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ちょっと旅  思い出の 道内の宿 丸山荘<br />六月十日 曇り・霧・嵐 走行距離175km<br />今日は私が旅を計画し一年半前から、連絡を取らせていただき、やっと宿泊できることになった丸山荘に伺う日ですが空模様は曇り、峠の天気が気にかかります。丸山荘は屈斜路湖の湖畔の南東、コタンの温泉より南1kmのところ。釧路川のほとり、丸山の裾に立つ瀟洒な宿で、ご夫婦二人でやっておられる。これが私の知る丸山荘のすべてで、当初、ご主人は道庁のOBかと思ったほどだ。訳は、十八ヶ月前に予約のハガキを出したところ、道北の観光全般の資料を山ほど送っていただき、それで観光課に勤めていた人かと思ってしまったのです。<br /> 丸山荘は天然温泉。部屋数は4室だが、一日一組だけの客しか泊めない。困った。今回の我々の旅は、二組五名だ。どうしよう、どうしよう・・当たって砕けるしかない。電話をかけたが不在。あとになって聞いたところによると、ご夫婦でよく旅行に出られ留守されるそうです。それにこちらが多人数なのも、大問題だったそうです。その後、ある日の私の電話が、旅先の携帯につながり、ご主人の了解をやっと得ました。両親のために、どうしてもこの宿を利用したかったので、うれしくて少し興奮してしまいました。幸運でした。<br /> サロマ湖の秋、紅葉して美しいであろうアッケシ草の群生地を下見し、能取湖、能取岬、網走、刑務所を見学。あいにく網走監獄では小雨に降られ、私の腰痛も最悪の状態での見学になりました。<br /> 女満別の東に、丘の連なった朝日(メルヘンの丘)というところがある。丘と丘を結ぶまっすぐな農道と畑の幻想的な風景は絵にも写真にもなる。ぬれた道と露を含んだ黒い土がファインダーの中に妖しくあらわれる。薄い雲を通した光が遠景の霧をくゆらせ、足元の黒い舗装道路がその光をこまかくプツプツと乱反射させ、それらが独特な風景を演出してくれている。だがあと半時間もすれば、雲が切れ、陽が出てあたりが単調な風景に変わってしまうだろう。良い時にめぐりあえた。<br /> 県道102号線に入り、藻琴山のシバザクラ公園に着くころには、薄日がさしてきた。途中、ダチョウ牧場の看板をみたので、シバザクラ公園でダチョウらーめんを食べたが、これが臭くて大失敗。普通のラーメンを薦めます。<br /> 以前、美幌峠をくだったので今回は藻琴山展望台からの屈斜路湖をと考え、峠を目指したが登るにつれて霧・・・雨・・嵐となり横なぐりの雨粒と風が車をゆらした。どうしてもソフトクリームが食べたいとの、母のリクエストで展望台の売店に寄り、そこを短時間で立ち、屈斜路湖目指し峠を下った。車が川湯に着くころには、雨も霧も消えたが硫黄山は雲の中だった。湖畔道路を南下し和琴・屈斜路プリンスホテルに寄り、津別峠のあがり口にある白樺林のペンションを見て、きょうの短い観光を終え宿にむかった。<br /> 丸山荘は国道243号沿いに立てた看板があり迷うことはない。こんもりした土手のような坂を直角に登ると、釧路川へなだらかなスロープの広い芝原がつづく。建物は濃い明るいブルーで、山(丸山)の裾野に寄り添うように立てられた二階建て。オープンベランダが建物にスカートをはかせたみたいで十分広く、ティータイムに椅子を持ち出し、おいしい空気と木の香と陽光を満喫しての喫茶が楽しみだ。丸山荘は期待を十分満たしてくれる雰囲気に私は安堵の笑みを浮かべながら、ご夫婦とのあいさつを交わしたが、モダンなとても暖かい感じのお二人でした。<br /> 夕食前の2時間にご夫婦のこと、丸山荘のこと、道内のことを詳しく聞け、旅の楽しみ方までご教授を受けました。奥様はわれわれの料理に忙しくキッチンを動き回り、それでも料理の合間に顔を出し、話しに加わってくれ、東京での生活の楽しいお話を聞かせてくれました。2組5名の私たちが、最初で最後の記念客になると奥様はにこやかに話してくだされ、理由は「私がお客様とお話しする時間が無くなるから」だそうです。<br /> 丸山荘の夕食のことを書こうとして手が止まりました。別の思いが湧き上がってきたからです。母と父が本当に喜んでくれたこの丸山荘。宿の夫婦にお会いして、ここにお世話になれたうれしさと感謝に言葉が詰まってしまいました。<br /> 夕闇がせまり、はるか下を車の弱い光が南に流れて消えました。食卓に運ばれた最初のお皿に800グラムを超える毛ガニが出されました。母も父も皆好物。カニとの格闘。次々に出る奥様の創作料理は驚きの連続。大きな食卓が料理であふれました。まあ・まあと驚く母も、もくもくと食べ続けていましたが、食べつくすことは誰も出来ませんでした。<br /> 食後、くつろぎながら旅の話しになり、鹿を見たければ津別峠へ。知床へ行ったらカムイワッカ湯の滝へ。標茶の多和平の牧場・地平線を紹介され、新たに計画にいれることにしました。養老牛温泉、太一がコースの予定に入っていることをご主人は唯一同意してくれましたが、私が選んだ理由は、川添にある露天風呂が気に入ったからでした。<br /> 朝9時に玄関まで送られ、写真を撮っていただき、去りがたい気持ちを背中に引きずったまま(昨夜わが両親のために連泊を薦めてくれましたゆえ)、今後十年間はお会いすることはないであろうと、いやもう二度と逢えぬ覚悟でこちらも手を振り、ご夫婦も手を挙げて送っていただきました。車中から皆、心からの感謝の気持ちで頭を下げました。<br />ところが、同じ日に知床のカムイワッカ湯の滝からの帰り道で、今朝見た車を発見、私は反射的にブレーキをかけました。路肩に止め、こちらも車から降りて、あちらからも朝、別れたばかりのご夫婦が二人で駆け寄ってきました。なんとしたことでしょう。夢ではないことだけがこの場所に存在している真実です。これはドラマではありません。では、なぜでしょうか。今回は、ご夫婦と私どもだけの、ささやかな秘密にいたしましょう。(ご夫婦に会われましたら愛知の5人組の事を聞いてください)そんなわけで再び少し辛い別れを体験しましたけどね。<br />こだわりを持ってこれからもご夫婦でこの宿を続けてください。私よりすこし年上の素敵なご夫婦へ。<br />丸山荘 〒088‐3341<br />北海道川上郡弟子屈町屈斜路181<br />

