ウィーン旅行記(ブログ) 一覧に戻る
コーヒーサイフォンで入れて貰った美味しいコーヒーを飲みながら、今までの旅のコースや、これからの予定を彼に話していた。 明日は在ウイーンのハンガリー大使館に行って、ビザを取得する予定だと彼に話すと、去年2週間程ハンガリーのバラトンという湖畔でバケーションを取ったという。かって両国は緊密な関係でオーストリア人はビザなしでハンガリーに行けるらしい。 ハンガリーの貨幣単位であるフォリントはオーストリアにいるうちに両替えしておいた方が、いいというアドバイスはよく判っていた。そんな話をしているうちに、ドアがノックされ、彼に面会人が来たらしい。私達は部屋を出て、コミュニケーションルームで、カールが呼んでくれた日系アメリカ人留学MikiーYoshi○○と挨拶を交わした。<br /><br />日本人の私に気遣って日系の留学生に連絡を取ってくれたに違いなかった。その心遣いが嬉しかった。彼女は両親とも日系で顔立ちは日本人そのままでもマインドはアメリカ人という事はすぐに感じられた。銀縁眼鏡が似合うとても知的な印象だった。私のミコノスでの日焼け振りに ホントに日本人なの?とからかうように尋ねる。私はおどけながら、たどたどしく答える。「この英語の下手さ加減が立派な日本人でしょ?」 彼女がカラカラと笑った。私も一緒になって笑った。カールは困ったような感じで笑っている。<br />英語しか話さないmikiはロサンゼルスの郊外に住み、二年間の予定でウイーン大学にドイツ語取得の為の留学で来ているという。何故、西ドイツに留学でなくオーストリアなの?と尋ねると彼女はとても長い答えを用意していて、私の貧弱な英語力では意味不明のままだった。<br /><br /> 私達は街に出ることにした。地下鉄に乗り込むが、しかし改札の類はない。欧州では市電にしてもチケットは停留所の自動発券機で購入したりするケースがしばしばだった。チケットを買わず、乗り込む輩は外国人旅行者が多い感じがする。私はフランクフルトでもミュンヘンでも市電に乗車の際、チケットを購入した記憶がほとんど無い。<br />無賃乗車だった。<br />このウイーンの地下鉄で検札の際、チケットを持っていなければ有無を言わせず、2000シリングの罰金を取られるとカールが云う。フランクフルトの市電は無賃乗車は50マルク<¥6000>の罰金を徴収すると5カ国語で表示されていたことを思い出した。<br /><br />「まずアイスクリームがウイーンで一番美味しい所に行こう!」私達が地下鉄で移動し、地上に出たところがまさにアイスクリーム・プラザと呼ぶに相応しい場所だった。道行く人、腰掛けている人や、誰もがアイスクリームを食べているのだ。そこの店はかなりの行列が何列も並び、アイスクリーム買いの順番を待っていた。アイスクリームを3種程ミックスしたものを注文した。確かに美味だった。アイスクリームを3人で舐めながら腰かけて何処に行きたいかと尋ねてきたカールに、私はウイーンで一番美味しいウインナコーヒーを飲みたいと訳の判らない事を云ってみた。 カールは怪訝そうな表情を浮かべる。<br />次にウインナコーヒーとは何ぞや?と尋ねてきた。私はビエンナ・コーヒーと言い直してみた。コーヒーの上に生クリームがフロートしているの、知らない?と私が尋ねると知らないと言う。MIKIも怪訝そうな表情を浮かべている。う〜〜〜ん、、ウイーン風コーヒー、、あれは日本のオリジナルだったのかなあと思うようになった。と同時に自分の考えや云いたい事を英語で充分に相手に伝えられないことにもどかしさを感じてきた。<br /><br />私達はゴシック建築の連なる青葉茂れるウイーンの5月の街並みをゆっくりと歩いた、映画が掛かってるのを見てMIKIがディズニー映画をみようよと提案し、私達は館内に入った。子供の姿は、ほとんど見えず、若い学生が多いような気がした。とにかく彼等はとてもよく笑うのだ。そういえば何日か前にいたリンツでは千葉真一の空手映画が掛かっていた。 アミューズメント的娯楽は極端に少ないように感じた。                             映画館から出ると、街並みはすっかり暗くなっていた。 <br />美味しいワインの店に行こうというカールの提案で私達は半地下の石造りの煉瓦で囲まれたワイン・レストランにはいった。各テーブルの中央には大きな蝋燭の炎が灯り、くすんだ厚いテーブルが歴史の深さを感じさせるような店だった。ここはwarm wineの店として知られているようでホットワインを飲ませてくれるのだ。芳香なワインが熱いまま出される。日本酒の熱燗のような感じに近かったかもしれない。雰囲気が良かった所為もあり、とても美味しかった。私は何度もグラスワインで出される温かいワインをお代わりしながら、とてもいい気持ちになり昼間の寡黙さ?は消えていった。それぞれの将来の夢などを3人がそれぞれの思いと希望を重ねて語った。拙い語学力がもどかしかったが、時折揺れる蝋燭の灯が美しい輝きを持ってカールとmikiの顔を浮かび上がせる。<br />一期一会の出会いが私をこの場所にもたらしていると思うと、言葉に出来ぬ程の不思議な感覚になった。蝋燭の炎の揺らめきを、時折じっと見つめながら、遅くまで私達はそのワイン酒場で共通の時を持った。とても気持ちの良いウイーンの夜だった。<br /><br />

