2005/10/06 - 2005/10/06
293位(同エリア399件中)
おむさん
兼ねてより訪問したいと強く願っていたポーランド。
目的はやはり人類最大の負の遺産
【アウシュビッツ・ビルケナウ】
クラクフ2日目についに訪問が実現いたしました。
アウシュビッツ唯一の日本人公式ガイド中谷さんにガイドを
依頼し見学させていただきました。
数年前にドイツの「ノイエンガンメ収容所」を訪れて以来
自分のなかで一層ホロコーストへの関心が深まり
ここを見るまでは死ねない、と常々思っていました。
「何しにいくの」「何のために?」
友達からよくそんな風によく不思議がられました。
いつもうまく答えられずもどかしい思いだったけど
「見ておかなければいかない、知っておかなければいけない」
無性にそんな感情にさいなまれていました。
ガイドの中谷さんはここで起こったこと、説明をするだけでなくこういうおぞましき事実が起こってしまった背景や人間の心理、それらを考え、見る事が重要であり、ヒトラー一人の大虐殺なのではなく社会全体が引き起こしたホロコーストなのだということを強く理解したうえで、自分達に置き換えて考えてほしい。というようなことを強くおっしゃられていました。
私は中谷さんの言う人間の集団心理の恐ろしさや愚かさ、そういった具体的な道標になるようなお話をして下さった事により本当に考えなければいけないのはここを訪れた後、これからなのだと強く感じました。
-
ここから向かうはアウシュビッツ。
すでに気持ちが緊迫してきて少々体調もすぐれません -
「この門を入るとお前たちの出口は煙突だけだ」
こんな皮肉なことが現実だった場所。
ビルケナウ(アウシュビッツ第二収容所)
死の門をくぐりここが引込み線の終点。
すなわち死の終着駅でもあったらしい。 -
ビルケナウ
広大すぎて眩暈がするようでした。
門を一歩踏み込んだときの、足のつま先から
鳥肌が一気にたつのを感じた瞬間のあの
なんともいえない感覚は忘れられません -
ドイツ軍によって爆破された(証拠隠滅のため)
ガス室残骸。
1度に400人もの命を奪ったという。
まるで工場の流れ作業のように、ガス室→運搬→焼却とまさに計算しつくされた殺人システム。
殺人大工場なのだとしみじみ痛感した。
しかしドイツ軍はそれらの作業や自ら毒ガスを投入する事はなく直接自らの手を汚すことなく特命された収容者(ゾーンコマンド)自らに実行させたという。
戦後の戦犯としての罪を問われない為の隠れ蓑でもあり自分達は「知らぬ存ぜぬ」でいられるからだ。
もちろんガス室はこの敷地だけで他にもいくつかあった。 -
このバラはビルケナウの敷地内ではなく
鉄条網の外からそっと差し込まれていました。
このバラをたむけた人の心情を想像してみるだけも
かなり悲しい気持ちになりました -
アウシュビッツ第一収容所
ARBEIT MACHT FREI -働けば自由になれる
もちろんここは地獄の入り口ゲートでした。
彼らは自由になるどころか、「死ぬまで」
働かされた事で有名です。 -
犠牲者は1万人とも言われる「死の壁」
自らの命を顧みず正義のために戦った彼らの
為の献花が絶えないそうです。
今日は衛兵?が献花に訪れていました。 -
絞首の紐をかけたレール
-
エントランスにあったモニュメント。
苦痛に満ちた表情、格好で凄まじく恐ろしい雰囲気に思わず足がすくんでしまいました。
これを見ているとここで苦しみ死んで行った人達の苦痛の念が少しでも伝わってくるような気がしました。
しかし、想像を絶する苦しみや悲しみは到底私にはわかるものではないのでしょう。 -
15号館ポーランドの展示にあった、ステンドグラスです。本来美しいものであるステンドクラスから伝わってくる悲しさ、恐ろしさ身震いするほどでした。
-
山積みにされた幼い子の小さい靴、靴、靴・・
ヒトラーはユダヤ民はドイツをいずれ滅ぼす悪である、排除する必要があると謳ったけれど
銃も持ったことのない、幼い子供達にほんとうに罪があったのでしょうか?
