1998/04/10 - 1998/05/12
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buchijoyceさん
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駅近くibsに宿を取った。これに気をよくして駅に近いときはibsを利用するようになった。
まずびっくりしたのは駅の汚いこと。といっても駅舎ではなく、
あたり一面にゴミが散乱してること。あまりの散乱ぶりに、思わず隣にいた人に散らかったゴミを指差し、「(清掃人の)サボタージュ?」と聞いてしまった。
その人は済ました顔で「トゥージュール(いつも)」と答えた。
散乱しているゴミにレンズを向け、フラッシュをたいて写真を撮った。
駅員が不審そうに私を眺めていた。
そういえばここへくる前、世界遺産のカルカソンヌでも、私の前を歩いていたいい身なりの紳士が、持っていた雑誌を道端にぽいっと捨てたのには驚いた。ここもその延長なのだろうか。
マルセイユ港から船で30分ほどの沖合いにイフ島がある。
島そのものが要塞。もともとはここは監獄として建てられ、
実際に多くの政治犯が投獄されていた。船着場から階段を上がるとモンがあり、要塞の建物に続いている。
近くにもうひとつ島があり、船はここに客を降ろしてその島に行って帰りに寄ってマルセイユに戻る。
イフ島を有名にしたのは、A・デュマの「モンテ・クリスト伯」。
モンテ・クリスト伯、すなわち若き日のエドモンド・ダンテスが、
でっち上げによる無実の罪で幽閉され、やがて脱獄し、モンテ・クリスト伯となり、自分を罪に陥れた者達に復讐する話である。
入獄中にダンテスは隣の老人と壁に穴を開けて行き来するようになる。
老人は死んだら、身代わりになって外に出て、自分が隠した財宝を手に入れるように教える。最初の劇的なシーンがここ、イフ島からの脱獄のシーンである。
要塞の中では、まるでエドモンド・ダンテスが実在したかのように、
ドラマの場面、特に死んだ老人の身代わりとなって、イフ島の、この塔から海に投げ込まれるシーンが繰り返し放映されている。グッズも売っている。
独房の入り口にはだれそれが何年から何年まで投獄されていた、と書いた
プレートが貼ってある。ここで私の気をひいたのは「Masque de feu」。
文字通り訳すと「鉄仮面」。この人物は実在していたのだが、どういう人物だったかは未だもって分からない。あちこちの牢獄を転々とし(幽閉地はイタリアやスイスもある)、最後はバスティーユで病死している。
身分の高い人であったこと、鉄化面(実際は顔に黒い布をかぶっていたらしい)を
つけて顔を見せなかった。とにかくルイ14世から毛嫌いされていた人物のようである。
デュマの作品に「鉄化面」もある、が私は読んでいない。
これが気になっていたので、ディカプリオ主演の「仮面の男」を見に行った。
この仮面の男はデュマの作品は下敷きになっているようである。
映画では、ルイ14世と鉄化面は、実は双子の兄弟で、一人はルイ14世として育ち、もう一人は里子として田舎貴族のもとで育つ。しかしこれを知ったルイ14世は、もう一人に鉄仮面をかぶせ、牢獄に閉じ込める。ルイ14世の暴君ぶりに
ダルタニアンと3銃士が立ち上がり、牢獄から双子の片割れを助け出し、王を取り替え、暴君に鉄仮面をかぶせ、幽閉するという活劇である。
入れ替わったルイ14世は名君となったというが、本当のことは分からない。
ボルドーの美術館にはルイ14世の格好いい彫像があった。
海岸で食事をし、ホテルまで戻った。港から駅までは坂である。
だから部屋からの景色はいい。
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