2004夏　アイルランド・スコットランド・イギリス湖水地方の旅７（アイルランド・キャッセェル編）

2004/08/30 - 2004/09/21

　キルケニーからキャッシェルまで直線距離で約７０キロ，車であれば１時間ぐらいである。この日は朝，キルケニーを出発し，グレンダーロッホ，戻ってきてキルケニー市内の既に２カ所を見学してきた。キャッセェルに着いたのは午後５時を大夫廻っていた。キャッセェルでは，ロック・オブ・キャッセェルと市内を散策しようと考えていたが，もう少し遅れていればロック・オブ・キャッセェルにも入場できないところだった。この日の宿泊はキラーニーのホテルを予約してあったので，この町はロック・オブ・キャッセェルだけの見学となった。
　キャッセェルの町に近づくにつれてロック・オブ・キャッセェルの要塞がひときわ大きくなっていく。もともとこの付近は平坦な土地なので，高さ約９０メートルの岩の上に建った堂々たる雄姿の要塞はそれだけで周囲を圧倒している。ただ，要塞と言ってしまうと戦いのための施設というような印象を持ってしまうが，ここは城や教会，ラウンドタワーや墓地など複数の施設が一体となった「複合建築」だと言う方が正確かもしれない。その上，この教会内の「コーマック礼拝堂」はアイルランドを代表するロマネスク建築として殊に有名である。
　このキャッセェルの町の背後に聳える岩山，ロック・オブ・キャッセェルは４世紀頃からキリスト教の聖地とされていたという。また，ここの城は歴代のマンスター王の居城にもなっていて，昔日のキャッセェルは政治的にも宗教的にも中心的な役割を担っていた町だったのだ。

　さて，ロック・オブ・キャッセェルの要塞だが，初めて見るとその堂々たる姿に圧倒されてしまうが，ここに行ったならば岩山の上から見た周囲の景色を楽しむことをお勧めする。下から見上げる岩山の無骨な様相とは一変し，豊かな緑が全面を覆うような牧歌的なパノラマが目に飛び込んでくる。岩山の緑に腰を下ろしながら持参したお弁当を食べながらパノラマを眺めている人たちもいた。実際にそうしたいと思わせる風景がここにはある。

エリア キャッシェル(アイルランド)

真下から見上げたロック・オブ・キャッセェル

　グレーの岩山にそれと同じような色の石を積み上がられて作られた城壁，城，教会などが乗っかっています。最初はその大きさと無骨さに圧倒されてしまいます。

教会の遺跡

岩山の脇に沿って作られた急な坂道を上がると教会の遺跡が見えてきます。そして，岩山の上では緑の芝が一面を覆っています。

教会の入口

　教会の入口の所には，教会が崩れた（破壊された）ときに上から落ちたのでしょう，大きな石の固まりが地面に刺さっていました。この石の固まり，写真ではどれぐらい大きいかすぐには分からないと思いますが，教会の入口の大きさと比べてください。高さが入口の半分ぐらいはあると思います。とにかくでかかった！！

教会の内部

　ちょっと素っ気ない。ゴシック様式の建築なのだからもう少し装飾があっても良いように思うが，これがアイルランドの教会なのかもしれない。それに支柱がないというのも珍しいのではないだろうか？支柱でもあれば，そこに彫刻などがありもう少し変化を与えるだろうに。

ハイクロス

　ここで見たハイクロスの模様は真ん中に「ハート」のようなものが，また十字と円の交差する部分には韓国国旗（太極旗）の真ん中にある印（赤と青で円を描いたもの）と同じような形が彫ってありました。

教会と城の一部

　城壁の一部と一体となっているのが城の一部です。記憶では，城はこのような部分しか残っていなかったと思います。右側のベージュ色の石の建物は教会の一部です。

コーマック礼拝堂の外側

　袖廊の部分に二つの家のようになっている部分がコーマック礼拝堂。本当だったら，この中が有名なので内部を見せたかったけれども，数枚撮った写真のどれもが手ぶれでひどすぎて見るに堪えない（夕方で雲もあったので，中は結構暗かった，と言い訳だけさせてください）。なので，外側だけとなってしましました。でも，礼拝堂の中はどこかのＨＰを探せば，あるいは本を見れば出てきますが，この外側ってあまり見かけませんよね！？（そりゃそうだろ！！）

教会とラウンドタワー

　教会の入口とは反対側から教会の全景を写した写真。屋根は落ちているが，コーマック礼拝堂とラウンドタワーは以前のままの姿をとどめています。ここのラウンドタワーも円錐形の屋根が残っていますが，グレンダーロッホのタワーより幾分太っちょです。

岩山からの風景

　教会の裏から眺めた周囲の景色。丘の上からなだらかに這うように緑が平地に広がって行きます。正面から見る岩のゴツゴツした雰囲気はまるでありません。両面でまったく顔を持っています。