1970/08 - 1970/08
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片瀬貴文さん
事務所までは、車で通うことが多かった。
客を迎えたり、案内したりする機会が多く、車の方が能率的だからだ。
タクシーを使うと、予算が足りなくなる。
朝は渋滞に巻き込まれ、日曜ならば15分のところを1時間近くかかる。
しかしセーヌ河の季節の移り変りを愛でながらの渋滞は、ゆとりの時間として楽しみである。
サントノレを通りながら、ファッションの変化を見る喜びもある。
ラジオを通じて、フランス語のヒヤリング力を磨くチャンスでもあった。
パリ生活三ヶ月目くらいのある朝、通勤車上でラジオのニュースを聞きながら、突然あることに気がついた。
それまでは漠然と理解していたニュースの、ある部分が理解できていないことだった。
言葉の中で、どの部分が判らないかがはっきりすることは、語学上達の一ステップである。
パリの運転は、世界でもその荒さに定評があった。
アメリカのガイドには「パリに入るときには、郊外の駐車場に車を預けろ」と書いてある。
しかし慣れてしまえば、何のことはない。
他の運転がいかに荒くとも、自分のペースを守っておれば良いからだ。
フランス生活は、昼夜を問わず飲酒の機会が多い。
しかし、飲酒運転には極めて寛容。
両手を水平に広げ、親指を同時に動かして、前を向いたままそれが視野に入れば、運転してよい。
それが、運転免許試験での、正答である。
ワイン250mlに、コニャック1カップが限界と教えられるが、飲酒運転取締りが全くないので、誰も守らない。
取締りが始まったのは、1970年代の半ばだった。
道路沿いの売店で、血液内アルコール量の自己測定器が売り出され、驚いたものだ。
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