丸山荘

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2002/06/08 - 2002/06/26

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toukennさん

ちょっと旅  思い出の 道内の宿 丸山荘
六月十日 曇り・霧・嵐 走行距離175km
今日は私が旅を計画し一年半前から、連絡を取らせていただき、やっと宿泊できることになった丸山荘に伺う日ですが空模様は曇り、峠の天気が気にかかります。丸山荘は屈斜路湖の湖畔の南東、コタンの温泉より南1kmのところ。釧路川のほとり、丸山の裾に立つ瀟洒な宿で、ご夫婦二人でやっておられる。これが私の知る丸山荘のすべてで、当初、ご主人は道庁のOBかと思ったほどだ。訳は、十八ヶ月前に予約のハガキを出したところ、道北の観光全般の資料を山ほど送っていただき、それで観光課に勤めていた人かと思ってしまったのです。
 丸山荘は天然温泉。部屋数は4室だが、一日一組だけの客しか泊めない。困った。今回の我々の旅は、二組五名だ。どうしよう、どうしよう・・当たって砕けるしかない。電話をかけたが不在。あとになって聞いたところによると、ご夫婦でよく旅行に出られ留守されるそうです。それにこちらが多人数なのも、大問題だったそうです。その後、ある日の私の電話が、旅先の携帯につながり、ご主人の了解をやっと得ました。両親のために、どうしてもこの宿を利用したかったので、うれしくて少し興奮してしまいました。幸運でした。
 サロマ湖の秋、紅葉して美しいであろうアッケシ草の群生地を下見し、能取湖、能取岬、網走、刑務所を見学。あいにく網走監獄では小雨に降られ、私の腰痛も最悪の状態での見学になりました。
 女満別の東に、丘の連なった朝日(メルヘンの丘)というところがある。丘と丘を結ぶまっすぐな農道と畑の幻想的な風景は絵にも写真にもなる。ぬれた道と露を含んだ黒い土がファインダーの中に妖しくあらわれる。薄い雲を通した光が遠景の霧をくゆらせ、足元の黒い舗装道路がその光をこまかくプツプツと乱反射させ、それらが独特な風景を演出してくれている。だがあと半時間もすれば、雲が切れ、陽が出てあたりが単調な風景に変わってしまうだろう。良い時にめぐりあえた。
 県道102号線に入り、藻琴山のシバザクラ公園に着くころには、薄日がさしてきた。途中、ダチョウ牧場の看板をみたので、シバザクラ公園でダチョウらーめんを食べたが、これが臭くて大失敗。普通のラーメンを薦めます。
 以前、美幌峠をくだったので今回は藻琴山展望台からの屈斜路湖をと考え、峠を目指したが登るにつれて霧・・・雨・・嵐となり横なぐりの雨粒と風が車をゆらした。どうしてもソフトクリームが食べたいとの、母のリクエストで展望台の売店に寄り、そこを短時間で立ち、屈斜路湖目指し峠を下った。車が川湯に着くころには、雨も霧も消えたが硫黄山は雲の中だった。湖畔道路を南下し和琴・屈斜路プリンスホテルに寄り、津別峠のあがり口にある白樺林のペンションを見て、きょうの短い観光を終え宿にむかった。