ドイツ兵SSにも家族や子供を大切にする心はあり
音楽や花を愛する人間としての心がちゃんとあった。
しかし、曲がった思想や集団心理によりこれほどの
残酷行為を行えてしまった、それもまた人間の恐ろしさであるとしみじみ感じた。
つまり、いま生きてる私たちも少なからずその人間としての「狂気」や「影」の心は潜んでいることになる。
その部分をしっかり考えて理解したうえで正しい認識を持たないことには、人間はこういう愚かな歴史を必ず繰り返していくのだろうという、危機感を常に持っていなければいけないのかもしれませんね。
アウシュビッツ日本人ガイドの中谷さんのおっしゃった「人類とはそんなに素晴らしいものではないのです」と言った言葉が強く印象に残っています。 -
収容所内には「囚人楽団」というものが存在しました。SSは楽団を使って幹部のために演奏させたり
毎朝ゲートをくぐって労働に向かう収容者達を整列して行進させる為行進曲を演奏させました。
どんな気持ちで囚人は演奏し、行進したのでしょう。
そんな悲惨な行進のために演奏までさせたSSの
徹底したシステムに怒りを通り越してあきれるほどですね。 -
東へ移住させると騙されて移送された多くの家族はここでまた新しい生活が出来るのだと信じて、たくさんの家庭食器を持ち寄った。
しかし、この食器が使われる事はなかった。
このほかにも山積みのトランク、髪の毛の山、衣服、ETC・・おびただしい数の遺品で溢れ返っていました。 -
この建物では、収容所内などで生まれた赤ん坊をフェノール注射で薬殺したり、人体実験が行われたりとおぞましい行為が繰り広げられていました。
-
戦後60年以上を経た今、なにより焦燥感を感じるのは奇跡的に生き残った「生き証人」と言われるわずかな人達がどんどん過去の人になっているという現実。
過去に今では考えられないホロコースト否定派が存在したように、真実というのはその時代にその場所に生きた人のみが知る事だという事、今でこそ多くの証言により多くの真実が私たちに知れ渡る事になったけれど、やはり本当の苦しみ、真実、痛みを立証、伝える事が出来るのは実際に体験した人の声であるという事。
後世にこれらの事実が曲がる事無く、正確にこの悲劇を語り継ぐだめには、今生きている私たちがこの「生き証人」の声をしっかりと言葉漏らさず受け止め、理解し記憶することが必要だと強く感じています。
知識のない所へ虚偽の真実を植えつけるのはいとも簡単な事だから。(ヒトラーの第三帝国のように)
先日「朝まで生テレビ」で日本の戦争問題というテーマを扱っており、日本の731部隊の生き残りの方が数名出演されていました。(加害した日本軍の方)
これだけでもすごい事なのですが、、
もうどの方も耳も遠く、かなり老いており、当時の事実を喋れる限界の年齢のように見受けられました。
やはり、その時代その場所で実際に生きていた人の言葉は衝撃的で知りえなかった情報ばかりでした。
もうこういった「生き証人」の生の言葉を聞けるのは
あとわずか残された時間である今だからこそ、微力ながら私も出来る限り耳を傾け学び、後世に伝えていける存在になれたらいいと願っています。
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この旅行記へのコメント (6)
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- fkczさん 2005/10/31 21:20:59
- アウシュビッツの写真
- おむさん,
最近アウシュビッツを訪問しました。
私はあまり写真を写す気持ちになりませんでした...
それでおむさんの写真の数々を眺めたり文を拝読しました。
アウシュビッツでの映画をビデオ撮影しましたが,やはり長くは写しませんでした。
戻ってきてからもまだこのビデオは見る気持ちになれないでいます。
- おむさん からの返信 2005/10/31 21:45:41
- RE: アウシュビッツの写真
- fkczさんコメントありがとうございます。
fkczさんの写したくなかった気持ち非常に察します。
私の場合辛い過去や辛い歴史、残酷な事件や人の死などなど、目にして耳にしてしばらくの間はそのことを嘆いたり悲しんだり、考えたり、一喜一憂するのですがいい意味でも悪い意味でも私はその時の気持ちを風化させるのも早く、忘れてしまうんです。
でもこの痛ましい負の遺産に関してはここに訪れた限り絶対に私の中で風化させてはいけない、そういった自分を戒める気持ちが多々ありまして、記憶だけにとどめず写真という形でたくさん残すことにしました。
もちろん書物や写真は探せばいくらでも巷には溢れてるし、あえて撮る必要はなかったのかもしれないけど自分で実際にその場所で色んな気持ちを感じて辛さを感じた瞬間にシャッターを切った写真はより自分の中に深く残るようなそんな気がしたからです。
もちろんそんなものに頼らずとも常にこの痛みや悲しみを忘れることなく生きていけることが一番よいのですけどね。
-
- まみさん 2005/10/30 21:55:58
- 中谷さんにガイドを依頼したのですね。
- おむさん、こんにちは。
