2005　オーストラリア旅記　0531-12

2005/05/29 - 2005/06/08

最後の力を振り絞って歩を進めようとしたときに、右足のふくらはぎに嫌な違和感が走る。

ま、まずい。

足がつる!

そのままどうしていいかわからずにバランスを崩して転倒した。
別の場所でやってたら、そのまま傾斜を転がり落ちて死んでたかもしれなかった。
転倒の痛みは相当なものだったが、足がつらなかったのが不幸中の幸いであった。

くそー、こんなのありかよ。

なんとか右足をかばいつつ立ち上がり、今度は慎重に左足から動かすと、今度は左足のふくらはぎからも独特の感覚が襲い掛かる。

待て待て待て待て待て。

頼むからつるなーっ！

もうその場に座り込むしかできなかった。

時計を見ると１７時４５分をまわっている。
頼むからもう少し耐えてくれ。

少し休憩して両のふくらはぎをマッサージする。
そして頃合を見計らい慎重に立ち上がる。

願うようにゆっくりと歩を進ませる。
いや引きずる。

逃げないように足にデカイ錘をつけられた囚人の気分である。

人生３５年分の罰ゲームの気分である。

だが、もうそこまで来ていた。

そして触った。

頂上にあるプレートを触ったというよりつかまった。

そのまま足の力が抜けてしゃがみこんだ。

そして笑いがこみ上げてきた。

いや、顔はうれしくて泣いていた。

何かを成しどけることがこんなに素晴らしいことだと知らなかった。

あまりのうれしさに携帯電話を取り出す。

なんと圏外表示が出ていなかった。

どうしてもこの気持ちを伝えたい人が日本にいた。

いざ発信すると、やっぱり圏外でつながらなかった。

・・・。

無理もないか。

ドラマのように決まらなかった。

エリア エアーズロック(オーストラリア)

ＬＯＭＯ登頂記念。