2006/09/09 - 2006/09/10
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ぼすとんばっぐさん
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フランス南西部、美食材の宝庫ペリゴール地方の田舎に個性的な建物が建ち並ぶ町『サルラ』がある。旅行前から好奇心をかきたてられ、どうしても訪ねてみたかった町。観光地らしく作り込んでいる気配はあるものの、思い描いていた期待を全く裏切らなかった!シブすぎる。
※交通アクセスについては別の旅行記に記載していますので宜しければご覧下さい。
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス タクシー
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スーイヤック駅から国鉄バスに乗り、緑いっぱいの田舎道を走ること約40分、15:39サルラ駅に到着。ここから旧市街までは約20分程歩く。ごく普通の町景色を抜けると、サルラの古い建物群が登場。ここだけ保存地域らしく、別世界を作り出していた・・・!
観光は後程にして、とりあえずホテル探し。
「まぁ、どっか空いているやろ」と気軽に構えていたのだが・・・。
9月のフランスはハイシーズン。大荷物を持ったまま地獄のホテル探しが始まる。カフェで優雅にお茶している外国人観光客の前を大荷物を持った汗だくのアジア人が何度も行ったり来たり・・・。この後もう観光しなくても良いのでは、という程町を歩き倒すものの、ことごとく空いていない。ウソ〜ん・・・。最後はインフォメーションに飛び込みホテルの手配を頼むが、旧市街内は全ホテル満室、新市街で徒歩20分のところなら空いているとのこと。歩き倒す中、たまたま旧市街で1軒見つけたので「89ユーロ」と聞き一旦断るものの、もうそこに決定。脱水症状寸前の気分。サルラもやはり暑かった〜!! -
唯一、1ルームだけ空いていた『La Villa des Consuls』の入口。レピュブリック通りから坂道を上がった静かな通りの中にある。サルラには大型ホテルがなく、小さいホテルばかりなので、ハイシーズンは予約をしていくべきですね〜!
『La Villa des Consuls』(☆☆☆)
住所:3,rue Jean-Jacques ROUSSSEAU-24200 SARLAT
電話:(+33)(0)5 53 31 90 05
http://www.villaconsuls.com -
どうやらスタンダードは満室で、デラックスが空いていたらしい。部屋は1人ではもったいないくらいの広さ。ホテル自体新しく改装されていてキレイ。(しかし入口ドアの立て付けが悪く、鍵をかけるのに苦労した)1泊89ユーロ(食事なし)。可愛い部屋なのでこの値段でもまぁ、いいとしましょ。
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お風呂もキレイ。しかし、シャワーカーテン代わりにガラスの仕切りがオシャレに設置されているが、仕切りの意味を全くなさず。どうシャワーを扱っても風呂場は水浸しにになり・・・いっそのこと仕切りはいらん。
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居間のようなスペースもあった。ソファの右側にはプチ階段があり、上ってみると・・・
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小さな窓からサルラの古い屋根が広がっていた。旧市街にいるという感じだなぁ。現在の時刻は17時を少し回った頃。先程のソファで少しの間仮眠タイム。
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18時頃から観光開始〜!まだまだ日は明るい。階段を下ってレピュブリック通りへと向かう。レピュブリック通りを挟んで向こう側がメインの観光地。
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もう、どこをとっても絵になる。到着した当初「観光地くさい」と思いはしたものの、歩いていく内にどんどん魅力に嵌っていった。正面に見えてきたのは‘サン・サセルド大聖堂’。
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『Cathedrale SAINT-SACERDOS 』
サルラ旧市街のメインに堂々と建ち、どこからでも目立つ。塔は12世紀に建てられ、教会内部は16〜17世紀にかけて作り直されている。メインゲートや中にあるオルガンは18世紀のものらしい。時間が遅かったので見学出来なかったのが残念。 -
