1970/08 - 1970/08
16230位(同エリア17107件中)
片瀬貴文さん
事務所のあるリシュリュー通りは、パリの全ての道路のように、両側に歩道が完備されている。
しかし車道は狭く、駐車すれば残りの幅は一車線、もちろん一方通行である。
街には小さな商店が並び、こじんまりとした木の茂る公園があって、
家族4人で泊まった最初のホテルは、その公園の近くだった。
古い建物らしく、窓が小さくて暗い。
事務所は近いのだが、町の中心なので高いのが欠点。
三ヵ月後の7月には、前任者のマンションに入ることにしていたが、それまでホテルに滞在することは無理なので、当面短期契約のマンション探しが必要だった。
適当な貸しマンションが見つかるまで、とりあえず町はずれポルト・ド・サンクルーの安宿の一室に越し、そこからメトロで通勤する。
ベッドを4つも入れて足の踏み場もない、穴蔵のような部屋に閉じ込められた家内や子供たちは、せっかく華のパリにやって来たのに、さぞ恨めしかったことだろう。
言葉が出来ないので、外出もままならないのだ。
一日も早く住居を探して子供を学校に入れ、落ち着きたい。
住居探しは、最初のうちは夢があって楽しいが、やがて目が肥えると共に疲れ、苦しみに変わってくる。
そこまで追い込まれた辺りが、決断の頃合いだ。
目が肥える前の早すぎる決断は、後悔の元らしい。
毎日業務の隙をぬいながら、新聞広告を種に一家で何軒もの物件を訪ね、まあまあと家族一同が賛成するものに出くわすまでに、二週間近くかかる。
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