八角三重塔は修復されていた

2006/09 - 2006/09

久しぶりに塩田平を歩いてみた。

前の訪れから新たに出来たのは戦没画学生慰霊美術館「無言館」だけだ。
二十二歳からせいぜい三十歳くらいまでの美術学校卒業生の遺作や遺品を展示している。
とても切なくて、残念で、写真も撮らなかった。
（館内は無論禁止）
展示されている画学生が生きていれば同年代と思われる年配の観覧者がハンカチで涙を拭いながら食う入るように見て回っていた。
若い女性などでもしゃくり上げている人もいた。
東京美術学校卒業生が中心だが、外にも多くの戦没画学生はいたことだろう。
我が父も絵描きだから、出征して戦死していれば、彼等と同じ身の上だ。
しかも、私もこの世にいなかったはずだ。
繰り返すが、写真は撮らなかった。
撮らなくてもよかった。
無言館は人を無言にさせる。

その後、信濃デッサン館から村山槐多庵、前山寺、安楽寺と廻った。

エリア 別所温泉(長野)

信濃デッサン館。
関根正二、松本竣介はやはり好きだ。
野田英夫を発見してモダンさに驚嘆した。

それにしても槐多庵の荒廃ぶりには驚いた。
放置されている感じで、これなら観覧者も入るまい。
槐多のファンなら嘆くだろう。

前山寺三重塔。

前山寺三重塔。
未完だと言うが美しい。

前山寺本堂。
棟の高い見事な茅葺き屋根。

前山寺。

安楽寺の国宝八角三重塔が見えてきた。
木の間ごしに見上げる塔が一番いいと思う。
いつかの台風でひどく破損していたのをニュースで見て、とても気にかかっていたのだ。

こちらがわだと思うが、破損の跡が分からないほどうまく修復してあったのはうれしかった。