘れないだろう。
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ホテル以外には2〜3軒の飲み屋兼レストランと、やる気を全く感じないお土産屋のような雑貨店のような店舗。教会と猫の額ほどといい表すのがふさわしいこじんまりした広場があって、歩くのに適した舗装路があって、その周りにごくごく当たり前の民家があって。
どうしょうも無いので、雑貨屋で色あせた絵葉書を買って日本にいる家族と、アメリカにいる友人に拝啓から始まる手紙を書いた。 -
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何故か機関車が。
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何故か猫が。
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猫の多い村でした。
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メルヘン、という表現を使用する気恥ずかしさを差し引いても、「メルヘン」としか言い表せないようなちいさなちいさな村でした。
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全くもって意味ワカラン。
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宿泊したホテル。
一人チョットブロークンだけど、流暢な英語をしゃべるお兄ちゃんがフロントにいて「よっしゃ!お前の為にいい部屋用意してやるよ」って言って案内された部屋がダブルベッドのすごい部屋。浴衣じゃなくてバスローブまで2着用意してあるし。
何日か前、「サンティアゴ」の汚いアパートで足の裏汚しながら「俺いったい何やってるんだろう?」と思っていたのがまるで嘘のような環境の良さ。 -
8時なのにこの明るさ。
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スペインの町村に必ずある広場。
この村の広場は、この村の大きさに合わせてたったのこれだけ。それでも広場を造ることに意義がある、スペインの街づくり。 -
この街も「巡礼の道」の亜流なのか、ホタテの彫刻が教会のドアの壁に施されていました。
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ほんとうに猫の多い村でした。
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人面魚+筋肉マン=この写真
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『言葉の前にまず感情ありき』だ。
幾ら難しい言葉を使おうが、単語・熟語はたまた言い回しを知っていようが、自分が思ったこと感じたことを、他人に100?理解してもらうことは不可能なのではないか?人間の感情の複雑さに比べたら、言葉は余りにも単純だから。
なぜこんな小難しい事を書いたかというと、観光大国スペインの中の数多ある観光地の中で、果たして観光地かどうかも怪しいこの「PUENTE VIESGO」の村に、僕がどれ程心惹かれたかをわかってもらいたい、という気持ちとそれでもわからないだろうなという気持ちを書き表したかったからです。
この「PUENTE VIESGO」の村を誰か人に勧めることはできません。ともかく何にも無いちいさな村ですから。ただ時間はゆっくりと流れていました。
騙されてみたい人は一度訪れてみてください。
この写真は夕食の時一番最初に出てきたパンの写真。
硬くて味のあるパンです。 -
その日も何時もの如く、優雅に夕暮れ時のお散歩を楽しみ、地元民しかいないBARに入り地元民に無用な警戒心と好奇心を与えつつ立て続けにワインを3杯ほどあおり、とりあえず身近にあったレストランに入った。
お勧めワインを適当にボトルで頼み、「海老の塩炒め」をつまみにグラスを傾ける。
カリカリパリパリ感があんまりなくって、う〜ん、どうでしょう、な味でした。決して不味くは無いのですが・・「サンティアゴ」の汚いレストランで食べた時のインパクトが強かったので、とりあえずイマイチということで。 -
次に出てきたのは問題のこのスープ。
初めの一杯目はおじさんがサーブしてくれて、後は勝手にやってくれよということらしいのですが、結構量ある。スープ皿に4〜5杯分くらいはありそうだ。
問題のお味のほうですが・・・・
一口目の第一印象ですが、なんとなくカレーを作っていたらカレー粉が足りなかった時のようなお味が・・・
なんて思いながら飲んでいると、何だろう?このコクは?しつこくも無く、さっぱりでもなく、これは・・・凄いな。 -
料理を食べて「凄い」と感じたのは生まれてこの方、この時だけである。ウマイ!とか最高!!とか思った事はあるけど。
食べている最中から「このスープは僕が今まで食べた中で最高のスープだな」と確信を持つことができました。
「Sopa de Pescado」と言うそうです。
直訳すると{魚のスープ}だけど魚だけじゃなくてイカ・タコ・アサリ等々色々な魚介類が入っていました。
「Sopa de Marisco」と言う直訳すると{魚介類のスープ}のスープもありますが、どう違うのだろう? -
感動の余り、4〜5杯分のスープを一気に飲み干すと言う、料理漫画にありがちなベタな飲み方をしてしまい、はっと我に返るともう結構腹いっぱいな自分がいる。メインディッシュがまだだというのに・・・
日本人の美徳「腹八分目」を心がけようと思い、メインの肉料理を半分残す決心をする。
そして写真のこの料理「牛フィレステーキのレバー載せ。ホニャララソース掛け」の登場である。
たっ、大変だ。美味すぎる。レバーの濃厚さ、ソースの甘み、そして何より牛肉の美味しさ。止りません。結局フレンチフライ以外残さず美味しく頂く。もう満腹。
この夜は結局「酒の一滴は血の一滴」と幼少時代から厳しく教えられてきた僕にとってワインを残すと言う前代未聞の罪を犯し、ベルトの穴を一つ緩めつつそそくさとホテルの部屋に退散した。 -
その時のレストラン。一応気を使って英語メニューを持ってきてくれたんだけど、う〜ん、その英語訳が全く出鱈目。デザートの欄に牛フィレのステーキとか載っているし。ともかく、それ位外国人観光客に縁の無い、素朴な村のレストランでした。
が、しかし料理は馬鹿ウマでした。スペイン滞在中この村が一番の村で、このレストランが一番のレストランでした。もう一度スペインに行く機会があれば、この村に幾日か滞在し、このレストランで幾度か食事を取ることになるでしょう。それ位、お気に入りです。
その時サービスしてくれてたウエイターさん。 -
次の日の朝、全く食欲を感じないままホテルのレストランにバッフェスタイルの朝食を取りに行く。
どうせ宿泊費に含まれているのだからもったいないという庶民的理由により。
朝食はごくごく普通のバイキング。オレンジジュースがあってパンがあってハムがあって。ようはそんな感じ。
が、しかし目玉焼きがムチャウマ。玉子の黄身が葉山の海岸に沈む夕陽と同じくらいのオレンジ色。濃厚、とはまさにこの玉子にふさわしい形容詞。多分この田舎村の取れたて玉子なのでしょう。完全にノックアウト。
写真は朝食後のお散歩で見つけた意味深な石像の写真。 -
さて、名残惜しいけど出発です。
美味しい料理、美味しいワイン、きれいな景色、やさしい時間、親切な人たち。
この村には僕が今回のスペイン旅行に求めていたもの全てがありました。
振り返ってみると、この村に滞在していた時がこの旅行のピークだったと思います。
写真はホテルで唯一英語をしゃべる『親切なパブロ』君です。いい思い出を作ることができたのも、彼に負う所大です。
というわけで、この旅行記は『親切なパブロ』君に捧げます。ありがとうパブロ!
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