一期一会・・・ ウイーン編 その2

4いいね!

1979/02 - 1980/01

4633位(同エリア6489件中)

6

0

kio

kioさん

コーヒーサイフォンで入れて貰った美味しいコーヒーを飲みながら、今までの旅のコースや、これからの予定を彼に話していた。 明日は在ウイーンのハンガリー大使館に行って、ビザを取得する予定だと彼に話すと、去年2週間程ハンガリーのバラトンという湖畔でバケーションを取ったという。かって両国は緊密な関係でオーストリア人はビザなしでハンガリーに行けるらしい。 ハンガリーの貨幣単位であるフォリントはオーストリアにいるうちに両替えしておいた方が、いいというアドバイスはよく判っていた。そんな話をしているうちに、ドアがノックされ、彼に面会人が来たらしい。私達は部屋を出て、コミュニケーションルームで、カールが呼んでくれた日系アメリカ人留学MikiーYoshi○○と挨拶を交わした。

日本人の私に気遣って日系の留学生に連絡を取ってくれたに違いなかった。その心遣いが嬉しかった。彼女は両親とも日系で顔立ちは日本人そのままでもマインドはアメリカ人という事はすぐに感じられた。銀縁眼鏡が似合うとても知的な印象だった。私のミコノスでの日焼け振りに ホントに日本人なの?とからかうように尋ねる。私はおどけながら、たどたどしく答える。「この英語の下手さ加減が立派な日本人でしょ?」 彼女がカラカラと笑った。私も一緒になって笑った。カールは困ったような感じで笑っている。
英語しか話さないmikiはロサンゼルスの郊外に住み、二年間の予定でウイーン大学にドイツ語取得の為の留学で来ているという。何故、西ドイツに留学でなくオーストリアなの?と尋ねると彼女はとても長い答えを用意していて、私の貧弱な英語力では意味不明のままだった。

 私達は街に出ることにした。地下鉄に乗り込むが、しかし改札の類はない。欧州では市電にしてもチケットは停留所の自動発券機で購入したりするケースがしばしばだった。チケットを買わず、乗り込む輩は外国人旅行者が多い感じがする。私はフランクフルトでもミュンヘンでも市電に乗車の際、チケットを購入した記憶がほとんど無い。
無賃乗車だった。
このウイーンの地下鉄で検札の際、チケットを持っていなければ有無を言わせず、2000シリングの罰金を取られるとカールが云う。フランクフルトの市電は無賃乗車は50マルク<¥6000>の罰金を徴収すると5カ国語で表示されていたことを思い出した。

「まずアイスクリームがウイーンで一番美味しい所に行こう!」私達が地下鉄で移動し、地上に出たところがまさにアイスクリーム・プラザと呼ぶに相応しい場所だった。道行く人、腰掛けている人や、誰もがアイスクリームを食べているのだ。そこの店はかなりの行列が何列も並び、アイスクリーム買いの順番を待っていた。アイスクリームを3種程ミックスしたものを注文した。確かに美味だった。アイスクリームを3人で舐めながら腰かけて何処に行きたいかと尋ねてきたカールに、私はウイーンで一番美味しいウインナコーヒーを飲みたいと訳の判らない事を云ってみた。 カールは怪訝そうな表情を浮かべる。
次にウインナコーヒーとは何ぞや?と尋ねてきた。私はビエンナ・コーヒーと言い直してみた。コーヒーの上に生クリームがフロートしているの、知らない?と私が尋ねると知らないと言う。MIKIも怪訝そうな表情を浮かべている。う〜〜〜ん、、ウイーン風コーヒー、、あれは日本のオリジナルだったのかなあと思うようになった。と同時に自分の考えや云いたい事を英語で充分に相手に伝えられないことにもどかしさを感じてきた。

