1972/10/04 - 1972/10/04
58位(同エリア70件中)
片瀬貴文さん
2006-01-03
1961年10月4日(水)
昨日駅まで出迎えてくれた構造物管理区長さんが自家用車のハンドルを取り、案内してくださる。
車は例によって、フランスの国民車シトロエンの2CV(ドゥ・シュヴォー)。
この車の単純なシルエットは、フランスの街に良く似合っている。
映画によく登場するのは、この車をフランスの街のシンボルと見ているからだろう。
ナントには、フランス国鉄が戦後に造った市内を通る高架橋がある。
この構造物を見ていると、今の日本には見られないデザインに対する細かい心遣いが行き届いていて、ハッとする。
とくに橋脚の曲線には、設計者の橋に対する愛情が感じられる。
日本ならば、どんな町にでも規格の設計を使い、デザインには余り配慮していない。
だが我々の造っている橋などの土木構造物は、市民全体の貴重な財産なのだ。
機能を果すだけでなく、長年その土地の景観を飾る大切な要素となる。
日本は美しい自然風土に恵まれているが、今造りつつある土木構造物は、景観を破壊しつつあるのではないだろうかと、いたく反省する。
もし日本で構造物を造る時、美しくしようとしてコストを掛ければ、会計検査からお目玉を食うことだろう。
わが国の現状は、公共資産にとどまらず、自分の家一軒を造るにも、周辺全体の景観への気配りが少なすぎるのではないだろうか。
日本でも昔の建物や構造物は、自然に調和していて美しかった。
ナント13時58分の列車で、ラ・ロッシェルに向かう。
フランス国鉄の作ってくれた予定では、今晩いったんパリに戻るようになっていたのだが、明日ボルドーに行くならば、せっかくの機会だから途中のラ・ロッシェルを訪問したいと、自分で行程を変更した。
ラ・ロッシェルは、大西洋に沿って、ナントとボルドーのほぼ中間にある町だ。
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