小さな村・シプカ

2005/07/03 - 2005/09/04

日本人の住むShipka

ソフィア→カザンラク→シブカへ、バスを乗り継いでようやく「シブカ」へ到着しました、人口千人余り
の小さな町で、バルカン山脈の南側山麓にある、簡素で静かな町です。

　「シブカ」には日本のロングステイの方達が何組も住んでいるので、是非とも訪ねたかった場所です。
薔薇の花が咲いて、サクランボが実り、人々は、心優しい素朴な人たちばかりと聞いていました。

　山の中に金色の玉葱型ドームがピカピカ輝いている、1877年トルコ軍と戦ったロシア兵の慰霊碑と
ともに建てられ、周囲を圧倒する巨大な僧院が目立つ意外は何にもない町です。
町は山裾の緩やかな坂道に並んでいて、バルカン山脈とスレドナ・ゴラ山脈の間に広がる平原は広く
て眺めも素晴らしい、この辺一帯がバラの谷で、シプカ （Shipka )は 「野ばら」と云う意味です。

　シブカの町は産業も無く人口は段々減少しているようで　ホテルの窓も破れ空家だ、バス停前の大き
い建物も人気がなく使われている様子はない、街のあちこちに窓が塞がれた空家が目立ちます。
路地には馬車が仕事中です、さびれつつある町という感じがしまが、それだけに豊かな自然が一杯
です。

　日本人にコンタクトを取って出かけた訳でもないのに、街で偶然２組のご夫婦にお会いすることが出
来ました、「シブカ」での生活ぶりの一端を知ることが出来て幸運でした。
Ａさんご夫妻も、Ｂさんご夫妻も仕事を退職されて年金生活者でした、約２年間「シブカ」にお住まいで
日本の家を処分して、可愛がっていた猫二匹も連れて来たそうです、両者とも「シブカ」が気に入って
この地に骨を埋める覚悟が出来たそうですから立派なものです。

　歳を取ると何より気がかりなのが、病気の事です、誰でも持病の一つや二つは有るので、医者とか
歯医者、救急施設などが心配の種です、「シブカ」には広島医大に留学した経験のある医師が居て
安心して診てもらえるそうです。
貸家の家賃は一カ月250レバ（17500円）。新聞もＴＶも、パソコンも無い生活をされていますが、よくぞ
思い切ったもの、一カ月の生活費は10万円との事です。
まさに晴耕雨読、花を咲かせたり読書をされるのが楽しみで、年間10万円程の本を日本から送って
もらうそうです。今「シブカ」に住んでいる日本人は10名で来春一組のご夫婦が加わるそうです、温泉
も近くにあるし「シブカ」の自然は何にも変えがたく、満足されているご様子で、日本へは、まったく帰り
たくないそうです。永住権を取るのはなかなか難しく長期滞在ビザを一年ごとに延長していると、話し
て下さいました。

「向日葵」畑は花が終わり種が黒ずんいます、葡萄棚も青い実がもう少しで色付きそうです、牧草は
刈り取られて積まれています、こんな長閑な自然の中で暮らすのも悪くはない様な気がしました。（絵＝丘から見おろしたシプカの街）

エリア その他の都市(ブルガリア)

日本人に人気の村、街の入口に建てられた日本語の看板も親日の表れでしょうか。

シプカの村の通り、馬車が仕事中。

静かで人通りもない、のどかな村。

手書きの標識も温かみがあります。

帰りのバスの窓から見たシプカです。

この旅行記へのコメント （1）

• ちょめたんさん 2005/12/14 21:56:03

  今晩は　洋子さん

  羨ましいです、ロングステイ、絵を描いていたら退屈なんて知らないでしょうね。家の母も水墨を始めてからは忙しいようで、なかなか遊びにも来ません。犬もいるし、とっても、ロングステイなど出来ません。でも凄くしてみたいです。ブルガリアのバラの咲くころ一ヶ月でいいから気ままに暮らしてみたいです。次は何処に行かれるのですか？