私達はゴシック建築の連なる青葉茂れるウイーンの5月の街並みをゆっくりと歩いた、映画が掛かってるのを見てMIKIがディズニー映画をみようよと提案し、私達は館内に入った。子供の姿は、ほとんど見えず、若い学生が多いような気がした。とにかく彼等はとてもよく笑うのだ。そういえば何日か前にいたリンツでは千葉真一の空手映画が掛かっていた。 アミューズメント的娯楽は極端に少ないように感じた。                             映画館から出ると、街並みはすっかり暗くなっていた。 
美味しいワインの店に行こうというカールの提案で私達は半地下の石造りの煉瓦で囲まれたワイン・レストランにはいった。各テーブルの中央には大きな蝋燭の炎が灯り、くすんだ厚いテーブルが歴史の深さを感じさせるような店だった。ここはwarm wineの店として知られているようでホットワインを飲ませてくれるのだ。芳香なワインが熱いまま出される。日本酒の熱燗のような感じに近かったかもしれない。雰囲気が良かった所為もあり、とても美味しかった。私は何度もグラスワインで出される温かいワインをお代わりしながら、とてもいい気持ちになり昼間の寡黙さ?は消えていった。それぞれの将来の夢などを3人がそれぞれの思いと希望を重ねて語った。拙い語学力がもどかしかったが、時折揺れる蝋燭の灯が美しい輝きを持ってカールとmikiの顔を浮かび上がせる。
一期一会の出会いが私をこの場所にもたらしていると思うと、言葉に出来ぬ程の不思議な感覚になった。蝋燭の炎の揺らめきを、時折じっと見つめながら、遅くまで私達はそのワイン酒場で共通の時を持った。とても気持ちの良いウイーンの夜だった。

この旅行記のタグ

4いいね!

利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。 問題のある投稿を連絡する

この旅行記へのコメント (6)

開く

閉じる

  • 名古屋やんさん 2014/02/02 17:42:32
    ウイーンの雰囲気感じました。
    いつの間にか年が明け早2月になっておりました。

    今年も勝手伺いさせていただきますのでよろしくお願いいたします。

    4トラは進化し続け、kioさんの旅行記もどこに迷い込んだかとアタフタ。

    バックパッカーと水牛の絵は紛れもなくkioさんのページでした。

    ウイーン1を読んだら続きが気になりやっぱり読ませますね。
    行ったこともないウイ-ンに3人の姿をみました。


                名古屋やん

    kio

    kioさん からの返信 2014/02/03 21:48:14
    ウィーンにウインナコーヒーは無く、ナポリにナポリタンは無い(ー_ー)!!
    名古屋やんさん こんばんわ

    書き込み&投票ありがとうございます。

    文中のカール君に本場のウインナコーヒーを飲みたいと
    云ったら、彼は?????何それ???という
    眼と表情を見せたものでした。
    ホィップクリーム・フローティング・オン・ザ・コーヒーみたいな
    事を云ったら、益々何それ??という表情を見せたものでした。

    後年 彼が東京に来た時に、喫茶店でウインナコーヒーを
    御馳走しました。日本ではこれをウインナコーヒーと
    云うんだよと云うと、why??を連発したものでした。
    whyと云われて私もすっかり困った記憶があります。

    ナポリタンも日本のオリジナルみたいですね
    ナポリでナポリタンのパスタをオーダーしても
    ナポリタンは出てこない(爆)

    相変わらず 妙なレスになっちまいました(*^_^*)



    名古屋やん

    名古屋やんさん からの返信 2014/02/04 06:41:04
    RE: ウィーンにウインナコーヒーは無く、ナポリにナポリタンは無い(ー_ー)!!
    >
    > 後年 彼が東京に来た時に、喫茶店でウインナコーヒーを
    > 御馳走しました。日本ではこれをウインナコーヒーと
    > 云うんだよと云うと、why??を連発したものでした。
    > whyと云われて私もすっかり困った記憶があります。

