スタジアムよりおもしろい？？？サッカーカフェ観戦

2006/06/20 - 2006/06/20

ドイツからの帰国の前日は、ケルンに滞在した。イングランド対スウェーデンの黄金カードはチケットを持っていなかったけれど、大聖堂は見てみたかったし、チケットがなくてもサッカーカフェで盛り上がればいいやと思っていた。ここでの観戦は、アリアンツでのブラジル戦よりも、むしろ想い出深い体験だった。

エリア ケルン(ドイツ)

せっかくドイツに行ったのだから、大聖堂だけは見たかった。もしかしたらチケットが手に入らないかなぁ…、という下心もあったけれど、大聖堂の前のこのサポーター群を見たら、そんなの甘いと実感した。とにかく大聖堂の前はイングランドとスウェーデンのサポが大挙して押しかけていて、もう立錐の余地もない。この時点でサッカーカフェ探しが始まったといってもいい。

ケルン中央駅の天井には、こんな絵が描かれていた。アディダスの巨大広告だけれど、すごく目を引く。メッシとかベッカムとか、一流どころばかり描かれているなかに、日本からは中村が、、、あとシセが入っているのが、ちょっとかわいそうだった…

その前に、まず大聖堂を見学。ひととおり堂内を見学して、500段を超える階段を上る。そこからの風景は、やっぱり美しいものだった。その一角に、W杯の即席博物館の残骸があった。数週間前にケルンを離れてしまっていて、ドイツで見ることは叶わなかった…。

ライン川のほうを見ると、こりゃあ凄い。大聖堂の裏手にPVの施設があったけれど、川の向こうでもPVをやっていて、もの凄い数のサポが集まっていた。チケットがないサポがこれだけ集まってしまうのだから、そりゃあドイツもあわてるだろう。

そのせいだと思うけれど、大聖堂の周辺には、このように警官隊があちこちに散らばっていた。やっぱりイングランドのサポ、いわゆるフーリガンの対策だ。

ここが大聖堂の裏手のPV会場。無料で入れるはずだったけれど、大群衆でぜんぜん入れない。イングランド・サポの人海戦術？のすごさを初めて実感した。

もうPVはダメだなと思って、大画面テレビで中継してくれる店を探し、ようやく見つけたのがココ。スウェーデンのサポが目立つのは、ちょっと嫌だったのだけれど、1時間前になると、もう席を取れる店なんて、ここくらいしかなかった、、、しかも席は歩道を挟んだ外側のオープンテラスだから、通行人に視界を妨げられ、ちょっと観戦には向かない…。でもまぁ雰囲気だけ味わえばいっかという感じだった。

とりあえずピザとビールを頼んで試合開始を待っていると、前に座っていたイングランドのサポが、「おまえら、イングランドの応援か？」と問いかけてくる。カミさんのルーニーのユニフォームが目に付いたらしい。「そうだ、イングランドは今年は優勝するぞ！」と応えると大いに喜び、「当然だ、おまえら、こっちに来い」ということで、前の見やすい席に混ぜてくれた。

こいつら、人を招待したわりに、『ゴッド・セーブ・ザ・クイーン』が始まると、人のことはそっちのけで肩を組み、国歌を唄う。あらまぁと思いつつ、立ち上がってテレビ画面を見つめていると、国歌が終わったとたんに、今度は「カモン・イングランド」の大合唱になって、これにはぼくたちも混ぜてくれて、試合が始まる前から、もうどんちゃん騒ぎ。

得点が決まると誰彼構わず握手とハグハグ、スウェーデンの得点が決まると、一瞬おどろいた表情をするけれど、なかったことにして、また元の大騒ぎ。彼らはほんとに陽気だし、サッカーが大好きだ。でも、スウェーデンのサポへの気遣いも忘れず、敵がゴールを決めると、「いまのはいいシュートだった」とか、すかさずフォローして、また握手。始終、スウェーデンのサポも含め、みんなでサッカーを楽しみ、宴会を満喫させていただいた。ジェフくんとそのお友だち、ほんとにありがとね。
　今年のW杯も、一部のフーリガンが大騒ぎしたのがマスコミの餌食になったけれど、サッカーが好きなイングランド・サポは一緒に応援していて楽しいし、みんないい奴ばっかりだった。スタジアムもいいけれど、こうした観戦は、ほんとに楽しい。ナマ観戦よりも楽しい90分だったかも。