1970/08 - 1970/08
16267位(同エリア17145件中)
片瀬貴文さん
パリにやって来る日本人を喜ばせるために、パリ近郊の山野の幸を最大限に利用する。
家庭料理の花形は、トロの刺身である。
近くの、マルセル・サンバに週二回開かれる、マルシェ(市場)の顔見知りの魚屋に頼んでおき、トロをキロ単位で買って冷凍保管しておく。
最初はマグロのほかの部位より安かったが、日本人の需要が多いと見えて次第に値上がりし、ついに同じ値段まで上がった。
それでも一キロ700円と、日本ならば信じられない安さだった。
もっと昔は、誰も買わないので捨てられていたらしい。
このようなマルシェは、パリの随所で開かれる。
その賑わいを、私は大好きだった。
美味しい果物を見つけることも楽しみで、メロン、サクランボ、イチゴなどの美味しさと安さは、今も忘れられない。
もうひとつの花形に、わらびの酢の物がある。
わらびには、フランス人は目もくれないので、フォンテーヌブローの森に行けば見事な群生地がある。
ピクニックを兼ね、家族一同で半日ドライブすればバケツいっぱい、一年分が確保される。
茹でて塩漬けにし、保管するわけだ。
蕨にとどまらず、まだまだフランスの山には素晴らしい宝物がある。
地面に敷き詰めるように転がっている、シャテーニュと呼ばれる甘くて大きい栗。
人のあまり行かない、ゴルフ場にあったスズランの群生地。
等々。
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