左側はサン・サセルド大聖堂のバットレス。ゴシック様式の繊細さは見受けられないが、シンプルな図太さが個性的。
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静かな坂道を登って行くと、12世紀に建てられた円錐の建物『死者の角灯』が見えてきた。(写真右側)
『lanterne des morts』(死者の角灯)
伝説に寄ると、1147年聖ベルナールがフランス南西部を布教中、サルラに立ち寄って説法したことを記念に建てられたものらしいが、歴史記録にはっきりと残っていないため謎も残す。
14世紀になるとこの建物は霊安室として使われ、後方にはサルラで初めての墓地が出来たらしい。 -
写真左にある十字窓の建物が、サルラのメイン観光写真に必ずと言って良い程登場する『ラ・ボエシの家』。有名と知らなくても、ハッとさせられる味のある建物。旧市街の中でも一際目立っていた。
※ラ・ボエシ(Etienne de La Boetie 1530-1563)はモンテーニュと親交があった詩人。彼はこの家で1530年に産まれる。家は父により、1525年頃にイタリア・ルネッサンス様式を取り入れて建てられた(1910年に修復)。ラ・ボエシは、このサルラでフィレンツェ司教との関係を通し、ヒューマニズムへの関心に目覚めたらしい。 -
このサルラは映画のロケ地として使われる頻度が高く、この写真の場所も良く映画に登場するとのこと。本当に中世の町並みにタイムスリップした気にさせてくれる、現代的喧騒を見せないという意味でパーフェクトな町並み。
塀の上に目を凝らすと、誰かが座っている・・・。 -
塀の上に座っていたのはブロンズで作られた彼。思わず話しかけてしまいそうになった。誰かモデルがいるのでしょうか?
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ブロンズの彼の横を通り過ぎると、ガチョウ広場に到着。サルラはフォアグラの名産地でもあり、町のいたるところに缶詰に入ったフォアグラが売られている。この後知らずの内にフォアグラデビューをすることに・・・。
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同じく別の時間に撮ったガチョウ広場。正面奥に隠れ気味に見えるのは『HOTEL DE PLAMON』。14世紀に建てられ、15世紀にプラモン家のものになった。17世紀に、Pierre Tapinoisがこの家を購入する。1950〜1970年にかけて修復され、保存建築物の良い例として用いられるそう。
良く見ると、構造の違う建物が繋がっていますね。
面白い〜! -
サルラには個性的な建物が本当に多い。
ルネッサンス様式を含め、幾世代の様式が混在している。しばらく建物に注目〜! -
『Hotel de Maleville』
アンリ4世の行政官、Jean de Vienne(1557-1608)によって1594年に建てられた邸宅。中央塔は階段になっていて、この周りに構造の異なる建物が接続されている。 -
今まで見たことの無い構造の建物がわんさか。
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この段々は補強の為に作られたのかな。
インパクトがあって目立った。 -
シンプルだけど個性的。
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左の建物もオモシロイ。
サルラは小さい町だが個性がギュっと詰まっている。天然自然の町並みを求める人は少し不自然さを覚えるかもしれないが(なんだかんだ言ってもやはり観光地)、あちこちでオモシロイものを探しながら十分楽しめる。町自体は1日あれば観光出来るが、この雰囲気に数日間浸っていたいと思わせる魅力的な町。 -
カフェ、レストランも沢山ある。フランスではお馴染みのテラス席。サルラに来て店内での食事はもったいない。
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静かな小さい路地にもカフェが。沢山カフェや土産物屋があっても、雰囲気は壊されていないので町並みはシブイ..。(以前、世界遺産になった中国麗江を訪ねた時はあまりにも「観光客さん、いらっしゃ〜い。商売頑張んべ。」というムードで少しがっかりしたが、サルラは節度がきちんとなされている。)
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こんな路地を一度歩いてみたかった!
中世へタイムスリップ☆ -
町中いたるところから見えるサン・サセルド大聖堂。飛行機雲だワーイ、写真パシャ。ふと自分を振り返ると、首からカメラをぶら下げ、片手にはガイドブック、アゴを突き上げてキョロキョロ浮かれている。いかん、観光客丸出し過ぎる!この先気をつけねば。(と言いつつ気が付いたら度々この姿に..)
