内部の見学はガイドツアーのみで1人15ユーロでした
- 5.0
- 旅行時期:2024/08(約1年前)
-
-
by まめ夫婦さん(男性)
その他の都市 クチコミ:1件
Heinolanから車で1時間ほどで、世界文化遺産に登録されている「ヴェルラ砕木 板紙工場」に到着しました。フィンランドは国土の70%以上が森林に覆われ、残りの多くも湖や川で占められています。この豊かな自然を生かして誕生したのが「ヴェルラ砕木・板紙工場」です。19世紀末の工場建築特有の赤レンガの外観。工場は川沿いに位置しており、当時の水車や建物が保存された姿そのままに残されていました。この工場は1872年に創設され、19世紀後半に確立された技術を用いて木材を砕き、板紙を生産する施設として、フィンランドの製紙業発展の一端を担いました。外観は無料で見学可能ですが、内部を見学するにはガイドツアーに参加する必要がありましたので、12時のガイドツアーに参加しました。ツアー料金は1人15ユーロでした。ツアーでは、工場内の生産プロセスが丁寧に紹介されました。ガイドはフィンランド語のみでしたが、日本語の説明プレートを貸してくれたのと、Google翻訳で訳しながらついていったのと、最後の映像に日本語の字幕をつけてくれたのでよくわかりました。周囲の森で伐採されたモミの木が運び込まれ、50cmほどの丸太に切られた後、圧力をかけて1mm程度のチップに加工されます。このチップに川の水が加えられ、ドロドロとしたパルプへと変化。最終的に板紙として仕上げられました。この板紙は、軽くて丈夫という特徴から、本の表紙や箱などの材料としてヨーロッパやアメリカへ輸出されました。工場では、労働者の40%以上が女性で、長時間の労働にもかかわらず、男性の6割程度の賃金で働いていたとのことでした。印象的だったのは、ある女性労働者の「マリア・ワットソン」さんの話でした。彼女は51年間も同じ作業を続け、その結果、床に彼女のかかとが動いた跡が残っていました。また、紙を乾燥させるために作業中に出た木屑は燃料として利用されるなど、無駄が一切ありませんでした。100%自然素材で作られた板紙は化学薬品を一切使用しておらず、現在の基準ではコストがかかりすぎて採算が取れない製法だということです。「ヴェルラ砕木・板紙工場」が世界遺産に登録された理由の一つは、工場だけでなく周囲の森や湖が自然と一体化した景観が評価されたことにあります。この豊かな自然の恵みが、工場の存在を支えていたのです。施設自体は1964年に老朽化のため閉鎖されましたが、現在では博物館として保存され、フィンランドを代表する産業遺産となっています。19世紀にフィンランドの経済を支えた製紙業の歴史に触れることができて満足度は高かったです。
- 施設の満足度
-
5.0
- 利用した際の同行者:
- カップル・夫婦
- 観光の所要時間:
- 1-2時間
- アクセス:
- 5.0
- コストパフォーマンス:
- 5.0
- 人混みの少なさ:
- 5.0
- 展示内容:
- 5.0
クチコミ投稿日:2024/08/31
いいね!:0票
利用規約に違反している投稿は、報告することができます。 問題のある投稿を連絡する