私も唯一の日本人ガイドであり、アウシュヴッツについて詳しい著書をだされた(今年の4月末に新刊として出た「アウシュヴッツ博物館案内」)中谷さんにガイドを依頼したかったのですが15人までで192ズウォティとあり、一人で申し込むには1対1もちょっと気恥ずかしいし、常駐しているわけではないので申し訳ない気もするし、なによりも割高なので、クラクフからのツアーを利用しました。アウシュヴッツの英語ガイド付き。半日ちょいでオフィシエンチムとビルケナウの両方を回ったので、全てを回りきれなかったのですが、壁に書いてある英語をかわりに口頭で解説してくれたので助かりました。それに夏場のハイシーズン、展示場所や、かつての監獄跡など、狭いところが多いのに観光客がぎっしりで、人いきれでむんむんと苦しく、一人で歩いていても解説の英語を読んでいられる余裕はなかったかもしれないですからねぇ。日本語の冊子は買ったのですが、やっぱり展示が何か理解するには、その場所の解説も読まないと冊子での解説と一致しづないこともあって。
私はアウシュヴッツやナチスドイツの所業を思うとき、自分がナチスの支配におびえる側だったら、人道的におかしいと思っても勇気ある行動にはでれずに口をつぐみ、自分かわいさに行動する一人なんだろうな、と考えてしまいます。それでとても見につまされる思いがしますが、そんなちっぽけな私にできることは、世界がそこまで極限状態になるまで、鈍感にならず、まだ反対の1票を投じれるときにきちんと反対を唱えることですかしら。あと、人は自分を知るべきだ、ということですね。アウシュヴッツで行われた残虐性は、誰もが種は持っているんだと思いますが、それを、育てないこと、芽が出てしまったら、摘む勇気を持つこと、かもしれません。
- おむさん からの返信 2005/10/31 20:00:37
- RE: 中谷さんにガイドを依頼したのですね。
- まみさん、アウシュビッツに関しての真摯で貴重なコメントありがとうございます。
私も、うんうん、とうなずきながら読ませてもらいました。
ほんとそうなんですよね、私だってあの状況下で反対を唱えれば処刑されるとなればきっと何も出来なかったと思う。
「仕方ない」そんな一言で目を覆ってしまったんじゃないかな。
まみさんの言うように悪い芽が出たなら、まだ摘めるうちに摘む努力。
そのためには相当な眼力も必要かもしれないけれど、少なくともこれだけの過去の過ちという教訓がある現在からは、繰り返さない努力や見極める力、そんなものが生かされると思う。
私の場合は今までまったくと言っていいほど、選挙や政治に関心がなかったけれど、歴史のホロコーストを学ぶにつれ自然と関心が高まりました。
この無関心と無知が悲劇を招くことをある程度理解するようになったから。
でもまだまだ自分は勉強は必要だなーぁと日々痛感してますけどね
(^▽^;)
-
- ミネラルさん 2005/10/16 07:43:38
- はじめまして。
- はじめまして。ミネラルといいます。
私も数年前にポーランドに行き、そして、ビルケナウ、アウシュビッツと訪れました。
思わず目を背けたくなる光景がいっぱいありましたが、あえてしっかりとこの目で見てきました。
ぜったいに忘れてはならないものがたくさんありました。
どうしてこんな残酷なことができたのでしょう?
でも、人間なんて集団で何かの考えにはまってしまえば、その集団の人数が多いほど支配力を持ってしまうのですよね。
学校などで起こっているいじめの問題や、社会で起こっている弱い物いじめなどは、そんな弱さの現れですよね。
二度とこんなことを起こしてはならない、と思いますが、今の社会を見ているとかなりこわいような気もします。
ここに来ると、本当にいろんなことを考えますよね。
ぜひ、多くの人にここに実際にきていろんなことを感じてほしいと思います。
すみません。少し重くなってしまいましたが、ポーランド、他のところにも行きましたがとってもいい国でした。
大好きな国です!
- おむさん からの返信 2005/10/16 19:54:02
- はじめまして。ありがとうございます!
- メッセージ頂きましてありがとうございました!
ページを作成しながらも気持ちはかなり沈痛な心境でした。
ミネラルさんの思いにはほんとに共感を覚えるばかりです。
>学校などで起こっているいじめの問題や、社会で起こっている弱い物いじめなどは、そんな弱さの現れですよね。
本当にその通りですよね。SSやヒトラーに賛同して従った軍人や市民すべての人が本当に正しいと思ってやっていたとはとても思えないし、だけれど大きな権力の力、風潮などでどうしても逆らえない、仕方なくしたがってしまうそんな人間の弱さ、流されてしまう心理。当たり前といえば当たり前なのかもしれないですね。
やはりその風潮はミネラルさんのおっしゃるとおり、現代のいじめ問題や部落問題、身分や弱いものに対する蔑視の心。
現在尚生き続けてる問題ですものね。
けして過ぎ去った過去、問題ではないのだとしみじみ痛感します。
本当にこの問題に目を向けようとする人が一人でも多く増えていくことが
解決の近道だなあと思います。心から願うばかりです。
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