サルラの治安は比較的良いと思う。観光客がほとんどを占め、建物は古いがガラの悪さなどは全く感じなかった。
夜になり人通りが少なくなると、清掃車がやってきてゴミを回収し始めるなど、町の美化もきちんとされていた。 -
サルラが繁栄した都市になったのは8世紀終わり頃と言われ、9世紀に入るとベネディクト修道会がこの土地に修道院を建て、修道院は937年にローマ教皇庁の直轄になる。
そして‘百年戦争(1337〜1453)’が勃発した時は、フランス側とイギリス側の最前線地域となり、町は損害を受け、人々は荒れ果てた建物を修復し、攻撃に備え補強して行く。
1360年に結ばれたブレティニィ和平条約により、サルラは一時イギリス領になる(エドワード3世の、フランス王座を放棄する代わりにフランス南西部をおくれ、という欲求が認められる)が、約10年後イギリス人を追い出しフランス領へと復活。
1453年に百年戦争が終わっても今度は‘宗教戦争’に巻き込まれ、町がまた荒らされていく。
町が荒れ果てる度に修復・補強・増改築が繰り返され、今に見る独特の建築物が出来上がったらしい。全壊を免れ、奇抜な形ながらもきちんと町が残っているのは住民の努力の賜物だった・・・! -
アンリ4世の時代と共に町には平和がやってきて、16世紀〜18世紀にかけて町は再び繁栄していく。しかしその後、主流から外れ、田舎にポツンとあるサルラにはひっそりとした活気の無い静かな時間が150年間流れた。うたた寝をしていたと言われる時間。今からわずか数十年前、サルラ近くに鉄道が敷かれてから町は再び活気を取り戻していく。
1962年8月4日「マルロー法」適用第1号の都市となり、財政援助を受けながら町は修復され、各地から注目される都市になった。
※マルロー法・・・歴史的な建物、町並みを保存する為の法律。文化相であったアンドレ・マルローが提唱。
サルラ観光協会HP
http://www.otspn.com/cgi-bin/WEB/default.asp
http://www.sarlat.fr/(サルラMAPで建物の説明有) -
ぐるりと散策してホテルの裏側に出た。
ドアの上には悠々と座る猫が。 -
リベルテ広場。ここで開かれる土曜市は有名。
近くの店でフォアグラの缶詰を物色していると、陽気な日本人が入ってきた。なんと『Hotel de la Mairie』のオーナー(最初このホテルを探していたが場所がわからず断念)。「ホテル、どこにあるんですか?」と聞くと市庁舎の真横!何故わからなかったんやろ、私。フォアグラのアドバイスを頂いて、その後、ビールを一杯ご馳走に。おまけに久しぶりの日本語、ホッと出来た〜☆
お礼にホテルの宣伝をさせていただきます。
『オテル・ド・ラ・メリー』
住所:13 Place de la Liberte-24200 Sarlat
電話:05 53 59 05 71 Fax:05 53 59 95
メールアドレス:contact@hotel-marrie-sarlat.com
http://www.hotel-mairie-sarlat.com
オーナーの鈴木 勝さんは、プロのアルピニストで世界有数の山を制覇してきた経歴の持ち主。某テレビ局のフランス支局に長年勤務、サルラへやってきたのが実は数ヶ月前とのこと。この町に来て一目ぼれをし、ホテルを購入したのだそう。現在フランス人の奥様と一緒にホテルを経営している。部屋を見せてもらったが、全面改装されている為中は新しく、料金もリーズナブル!2つ☆ホテルだが、部屋に風呂がついていないというだけで内装は良い(ホテル内に風呂はもちろんある)。部屋数は少ないので事前に問い合わせしてみた方が良いと思う。もちろん日本語でOK。立地はモロ中心地にある為抜群。オーナーは気さくで優しく、旅の相談にも乗ってくれますよ! -
日が暮れる直前の市庁舎。市庁舎の前にあるカフェは『オテル・ド・ラ・メリー』のカフェ。ここでビールをご馳走になっていた。サルラでもピカイチに目立っていたカフェをまさか日本人が経営していたなんて。お客も沢山。鈴木さん、凄いです。20時を回り徐々に夜がやってきたので、お別れを言い、夜の町を散策することに。
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灯りは電球ではなく、ガス燈。シブイ町が更にシブさを増していく。鈴木さんが言うにはサルラを訪問する観光客は圧倒的にイタリアやスペインの人が多いのだとか。外国人には受けているが、日本人は滅多に来ないのだそう。
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サン・サセルド大聖堂も味を出していく。
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ラ・ボエシの家もライトアップされ違った表情を見せる。