 丸山荘は国道243号沿いに立てた看板があり迷うことはない。こんもりした土手のような坂を直角に登ると、釧路川へなだらかなスロープの広い芝原がつづく。建物は濃い明るいブルーで、山(丸山)の裾野に寄り添うように立てられた二階建て。オープンベランダが建物にスカートをはかせたみたいで十分広く、ティータイムに椅子を持ち出し、おいしい空気と木の香と陽光を満喫しての喫茶が楽しみだ。丸山荘は期待を十分満たしてくれる雰囲気に私は安堵の笑みを浮かべながら、ご夫婦とのあいさつを交わしたが、モダンなとても暖かい感じのお二人でした。
 夕食前の2時間にご夫婦のこと、丸山荘のこと、道内のことを詳しく聞け、旅の楽しみ方までご教授を受けました。奥様はわれわれの料理に忙しくキッチンを動き回り、それでも料理の合間に顔を出し、話しに加わってくれ、東京での生活の楽しいお話を聞かせてくれました。2組5名の私たちが、最初で最後の記念客になると奥様はにこやかに話してくだされ、理由は「私がお客様とお話しする時間が無くなるから」だそうです。
 丸山荘の夕食のことを書こうとして手が止まりました。別の思いが湧き上がってきたからです。母と父が本当に喜んでくれたこの丸山荘。宿の夫婦にお会いして、ここにお世話になれたうれしさと感謝に言葉が詰まってしまいました。
 夕闇がせまり、はるか下を車の弱い光が南に流れて消えました。食卓に運ばれた最初のお皿に800グラムを超える毛ガニが出されました。母も父も皆好物。カニとの格闘。次々に出る奥様の創作料理は驚きの連続。大きな食卓が料理であふれました。まあ・まあと驚く母も、もくもくと食べ続けていましたが、食べつくすことは誰も出来ませんでした。
 食後、くつろぎながら旅の話しになり、鹿を見たければ津別峠へ。知床へ行ったらカムイワッカ湯の滝へ。標茶の多和平の牧場・地平線を紹介され、新たに計画にいれることにしました。養老牛温泉、太一がコースの予定に入っていることをご主人は唯一同意してくれましたが、私が選んだ理由は、川添にある露天風呂が気に入ったからでした。
 朝9時に玄関まで送られ、写真を撮っていただき、去りがたい気持ちを背中に引きずったまま(昨夜わが両親のために連泊を薦めてくれましたゆえ)、今後十年間はお会いすることはないであろうと、いやもう二度と逢えぬ覚悟でこちらも手を振り、ご夫婦も手を挙げて送っていただきました。車中から皆、心からの感謝の気持ちで頭を下げました。
ところが、同じ日に知床のカムイワッカ湯の滝からの帰り道で、今朝見た車を発見、私は反射的にブレーキをかけました。路肩に止め、こちらも車から降りて、あちらからも朝、別れたばかりのご夫婦が二人で駆け寄ってきました。なんとしたことでしょう。夢ではないことだけがこの場所に存在している真実です。これはドラマではありません。では、なぜでしょうか。今回は、ご夫婦と私どもだけの、ささやかな秘密にいたしましょう。(ご夫婦に会われましたら愛知の5人組の事を聞いてください)そんなわけで再び少し辛い別れを体験しましたけどね。
こだわりを持ってこれからもご夫婦でこの宿を続けてください。私よりすこし年上の素敵なご夫婦へ。
丸山荘 〒088‐3341
北海道川上郡弟子屈町屈斜路181

  • 早朝、5時フェリー小樽着。8時ごろ黄金岬で一休み。

    早朝、5時フェリー小樽着。8時ごろ黄金岬で一休み。

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