    笑。困りますよね。でも、正直な感想ですね。
    >
    > ナポリタンも日本のオリジナルみたいですね
    > ナポリでナポリタンのパスタをオーダーしても
    > ナポリタンは出てこない(爆)
    >

    日本人のネーミングが上手なのに日本人向けで理解されず残念だー

    > 相変わらず 妙なレスになっちまいました(*^_^*)

    面白いレスでした。

    また、新作も期待しています。

                 名古屋やん
  • SUR SHANGHAIさん 2008/04/13 08:32:49
    おひさしぶりです
    お元気ですか? (*^0^*)

    先日、昔はお互いにバックパッカーで、今も交流している友人(男)とチャットしていたんですが、「昔は旅先で出会う人たちは違ってたよね、すぐにあちこちでお友達になれたよね。その後一緒に遊びに行ったり再会したり…。あの頃旅で出会った人たちはどこに行ってしまったんだろう。」なんていう話になりました。

    私の結論としては…、
    何のことはない、自分たちがあの若い頃を通り抜けてしまって、そういうことがなくなる(=できなくなる?)年代に入っていたのでありました。

    いつの間にか年を重ねて、昔の旅を振り返る時間が多くなる…。
    あの頃に比べるとある程度お金もできて、行き先と旅のスタイルを選択できるようになったら、それと引き換えのように何かを失くしてしまった…。
    ノスタルジーを味わえるお年頃になったと思います。
    この旅行記を再読して、しみじみそう感じました。

    いつになくセンチメンタルな書き込みで失礼しました〜。m(__)m

    kio

    kioさん からの返信 2008/04/13 22:22:06
    RE: おひさしぶりです
    sur shanghaiさん お久しぶりでっす!
    私も思わず、センチメンタルな思いに浸ってしまうような
    ナイスな書き込みを頂きありがとうございます。


    >「昔は旅先で出会う人たちは違ってたよね、すぐにあちこちでお友達になれたよね。その後一緒に遊びに行ったり再会したり…。あの頃旅で出会った人たちはどこに行ってしまったんだろう。」なんていう話になりました。

    (゜゜)(。。)(゜゜)(。。)ウンウン
    自分も70年代に旅先で邂逅、遭遇した幾人ものバックパッカー達と
    いまだに付き合いがあります。僅か数日、旅を共にしただけなのに
    生涯の友人関係になっていくのは不思議な気もします。

    そして今になって振り返って判るのですが、旅をしていた一年間の日々は
    自分にとって青春のハイライトだったような気もします。


    >私の結論としては…、
    何のことはない、自分たちがあの若い頃を通り抜けてしまって、そういうことがなくなる(=できなくなる?)年代に入っていたのでありました。

    そうですね だから自分は<がまだす@熊本>さんのように
    齢を重ねてもバックパッカーな旅をされている方が
    とてつもなく眩しくみえてしまいます。(*^_^*)





  • チビケイさん 2005/04/16 19:41:32
    kioさん、ウィーンでの一期一会とっても心地よい気分にさせて頂けましたm(__)m
    kioさん、明日からの旅報告に来て見ると新しい
    旅行記が出ていましたので早速拝見させて頂きました。
    私のように決まりきった旅行だと味わえない旅先での人達との
    関わりがとても羨ましくまた素晴らしい宝物のように感じます。

    きっと今も美味しいホットワインの味は覚えていらっしゃるでしょうね(^^♪
    人と人とのさり気なくそして暖かい縁、大切に時間の宝物。
    心地よく読ませていただけた事に心より感謝していますm(__)m

    チビケイは明日より短いバリ旅行へ行って来ます〜
    帰ってきたらきっとまたkioさんの旅行記が増えているのではと、
    楽しみにしています(*^。^*)

    では行って来ます(^.^)/~~~

kioさんのトラベラーページ

コメントを投稿する前に

十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?

サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)

報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。

旅の計画・記録

マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?

オーストリアで使うWi-Fiはレンタルしましたか?

フォートラベル GLOBAL WiFiなら
オーストリア最安 478円/日~

  • 空港で受取・返却可能
  • お得なポイントがたまる

オーストリアの料金プランを見る

フォートラベル公式LINE@

おすすめの旅行記や旬な旅行情報、お得なキャンペーン情報をお届けします!
QRコードが読み取れない場合はID「@4travel」で検索してください。

\その他の公式SNSはこちら/

PAGE TOP