1972/10/15 - 1972/10/15
13454位(同エリア17111件中)
ソフィさん
1961年10月15日(日)
スペイン館の部屋は、窓が小さくて西向きなので、午前中は少し薄暗い。
しかしちょっとした道に面して、隣家との間隔が広いので、鬱陶しさはない。
道に植えられているプラタナスの並木が、次第に黄色く色づき、やがて落葉するだろう。
その変化が部屋のムードを日々変えて行き、とても楽しい。
木製の椅子もベッドも角張っていて固く、いかにも僧院にいる感じがある。
ゴツゴツした建物の外観に、ぴったりでもある。
日本館に比べれば、ガサガサした賑やかさがなく、静寂そのものだ。
部屋の前の廊下を通る人も、滅多にいない。
受付がしっかりしていて、外来客が入ってこないのと、住人同士の往来も少ないからだろう。
同じシテでも、こんなに雰囲気が違うものかと、感心する。
熱心にピアノを練習する人がいて、同じ曲ばかり繰り返している。
当初は耳障りだったが、慣れるに従ってバックミュージックとなり、今では無聊を慰めてくれる大切な存在になってきた。
部屋には手洗いが着いていて、洗濯が自分の部屋で出来る便利さも、ここの良さである。
午後になると、ほんの二三時間だが、窓から陽が差し込み、部屋の空気をガラリと変えてくれる。
毎日おばさんがやって来て、丁寧に掃除をしてくれる。
物理的にも心理的にも、とても清潔な空間である。
孤独と言えば孤独だが、何時なりと静かに物思いにふけることが出来るこの空間が、すっかり気に入って来た。
このような落着いた生活拠点を構えることの出来たことは、何にも代え難い幸せと感じている。
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