1970/08 - 1970/08
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片瀬貴文さん
世界漫歩259ドライブで考える日本の将来
日本から来た客を乗せてドライブすることは、非常に楽しい。
フランスの田舎の風景の素晴らしさに、心から感嘆してもらえるからである。
イル・ド・フランスの豊かで伸びやかな光景や、自然と人間の調和を感じさせる建物の数々は、人の心をなごませないではおかない。
もう少し大げさに考えるならば、世界の広さがわかってもらえるからだ。
とにかく日本にとどまっている限り、地球の大きさや世界の広さを実感する機会は少ない。
正直に感動される方を見ていると、心が洗われるのを感じる。
自動車のスピードの速さにも、皆さんが驚かれる。
時にはいたずら心が芽生えて、お客さんを驚かそうと、フルスピードですっ飛ばすこともある。
「あの傲慢だったお客さんが、『もう勘弁』とべそをかかれた」
パリにいる日本人たちの酒の席で笑い話となる、物騒な手柄話だ。
パリまで来られて生意気な方は滅多にいないが、皆無ではない。
特に国会議員に見られたのは、とても悲しいことだった。
当時の日本は、そんなレベルだったのだ。
敗戦のショックから抜け切らず、劣等感とともに、何かしらに抑えこまれている抑圧感が、根強く残っていた。
日本の国は、敗戦に慣れていない、世界でも特別な国なのだ。
外国に出て外国人に出会うと、国内では意識していない劣等感が、心の深部から吹き出てくる。
このショックから逃れ出るには、かなりの年月が必要だろう。
しかし劣等感から逃れてから、反動として優越感の行き過ぎも心配である。
世界から孤立的な場所に住むハンディから、日本人が地球や世界を理解するには、人並み以上の努力が必要だ。
同様に、日本を世界に理解させるにも、並々ならぬ苦労が求められる。
しかしその孤立的立場は、日本の独特な文化を作り上げ、熟成できる恵まれた機会をも与えてくれている。
生々しい民族間の戦いを経験していないことは、国際的にうぶな反面、外国人を信頼できる心の美しさも残しているのだろう。
こんなことを考えるのは、外国勤務者に恵まれた、特権なのかも知れない。
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