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『旧サント・マリー教会』。ガチョウ広場すぐ傍にある。この町出身のフランスの有名な建築家ジャン・ヌーベルにより、2000年に修復されている。
※ジャン・ヌーベル Jean Nouvel
パリのアラブ世界研究所や、東京にある電通本社ビル、バルセロナのトーレ・アグバールなどを設計している。サルラで育った。 -
ガチョウ君が主役。閉店後のおみやげ物屋。
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大量にあるフォアグラの缶詰。
フォアグラの高級な順番は
?ガチョウ
?かも
?アヒル
かもとアヒルは比較的手頃(1,000円以下で買える)、ガチョウは小さい缶で8ユーロから売っていた。
しかし、缶詰よりレストランで食べる方が断然美味しい。 -
全然関係ないけど、フランスのアイスクリームは美味しそ〜。地方によっては生果実が練りこまれているのもあった。
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サルラのみならず、今回旅した南フランスでは樽に入ったお菓子をあちこちで見かけた。
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リーズナブルな店を選んで夕ご飯。メニューを見てもイマイチわからず、とりあえずカモ肉と書いているコースを頼んでみる事に。前菜でこの写真のものとパンが出てきた。この写真の料理が何かはわからず、周りを見渡すとパンに塗って食べている。マネしてみたが、めちゃくちゃ美味しい!パンにも合う!美味しいペーストがあるもんだと感動して写真を撮ったら、後日、コレがあの「フォアグラ」というものだと判明した。恥ずかしながら今まで見たことすらなかった私。しかし、前菜にフォアグラだなんて、贅沢じゃあないデスか!?
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メインはカモ肉料理。これもなかなか美味しい。この後デザートも出てきて、コース料金は13ユーロ。ただでさえフランスの夕食は高いのに、この値段で、その上フォアグラ付となると相当安い&お得だと思う。サルラでは高額を出さなくても美味しい料理を食べることが出来るという情報は本当だった。
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美味しいものを食べて大満足。
写真はホテル近くの路地。
イヤ〜満喫したなぁと風呂に入ると、右肩には拷問されたかのようなアザがくっきりと・・・。
どうしたんやろ、このアザ・・・?あ・・・、カバン・・・!
明日からは無茶をしないようにしようと心がけながら、きっとでも走り回るのだろうなとも予感しながら、久しぶりのベッドでぐっすり眠りについた。
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この旅行記へのコメント (2)
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- おでぶねこさん 2006/12/09 11:35:50
- サルラ待っていました。
- ぼすとんばっぐさん。こんにちは。
サルラ旅行記UPですね。
楽しみにしていました。
やっぱりサルラはいいですよね。
オレンジ色の夜のサルラ…魅せていただきました。
ホテルもかわいいですね。
何と言うホテルですか?もし良かったら
教えていただけませんか?
コメント入るのを楽しみにしていますね。
では、また来ます。
おでぶねこ
- ぼすとんばっぐさん からの返信 2006/12/09 13:21:36
- RE: サルラ待っていました。
- おでぶねこさん、こんにちは!
サルラ、イイですよね!
私のストライクゾーンにモロ嵌ってしまいました。
サルラに到着したのが16時頃で、あっという間に時間が立ち、
夜のガス塔の風景がやってまいりました。
おでぶねこさんが行かれた時は日が暮れるのがかなり
遅かったんではないですか?
その分日中のサルラをたっぷり満喫出来ますね☆
宿泊ホテルは『La Villa des Consuls』3つ☆です。
サルラの旧市街にあり、1泊89ユーロ。パリ並みの驚き価格。
予約をしていかなかったのでここしか開いてなかったのです。
その分、可愛いホテルでしたよ(これで良くなかったら怒る)。
サルラの良さを伝えるのに私のコメントいらんかもと
放ったらかしにしていますが、その内UPしますので
また遊びに来てくださいネ−!
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